恩田陸のレビュー一覧

  • 蜜蜂と遠雷(上)

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    とても面白かった。惹き込まれました。
    アーちゃんとマーくんの運命的出会いにときめきながらも、主軸はそこではなくコンクール。
    高島明石の音楽感や、栄伝亜夜の心情など、共感性をもって物語にのめり込める。

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    2025年08月11日
  • 球形の季節

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    日常が得体の知れない不気味なものに変質していく様は『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』にも繋がってくるのではないか。初版出版が31年前、今回再読したが改めて構成の巧みさ、日常に何かが忍び込んできて我々の知っている日々が何か異様なものに取って代わられている描写の上手さには舌を巻いた。
    怖さはとは本来、血まみれの殺人鬼でも、巨大な怪物でもなく(もちろんそれも怖いのだが)、日常がひっくり返る事でもあるのではないか。
    本作は日常が一気にひっくり返りはしない。少しずつ少しずつ、引き返せないところに向かっていくのだ。この緊張感がたまらない。

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    2025年08月07日
  • 月の裏側

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    珈琲怪談を買ったのですが、関連書籍と聞いてこちらの作品と不連続の世界も購入。
    恩田陸さんの作品を読むのは初めてでしたが、読みやすくてすごく面白かったです。町のじっとりとした空気感や仄暗い雰囲気が終始目に浮かぶようで、設定も文章もすごく惹き込まれるものがあり他の作品もとっても気になって積読が増えました…読むのが楽しみです!!

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    2025年08月02日
  • 麦の海に沈む果実

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    理瀬シリーズ3月の国編。
    正直、今までに読んだ小説の中で最高傑作であった。
    主人公の一人称視点にも関わらず、溢れ出る理瀬の内面と外見の美しさ。
    他の登場人物たちの体温が低く儚い設定。
    異国情緒溢れるどこか不安げで背筋が凍るような描写。
    世界観に引き摺り込まれ抜け出せなくなる。

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    2025年07月31日
  • 蜜蜂と遠雷(下)

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    側から見たら”天才”と呼ばれる人たちにも心の葛藤があり、相手には敵わないと思いながらもコンクールに挑み続ける姿がリアルな人の姿を映していた。
    最後の順位にも納得したし、終わり方も個人的にはこれがベストだと思った。
    恩田陸先生の作品、やはり非常に面白い。実際には音楽が鳴っていないのにピアノとオーケストラの音が聴こえるような感覚に陥った。映画も観ようと思う。

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    2025年07月28日
  • スキマワラシ

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    お…面白かった〜〜!
    伏線を回収しきらないのが大得意な恩田陸、これはとても良い方向に作用していたと思います。

    解体現場に現れる不思議な少女、
    触ると過去が見える能力をもつサンタ、
    引戸集めが趣味のタロウ。
    そしてむせかえるような夏の空気。
    現実と不思議な世界の狭間のような作品、
    わたしはこの手の合間を曖昧に描かれた話が大好物なのだと気づきました…本当にありがとう、恩田陸。

    絶対夏に読むべき。
    ナツイチに選んでくれてありがとう、集英社。

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    2025年07月27日
  • 夏の名残りの薔薇

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    大好きな本です
    各々の登場人物の中にある想い、嘘、幻想…。その3つが全て混じり合い、一つの物語を作りあげる。

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    2025年07月27日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

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    近年、その覇者が音楽会の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。
    そのコンクールに参加するピアニストたちの話。
    主に4人のコンテスタントを中心に物語は繰り広げられる。
    上巻は第二次予選の途中まで。

    何だろう、音楽ものなのにその刻まれた文章が音となって
    読んでいるこちら側の耳に届く。そんな感覚である。
    気付けば興奮で涙を堪えているのに戸惑いすら感じた。
    これは紛れもなく傑作だ、そう感じた上巻。
    下巻の展開が楽しみである。

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    2025年07月28日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    章が進むごとに全てひっくり返されて読む手が止まりませんでした。
    恩田先生の本は終わるまでハラハラしますね。

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    2025年07月24日
  • 夢違

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    ネタバレ

    取り込まれた…?彼女の中に入って、彼女の夢の世界に取り込まれた?他の個人と集団的無意識と重なった結布子が混ざり合って現実の認識を変えたって解釈でいいのかな。読んでる最中鳥肌が何回もたちました。でもずっと結婚してるじゃん初恋の人に囚われてるパターンの男だなって思ってました。

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    2025年07月18日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    まさに「戦慄」の如き作品の応酬。
    特にやはり注目は、北沢陶さん。大阪舟場を舞台にさせたら、右に出る人はいません。御本人も昔の人の言い回しや、当時の表現にこだわって書いているだけあって、時代小説のような雰囲気ですが、説明や描写表現は現代語を極力使っているので、どっちらけになることはありません。

    どれも短いながらも、天下一品でした。

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    2025年07月16日
  • チョコレートコスモス

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    こんなにも面白い作品に出会えた感動と、続編の刊行が止まったままである事実の衝撃。
    ガラスの仮面の新刊と同じくらい、「ダンデライオン」「チェリーブロッサム」を永遠に待ってます。本当にお願いです。先生、見てますか?

