千早茜のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ桜で繋がる短編集。
千早さんらしく、ちょっと変わっていて厄介な問題を抱えている人達の7つの物語。
特に『花荒れ』が印象深い。
桜はずるい。
あっという間に消えてしまうくせに、人を惹き付けて止まない。
毎年春になれば咲くと誰もが知っているのに、いつだって桜を見る度に目も心も奪われ切ない想いが込み上げる。
春先のちょっと肌寒い季節、桜に誘われて出逢う人達。
ぼんやり淡く漂う空気感がそんな迷える人達を一瞬で惑わす。
けれどどの短編もラストはほんのり明るい。
「桜」の不思議なパワーが人と人を繋ぎ合わせる。
「あとがき」にあった、アフリカのザンビアで千早さんが見たという紫色の桜が見てみたくなった。 -
-
-
-
Posted by ブクログ
スカイツリーのお膝元の架空の商店街を舞台に、7人の作家さんがお店を開店、短編を繋ぐアンソロジー。
まず設定が面白い。
そして文体も手法もそれぞれ違うのに、なんだろう、違和感なく一冊まるっとアンソロジーとしてではなくひとつの作品としてまとまっている印象。
それぞれの物語にちょっとずつ他のお話のお店が登場して、繋がっている感じがいい。
よそのお店が出てくると、もう一回その店のお話に戻って読んでしまったりして、実際に商店街を歩くように、あっちこっち寄り道しながら読んでしまう本。
そして最後のお話のラストのラストで、また一番最初のお店にお客さんを呼び戻しちゃうあたりが、うまいなぁ〜!
一冊 -
Posted by ブクログ
8篇の物語が収められている。
今回の物語に特徴的なのは、「小説とは何か」という疑問だ。
「青と赤の物語」では、物語が禁止された世界を描いている。
物語があるから悪いことをする人がいる、そんな考えを持ったエライヒトたちが物語を禁じてしまったのだ。
全く因果関係はないのに、AだからBと決めつけてしまったのだ。
物語は、文学は、何の役にも立たない。
本当にそうだろうか。
物語は時に残酷なものも、悲しいものも、苦しいものもあり、そんな世界を目にするのは時には恐ろしい。
けれども、そんな世界があるから救われる人もいる。
物語に書いてあることは、どんな物語にせよ、誰かから、読者に、あなたに、向けたメッセ -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、小説にまつわるアンソロジー。
ラノベっぽい軽さのものが多くて中高生向けかな。
それでも小説の存在意義を説くような話が読めてなんだか嬉しかったです。
本を読んで驚いたり、感動したり、幸せな気持ちになったり、そういう純粋に読書を楽しんでいた頃の初々しさを思い出しました。
「青と赤の物語」 加藤千恵
「あかがね色の本」 千早 茜
「新刊小説の滅亡」 藤谷 治
この3つが好きです。
私の人生、何度小説に救われてきたんだろう。
探さなくてもいつだって必要なときは必ず寄り添ってくれてた。
その経験はその本とともに、何年経っても何が変容しても移ろわなくて、私にとって本当にかけがえのないも -
-