【感想・ネタバレ】波打ち際の蛍のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年10月04日

私の大好きな作品
描写がほんとに美しい
そしてなにより二人の世界が儚くて、まさに世界の果てという言葉が似合う

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Posted by ブクログ 2012年12月08日

あまりにも自分の身に覚えがありすぎて、途方に暮れてしまった。
切なくて悲しくて、きっと、こんな感じ。
二人の寄り添いあう様子、蛍の慮る様子は本当に素敵。染み入った。

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Posted by ブクログ 2012年11月22日

どのページを開いても必ず1つはハッとする表現を見つけてしまうほど研ぎ澄まされた文章で紡がれたとても切ない恋愛譚。この威力は並ではありません。

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Posted by ブクログ 2012年11月05日

島本さんの描く精神の世界は焦燥感がありながら綺麗で、文章からキラキラ瞬くものが目に見えるようです。中でもこの本は舞台となってる夏と言う季節が表す短さを読みながらに体感するようで、しかしながら一瞬も飽きず一気に読み切れました。島本さんの良さがコンパクトにギュッと詰まった作品です。10代20代の女性で島...続きを読む本さんを知らない方は、おすすめしたい作品。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年08月09日

島本さんのこんな感じの作品、私は好き。
あとがきにもあったけれど、本当に「ただいま」な作品だと思う。

麻由の心理にも、蛍の心理にも、自分と重なる面があって。
男と女として読むと、ふいにときめいてしまう場面もあって。

何よりも三十歳な蛍さんを可愛く(愛しく)思ってしまう自分がいた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月20日

心療内科の相談室に通う男女の話。
女性の方は著者が得意な女性に嫌われそうな女性。
元カレにDVを受けていたので、あんなに繊細になったのだろうか。
蛍はすごくモテそう。
最後2人がどうなったのかよくわからなかった。

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Posted by ブクログ 2023年01月09日

理解されない寂しさに浸って、そのくせ自分の言葉を伝えられないし伝えようとしない。そんな自分を自覚した。

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Posted by ブクログ 2022年02月17日

島本理生さんの作品、久々に読んだ。
過去付き合っていた人のDVが原因で、男性恐怖症になりながらも、その病院で出会った人に惹かれていく。
傷を負いながらもどうしても惹かれてしまう心の動きに、自分は経験してるわけではないのに引き込まれた。
惹かれる相手の蛍さんは、魅力的なんだけど、元カノと友達として付き...続きを読む合いが続く人。
また次の人に行ってしまいそうな危うさを感じつつ、この2人がこの先穏やかに関係を築いていけることを願ってしまう。

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Posted by ブクログ 2021年11月16日

主人公の麻由が抱く、蛍への感情はあまり理解できるものではなかったが、読んでいるうちに、次第に自分も麻由と同じように蛍に惹かれているかのような錯覚を味わった。
それほどに、麻由の心理描写が細かく、繊細で、自分も麻由になったかのようだった。
とても繊細な文章だった。

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Posted by ブクログ 2021年03月11日

かつての恋人にDVをうけ、男性恐怖症になった麻由。ある日カウンセリングの相談室であった年上の蛍に惹かれていく物語。触れると拒否反応をしめす身体がリアルに表現されていて、胸が痛かった。蛍がただただ優しいのだけど元カノと会っちゃうあたりとか優しい人にはダメなところもあるね。幸せになりますように。

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Posted by ブクログ 2020年08月01日

『腕を摑むときの強すぎる力加減、寝転がっていたときに髪を踏まれた私が、痛い、と言ったら、一瞬だけ、大げさだと反論するような目をした。
あのときから、きっと、私の小さな世界は壊れ始めていた。』

“パートナーや恋人からの暴力に悩んでいませんか。一人で悩まずお近くの相談窓口に相談を。” 政府広報が優しく...続きを読む問いかけかるその言葉。DV (ドメスティック・バイオレンス)という言葉がこの国で認知されるようになって久しい昨今。直近の統計では1年間に8万件にものぼる被害が把握され、年々増加傾向にあるという深刻な事態に警鐘が鳴らされています。好きで一緒になったはずの二人、そんな二人の関係は何をきっかけに崩れ始めるのでしょうか。また、一旦崩れてしまった小さな世界が再び元どおりになることはあるのでしょうか。そして、その先にもう一度恋をする未来はくるのでしょうか。これは、そんな壊れた世界からの再生を目指す一人の女性の物語です。