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    2025年07月14日
  • 上と外(下)

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    下巻、ハラハラドキドキしました。
    このまま悪い結果になって終わるはずは無いと思いつつ、読みながら冒険ゲームに
    迷い込んだような錯覚に陥ったりして
    ネタバレになるからこれ以上か書けませんが大変感動しました。

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    2025年07月09日
  • 上と外(上)

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    壮大な物語です。
    初めは退屈な物を読んでいる感じが
    途中からの展開がハラハラして本から目が離せなくなりました。
    このまま彼らの運命はどうなるのだろう?
    下巻に続く

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    2025年07月07日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    再読。
    常野物語、どんな話だったかと思いながら読み返しました。
    古き良きのどかな時代の話かと思ったら聡子様の最後のくだり、そして戦後に繋がるエピソード。爽やかな青春と重たい現実に胸が塞がるような後味でした。対比によって、主人公と聡子様たちが過ごした時間がより一層懐かしく、引き立っていました。

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    2025年07月06日
  • チョコレートコスモス

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    やっぱり恩田陸先生最高でした。二人の女優の演技がぶつかり合って生まれた火花は、とても眩しく、星みたいでした。まるで生の舞台劇を見ているかのように、視線を釘付けにされ、読み終わった後はこの上ない爽快感を味わいました。舞台また見に行きたいです。物語の終わりが惜しいと思うのが久しぶりでした。ご馳走様でした!

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    2025年06月29日
  • 鈍色幻視行

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    最高すぎます。
    これだけぶ厚いのでわくわくしながら読み始めましたが

    1冊の本(映画)について話すところは三月は深き紅の淵を
    男女複数人で、謎について語りあいながら旅をするところは黒と茶の幻想
    最後の方でインタビュー形式の章が出てきますが、それはユージニアやQ&A

    などなど、過去の大好きな作品の要素がふんだんにちりばめられているではないか・・と大変興奮しました。
    本当に贅沢な小説!
    恩田さんの小説は、お話の中に出てくるエピソードトークが良すぎて、本題の謎があやふやなままでも、まぁいっか となってしまうんですよね(私は)。
    『夜果つるところ』も楽しみにしています。

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    2025年06月26日
  • 月の裏側

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    多聞さんまで盗まれたいたとは 予想外の展開でした

    掌に握られていた鳩笛 藍子も同じ鳩笛を握りしめていたのは何故?

    得体のしれない あれの存在にビクビクしながら
    楽しんで読みました

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    2025年06月26日
  • チョコレートコスモス

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    ほんっっっとに恩田陸さん大好き。

    いやまじで今回は演劇だし、
    もうその時点で神だし、
    アクタージュ感じさせる。

    オーディション良すぎた。
    映像で見たいなぁ。。
    こういう興奮をやっぱり私は求めてる。
    私もそっち側に行きたい。

    飛鳥ちゃんや、響子さんの側へ。
    2人が見ている景色を私も見たい。

    天才の景色を。

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    2025年06月23日
  • 黄昏の百合の骨

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    前作の続きということで理瀬シリーズすっかりハマってしまいました♡
    今回は、亡き祖母の遺言により魔女の館と呼ばれる、祖母が住んでいた家に叔母2人と一緒に住むことに。
    近所では気味悪がられているこの家で祖母は不可解な死を遂げている。
    そして祖母と血のつながりがない叔母2人は何かを企み腹の探り合いをしながら理瀬は過ごしていく。
    百合の匂いが漂うこのグラバー邸ではどんな秘密が待っているのだろうか?

    2作目も不穏なミステリー。
    今回は理瀬の従兄弟の亘や稔が登場し、
    前作と違う覚醒した理瀬にドキドキします☺️
    昔や次の理瀬が知りたくなり、3作目も買ってしまいました。
    理瀬ワールド中毒になって抜け出せない

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    2025年06月22日