恩田陸のレビュー一覧

  • spring

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    ネタバレ

    初めての恩田陸作品 全くないバレエの知識
    新刊のコーナーで見かけて「不思議なタイトルだなぁ」と浅い感想を持ち、「気になるな」状態を引きずり、やっと手に取りました。

     情景の描写がほんとに綺麗で、キャラクター、一人一人のイメージがはっきりと伝わってきて映像を見てるような感覚でした。
     バレエの知識0の状態だったので、動きや状態が上手く掴めきれなかったのが悔しいです。なかなか、バレエを生で見る機会は無いけど見てみたいと思いました。
     

    この作品、とにかく深い。気になったら色々考 える前に手にとってほしい。

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    2025年10月10日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    ネタバレ

    「なぜこの結末を書いたのか?」

    この問いから逃れることはできない。これと向き合わなければこの本は終われない。

    本作の描写はあまりに柔らかく美しい。蒲公英草子とはよく言ったもので、麗らかな光が降り注ぐ日本の原風景のような楽園が広がっている。

    淡い恋があったり、”にゅう・せんちゅりぃ”を生きる人々の葛藤と情熱の描きっぷりも巧みで、風景から心の描写まで筆が乗りに乗っている。

    本当にこの美しい夏の記憶だけをずっと味わっていたかった。

    だが、結末はどうだ。起承転落だ。それも深い深いところに突き落とされる。楽園で解きほぐされた剥き出しの心をガツンとやられて、問いを渡されたまま終わる。

    だからこ

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    2025年10月09日
  • 薔薇のなかの蛇

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    水野理瀬シリーズの一冊。これも含め、シリーズは何度も読んでいる。恩田陸の本は、途中がめちゃくちゃ面白いのにラストがぼんやりしてるので、何度も読んでしまう、というか、読める…私が一番好きな恩田作品は『チョコレートコスモス』だけど、理瀬シリーズも大好き。理瀬がただの可愛い良い人ではないところがいい。

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    2025年10月05日
  • 本からはじまる物語

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    全体的にかなりのショートショートで18人の作家で有名な作家も取り揃えて234ページとは、かなりお得感がある。
    そして、それぞれが書店や貸本屋、本にまつわる出来事を綴っていくのはおもしろかった。

    本を読むのが苦手な人もこのくらいの短さであれば読むのも楽なのかなと思った。

    個人的には下記が印象に残ったが、
    それぞれの作家さんがこんな短い話しにきちんと自分の色を出しているのはすごいと思った。

    十一月の約束 本多孝好
    サラマンダー いしいしんじ
    読書家ロップ 朱川湊人
    閻魔堂の虹 山本一力

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    2025年10月05日
  • Q&A

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    Q&Aで進んでいく物語。
    まんまと魅了されました。
    パズルのピースが全部ハマるのかと思いきや
    終わってみると半分以上ピースが足りてないという。
    ただその欠けたピースを想像して何が起こったのか、誰が起こしたのか、それによってどんな影響があったかを自分なりに考えて埋めていく作業がとても楽しかったです。

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    2025年10月02日
  • 蜜蜂と遠雷(下)

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    3次予選の結果発表のときには、ドキドキしすぎて一旦本を置いてフーーーっと息を整えてから読んだ笑
    半分くらいからは一気に読んだ。

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    2025年10月02日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    装丁とかタイトルがチープだからといって侮るなかれ
    作家は皆ホラーの第一線で活躍している人ばっかりで、期待にそぐわない面白さでした。

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    2025年10月01日
  • 歩道橋シネマ(新潮文庫)

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    色んな恐怖に触れられて、面白くてすぐ読み終えました!球根やありふれた事件などは、人間の狂気が描かれているのでゾワゾワしましたが、そういう作品こそ気になってどんどん読みたくなるんですよね。あまりりすも怖かった〜。若いカップル、ボイスレコーダー捨てて帰ってくれて安心。

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    2025年09月30日
  • spring

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    春(主人公)の独特の考え方や物事の感じ方の描写がとても上手く、引き込まれた。
    よくある筋書きの多様性の話ではなく、個として独立してその人の要素として出てくるところがいいなと思う。
    バレエが題材ではあるが、この本全体を通して世の中や個のありかた、まわりとの結びつきなど考えさせられるところが多い作品。

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    2025年09月29日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

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    ピアノコンクールに出場する、4人の奏者について、コンクールを通して心情の変化やらを描いてる。
    クラシックもピアノもほぼ縁なく生きてきました。(そんなのばっかり)読書を通して自分が知り得なかった色々な世界を知ることができる、感じられるってのが、読書の魅力だなってつくづく思う。知識なくても楽しませてくれるっていうのがいいね。今回もそんな本。

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    2025年09月28日
  • 珈琲怪談

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    恩田陸さんの小説は独特の雰囲気があって、時々無性に読みたくなる。
    今回は久しぶりに多聞さん達が揃い、あちこちの喫茶店をはしごしながら怪談を話す短編集。

    喫茶店に行きたくなる〜。
    怪談もさまざまで、とてもいい。

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    2025年09月27日
  • 麦の海に沈む果実

