恩田陸のレビュー一覧
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国際ピアノコンクールを舞台に、卓越した技量と個性を持った4人の葛藤と成長にスポットをあてた物語だった。
俺は長年ロックにうつつを抜かしてきたので、クラシック音楽の知見が殆ど無く、コンクール課題曲はその都度ネットで検索、聴きながら読んだ。
残念ながら知っている曲はほとんど無く、難しい演目だらけなので、Bluesだったらこの曲かなぁ、と演奏シーンの緊張感と高揚感に引き込まれそうな描写に想いを重ねながら読み進めたので、作者の意図に反したかもしれないが、没入感はとても深かった。
自分の指から、知っている曲が生み出される満足感は、音楽ジャンルもレベルも違う俺のような素人下手くそなりにも理解できるの -
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息子へ)
本屋大賞の過去受賞作品をあさっている。本書は、第2回大賞作品。
当時、この本の存在は全く知らなかったが、、、おもしろかった。。。本書を教えてくれた本屋大賞にありがとうといいたい。
高校生の青春物語といってもよいが、かなりの文学作品だ。文学のことはわからないお父さんがいうと価値が薄いが、「お父さん賞」を送りたい。
なんといっても、設定がおもしろい。修学旅行のかわりに、24hr歩きつづける歩行祭なるイベント。本書は、その1日だけを描いた物語。
お父さんはもちろん夜を徹して歩き続けたことはないが、ここに描写されている心の動きに、とても共感してしまったのが、不思議だ。
とても特殊な -
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あたしはハルを愛してる
だから彼にもう一度会えて嬉しい。
私は純も好きだ。この本のキャラクターの中で多分1番普通で多彩。彼がいるからイロモノたちが輝く。それでいて脇役じゃないから素晴らしい。5人揃ったエピは純がいたから引き締まった。
フランツ。
絵に描いたような王子様。
王子様であり冷徹なビジネスマンであり、しっかり愛情も持てる人。彼の幼少期のエピソードは、好きというには憚られる内容ではあるがとても良い。
フランツ引退の石の花も良かった。
でも彼のヤキモチを見せつけられたモリーナの役のエピソードが1番好き。
ハルが好きなのか、ハルと関わる彼らが好きなのかよくわからなくなる。
でもやっぱり -
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天性の身体表現力を持つ「萬春」をバレエ仲間、叔父、元バレエ仲間で今は違うことで春と関わりのある友達の目線で彼を語っていく。
私はバレエのことは全く知識がないけれど、そんな私でも「こんな感じなんだろうな」と想像ができるくらい表現が細かい。春が何を感じそれをどう自分のなかに落とし込んでどう表現するのかワクワクしながら読んだ。
いわゆる「天才」だけれど、「枠にはまったまま生きる」に違和感を覚え、学校という縛られる存在にも違和感を覚え、心の孤独のようなものを抱えてきた春。読んでいて人との接し方に少し距離がある感じがした。それと遠くにどんどん行ってしまう感じがした。
「改めて考えてみて気付いたのは、人生 -
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ぬお~~夏に読みたかった、、
酒場からインスパイアされたホラー短編集ということでしたが、ホラーと横文字で表現すると言うよりは、少し不思議な怪談…って感じで、読み心地の良いものやぬめっと終わるお話の詰め合わせ。
神社やお城、さびれた建物、その街の老舗…という日本の風景が描かれ、その中で恩田陸の想像力と良い意味のこじつけ力が如何なく発揮されています。短い文章の中で違和感や疑問を回収してくれるのがたまらなく気持ちいい。
そして酒好きには小ネタがいっぱい入っていて楽しい!コの字カウンターの店って最高だよね。
夜のお告げ/野毛、曇天の店/富山、が特に好きだな。代田橋って沖縄タウンなんですね。確かに沖縄料 -
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恩田陸さんの小説は、蜜蜂と遠雷に続き2冊目でした。
やはり恩田さんは大御所小説家さんだなと改めてひしひし感じる一冊でした。
何というか、ある人物像やひとつの事柄、ひとつの出来事を、複数の登場人物の視点で描く際に、その緩急がとても上手な方だと感じました。
特に今回のような、お芝居/演劇を扱うとなると、芝居の場面か否か・それを男性か女性から見るかで、読み手側は一気に緊張したり弛緩したりの繰り返しで、本当に劇を観たと感じられるほどリアルな物語でした。
文体としても改行もとても多くてあっという間に読むことができました。
どうやら続編を今か今かとずっと待ち続けていらっしゃる方々が大勢いると、SNSをみて -
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また三宅香帆さんの書評から再読したくなって。
恩田陸さんのSF、やっぱりいいなあ。子供が生まれると真っ先に「茜」とか「ヒロシ」とか名付けた書見台を拵える一族とか、ディテールがわくわくするんだよね。
特に好きだったのは、最初の短編ながらうっかり泣かされる『大きな引き出し』、思った以上に切ない『光の帝国』、この時代からジャズを中心とする恩田陸さんの音楽好きが作品に出てたんだなと思わされる『国道を降りて…』。
あとがきでも「手持ちのカードを使いまくる総力戦になってしまった」と書かれているが、恩田陸さんの多彩なイマジネーションを楽しめる一冊だった。 -
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幽霊屋敷を中心とした連作短編小説。
不穏で幻想的な世界観が好みでした!そこまで怖くないのでさらっと読みやすいと思います
話が進むごとにこのお屋敷で起きた事件やその周囲の出来事の真相が少しずつ浮かび上がり、繋がっていくのが楽しかったです!
「私の家では何も起こらない」→小説家の住む家に本物の幽霊屋敷を探す男が訪れる話
「私は風の音に耳を澄ます」→ある視点から屋敷の住人やその生活が描かれた話。最後はゾワっとしました。
「我々は失敗しつつある」→幽霊屋敷に行く男女のお話。このお話だけあまり分からなかったです
「あたしたちは互いの影を踏む」→キッチンで殺し合った姉妹の話。どうして事件が起こっ