恩田陸のレビュー一覧

  • 夜のピクニック

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    恩田陸の作品が好きになった一冊。
    よくある青春小説の辛い苦しい人間関係や度肝を抜く展開の青春ストーリーや波乱な恋愛が起こる訳でもないところがまた良い。

    「歩行祭」という学校行事で朝から24時間夜通し、ただただ歩く行事だが、2人の男女が特殊な関係。
    それ以外はよくある地方進学校にいる高校生達の細かい心情の変化や葛藤が、私たちの日常から遠くなかったので登場人物達にとても惹き込まれた。

    融と貴子の物理的な距離感と気持ちの距離感をずっと見ていたくなる。友達との強い絆や信頼関係が言葉のやり取りから伝わってくる作品でした。

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    2025年12月01日
  • なんとかしなくちゃ。 青雲編

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    ネタバレ

    文春文庫の恩田陸の本は、ポップでクスッと笑ってしまう文章なところが好きです。主人公結子の前に立ちはだかる問題に対して、結子の思考回路だけでなく、著者が常々思ってたことが定期的に入ってくるのが読んでいて楽しかったです。
    最後の方では、思ったより長くなっちゃったけど、これは結子が城郭研究会に入ったせいで…と言い訳ぽく話されてて、確かに結子を扱うのは大変だよなぁって勝手に同情してしまいました。笑
    週末の気分転換に最適な本でした!

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    2025年12月01日
  • 麦の海に沈む果実

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    “三月以外の転入生は破滅をもたらす”と言われる湿原に囲まれた全寮制の学園が舞台の、なんとも幻想的な学園ミステリ。

    第四章で『三月は深き紅の淵を』が登場しそこから物語が一気に動き出す。散りばめられた伏線がもれなく回収されたとき緻密に作り上げられた構成にうなった。

    ----光の色を忘れそう

    こういう表現が情景に深みを出していてとても好き。ページをめくるごとにじわじわと『三月の国』の世界に引きずり込まれる感覚が心地よく、物語の中に身を置いて、実際に体感しているかのような少し重たい湿度をまとって味わい尽くした。

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    2025年11月30日
  • ネバーランド

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    大人になりかけの男の子達は、大人になりたい、そして本当の自分を知る友人を互いの居場所にしていく。大人になった時にあれは青春だったと思うだろう。
    友人は家族には見えない本当の、これからの自分を知る存在となる

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    2025年11月30日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    2人の兄妹の会話劇によって物語が進んでいきました。

    初めはとても運命的で、危なさのある兄妹という
    関係、そしてその2人を切り裂く要因になっている兄妹(双子)だからこその通じ合うことという舞台情景に惹かれ、少し羨ましくも思っていました。

    しかし、一つの事件をきっかけに、会話にズレが起こり、徐々に明かされていく真実とそれによって、感情自体が変わっていく様子がどきどきとしました。

    死は生きる選択の一つというセリフが印象に残っています。

    そして、恩田陸さんの情景が目の前に浮かぶような繊細な表現に吸い込まれました。
    木漏れ日に泳ぐ魚たちの様子は幸せの表れなのかな。

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    2025年11月29日
  • 月の裏側

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    ●所感
    2025年、最も、考えさせられる小説かもしれません。

    いや、小説という括りが適当ではない書籍といえるかもしれません。

    感想は後日改めます。
    簡単には、書けないからです。
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    ●2025年11月内容
    このレビューでは、なぜそのように考えたのか?

    そのきっかけの原文を転記しておきます。

    なお、□は、私側で勝手につけた分類である。
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    ●お願い
    もしも、どれか一つでも、皆様の心を捉えるならば、ぜひご一読をお願いしたい

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    『月の裏側』は、生物史であり、人類史であり、哲学であり、そしてそれらの上でのミステリーであるのか

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    2025年11月29日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    別れることが決まった男女が過ごす最後の夜の場面だけを一冊で語る展開は他に見ないなと思った。ページを捲るたびに分かってくる2人の関係性、そして、あの男との関係性に驚きを隠せなかった。

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    2025年11月27日
  • 六番目の小夜子

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    恩田陸先生のデビュー作ということで、積読から引っ張り出してきました。高校生という大人と子供の狭間に行われる全てに不穏な空気とワクワクを感じることが出来て、物凄く面白かったです。タイトルも良いです。皆、どんな大人になったのかなあ~

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    2025年11月27日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

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    ゾーンに入った時の表現が、景色が変わって見えたり、自分を俯瞰して見えるようになるみたい。
    普段小説は読まないが、2日で了読。
    面白い。

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    2025年11月24日
  • 夜のピクニック

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    高校生が学校のイベントで夜を徹してひたすら歩く。ただそれだけの物語だが、登場人物たちの距離が縮まっていく感じが心地よい。長い夜を歩くというシンプルな行為を通して彼らの中に眠っていた感情が徐々に露わになっていく様子が、思春期の心の揺らぎと相成り物語が進んでいく。誰しもがあったはずの青春の余韻に浸れるような小説だった。

