恩田陸のレビュー一覧
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ネタバレ夜のピクニックから二冊目の恩田陸作品。
作中に事件を起こさないことを美徳としているとしか思えないくらい、ストーリー上ではただただコンテストが進み、コンテスタントと関係者が交流し、次の審査が行われるだけである。申し訳程度に"失格"のくだりが存在するが、まさに申し訳程度だ。
では何故これほどに"読めて"しまうのか。これは明らかに描写による力だ。
音楽の持つ影響力を過度に装飾するでもなく、ただ演奏家の心的な動きと、演奏と楽曲の描写のみでこの作品は成り立つ。
そしてその筆力のみで圧倒的な読者をつけてしまう恩田陸の小説自体が、この作品に登場する天才による業とな -
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風間塵が周囲に与える影響の大きさが印象に残った。彼は周囲をよい方向へと導く存在であった。現実においても、誰かから影響を受ける場面は少なくない。その影響には、良いものと悪いものとがある。
良い影響を与える者は、相手の可能性を信じ、その人本来の力を引き出そうとする。相手が輝けるような環境を生み出し、純粋な愛情や情熱から行動する。風間塵もまた音楽そのものへの深い愛から、人々を自然に高めていった。
一方、悪い影響を与える者は、相手を自分の思い通りにコントロールしようとする。依存心や弱さにつけ込み、自分に都合のよい関係を築こうとする。その態度は表面的には親切に見えても、結果的には相手の成長を妨げる。 -
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ネタバレこれさあ、今年No.1の小説だよ。ていうかさ、今まで読んできた小説の中で、五本の指に入れてもいい物語だ。
最後は一気に読んでしまった。
さすがにマヤ文明とか出てきて、新政府樹立とか、理想論だと思うけどさ、物語としては最高だよね。
それにしても、レンとチカ、これでもか、これでもかってくらい、逆境に陥るね。
その度になんとか這い上がる。
その過程が素晴らしい。美しいとかそういうんじゃない。泥くさいというか、泥縄?満身創痍でこれまでか?ってタイミングで道が拓ける。
すごい本読んじゃったな。
「要するに、人間は何にでも慣れるのだ。どんなひどいことにも。その時は最悪だと思っても、見方さえ -
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やっと3冊目読み終わりました♡
今回はイギリス留学で友人のアリスに招かれ、
レミントン家の館、ブラックローズハウスのパーティーに参加することに。
その頃、祭壇事件という不可解な殺人事件も起き世間を震え上がらせていたが、なんと参加したパーティーでも似たような殺人事件が起きる。
果たして関係は?そして犯人の目的は?
レミントン家の長男、アーサー目線で物語が進んでいく。
今回のリセはアーサーから見てすごく警戒される存在として描かれており、そのためかまったく予想していなかった人物たちが実はすごい存在だったりと、、恩田ワールドにしてやられました!
リセがアーサーの敵としての話が今後出てくるのか?是 -
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ネタバレ
子供向けながらも、大人でも面白いということと、好きな作家が何人か書いていたので読んでみた。面白かった。特に最後の恩田陸のはすごかった…。
「象の眠る山」田中啓文
象眠山(ぞうみんやま)というのが出てくるので、象?ガネーシャ?と連想させておいて、正体は昆虫。最後のオチも、もしかしたら寄生されたかも、というもの。
それでも、UMA的な存在や、横道という解説キャラが出てくるので面白かった。横道が解説して助けてくれる、便利すぎるキャラ。
「とりかえっこ」木犀あこ
人頭(じんとう)という怪異。出現条件がピンポイントすぎる。何か元ネタがあるのか?50.65センチというのは人の肩幅?何から来てるんだ -
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この本に出会えてよかった
この本を読んでいる自分が好き、みたいな。
自分を格上げしてくれる一冊。
第二次予選の途中で、(上)は終了。(下)が楽しみである。
風間塵の演奏を聴いたマサルの感想が知りたい。
音楽の天才は、普段聞こえてくる音すら、凡人とはかけ離れているのだ。
以下ネタバレです
「君は元々知っていたんだ。たぶん僕らは君に教えているわけじゃない。元々君の中にあったものを君に思い出させているだけなんだ。」
「日本人が言う「自分らしく」というのは他者に対するコンプレックスや自信のなさやアイディンティの不安から逃れようとして口にするもの
「ずっとずっと前から、観客たちがすで -
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十四歳の少女、高田奈智は四年ぶりに訪れた磐座の地でキャンプに参加する。キャンプの目的は、「虚ろ舟乗り」を育てることであった――という筋。
帰省途中の寄り道で何気なく購入したものの、図らずも夏が舞台なので、盆の実家で一気読みするのが楽しい作品だった。
SF・ミステリ・ホラー・青春小説…という触れ込みだけど、ベースは青春小説、他ジャンルはあくまでトッピングかなと思う。恩田陸って面白い原風景ありきの構成(と、当人もどこかのエッセイで書いてた気がする)が楽しい半面、辻褄合わせのために風呂敷が萎んでいく様が悲しい作品も多いのだけど、SF設定を利用して風呂敷が無限に膨らんでいく本作はひたすらに楽しかった -