『私は、何度も蛍との約束を破ってしまったけど、海へ行きませんか、という誘いにだけは、こたえることができた』というのは主人公の川本麻由。『彼とは相談室で出会った』という麻由はその時のことを振り返ります。『治療には一番効果があると言われたグループセラピー』に耐えられず途中で抜け出した麻由に『もう、終わりましたか?』という声。『なんだか自分には場違いな気がして』という男性は『もし良かったら、ちょっとお茶でも飲みに行きませんか』と続けます。『突然、そんなことを言われ、私はびっくりして、言葉を失った』という麻由に『俺のこと、もう忘れましたよね』という男性。『二ヶ月くらい前に、俺がエレベーターの前でうずくまってて、そこを助けてもらって』という男性の言葉に『ようやく相槌を打ったものの、まだ記憶は曖昧だった』麻由。『せめて君の名前を』と言う男性に『反射的に表情が凍り付いてしまった』麻由。『とりあえずこっちの名前を伝えておくから。俺は、植村蛍といいます』と続けた男性に麻由は『こんなふうに自由に選ばせてくれる誘い方は、やっぱりこういうところに通っている者同士だからかな』と感じます。『この二週間で、なにか変わったことはあった?』といういつもの加藤先生のカウンセリングを受けた麻由。『例の彼は、夢に出てきたりする?』、『…出てきてないと思います』というカウンセリングも終わり帰宅する麻由に蘇る記憶。『風邪薬36錠と吐き気止め18錠、鎮痛剤12錠、抗生物質6錠をビールで一気飲みして救急車で運ばれた夜』。『今でも色つきの悪夢のように思い出せる』という『普段は意識していないけれど大切なたくさんのことを粉々にする作業』を経験したICUでの措置。心に深い傷を負った麻由の前に現れた植村蛍という男性との関わりを通して、傷ついた麻由の世界が少しずつ動き始めます。

DV被害を受けた女性のその後を描いたこの作品は全編に渡って非常に重々しい雰囲気が一貫しています。島本さんらしいと言えばそうなのかもしれませんが、取り上げているDVという題材がその重さに輪をかけます。『買い物カゴをいったん足下に置いて深く息を吐くと、カゴを掛けていた左腕に赤い跡が浮かび上がっていることに気付いた』という麻由。スーパーに行けば誰もが経験する何のことはない日常風景の一コマです。しかし『数分後には跡形もなく消えるはずの跡なのに、突然、もう一生消えなかったらどうしよう、と根拠のない不安に駆られて、身動きが取れなくなった』と強く反応してしまう麻由は『次第に動悸が速くなってきて、頭皮がじっとりと熱を帯びてきたような気がした』と、DVで受けた影響から抜け出せない心の内が描かれます。また『気がつくと私は片手に携帯電話を握りしめていた』と一番身近にある道具。『暗闇にふっとディスプレイの明かりが灯る』、という何気ない瞬間にも関わらず『別れたときに番号もアドレスもぜんぶ変えたけれど、いつかあの番号が追ってくるような気が』ずっとするという恐怖が頭から離れません。そして『私は、大声で泣き出しそうになるのをなんとか堪え』る麻由。そんな麻由は定期的に通うカウンセリングでも『加藤先生と話し終えた後はいつも、ほんの少しの間、我に返る』、とその効果を認めますが『けれどその効果は、薬と同等にあっけない。数日間で消えてしまい、私はふたたび穴に戻っていく』と『穴に戻る』という表現を用いて未だ日のあたる場所に生きられない麻由の心理状態が描かれます。その治療期間は長期にわたり、簡単には治癒しないともされるDVによる被害。そのDVに正面から向き合うこの作品は全編に渡って陰鬱な雰囲気が漂っており、我々読者はそれに”耐える”精神力が要求されます。しかし、その一方で安易で分かりやすい展開にしなかった島本さんの選択により、とても納得感のある読後に繋がっているとも思いました。

