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DVで心の傷を負い通っていたカウンセリング室で麻由は蛍に出逢い心惹かれていく。彼を恋う気持ちと不安。相反する気持ちを抱えながら、麻由は痛みを越えて足を踏み出す。切実な祈りに満ちた恋愛小説。
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Posted by ブクログ
麻由はかつての恋人によるDVで心に傷を負い生きることに臆病になっていた。ある日カウンセリングの相談室で蛍という年上の男性に出会い次第に惹かれていく。彼に近付きたいのに身体はそれを拒絶してしまう麻由の苦悩が痛々しい。せつないけれど希望も感じた小説。
没入感すごい。 島本さんの作る文章、雰囲気に気がついたら呑み込まれている感じで。 麻由の、自分の内側にある暗い場所に埋もれていく感じ。悪いのは自分だ、って。自分もメンタル患ったことがあるのですごく分かる。 あと、病気というより性質だけど、他者のことばかり考えすぎて甘えられない感じもすごく共感。 ...続きを読む そういった描写はまったくないけれど、駅で彼を見送る麻由は、清々しい美しさに満ち溢れているのだろうなと思った。 美しい文章が紡ぐ美しい物語が極上の読書体験を与えてくれた。
私の大好きな作品 描写がほんとに美しい そしてなにより二人の世界が儚くて、まさに世界の果てという言葉が似合う
あまりにも自分の身に覚えがありすぎて、途方に暮れてしまった。 切なくて悲しくて、きっと、こんな感じ。 二人の寄り添いあう様子、蛍の慮る様子は本当に素敵。染み入った。
どのページを開いても必ず1つはハッとする表現を見つけてしまうほど研ぎ澄まされた文章で紡がれたとても切ない恋愛譚。この威力は並ではありません。
島本さんの描く精神の世界は焦燥感がありながら綺麗で、文章からキラキラ瞬くものが目に見えるようです。中でもこの本は舞台となってる夏と言う季節が表す短さを読みながらに体感するようで、しかしながら一瞬も飽きず一気に読み切れました。島本さんの良さがコンパクトにギュッと詰まった作品です。10代20代の女性で島...続きを読む本さんを知らない方は、おすすめしたい作品。
暫く筆を止めていた島本理生さんが時を経て、認めた作品。 文章の瑞々しさに自分もその中にいるような、当事者のような感覚に。 一筋の光が見えてよかった
理解されない寂しさに浸って、そのくせ自分の言葉を伝えられないし伝えようとしない。そんな自分を自覚した。
島本理生さんの作品、久々に読んだ。 過去付き合っていた人のDVが原因で、男性恐怖症になりながらも、その病院で出会った人に惹かれていく。 傷を負いながらもどうしても惹かれてしまう心の動きに、自分は経験してるわけではないのに引き込まれた。 惹かれる相手の蛍さんは、魅力的なんだけど、元カノと友達として付き...続きを読む合いが続く人。 また次の人に行ってしまいそうな危うさを感じつつ、この2人がこの先穏やかに関係を築いていけることを願ってしまう。
主人公の麻由が抱く、蛍への感情はあまり理解できるものではなかったが、読んでいるうちに、次第に自分も麻由と同じように蛍に惹かれているかのような錯覚を味わった。 それほどに、麻由の心理描写が細かく、繊細で、自分も麻由になったかのようだった。 とても繊細な文章だった。
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