恩田陸のレビュー一覧

  • ネバーランド

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    子供である自分と大人になりつつある自分の折り合いの付け方に悩んだ昔が思い返される。
    ここまで壮絶な背景がなくても、そういうモラトリアムは誰にでもあるんだろうな。
    戻れない時代と場所にノスタルジーを感じる、秀逸なタイトルだと思う。
    必要以上に湿度が高くないところや、年末の雰囲気も好き。

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    2026年01月30日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    切ない。これは切ない。これだけは言っておきたい。悲しみもあるが、切なさの方が先に立つ。過去、過ぎ去った歴史の物語を読んでいるはずなのだが、どうにも今、この時代を読んでいるような感覚まである。
    戦前の長閑だが、どこか不穏な気配がする時代の空気が見事だし、そこにいる不思議な人々のユーモラスで、ふわふわした存在感が見事だ。そこにいないはずなのに、いそうな感じがするのだ。
    ファンタジー、ではあるのだろうが不思議さと人の世の儚さをテーマにした群像劇でもある。恩田陸、不思議を不思議のままに描かせたら右に出る者のいない作家である。

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    2026年01月27日
  • ドミノin上海

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    ドタバタ劇再び!期待通り面白いし、前回に比べてコメディが増した。読んでて思わず笑ってしまうので電車ではお勧めしない。読後スッキリというより、途中が特に面白い。

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    2026年01月26日
  • 麦の海に沈む果実

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    世界観もお話も好みすぎて、ページを捲る手が止まらなかった!自分も湿原にいるかのような読書体験が出来た。黎二とヨハンが特に好きなキャラクター
    他の理瀬シリーズも読んでみたい!!

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    2026年01月20日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    最後の5ページがガツンと来る。村の美しく悲しい日々がこんな終着なのかと。

    村のお嬢様の話し相手に選ばれた主人公、峰子の「いつの世も、新しいものは船の漕ぎだす海原に似ているように思います」という回想から始まる書き出し。新天地の輝かしさだけでなく、失敗の恐怖にも触れられる。悪いことが起こるのだろうと端々からわかる。
    なのにあまりに村と人々が素敵なものだから、峰子と同じようにずっとこの日々が続いたらいいのになあと思いながら読んだ。

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    2026年01月24日
  • ネバーランド

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    短い期間を舞台に、集まってみんなの秘密や過去を話していくワンシチュエーションものが好きなんだと本作で分かった!

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    2026年01月18日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    どの作品も面白かった。
    有栖川有栖も恩田陸もそれぞれのらしさを短い話の中に上手く盛り込んできている感じでした。
    その中でも個人的には櫛木理宇の『追われる男』が面白かった。なんか、日常でもある感じで『さっき駅で見かけた人がこんな所に?』みたいな感覚。
    他のシリーズも時間があれば読んでみたい!

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    2026年01月17日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    久々の一気読みだった…!
    常野まだ続きますとあとがきで書いてくれてるので、わたくしいつまでも待ちます…

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    2026年01月13日
  • 木曜組曲 〈新装版〉

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    飛んでくるボールはストレートだと思いきや実はカーブがかかっていてそれに備えていたらホップアップしたかと思ったらグルグルとうずを巻いて最終的にどこかに消えていった──何を言ってんだコイツは、と言われそうだが本当にそうなのだから他に言いようがない。
    ラストまで読んで、なるほどなぁ、と納得はするのだが振り返って驚くのは本作の演出や描写の巧みさだ。単なる日常の風景、過去が疑惑の犯行現場に変わっていき、不穏さが充満する様が素晴らしい。何度読んでもやはり騙される。

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    2026年01月12日
  • ネバーランド

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    ネタバレ

    読み始めは、状況を掴むのに精一杯で、
    正直、せめてもっとわかりやすい名前を、
    建物を端的な情報をと思ってしまいました笑
    でも統の登場からどんどんページが進み、
    あっという間に読み切りました!

    4人とも抱えている背景がかなり重いものなのに、
    告白して一夜明けるとあっけらかんとしているのは
    この少年時代ならではなのかなと思います。
    だからこそ重くなりすぎず、むしろ本音で語り合えた”仲間”になれたんだろうなとも思います。

    少年たちはあまりにも大人びていて、
    でも保護下でしか生活できない子供で、
    それゆえに儚さや危うさがある
    それが魅力として表れていました。

    きっと素敵な大人になってるんだろうなと思うと、
    成長した彼らに会ってみたいです。

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    2026年01月12日
  • なんとかしなくちゃ。 青雲編

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    この作品、恩田作品の中ではあんまり話題になってない気がするんだけど、めちゃくちゃ面白いじゃんか!もっと売らなくていいの!?

