恩田陸のレビュー一覧

  • 木曜組曲 〈新装版〉

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    飛んでくるボールはストレートだと思いきや実はカーブがかかっていてそれに備えていたらホップアップしたかと思ったらグルグルとうずを巻いて最終的にどこかに消えていった──何を言ってんだコイツは、と言われそうだが本当にそうなのだから他に言いようがない。
    ラストまで読んで、なるほどなぁ、と納得はするのだが振り返って驚くのは本作の演出や描写の巧みさだ。単なる日常の風景、過去が疑惑の犯行現場に変わっていき、不穏さが充満する様が素晴らしい。何度読んでもやはり騙される。

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    2026年01月12日
  • ネバーランド

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    ネタバレ

    読み始めは、状況を掴むのに精一杯で、
    正直、せめてもっとわかりやすい名前を、
    建物を端的な情報をと思ってしまいました笑
    でも統の登場からどんどんページが進み、
    あっという間に読み切りました!

    4人とも抱えている背景がかなり重いものなのに、
    告白して一夜明けるとあっけらかんとしているのは
    この少年時代ならではなのかなと思います。
    だからこそ重くなりすぎず、むしろ本音で語り合えた”仲間”になれたんだろうなとも思います。

    少年たちはあまりにも大人びていて、
    でも保護下でしか生活できない子供で、
    それゆえに儚さや危うさがある
    それが魅力として表れていました。

    きっと素敵な大人になってるんだろうな

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    2026年01月12日
  • なんとかしなくちゃ。 青雲編

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    この作品、恩田作品の中ではあんまり話題になってない気がするんだけど、めちゃくちゃ面白いじゃんか!もっと売らなくていいの!?

    恩田陸さんには珍しく、「ロジスティクス」がテーマになった作品で、主人公の結子があくまで沈着に、効率よく、かつ人情を大切にして問題解決していく。本作では結子が大学を卒業するまでを描いているのだけど、意外にもビジネスパーソンに読んでもらいたいような作品。社会人編が続編として出そう。

    昔の日本文学みたいに、作者が行間にひょっこり登場して最近考えていることや豆知識を披露する独特の文体も楽しい。ここに来て新境地の文体とは、恩田さんは本当に文学を愛し、愛された人だ。
    初期作品には

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    2026年01月09日
  • 麦の海に沈む果実

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    職場の人がこの本を読んでると聞き、懐かしくなって再読。 やはりこの本は好きだ。 閉ざされた空間で進む物語。春や夏のはずなのに頭で浮かぶ映像はずっと暗い感じ。どの登場人物も腹のなかでなにを考えてるか全然わからん感じ。たまらない。 それでいて理瀬と黎二とヨハンの関係性も妄想が捗る。 そして最後の覚醒。 前回読んだときはショックだと感じたのに今回はとても魅力的に感じた。続編を読んだからこそだろう。 本格ミステリでもなくザ青春でもない。 それがこの本の好きなところ。

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    2026年01月07日
  • 愚かな薔薇 下

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    ネタバレ

    いや凄まじいSF!
    まかさ、磐座という地から地球、宇宙規模のSFの話に発展するとは思わなかった!
    こうやって地球の滅亡から人間たちは救われるんだと驚き
    誰も置いていかない?人類滅亡の方法があるのかと驚いた!結局みんな出来るようになるんだね。
    お金や権力を持って、自分だけ助かろう!と思う人は結局助からない、なんなら死ぬっていう、人間らしい愚かさも見られた。
    「愚かな薔薇」は愚かじゃなく、人間が生きていく?ために必要な手段だったんだと薔薇を通して知ることができた。伏線だったんだーと納得。
    面白かったー
    そして、城田姉弟がかわいそーよー汗
    いい人に出会えるといいね。

