千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ第二弾はとばして。どれも面白かったが、やはり最後の藤谷治さんの『新刊小説の滅亡』。本に関わる全ての人の背筋を正すような問いかけ。もともこもないが結局本を読む人は新刊がなくても読むし、読まない人は最初から読まない。想像・創造の場が失われたわけでもない。原作なしオリジナル面白ドラマが増えるのも個人的には良い。確かに積ん読は増えてる。再読で事足りるかもしれない。「青」と「赤」のように埋もれていた既刊小説に救われる人もいる。
けど、「それでも……!」(by バナージ・リンクス『機動戦士ガンダムUC』)と言いたい。答えになってないが(笑)、う~ん、悩む。考えさせられる -
Posted by ブクログ
ひと言で表せば、気味の悪い話だった。
「アカイツタ」と「イヌガン」に2作から成る短編集かと思っていたら、2作が複雑に絡み合って、人の心の奥にある複雑な感情も絡み合っていて、作品全体に「アカイツタ」をまとっているような雰囲気。
産休の代理教師として、敬虔なカトリック系の女子高の美術教師として着任した萩原は、ツタの絡まる校舎の中に謎の少女の影を見かける。
そして、美術室には萩原が見かけたと思われる少女の肖像画が置かれていた。
現在の美術部員に聞くと、その作品を書いた生徒は入水自殺を図ったと言う。
返す宛のなくなった肖像画に陶酔していく萩原。
そんな時、卒業生である小波が現れ、その絵を引き取りたいと言う。その小波そこが肖像画のモデルであったことから、萩原は小波自身に魅入られていく。
萩原と小波に共通する子供の頃の親からの虐待の記憶。
その記憶をかき回そうとする小波の父であり、萩原の恩師である真壁。
歪んだ愛が描かれ、少しホラー的な要素もあるが、美術的な表現で、作中にも出て来るが、何だか原田マハの「サロメ」を読んでいるような感覚にもなる。
一転、「イヌガン」では幸せそうなカップルの日常が描かれる。
最初は全く関係のない2編と思わるが、物語が進むに連れ、「アカイツタ」の後日譚と明かされていく。
歪んだ愛情を描いた作品であり、決して気分のいい内容ではないが、他の方のレビューにもあるように耽美な雰囲気が全編を包んでおり、何とも言えない独特な読後感。
この作者さんの作品は何作か読んでいるが、それぞれ読後感が違っており、捉えどころがない作家さんだと思う。