島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりの島本さん。
短編集はとても読みやすかった。
以前読んだ作品は、若い女性の思い詰めた感情に心が抉られた気がしたけど、この短編集は心の傷みの描き方がじんわりと効いて、寄り添う人や時間があって、優しく包まれる気がした。
義母が発達障害を抱えていると気付く『家出の庭』が一番好きだ。
お義母さんも主人公の葉子も夫の春斗も、ただ相手の事を純粋に思える気持ちに打算がなくて、うらやましくなって、じんわり涙が出た。
『God breath you 』は大学教員の40歳女性が偶然知り合った若い男性と深い仲になる話。2人の仲が進展するきっかけに宗教が絡む。カソリック系の女子大で近現代のキリスト教文学を教える依里と一時期世間を騒がせた奈良の宗教施設で子供時代を過ごした時生。
端から見たら眉をひそめる関係だろうけど、小説を通すと、2人が結び付くのも、2人の会話も、違和感を覚えなかった。年齢や性別を超えて誰かとただ真剣に会話できることがうらやましかったのかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいやーすぐ読み終わってしまった。
なんというかなんでこんなタイトルなんだろう?と思っていたYOASOBIのある四曲がスッキリした気がする。
一個目は「ミスター」の原作。アンドロイドが大量に生産されて、それでいて生活を助けるあるアンドロイドが持ち主の命令を聞いて、最後の命令を聞いてアンドロイドだけ逃げ出すっていう。どうやらそのアンドロイドとある研究者とで文通をしてるんだけど、そのある研究者が驚きの正体。
二個目は「夜のまにまに」の原作。自殺するために遠くの街まで片道分しか切符を買わずに電車に乗ったけど、夜の海に惹かれて切符の最終地点まで行かずに降りちゃう。そこで出会った女の子に自殺を止められて、悲壮感みたいな、悲観的に見る視点がだんだん楽になっていって…という素敵な友達を作れたっていうお話。これはすごい響いた。
三個目は「セブンティーン」の原作。これは結構特殊な話だったなという印象。まず世界観が現実と違うし、現実とパラレルワールドがあるっていう設定の上で、あっち側とこっち側の自分とで求めているものが真逆で、あっち側の自分はきっとこっちの方が向いているし、こっち側の自分はあっちの方が向いている。ちょっとこれは難しかったかな…。
最後は「好きだ」の原作。これはもうわかるわかるの連続。どうやら私と同い年の主人公で、同じ子に何度も何度も告白して敗れてきてる。次告白してしまったら四度目。絶対ダメに決まってるけど衝動が収まらない。ああ、あの時告ってなかったら…。そんな主人公の友達がタイムスリップで過去を消せるらしい人がいるんだって教えてくれて、それを試みることに。最後はもちろんハッピーエンド。読んでてすごく楽しかった。 -
Posted by ブクログ
島本先生のお話は、読むのはこれで4冊目になりました。主人公の家庭環境、年上の男性の存在、などがどの本にも共通して出てくるキーワードがあり、作者の方が強く伝えたいと考えていたり、自身の中で整理したい事柄なのかなと感じました。
本書も、一筋縄ではいかない内容で「そっちに行ったら駄目だよ。」「それは引かれるから。」と登場人物にツッコミを入れ、「一体次のページではどうなっているんだ?」とはらはらしながら、ページを捲りました。恋愛は、矛盾の思考や言動、自身の醜さの晒し合いの連続だと本書を読んで感じました。登場人物達ほど、極端な言動ではないかも知れないけれど、恋愛において、誰もが感じたり経験したりしたことがある感情、言動がこのお話の中にはあると思いました。
本書は、ちょっと前の島本先生の作品のようなので、現在の島本先生のお話も、ゆくゆくは読みたいなと思います。