恩田陸のレビュー一覧

  • ユージニア

    Posted by ブクログ

     恩田陸版の「藪の中」とでも言うべきか。日本推理作家協会賞受賞作である。北陸のK市で名家の青澤家で催された米寿を祝う席で、十七人が毒殺された。その場にいた人間で生き残ったのは、盲目の少女一人だけ。その後、ある青年が自殺し、その遺書から彼が犯人とされ、一応の解決をみた。

     そして年月を経てさまざまな視点から語られる大量殺人事件。見落とされた「真実」を語る関係者たち。事件の「真相」は、そして「真犯人」は。

     恩田陸さんは、「ストーリーテラー」だ。これだけの数の視点人物を書き分けているだけでもスゴイ。筆力がないとできない。しかも読者に対して、読み進めると「真相らしき」ものに近づいていると思わせて

    0
    2025年12月27日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

    Posted by ブクログ

    作者の「天才」のイメージに共感した。

    ナサニエル「…作曲家も、演奏家も、みんなさ。元々音楽はそこらじゅうにあって、それをどこかで聴きとって譜面にしてる。…創りだしたんじゃなく、伝えてるだけさ」
    彫刻家「別に造っているわけじゃない、木の中に埋まっている仏様を掘り出しているだけだ」

    どうやってたどり着くのかな。それぞれの頂点に。下巻が楽しみ。

    0
    2025年12月27日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

    Posted by ブクログ

    文章がすごく綺麗だと思った。そんな大舞台に立ったことはないが、登場人物の感情がありありと書かれていてドキドキするし、どちらかに偏りそうな心情も、大人から少年の書き分けられていて読みやすかった。
    読みやすさではマーガレットとか、そのくらい少女漫画を読んでいるような感覚。
    胸熱くなる小説を読むならこれだと思う。

    0
    2025年12月24日
  • 蒲公英草紙 常野物語

    Posted by ブクログ

    読んでいて辛くなりました。聡子様、ありがとう。お父様、ほんとご立派です。自身がそこにいたような気分になり。暫く動けなかった。

    0
    2025年12月23日
  • spring another season

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「spring」が大好きなので、本当にご褒美のような作品集でした。素晴らしかったです。
    フランツとの関係がより深く描かれていて、胸に迫るものがあったし、私はJUNが好きなので、やっぱりJUNの好青年っぷりが堪らなかった。
    晩年?のHALのストーリーが読めるとは思わなかった。感動。
    バレエに生きる人々のバレエを通じた非凡な世界。楽しかった。

    0
    2025年12月21日
  • 図書室の海

    Posted by ブクログ

    『夜のピクニック』の、のほほんとした青春ストーリーにハマり、その前段『ピクニックの準備』も含んだ短編集なので買ったら、めちゃ裏切られた〜!

    他の短編が凄すぎてピクニック霞む笑

    どれも書き手が違うのか?くらい振り切れているし、後味が、、ね、、(その後を謎に包んで終わるスタイル)

    0
    2025年12月21日
  • 七月に流れる花

    Posted by ブクログ

    七月と八月で一冊になってるほうもあったのに、タイガのこの表紙が可愛くてこっちで読んだ。
    とりあえず八月のほうも一気に読む。

    もともと児童書だったこともあって、恩田陸にしてはわかりやすく謎解きをしてくれている。
    不穏さが漂う夏、不思議な夏の城、流れる花。みどり。
    最高だな恩田陸〜〜

    0
    2025年12月17日
  • 六番目の小夜子

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この作品は、三年に一度選ばれる「サヨコ」という存在を巡る物語です。選ばれた生徒は、誰にも知られずに「あること」を実行しなければならない…。そんな不思議な伝統が受け継がれる高校が、物語の舞台となっています。

    読み進めるうちに強く感じたのは、学校という空間が持つ、あの特有のそわそわとした懐かしい空気感です。代々受け継がれてきた伝説の不気味さと、そこに生きる登場人物たちの瑞々しさ。学生時代にしかないきらめきが溶け合う世界観に、ぐいぐいと引き込まれてしまいました。

    すべての謎が綺麗に解明されるわけではありませんが、七不思議や都市伝説にわくわくしたあの頃の感覚を思い出してページをめくる手が止まりませ

    0
    2025年12月17日
  • エンド・ゲーム 常野物語

    Posted by ブクログ

    非常に評価が難しい作品。作品自体は解釈の仕方で評価が分かれると思う。
    私は謎の常野一族の一面を垣間見れて面白かったと思う。

    現代ホラーサスペンスというカテゴリになるのだろうか。
    ただ前作の蒲公英草紙との温度差にびっくりしてしまった。


    前作までは一族の光の部分に焦点を当てた物語だった。
    今回は一族の影の部分に焦点を当てた作品として、私は解釈した。
    超能力を持っているが一族が人間である以上、影があるわけだ。

    一節で、「非常灯に照らされた部屋を深海のよう」という表現が気に入った。
    私の中でぼんやりとしていたイメージが言葉にされたようで感動した。
    そして文章の内容が頭の中にイメージとして浮かぶ

    0
    2025年12月16日
  • 蒲公英草紙 常野物語

    Posted by ブクログ

    日本人として避けてはいけない事実に対して、人としてどう向き合うか。
    人は互いに心通わせ生きていく。歴史的な悲劇も「歴史」として目を向け大切に互いで共有しないといけない。

    0
    2025年12月15日
  • 麦の海に沈む果実

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    様々な事件の犯人に仕立て上げられそうになったり、冷静だった理瀬が自分さえ分からなくなった時など、ハラハラが沢山あった。とにかく恩田さんの言葉には情景をリアルに想像させる力がある。黎二が麗子に刺された瞬間は、痛々しくも綺麗だった。

