恩田陸のレビュー一覧
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『私と踊って』
恩田陸先生らしい話がぎゅっと詰まった短編小説集。
最後に恩田陸先生のあとがきが1話ずつに添えられているのも嬉しい。
なんだろう。どうしようもなく、すべての話に“恩田陸”の残り香みたいなものを感じる。
ジャンルが変わっても、様式が変わっても、見事すべてに“恩田陸”。
どれも好きだけど個人的に好きなのは「忠告」と「協力」だ。
「忠告」での出来事で全てを完全に信じ切った私の心にあまりに衝撃の事実が「協力」で飛び込んでくる。
あと、「東京の日記」も随分と惹き込まれた。
プロパガンダと、和菓子、日記。他人を通って見ているせいで、とんでもないことが起きているのに、なんだかのんびりしていて、それが余計に恐ろしい。これを2010年に書いているというのだから驚きだ。
星新一を思い出したが、先見の力が作家様にはあるのだろうか。先を見通す力があるように思えてならない。
小さい頃に綺麗なカンカンの中に取っておいた宝物を触って思い出していくような感覚になる一冊。
綺麗なお菓子の包み紙や、今はもうない喫茶店のペーパー、台北の思い出、どこだったか思い出せない異国の石、キラキラと光るおもちゃのネックレス。
その“宝物”にそっと触れるたびに、記憶の物語がはじまるような。そんな一冊だった。
あらすじに「万華鏡」とあるが、すごく良い表現な気がする。からりと回るたびにチカチカと色を変える万華鏡とよく似ている。章が変わるごとにチカリチカリと色を変えるのだ。 -
Posted by ブクログ
ずっと積んでいたシリーズ。
超能力一族が出てくるファンタジー小説なんだなぁと予想して読み始めたが、そんなあさっい展開を予想をしていた自分が恥ずかしい…
一度覚えたことは忘れない、未来予知ができる
など、不思議な能力を持つ人々が出てきますが、
超能力を使ってドンパチ戦闘!という展開の物語ではありませんでした。
短編集でしたが、連作というよりは、「常野」という土地をバックボーンとした登場人物達が、
各地で普通の人として普通に暮らしている中での物語です。
子を想う親の愛に涙したかと思えば、得体の知れない存在に慄かされたりと、
色んな面で楽しませていただきました!
最後の話は音楽を愛するチェリストとフルート奏者の話なのですが、やはり恩田陸さんに”音楽を描かせるとやはりピカイチだなぁと、ウットリしながら読みました。
この常野物語シリーズは、後2作品が既に刊行されているので、早く続編読みたい!!!!
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Posted by ブクログ
ネタバレ導入がなんやら難しい言葉が連なっていて1ページ目で、これ初心者には向いてないわ!ってなりしばらく閉じていたのだが、時間ができなんとか読み進めているとめちゃくちゃ面白くてキャラクターと世界観が刺さりまくった。導入の意味も最後まで読むとわかる。小説っておもしれ〜!この学園の世界観と登場人物の特徴、中学生の時に読んでいたら相当拗らせた人間になってたww 不幸な生い立ちだけど血筋と能力は優秀な女...とかいって妄想にハマり悦に浸ってそうだわ。最終章までは色んな事件が起りながらも憧れ学園生活楽しそう♩くらいの気持ちで見ていたら最後...何だこの気持ちは。全ての人間に裏切られた気持ちだった。つらい。私の純粋なヒロイン理瀬を返して!ww理瀬シリーズであるということをあとから知った。次の「黄昏の百合の骨」を読もうと思う!「三月は深き紅の淵を」もすごく気になるけど...というか次作では理瀬はあの性格なんだもんな...私はまともな精神で読み切れるのかしらw
てか黎二ってまじで父親あの人だったの?ちょっとみんな黒か白か入れて教えてもらっていい? -
Posted by ブクログ
なぜ作家は亡くなったのか。みんなの軽口とともに4年前の事件が明かされていく。スリル満点。どこかお芝居を見ているみたいにテンポいい。
作家の時子が亡くなって、しばらく経った。うぐいす館にみんなが集まる。ベテラン編集者のえい子が料理を作っていた。つかさに尚美、静子、絵里子。1年ぶりの顔合わせ。フジシロチヒロという人からカサブランカの花束が届いていて、メッセージがついていた。「皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のための花を捧げます」と書いてある。フジシロチヒロは時子が最後に書いていた小説の主人公の名前だった。静子さんが、自分が時子を殺したと言い始める。みんなは4年前のおさらいを始める。
時子の弟が3回目の結婚をすると言い出したのだ。時子は最新作の最終稿をチェックしている。えい子は4人がやってくるので夕食を作り始める。絵里子、静子、尚美とやってきて、時子が出てきて会話した。時子はアイデアを思いついて書斎へ。つかさが来て宴会が始まる。電話が鳴って時子が出てきて応対。薬を飲みまた書斎へ。ご飯食べようと声をかけたら、倒れていたので搬送した。薬の水から青酸カリが出たのだ。その後遺書がみつかった。
時子と静子はその数日前に銀座で会ったらしい。右腕がほとんど上がらなくなっていたという。しかし静子が当日寝室に見えた女は右腕を挙げていた。それに言及していれば時子を救えたはずだと。そして最新作は時子のものではなく他人のものだと思うと指摘。尚美が私のだという。後継者に手紙で指名される予定だったと。だが見つかった尚美宛の手紙には静子に殺されそうと書いてあった。
妙な電話がかかってきて、みんなで時子を殺したことを思い出せと言われる。静子が時子を追い詰めていたと語る。天才度が落ちていたことを指摘する手紙を送り続けて怒らせてしまう。
突然思い立ってみんなでパスタを食べようという話になり、缶詰のミートソースを開けたが、缶詰に裏から針の穴が開いていて、何かが仕込まれていたという話になる。えい子は自分で作るから缶詰のソースを使わないので、時子の生きていた頃のものだという結論に至る。時子は自殺とともに誰かを殺したかったのではないか。