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    2025年11月24日
  • 蜜蜂と遠雷(下)

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    はあああああああ、、、めっちゃよかった…風間塵推しとしては3位がさみしいけど、彼はそんな次元にいる子じゃないだろうし、、
    とにかく引き込まれる世界だった。
    彼らの将来を読んでみたいなあ


    ピアノということで、子どもの頃を思い出した。
    それはとにかくつらい思い出で、レッスンの帰り道には弾けないことで親に怒られ、家での練習でもなんで弾けないのかと親に怒られ、ピアノのことでいつも怒られて泣いていた
    怒られっぱなしじゃ萎縮して、どんどんできなくなるし嫌になるであろうことなんて考えなくてもわかるが、、当時のわたし、よく頑張ったよ

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    2025年11月24日
  • spring

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    ネタバレ

    8歳でバレエに出会い、15歳で海を渡った萬春。「跳ねる」「芽吹く」「湧き出す」「春になる」。1人の天才を巡る4つの「spring」。

    久々に恩田陸さんのこう言う感じの本を読んだけど、読んでいる間ずっと面白い。バレエなんが全然分からないけど、引き込まれた。
    「芽吹く」が好き。

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    2025年11月23日
  • 木曜組曲 〈新装版〉

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    憧憬と悪意の混在。
    したたかさと利己主義も混在。
    女性ならではっていうのかな。
    これが全員男性だったら
    ここまでの爽やかさや清々しさは出ないだろうなとか。

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    2025年11月22日
  • 六番目の小夜子

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    ネタバレ

    この物語の新刊初版刊行の3年前には交際相手から物語に登場するのと同じ贈り物をもらったことがあり、翌年に多少ドロドロした高校生活を卒業した身としては、オカルトさも含めすごく没入して読み込めた世界観で、何ともしっかり不思議な気持ちになってしまいました!

    『タイタンの妖女』や『メン・イン・ブラック』辺りにも通じる大オチが良い読後感ですね!

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    2025年11月21日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

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    おもろしろすぎて引き込まれてあっという間に読んでしまう
    みんなすごいんだけど、何よりもこんな世界を創れる恩田先生がすごすぎる

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    2025年11月21日
  • 三月は深き紅の淵を

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    ネタバレ

    『三月は深き紅の淵を』という本をめぐって繰り広げられる物語(笑)1~3章までは読みやすくっていい感じですね(笑)本の秘密にかかわる話が良かった(笑)最終章はいきなり展開が変わって幻想的な雰囲気(笑)ちょっと分かりにくくなっていましたが嫌いではないです(笑)物語全体を包む恩田さんの雰囲気が読んでいると気持ちが良くなりますね(笑)

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    2025年11月21日
  • 夜のピクニック

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    ネタバレ

    『ドミノ』で恩田陸に興味をもってこの作品で完全にはまりました(笑)本当にどうなるのか先が気になるのに読み終わるのが勿体無いって気になってしまった(笑)貴子と融の関係だけでなくその他の登場人物たちにも物語や秘密があって重要な役割があったり(笑)杏奈のおまじないとか(笑)本当に気持ちが良い読書でした(笑)こういう本を読んだ後は余韻が良いから次の読書に困ってしまう(笑)

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    2025年11月20日
  • ネバーランド

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    めちゃくちゃ好きだった!
    男子高校生4人の瑞々しい青春と抱えた重暗さがアンバランスなようで上手く絡み合っていて夢中で読みました。
    恩田陸さんの作品は情景描写がとても綺麗で、それが逆にストーリーが頭に入ってきづらくなる時がありますが、こちらの作品は雰囲気ともあっていてすごく好きだなぁと思いました。

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    2025年11月20日
  • 鈍色幻視行

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    読み終えてまず感じたのは、
    読書という行為そのものの不思議さでした。

    一冊の本は同じ紙と文字から成り立っているのに、
    読む人によって受け取る感触がまったく異なる。

    そこには、
    その人の経験、価値観、家族との結びつき、
    今まで過ごしてきた時間や傷や喜び――
    そういった“その人だけが持っている背景”が反映されます。

    本の内容そのものよりも、
    その本をどう読んだかが、
    ときに内容以上に豊かで面白い対象になる。
    この作品を通して、改めてその事実を強く実感しました。

    さらに、人は同じ本を読んだとしても、
    10代で読んだ時と20代で読んだ時とでは、
    感想がまるで違う。
    そしてその変化は不可逆で、

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    2025年11月20日
  • 蜜蜂と遠雷(下)

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    聴覚で捉える音楽を文章でどのように表現するか。
    この作品では、音楽を視覚的に描写している。
    読むと音楽が聞こえてくるような作品です。

    曲ひとつひとつに物語があり、捉え方は人それぞれ。特に演奏者はその捉え方で音が異なるという。それが本作でいう「同じピアノなのに音が違う」ということなのだろう。
    4人のピアニストがそれぞれ奏でる物語がとても魅力的で、この4人がコンクールで出会って成長していく物語に心が温まりました。
    素晴らしい作品です!

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    2025年11月17日