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    2025年12月31日
  • 愚かな薔薇 上

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    おすすめ作品、お借りしました!
    「麦の海に沈む果実」を思い出させるような、少年少女たちが閉鎖的な空間で未知と出会い、大人の陰謀めいたものに巻き込まれる話かな〜
    菜智と同じく読者は、「さとばらってなに?」「なんのために外海に行くの?」「自分の両親はどうしてそんなに噂されてるの?」と疑問ばかりだったけど周りに聞いていくうちに明かされる衝撃的な事実。
    まだまだ上巻だから何も分かってないけど、気になるのは帰ってくる舟がどんな悪い知らせを持ってくるのか?ということと、なぜ忠之が奈津を殺したのか?
    ミステリーの謎解きが不得意な私は、下巻でもただ話の流れに身を任せて、真実が解き明かされていくのを見ていきたい

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    2025年12月31日
  • 夜のピクニック

    匿名

    購入済み

    みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。
    高校最後の行事。二日間で約80キロを全校生徒で歩く歩行祭。クラスメイトと、親友と、時に他愛ない雑談をしながら、時に黙々とただ歩くだけ。
    実際近くにこんな高校があっても、たとえどんなに制服が可愛かろうと雰囲気が良かろうと、そんな行事がある時点で志望校にすら入れないと思いますが、読んでいると、どうしてうちの高校にはこんな、絶対に思い出に残る行事が無かったのかしらと思ってしまいます。

    #共感する #エモい #深い

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    2025年12月29日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    読んでいて辛くなりました。聡子様、ありがとう。お父様、ほんとご立派です。自身がそこにいたような気分になり。暫く動けなかった。

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    2025年12月23日
  • 図書室の海

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    『夜のピクニック』の、のほほんとした青春ストーリーにハマり、その前段『ピクニックの準備』も含んだ短編集なので買ったら、めちゃ裏切られた〜!

    他の短編が凄すぎてピクニック霞む笑

    どれも書き手が違うのか?くらい振り切れているし、後味が、、ね、、(その後を謎に包んで終わるスタイル)

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    2025年12月21日
  • 七月に流れる花

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    七月と八月で一冊になってるほうもあったのに、タイガのこの表紙が可愛くてこっちで読んだ。
    とりあえず八月のほうも一気に読む。

    もともと児童書だったこともあって、恩田陸にしてはわかりやすく謎解きをしてくれている。
    不穏さが漂う夏、不思議な夏の城、流れる花。みどり。
    最高だな恩田陸〜〜

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    2025年12月17日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    非常に評価が難しい作品。作品自体は解釈の仕方で評価が分かれると思う。
    私は謎の常野一族の一面を垣間見れて面白かったと思う。

    現代ホラーサスペンスというカテゴリになるのだろうか。
    ただ前作の蒲公英草紙との温度差にびっくりしてしまった。


    前作までは一族の光の部分に焦点を当てた物語だった。
    今回は一族の影の部分に焦点を当てた作品として、私は解釈した。
    超能力を持っているが一族が人間である以上、影があるわけだ。

    一節で、「非常灯に照らされた部屋を深海のよう」という表現が気に入った。
    私の中でぼんやりとしていたイメージが言葉にされたようで感動した。
    そして文章の内容が頭の中にイメージとして浮かぶ

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    2025年12月16日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    日本人として避けてはいけない事実に対して、人としてどう向き合うか。
    人は互いに心通わせ生きていく。歴史的な悲劇も「歴史」として目を向け大切に互いで共有しないといけない。

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    2025年12月15日
  • 麦の海に沈む果実

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    ネタバレ

    様々な事件の犯人に仕立て上げられそうになったり、冷静だった理瀬が自分さえ分からなくなった時など、ハラハラが沢山あった。とにかく恩田さんの言葉には情景をリアルに想像させる力がある。黎二が麗子に刺された瞬間は、痛々しくも綺麗だった。

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    2025年12月13日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    惑うことなき古き良き日本人の心が描かれた作品。
    この作品には今を生きぬくための答えの一つが「しまわれている」と思う。

    常野の人は一人一人が特別な能力を持っている。
    この能力を自分のためでなく、人のために使うことが尊敬するところだと思う。

    力を持つものが富や名声を独占する今の世の中だからこそ「響く」と思う。

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    2025年12月10日
  • 私の家では何も起こらない

