恩田陸のレビュー一覧
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恩田陸は、描写がすごい。私は小劇場などでの観劇もするが、文字を読んでいるだけのはずなのに、実際に生で舞台を観に行ったあの時の感覚が、身体の中から沸き上がってくる。といっても、完全に同じ体験ではない。あれは舞台の再現ではなく、あくまで小説だ。観客席に座って、目の前で繰り広げられる芝居の応酬を浴びたあの感覚を想起しながら、同時に読書でしか味わえない体験もしている。目まぐるしく移り変わる視点人物に乗り移りながら、観客、演者、審査員の体験が自分のなかに雪崩込んでくる。こんな体験は小説じゃないと出来ない。恩田陸、本当にすごい。続編もあるらしいし、絶対に読む。
・響子がむっちゃ好き。自分がオーディショ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『spring』のスピンオフ短編集。
萬春自身や彼を取り巻く様々な人の視点からさまざまな時代、さまざまな状況の一幕が語られている。
いつでも、どこでも、誰からみても、やっぱりずぅっと萬春は素敵だった。
特に好きなのは「石の花」
フランツの現役引退の舞台で二人で踊る石の花が出来るまでと、彼等についてがえがかれている。二人の関係をフランツが「運命」とさらりと言ったのには痺れたね。
そして、ジャン視点の最後の章、ラスト1ページにほろりとした。
もっと、もっと、もっと、萬春と彼を取り巻く人々の物語を読みたい。ずっとこの世界に浸っていたい。萬春にあいたい。
読み終わったのがこんなにも寂しいなんて~~~っ -
Posted by ブクログ
どうして早く読まなかったのか!と思うほど、本当に本当に面白かったです!!
ドミノが倒れていくようにバタバタのコメディ群像劇!疾走感あふれる文章で読み始めたら一気読みでした!
登場人物が27人+1匹と多くても1人1人のキャラが濃いので混乱することなく、読めました。
何度も声を出して笑いました笑いくつもの並行したエピソードが1つに繋がっていく展開はとても面白かったです!伏線もきれいに回収されてすっきり!
以下解説に記載されていた登場人物についての紹介です↓
営業強化月間成績締切日のため、大口契約の書類を持ち帰る男とその男の到着をひたすら待つ保険会社の同僚たち。ミュージカル「エミー」の子役オーデ -
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ネタバレ好きな作家さんです。
恩田さんの作品の中でもこの作品は文章の綺麗さや巧みな表現などがぎゅと詰まったお話だなと思いました。
登場人物はほぼメインの2人だけですが、交互の視点でお互いの心の機微を描いていて、どんどん先が気になり物語に引き込まれていく感じがしました。
互いの事情や性格を知れば知るほど、男の狡さが見えて腹を立てながら読んでいましたが、最後は彼女が彼に対する愛が違うものだと気づき、それを絶妙なやり取りで彼に思い知らせることができたので、私もスッキリしました。
男女の別れの物語として、男女の色々が詰まったとても素敵な作品でした。
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「うぐいす館」で催される重松時子を偲ぶ宴での話。
ライターの絵里子、流行作家の尚美、純文学作家のつかさ、編集者のえい子、出版プロダクション経営の静子。
重松時子の死の真相に迫っていく心理ミステリーでした。
みんなそれぞれ秘密や嘘を抱えており、少しずつ明らかになっていくのはハラハラして面白かったです!
時子の死の真相が明らかになった後、それぞれがまた日常に戻っていく様子が余韻を感じて良かったです。そして、最後に各視点からの真相も分かり、最後まで驚き楽しむことができました。
宴の女子のわちゃわちゃした会話はリアリティがあり、面白かったです。ポトフやキッシュというふるまわれる料理の描写も食べた -
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アパートの一室で最後の夜を過ごす男女の話。
ミステリーというより恋愛小説という感じでした。男女の視点が交互に変わることで、お互いへの気持ちが深掘りされていって面白かったです!腹の探り合い、猜疑心など心理戦もヒリヒリしながら読んでいました
少しずつ明らかになる真実にページをめくる手が止まりませんでした!
友愛、家族愛など愛についての考えやアキがヒロに急速に醒めていくシーン、木漏れ日の描写など随所に心に残るものがありました
ラストの余韻もよかったです。
あの描写は、この夜のことは記憶から消して生きていくということを意味しているのでしょうか…。 -
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小説家は、なるべき人がなるのだなと思った。
これだけたくさんの本を読んで、興味を持って、予行練習のようなことを無意識にたくさんやって豊富な水源の泉から湧き出るような小説家になるんだなと。
誰もが読まれる小説家になれるわけではないんだなというのがわかる。
膨大に本を読まれているので、中には私が読んだ本もあり、中高生の時に読んだ本とその時のことなど、忘れ去られていたことを思い出させてくれた。
私はミステリーは苦手なので恩田さんが紹介している本の大半は読んだことがないが、江戸川乱歩が日本にいてくれて本当によかったという話や、「怖い話」は安らげる、なぜなら怖い話は懐かしく慣れ親しんでいる話だからという -
Posted by ブクログ
音楽を通して人と人との交流を深める。会話をする。それは卓越した才がある者ができる喜びで、なんて羨ましいことか。そう感じざるをえない作品。
言葉の一つ一つが綺麗で、巧みに並べられていて、言葉が音のように降り注ぐ。
とても良い読書体験ができた。
印象に残った台詞は、風間塵に活け花の矛盾を聞かれた冨樫が答えている、一瞬と永遠の関係について言及しているところ。
音楽を演奏している瞬間は一瞬でも、人々の記憶に永遠に残る、そういった事を感じさせる台詞。
「化粧品会社のコピーにあるだろう。一瞬も、一生も、美しく。たぶん、一瞬というのは永遠なんだ。その逆もしかり。最上の一瞬を作る瞬間は、活けている僕も最上