一方で蛍との出会いがそんな麻由の心を少しずつ動かしていきます。『キスしてほしいと、思ったのだ。』という麻由。『だけどそんなことを言ったら、正確な意味で心臓が止まってしまう気がしたから、結局、黙っていた』と二人の関係を前に進めることを躊躇する麻由。二人で海岸を歩くシーンで『こちらに差し出された手の指を二本だけ握った』麻由は『絡めたというにはあまりに頼りなくて、強風に外れそうな互いの指先だけが、彼を、そして私を拒絶してはいないことの唯一の証明だった』というなんとも危うげな心の内が描写されていきます。そんな麻由は『まだ出会って少ししか経ってないのに、蛍の残像をこんなにも懐かしく感じる。そして私は、懐かしい、が、安心、という言葉に置き換えられることに気付く』、と少しずつ蛍に心を開いていきます。しかし、そんな単純に心の内が変わっていくことはありません。『この体の時間はいつになったら動き出すのか』と苦悩する麻由。『空気に触れた傷口がかすかにひりひりして、だけどまだぜんぜん繋がらない。切れたままの感覚を捕まえる方法が分からない』と容易に塞がるものでもありません。そんな麻由の心の描写に島本さんはこんな表現を登場させます。『蛍。本当は今この瞬間に、混乱している私を置いて、去っていってほしい。そうすれば私はされたことを客観的に自覚することもなく、変わる必要もなく、手放す時機を逸して腐っていくものを抱きながらいつまでも閉じこもっていられる。』こんな風に考えてしまう麻由。そして、そんな麻由を作り上げたDVというものの恐ろしさ、悍ましさ、そして冷たさを改めて感じさせる強烈なまでの表現だと思いました。

『ふくらんだ月はじっと夜空に座り込んだまま、追いかけてくる。闇に飛び込んで、闇から逃げて、また闇に戻っていくようだった』という麻由の心の内。そんな麻由というDV被害を受けた女性が歩む人生の一場面を切り取ったこの作品。「波打ち際の蛍」という作品名に込められた蛍という存在。闇に包まれた麻由の心の内をほのかに照らす蛍が導く未来を感じさせるこの作品。とても丁寧に、とても繊細に、そしてとても透明な表現で綴られた作品だからこそ感じる人の心の脆さに触れた、そんな作品でした。

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Posted by ブクログ 2020年07月06日

過去のトラウマから弱ってしまった女性の物語。
島本理生さんの小説は、流れるように読むことが出来て、とても心地の良い、不思議なチカラを持っているように思います。

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Posted by ブクログ 2018年06月21日

川本麻由はかつての恋人によるDVで心に傷を負い、生きることに臆病になっていた。ある日、通院先で植村蛍に出会い、次第に惹かれてゆくが…。どこまでも不器用で痛く、眼が眩むほどスイートな恋愛小説。

心って面倒ですね。

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Posted by ブクログ 2015年04月10日

素直に綺麗で淡々とした文章ですっと抵抗なく頭の中に入ってきた。なのに内容は繊細で脆くてすぐに壊れてしまいそうな話。
主人公の心の描写の比喩がほんとに綺麗。

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Posted by ブクログ 2013年04月27日

島本さんの作品は、読んだあと切なくて、焦燥感に駆られる。そんなところが好きです。この作品も例外ではなく。

不安定さを持つ麻由と蛍を見守る、さとると紗衣子が温かい。麻由と蛍に彼らのような人がいるというだけで救われた気持ちになった。
麻由と蛍の幸せを願わずにはいられません。

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Posted by ブクログ 2013年03月24日

傷ついた女性が進もうとする話。

綺麗だけど幸せがあふれているわけじゃない。
島本さんの世界はただ綺麗なだけじゃないから素敵だ。

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Posted by ブクログ 2012年11月18日

麻由は危なっかしい。想像に反しない苦しみと闘いがあった。

でも、もっと危うさを感じたのは蛍の方。本人が自分の危うさを自覚していない分、触れたら壊れてしまうような怖さがあった。また、その危うさの原因が私にはイマイチ解らないし…。

でも、お互いをとても大事にしあっているところに希望を感じた。二人とも...続きを読む問題に向き合い、幸せな未来が訪れるはず。がんばれ。

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Posted by ブクログ 2012年10月22日

島本理生の書く男が好きすぎて、読んだあとはいつも消化不良のような欲求不満のような気持ちになるけれど、結局はそういう満たされなさが好きなんだと思う。弱くてたまらない。わたしはずっとこのひとの書く男に恋をするだろう。

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Posted by ブクログ 2012年09月09日

島本さんの本はちょっと脆い主人公で下手にさわると壊れちゃうような世界観が好き。
ただ、蛍は男としてあんまりひかれなかったな。
麻由との少し他人行儀な二人の距離感のせいかもしれないけど。

そのぶん、麻由が心を完全に許してるさとるくんがいいなって思う。
あんなに女の子の心を分かってくれる彼氏がいたら幸...続きを読むせだろうな。

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

さとるの堂々として頼もしい性格に惹きつけられた。

★印象に残ったフレーズ
「私が蛍に見せたいものはほんの少しの矛盾もシミもない綺麗な傷跡だからだ。その上からつけた無数の掻き傷は、自分自身の弱さだ。」

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Posted by ブクログ 2022年07月03日

過去に恋人からのDVに傷つけられた麻由は、同じ相談室に通う蛍と出会い、やがて恋をする。
触れてほしいという恋情と、触れられたくないという拒絶。心と身体がそれぞれ別の生き物みたいに違う意志を持って動いている様子が、痛くて苦しくて、無意識に息を止めていた。