    恩田陸さんには珍しく、「ロジスティクス」がテーマになった作品で、主人公の結子があくまで沈着に、効率よく、かつ人情を大切にして問題解決していく。本作では結子が大学を卒業するまでを描いているのだけど、意外にもビジネスパーソンに読んでもらいたいような作品。社会人編が続編として出そう。

    昔の日本文学みたいに、作者が行間にひょっこり登場して最近考えていることや豆知識を披露する独特の文体も楽しい。ここに来て新境地の文体とは、恩田さんは本当に文学を愛し、愛された人だ。
    初期作品にはこういう脱線がたまにあったものの、最近なかったので、このテイストがまた戻ってきて嬉しい。映画やドラマにするのは難しい、文学ならではの良さだなあと思う。

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    2026年01月09日
  • 麦の海に沈む果実

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    職場の人がこの本を読んでると聞き、懐かしくなって再読。 やはりこの本は好きだ。 閉ざされた空間で進む物語。春や夏のはずなのに頭で浮かぶ映像はずっと暗い感じ。どの登場人物も腹のなかでなにを考えてるか全然わからん感じ。たまらない。 それでいて理瀬と黎二とヨハンの関係性も妄想が捗る。 そして最後の覚醒。 前回読んだときはショックだと感じたのに今回はとても魅力的に感じた。続編を読んだからこそだろう。 本格ミステリでもなくザ青春でもない。 それがこの本の好きなところ。

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    2026年01月07日
  • 愚かな薔薇 下

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    ネタバレ

    いや凄まじいSF!
    まかさ、磐座という地から地球、宇宙規模のSFの話に発展するとは思わなかった!
    こうやって地球の滅亡から人間たちは救われるんだと驚き
    誰も置いていかない?人類滅亡の方法があるのかと驚いた!結局みんな出来るようになるんだね。
    お金や権力を持って、自分だけ助かろう!と思う人は結局助からない、なんなら死ぬっていう、人間らしい愚かさも見られた。
    「愚かな薔薇」は愚かじゃなく、人間が生きていく?ために必要な手段だったんだと薔薇を通して知ることができた。伏線だったんだーと納得。
    面白かったー
    そして、城田姉弟がかわいそーよー汗
    いい人に出会えるといいね。

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    2025年12月31日
  • 愚かな薔薇 上

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    おすすめ作品、お借りしました!
    「麦の海に沈む果実」を思い出させるような、少年少女たちが閉鎖的な空間で未知と出会い、大人の陰謀めいたものに巻き込まれる話かな〜
    菜智と同じく読者は、「さとばらってなに?」「なんのために外海に行くの?」「自分の両親はどうしてそんなに噂されてるの?」と疑問ばかりだったけど周りに聞いていくうちに明かされる衝撃的な事実。
    まだまだ上巻だから何も分かってないけど、気になるのは帰ってくる舟がどんな悪い知らせを持ってくるのか?ということと、なぜ忠之が奈津を殺したのか?
    ミステリーの謎解きが不得意な私は、下巻でもただ話の流れに身を任せて、真実が解き明かされていくのを見ていきたいと思います!
    楽しみ!

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    2025年12月31日
  • 夜のピクニック

    匿名

    購入済み

    みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。
    高校最後の行事。二日間で約80キロを全校生徒で歩く歩行祭。クラスメイトと、親友と、時に他愛ない雑談をしながら、時に黙々とただ歩くだけ。
    実際近くにこんな高校があっても、たとえどんなに制服が可愛かろうと雰囲気が良かろうと、そんな行事がある時点で志望校にすら入れないと思いますが、読んでいると、どうしてうちの高校にはこんな、絶対に思い出に残る行事が無かったのかしらと思ってしまいます。

    #エモい #深い #共感する

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    2025年12月29日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    読んでいて辛くなりました。聡子様、ありがとう。お父様、ほんとご立派です。自身がそこにいたような気分になり。暫く動けなかった。

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    2025年12月23日
  • 図書室の海

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    『夜のピクニック』の、のほほんとした青春ストーリーにハマり、その前段『ピクニックの準備』も含んだ短編集なので買ったら、めちゃ裏切られた〜!

    他の短編が凄すぎてピクニック霞む笑

    どれも書き手が違うのか?くらい振り切れているし、後味が、、ね、、(その後を謎に包んで終わるスタイル)

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    2025年12月21日
  • 七月に流れる花

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    七月と八月で一冊になってるほうもあったのに、タイガのこの表紙が可愛くてこっちで読んだ。
    とりあえず八月のほうも一気に読む。

    もともと児童書だったこともあって、恩田陸にしてはわかりやすく謎解きをしてくれている。
    不穏さが漂う夏、不思議な夏の城、流れる花。みどり。
    最高だな恩田陸〜〜

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    2025年12月17日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    非常に評価が難しい作品。作品自体は解釈の仕方で評価が分かれると思う。
    私は謎の常野一族の一面を垣間見れて面白かったと思う。

    現代ホラーサスペンスというカテゴリになるのだろうか。
    ただ前作の蒲公英草紙との温度差にびっくりしてしまった。


    前作までは一族の光の部分に焦点を当てた物語だった。
    今回は一族の影の部分に焦点を当てた作品として、私は解釈した。
    超能力を持っているが一族が人間である以上、影があるわけだ。

    一節で、「非常灯に照らされた部屋を深海のよう」という表現が気に入った。
    私の中でぼんやりとしていたイメージが言葉にされたようで感動した。
    そして文章の内容が頭の中にイメージとして浮かぶため、没入感がすさまじかった。
    全体的にホラーサスペンス要素があるため、なおさら引き込まれてしまった。

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    2025年12月16日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    日本人として避けてはいけない事実に対して、人としてどう向き合うか。
    人は互いに心通わせ生きていく。歴史的な悲劇も「歴史」として目を向け大切に互いで共有しないといけない。

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    2025年12月15日