恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2人の兄妹の会話劇によって物語が進んでいきました。
初めはとても運命的で、危なさのある兄妹という
関係、そしてその2人を切り裂く要因になっている兄妹(双子)だからこその通じ合うことという舞台情景に惹かれ、少し羨ましくも思っていました。
しかし、一つの事件をきっかけに、会話にズレが起こり、徐々に明かされていく真実とそれによって、感情自体が変わっていく様子がどきどきとしました。
死は生きる選択の一つというセリフが印象に残っています。
そして、恩田陸さんの情景が目の前に浮かぶような繊細な表現に吸い込まれました。
木漏れ日に泳ぐ魚たちの様子は幸せの表れなのかな。 -
Posted by ブクログ
●所感
2025年、最も、考えさせられる小説かもしれません。
いや、小説という括りが適当ではない書籍といえるかもしれません。
感想は後日改めます。
簡単には、書けないからです。
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●2025年11月内容
このレビューでは、なぜそのように考えたのか?
そのきっかけの原文を転記しておきます。
なお、□は、私側で勝手につけた分類である。
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●お願い
もしも、どれか一つでも、皆様の心を捉えるならば、ぜひご一読をお願いしたい
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『月の裏側』は、生物史であり、人類史であり、哲学であり、そしてそれらの上でのミステリーであるのか -
Posted by ブクログ
読み終えてまず感じたのは、
読書という行為そのものの不思議さでした。
一冊の本は同じ紙と文字から成り立っているのに、
読む人によって受け取る感触がまったく異なる。
そこには、
その人の経験、価値観、家族との結びつき、
今まで過ごしてきた時間や傷や喜び――
そういった“その人だけが持っている背景”が反映されます。
本の内容そのものよりも、
その本をどう読んだかが、
ときに内容以上に豊かで面白い対象になる。
この作品を通して、改めてその事実を強く実感しました。
さらに、人は同じ本を読んだとしても、
10代で読んだ時と20代で読んだ時とでは、
感想がまるで違う。
そしてその変化は不可逆で、