心にある古傷を隠して生きている人は世の中にた...続きを読むくさんいる。
ページをめくるごとに、少しずつ自己肯定をして傷の上に塗り重ねてきたものを一枚一枚剥がされていくような感覚になった。「だめな自分」に戻されてしまう、と心が怯える。前半部分の麻由の言動を客観視することは、傷を抱えて生きている人にはほとんど自傷行為のようなものだと思う。ひたすら自分の弱さと向き合わなければならない。だんだんと、自分と麻由の境界線が曖昧になっていく。

この本を読んで改めて感じたのは、どれだけ自分がボロボロで醜い姿になったとしても、自分を諦めないでいてくれるたったひとりが心強いかということ。どん底から引っ張り上げてくれたさとる君や、逃げても呆れず向き合ってくれた蛍のように。逆にそういう人がひとりもいなければ、人は簡単に死を選んでしまうのかもしれない。他者の中にいる「大切にされている自分」を知ることで、人は強くなるのだと思った。

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Posted by ブクログ 2020年04月24日

島本さんの作品はこれで二冊目。やっぱり私は、この人の書く静かで流れていくような文章や、そこに生まれる時間が心地よいと感じた。
美しさだけではなく、文章の温度のようなものに対しても度々はっとさせられた。温かさの中にひやっとするものが混じり、逆に背筋が冷たくなる場面でも麻由の肉体の温度が伝わってきた。生...続きを読むきている、その実感がある。このように読者が感じられるような文章が書ける作家さんを、私は他に知らない。
恋愛ものなので急展開や伏線はないけれど、ただひたすらにこの人の書く物が好きだ。

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Posted by ブクログ 2016年12月19日

信じられないんです、と私は首を振った。強く振った。
「道端でいきなり殴られたり刺されたりしないことを。ホームに立ってて背後から突き落とされないことを。知らない人が、意味もなく私は蔑んだり疎んだりはしないことを。キスやセックスが、私を殺しはしないことを」

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Posted by ブクログ 2013年12月29日

過去に心の傷を負っていた主人公は、蛍に出会ったことで、少しずつだけど彼女の中で何かが変わり始める。繊細で独特な表現があったりして面白い。

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Posted by ブクログ 2013年02月12日

2013/02/12
文章はとても綺麗。
やっぱりこの人はスゴイなと思う。
ただ、登場人物は悪い意味でやっぱり、という感じ。
そろそろ次の島本理生が見たいなぁ。

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Posted by ブクログ 2013年01月25日

1回読んだことあるかもなーと思いつつ読み始め、やっぱり読んだことあるなーと思いつつ読んでても、結末まったく思い出せなかった一冊。

さとる君といい紗衣子といい、回りの人がいいキャラだね。
蛍の少々の強引さも、拒否されても何度もトライする姿も好感もてた。

途中、あ、いい感じの二人と思ってたのにこれも...続きを読む壊れちゃう(ナラタージュでもそういうことあったので)のかなーと思ってたら、ラストはそうとも言えない希望が見える終わり方だったからよかった。
蛍が元カノと出掛けるのやめてくれないと、今後もうまく行くとは思えないけど(笑)


文章キレイで読みやすかったけど、蛍もさとる君も紗衣子も、実際にはほぼいると思えないキャラだったから身近に感じられなかった分、評価は★3つにしちゃいました。

ちなみに、読みながら麻由ちゃんのイメージは私の中でなんとなーく蒼井優ちゃんだったんだけど、ラスト髪を切ったとこで間違いないと感じました(笑)

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Posted by ブクログ 2012年09月10日

希望と絶望とを行き来する、揺れる感覚がとても巧いなあと。
なんとなく、おかざき真里の『&』に通じるものがあるような…単に自分が好きな作品だから重ねてしまっただけかもしれないけど。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年09月08日

島本理生作品。やっぱりおなじみの、「どこか影のある男たち」が登場する話。
元彼はDV男、そのせいで精神が不安定になっていた主人公と恋に落ちた蛍くんもちょっと影がある。
やはりとても文章はきれいで、何気ない日常の1コマが味わい深いなあ、と思う。この人が暗くない恋愛小説をかいたらどんな感じになるのか?
...続きを読む毎度のことながら、ハッピーエンドな恋愛小説ではないので、ちょっと息苦しい気持ちになる。

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