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    ネタバレ

    丘の上にひっそりとたたずむ家。
    幽霊屋敷とも呼ばれていて、過去に凄惨な事件や事故が多発していた。
    語り手が変わりながら物語が進むゴーストストーリー。
    私はホラーが苦手な方だが、リタイアすることなく最後まで楽しめた。
    喋り口調で進むお話が多くてテンポよく読める。
    家に住み着く幽霊たちがリフォームにやってきた大工の手伝いをする場面が面白かった。
    幽霊は悪い奴ばかりじゃないし、幽霊よりも人間のほうがよっぽど怖い、と不動産屋と大工の掛け合いを読んで感じた。

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    2025年12月07日
  • 六番目の小夜子

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    ネタバレ

    まだ手を出してなかった恩田陸先生のデビュー作。もっと早く読むべきだった。
    ジュブナイル小説のようなさわやかさと不安定で綻びがある思春期の青少年たちを描くのがこの頃からうまかったんだなぁと衝撃。

    学校という特殊な社会では色んな物事があって、不可解な出来事が起こったりするものだけど蓋を開けてみるとあっけない事実だけがそこにある。何か起こって欲しいとおもっている誰かがいて、何も起こっていないのにそれらしい事象の欠片を周りがはやしたてているだけなのかなとおもった。
    文化祭の「六番目の小夜子」の演劇が如実にこの本のあらすじを端的に表していて、わりと普通のストーリーなのに演じる"生徒"

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    2025年12月04日
  • 月の裏側

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    お手本のようなSFモダンホラーだ。間違いない。未読の方は幸せだ。情報など欠片も仕入れずにこの本を手に取り、頁を開け。夢か現かわからない悪夢にうなされる事は間違いない。保証する。
    20年振りに再読してもなお、本書は新鮮だ。奇妙な出来事に直面した登場人物たち、彼らが追っていく事件の一つ一つ、そして明らかになっていく真実と事件の姿……この様に静かに悲鳴をあげたくなった。大口を開けて悲鳴をあげるのではない。息を押し殺して心の中で叫ぶのだ。このねっとりとした、まとわりつくような恐怖は詩的で、郷愁を誘い、魅力的だからタチが悪い。一度取り込まれたら最期だ。もう引き返せない。

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    2025年12月03日
  • 麦の海に沈む果実

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    “三月以外の転入生は破滅をもたらす”と言われる湿原に囲まれた全寮制の学園が舞台の、なんとも幻想的な学園ミステリ。

    第四章で『三月は深き紅の淵を』が登場しそこから物語が一気に動き出す。散りばめられた伏線がもれなく回収されたとき緻密に作り上げられた構成にうなった。

    ----光の色を忘れそう

    こういう表現が情景に深みを出していてとても好き。ページをめくるごとにじわじわと『三月の国』の世界に引きずり込まれる感覚が心地よく、物語の中に身を置いて、実際に体感しているかのような少し重たい湿度をまとって味わい尽くした。

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    2025年11月30日
  • ネバーランド

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    大人になりかけの男の子達は、大人になりたい、そして本当の自分を知る友人を互いの居場所にしていく。大人になった時にあれは青春だったと思うだろう。
    友人は家族には見えない本当の、これからの自分を知る存在となる

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    2025年11月30日
  • 月の裏側

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    ●所感
    2025年、最も、考えさせられる小説かもしれません。

    いや、小説という括りが適当ではない書籍といえるかもしれません。

    感想は後日改めます。
    簡単には、書けないからです。
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    ●2025年12月記録 感想
    1.世界観
    『月の裏側』は、私たちを日常の裏側に潜む不確かな世界へと誘い込む、冷たくも美しい傑作です。

    物語の根幹を成す不可解な現象――人が唐突に失踪し、しばらく後に記憶を失ったまま戻ってくるという出来事と、街の至るところに溢れる水源という異様な設定から生まれています。

    2.テーマ
    この小説が提示するのは、「見えているものの本来の姿は何なのか?」という、哲

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    2025年11月29日