恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恩田陸のエッセイは、初めて読んだと思う。
この人の産み出す作品は、なるほど、こういう読者癖からくるのか、と。私も学生時代大好きだったアガサ・クリスティ、エラリー・クイーン。
本の紹介にかなりのページが割かれていて、思わず手帳にタイトルをずらずらと書き写しなが読んだ。
読みたい本がまた山ほど増えてしまったが。
途中の項で、「…小説家という生業なので、日本語は商売道具であり、日々、膨大な活字を読み、大量の文字情報に接している。その量は今後ますます増えることはあっても減ることは、もはやなさそうだ。」という一文に、小説家が生業ではない私も、闘志を燃やすところだった。
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購入済み
恩田陸先生ファンは必読です!
日本人作家だからか、ご自身のことをかなりへりくだって書いている面は少々気になりますが、図書館で借りて読んだ時に非常に面白かった覚えがあり、電子書籍にて購入しました!
目次で少しでも気になる項目があれば、読んでみてくださいね。 -
Posted by ブクログ
ファンタジー要素が土台ではあるが、主人公が共感できる感覚や志向を持っていて、それらが散りばめられているおかげで、物語を重みを持ったリアル感じられる。恩田陸さんの思想や社会、人間への印象を、物語を通じて感じられる。
後半にかけて、理瀬が狂っていく表現が堰を切ったように流れ出てきて、こちらも追い詰められるような恐怖感があった。
最後謎が少しずつ明らかにされるというよりかは、急に教えてもらえたような感じだったのが少し拍子抜けだった。
一つの物語として完全すぎて、理瀬の不安定な部分が作る世界観に惹かれたから、記憶を取り戻した理瀬の続編はもはや読みたくないまである。
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Posted by ブクログ
演劇のもつ構造への興味で書いたのが本作で、演劇をやる人間への興味で書いたのが後の「チョコレートコスモス」なんだろうなと思いました。
本来上演を目的とされる「戯曲」において、(本文にもあるように)セリフはただの「結果」。
俳優の行動にこそ本質があるので、言葉を使って1から10まで説明する「中庭の出来事」という戯曲は、「戯曲」てして読むととても珍しいです。
言い換えれば、戯曲部分がとても小説的です。
逆に、小説部分は余白が多く、読み手の解釈が求められます。それは、俳優が台本を読解する作業にも似て、とても戯曲的です。
展開として、どこからどこまでが演劇で〜というのももちろん面白いのですが、