    0
    2025年12月13日
  • 珈琲怪談

    Posted by ブクログ

    喫茶店をハシゴして珈琲や紅茶、甘いものや時にワインなど飲食しながら怪談というか、不思議だ⋯と思う話をする会を4人の男がやってる、というただそれだけの本。
    主人公は必ず怪談的な体験をするところがポイント。

    0
    2025年12月11日
  • 蒲公英草紙 常野物語

    Posted by ブクログ

    惑うことなき古き良き日本人の心が描かれた作品。
    この作品には今を生きぬくための答えの一つが「しまわれている」と思う。

    常野の人は一人一人が特別な能力を持っている。
    この能力を自分のためでなく、人のために使うことが尊敬するところだと思う。

    力を持つものが富や名声を独占する今の世の中だからこそ「響く」と思う。

    0
    2025年12月10日
  • 私の家では何も起こらない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    丘の上にひっそりとたたずむ家。
    幽霊屋敷とも呼ばれていて、過去に凄惨な事件や事故が多発していた。
    語り手が変わりながら物語が進むゴーストストーリー。
    私はホラーが苦手な方だが、リタイアすることなく最後まで楽しめた。
    喋り口調で進むお話が多くてテンポよく読める。
    家に住み着く幽霊たちがリフォームにやってきた大工の手伝いをする場面が面白かった。
    幽霊は悪い奴ばかりじゃないし、幽霊よりも人間のほうがよっぽど怖い、と不動産屋と大工の掛け合いを読んで感じた。

    0
    2025年12月07日
  • 六番目の小夜子

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まだ手を出してなかった恩田陸先生のデビュー作。もっと早く読むべきだった。
    ジュブナイル小説のようなさわやかさと不安定で綻びがある思春期の青少年たちを描くのがこの頃からうまかったんだなぁと衝撃。

    学校という特殊な社会では色んな物事があって、不可解な出来事が起こったりするものだけど蓋を開けてみるとあっけない事実だけはそこにあって、そうさせたがっている誰かがいて周りがはやしたてているだけなのかなとおもった。
    文化祭の「六番目の小夜子」の演劇が如実にこの本のあらすじを端的に表していて、わりと普通のストーリーなのに演じる"生徒"たち、サヨコとなった人間が恐怖を感じたからそうなってし

    0
    2025年12月04日
  • チョコレートコスモス

    Posted by ブクログ

    久々の恩田陸先生。
    文体に慣れるまで50ページ程かかったが
    それ以降は一気読み。
    展開は予想できるが、その過程の書き方が逸材過ぎてずっとワクワクしながら読みました。
    本当に舞台を観ている様で情景がはっきり浮かびます。
    そして、飛鳥と響子の今後を仄めかしているのに
    続きがまだない。なぜ。
    恩田陸さんは凄い勢いで執筆してるイメージなので意外でした。気長に待ってます。と言いたいですが、早く続きが読みたいので今すぐ続編お願いします。

    0
    2025年12月04日
  • 月の裏側

    Posted by ブクログ

    お手本のようなSFモダンホラーだ。間違いない。未読の方は幸せだ。情報など欠片も仕入れずにこの本を手に取り、頁を開け。夢か現かわからない悪夢にうなされる事は間違いない。保証する。
    20年振りに再読してもなお、本書は新鮮だ。奇妙な出来事に直面した登場人物たち、彼らが追っていく事件の一つ一つ、そして明らかになっていく真実と事件の姿……この様に静かに悲鳴をあげたくなった。大口を開けて悲鳴をあげるのではない。息を押し殺して心の中で叫ぶのだ。このねっとりとした、まとわりつくような恐怖は詩的で、郷愁を誘い、魅力的だからタチが悪い。一度取り込まれたら最期だ。もう引き返せない。

    0
    2025年12月03日
  • なんとかしなくちゃ。 青雲編

    Posted by ブクログ

    とりあえず
    梯結子の幼少期から大学生まで

    本人が
    なんとかしなくちゃ
    と感じたことに向き合って行き
    なんとなく なんとかなっていく のが面白い
    結子さんと家族の考え方にはフムフムと
    考える事もあった

    時々唐突に表れる「私」の話も面白い
    「歌子」さんの絡む場面では
    金春屋 ゴメス のイメージが沸き上がり
    別人べつじんと呟きながら読んでいた

    笑えるところも結構あって
    楽しく読めましたよ フフ

    0
    2025年12月03日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

    Posted by ブクログ

    私の心に刺さりまくる本でした。私は綺麗な情景が描かれる所謂女の子が好む恋愛小説が大好きです。この本はそんな本のような読み易さは最初は全くありませんでした。ですが、読み進めて行くにつれ物語に引き込まれていって、3時間ほどで読み切ってしまいました。終わり方もしっくりくるもので、最近読んだ数々の本からはなかなか感じられなかったベストな終わり方に感じました。短い本ですがとてつもなく内容が濃く、感想をすぐにでも書きたくなる本でした。ぜひ色々な人に読んでほしいです。

    0
    2025年12月02日
  • なんとかしなくちゃ。 青雲編

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文春文庫の恩田陸の本は、ポップでクスッと笑ってしまう文章なところが好きです。主人公結子の前に立ちはだかる問題に対して、結子の思考回路だけでなく、著者が常々思ってたことが定期的に入ってくるのが読んでいて楽しかったです。
    最後の方では、思ったより長くなっちゃったけど、これは結子が城郭研究会に入ったせいで…と言い訳ぽく話されてて、確かに結子を扱うのは大変だよなぁって勝手に同情してしまいました。笑
    週末の気分転換に最適な本でした!

    0
    2025年12月01日