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    小学生の時から変わらず人生で1番好きな本
    閉鎖的な世界の中でミステリアスな主人公と浮世離れした登場人物たちが素敵
    謎がいくつもあり何度読んでものめり込む

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    2025年09月27日
  • 夜明けの花園

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    読み終わってしまった…
    理瀬シリーズもっとほしい。

    特に麦海が好きだった人は必見。
    零二にも聖にも会えます。
    長編シリーズの合間を埋めるような位置づけの短編集。残す未読は「黒と茶」のみ。

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    2025年09月26日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    こういうアンソロジーって玉石混交のイメージのところ、これはほぼハズレなしの一冊!!移動中とかにさくっと読みたくなる本だね。どんどん読めた。全部良かったけど、背筋が特に好みかな。他にも同じようなアンソロあるみたいだから来夏にでも読んで涼みたい。気づいたら今年はもうホラーの季節じゃなくなっちゃったし。

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    2025年09月26日
  • 祝祭と予感

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    蜜蜂と遠雷で描かれた世界の短編小説。

    ひとつひとつのストーリーは短いけど、
    『春と修羅』の楽譜ができるまでのドラマ、
    マサルとナサニエルの出会いから師事するまでのドラマ、
    ナサニエルとミエコのコンクールでの出会いの回想、
    奏のヴィオラを見つける物語、
    風間塵とホフマン先生の出会い、

    どの話も面白くて、あっという間に読んでしまった。

    『蜜蜂と遠雷』シリーズは、本を読んでるだけなのに、音楽が聴こえてくるような錯覚を覚える作品だった。

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    2025年09月25日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ネタバレ

    聞いたことある著名な作家さんがホラーの短編を書くアンソロジー。ホラー作家ではない人も描いてて新鮮。個人的には窓から出すワ、車窓が好み。背筋さんのは短編の中で怖い話が読めるのでワクワクしてよんだ、そして最後のオチ、ページを捲るのが怖かった…、これで私にも見えたらって。
    車窓は短いながらもすっと引き込まれて上手いなと思った。オチはどういう意味なのか…、楕円の看板が見えちゃう呪い?に主人公も巻き込まれたってこと?かな。

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    2025年09月25日
  • 六番目の小夜子

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    ホラーが苦手でも読めるホラー
    ホラーじゃないんだけど、ミステリよりは読んでいてスリルを感じる気がする。
    彼らと一緒にサヨコについての謎を知ると同時に、それをひっそりみている人の目線にも気づいて、思わず背筋がヒヤッとする場面が何度もある。

    謎は最後まで、解けないのだろうか。
    多くの人が語り継ぐから、サヨコはきっと今も続いているんだろう。
    集団で感じる緊張感や、高校生活のキラキラした様子を、ミステリーやホラーの要素も織り交ぜて書かれた中々他にはない物語。

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    2025年09月25日
  • 蜜蜂と遠雷(下)

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    音楽を題材とした小説やマンガに出会うと、「これが映像化されたら、果たしてどんな作品になるだろう」と期待半分・不安半分な気持ちになります。名作が名映像となればそれはもう結構な事で、「四月は君の嘘」のアニメ化なんて相当巧くいった事例だと思っていますが、さて本作はどうでしょう。

    -チョットこれは厳しいかも知れません(実写映画は観てませんし、評判も存じ上げていません)。

    音が出ない文学作品で音楽を扱う事の意味が、これでもかと示されていたと思います。音が出ないのはハンディキャップではありません。音が出ないからこそ紡げる物語がぎっしりと詰まっていました。音楽を音楽なしにここまで表現できる、読み手にメロ

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    2025年09月24日
  • 三月は深き紅の淵を

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    ネタバレ

    久々の恩田陸作品。幻の小説にまつわるミステリー。一章、二章はそこまでクセのない恩田作品だが、三章からはいつもの濃ゆい内容で色んな意味で安心してしまった。本の中にある黒と茶の幻想って実際に書いてるタイトルだよな?って思いながら読んだけど、他のタイトルもそうだったりするんだろうか。どれも面白かったけれど、個人的には三章が好きかな。本人のスタンスが垣間見える四章も結構好き。とても良かった。

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    2025年09月22日
  • 麦の海に沈む果実

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    ネタバレ

    理瀬シリーズ、色々読んだけど、やっぱりこの学園ものが一番面白かった。
    まず、一人称が名前(「理瀬」)なのに、心情が挟み込まれてるのが新鮮だと思った。なのに、第十章の嵐の告発で、ついに理瀬が登場人物から消えたのには驚いた!今まで理瀬だと思っていた「わたし」はいったい誰だったんだろうと狐につままれたような気分になった。
    第十三章でヨハンが亜沙美を殺したと告発した場面で、第五章で「13」人目の訪問者が現れた後、「青の丘」は大火に見舞われたとあり、13…?まさかね…と思ってたら、ほんとに亜沙美を殺していた…怖い。「13」に意味を持たせるのもまた王道ホラーな感じで良い。
    振り返って読んでみると、伏線とま

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    2025年09月22日