島本理生のレビュー一覧

  • 天使は見えないから、描かない

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    叔父と姪の恋愛というこの本は、作中でも出てきますが「気持ち悪い」と思う人の方が多いでしょう。
    ただ私は現実に置き換えずに読んだので、駄目だと分かっていながらも自分の弱さを見せられる叔父に、幼い頃から自分の両親とうまくいかず、今なら虐待だと言われてしまうであろう暴力を父から受けた時に庇ってくれた叔父の遼一に永遠子が恋心を持ったのは分かる気がします。
    なかなかハッピーエンドにはなりそうにない設定のお話でしたが、2人の歩んでいく道が閉ざされなくて良かったです。

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    2026年03月22日
  • 二周目の恋

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    恋愛アンソロジー。

    どの作品も、一筋縄ではいかないけれど読後に希望の残る。こういうアンソロジーでは珍しく、どの作品も何かしら心に残る箇所があったのでとても得をした気持ち。

    特に「深夜のスパチュラ」のとりとめがないけどキュートな読み味や、「道具屋筋の旅立ち」のラスト、「海鳴り遠くに」のタイトルの意味が分かった瞬間が特に心に残った。

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    2026年03月21日
  • ファーストラヴ

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    第159回直木賞受賞作。

    殺人事件を軸に、性加害や虐待、裁判といった重い題材を扱いながらも、文章は驚くほど静かで読みやすい。淡々とした筆致の中に、確かな温度や色が滲み出ており、気がつけば流れる川に身を任せるように最後まで読み進めてしまう。

    物語は一つの事件を追いながら、その背景にある人間関係や過去、そして当事者たちの心の揺らぎを丁寧に掘り下げていく。断片的に見えていた事実が少しずつ繋がり、やがて一つの像を結んでいく構成も印象的だった。

    扱われているテーマの重さに反して、読後に残るのは過度な陰鬱さではなく、むしろ静かな余韻のようなものだ。人が抱える痛みや歪みを描きながらも、それを声高に訴え

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    2026年03月18日
  • 天使は見えないから、描かない

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    子どもの頃のある出来事をきっかけに、実の叔父を愛してしまった女性弁護士永遠子が主人公。
    タブーとされる恋愛だから、苦手だと感じる人もいると思う。ただ、この本はドラマチックに書かれているわけではなく、どちらかというと淡々とした、どこか俯瞰的な視点で書かれているので、スルスルと読める気がする。
    永遠子は実の父母との関係が希薄な分、優しくしてくれた叔父にのめり込んだ側面はあると思う。そしてこの恋愛がタブーだからこそ、より執着するのかな?とも感じた。どこか人を信じず、ひとりで強がっていた永遠子が、最後の最後、周囲の人と少しずつ繋がろうとしていて、物語としてはハッピーエンドなんだけど、変わり始めた永遠子

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    2026年03月16日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    爽やかな読後感。
    ラストの1篇に出てくる、いちご水のおかげかも。

    織守きょうや 「ファースト・アンド・オンリー」
    友井羊 「春とマーマレード」

    どちらもミステリー畑の方だからかな、ラストシーンでニマニマさせてきたり、伏線回収してきたり、物語として好きな感じ。


    名取佐和子 「ドーナツ息子」

    ラストシーンで涙が出た。
    自分も同じような場面で、母を前に涙を堪えたことを思い出した。

    改めて自分が、物語の題材だとしてもアイドルや不倫が好きじゃないことがよくわかった。

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    2026年03月15日
  • はじめての

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    読書が初めて、久しぶりの人でも、YOASOBIさんの素晴らしい楽曲と共に気軽に読める、素晴らしいコンセプトの作品です。読書体験というより、エンタメ体験です。

    読書慣れしてる人でも短い文字数の中での各作家さんの表現力や個性を味わいながら、音楽とのコラボという新鮮さは他にないので、お勧めしたい。

    この本をプレゼントしてくれる人がいたら、死ぬほどセンスが良いと思います。

    Ayaseさんが凄すぎることを認識できるのでYOASOBIファンは絶対読むべきです(私はファンクラブ入ってないですが、入りたくなりました)

    私だけの所有者は、
    島本理生さんが普段重ための恋愛小説で書くような、所有されることを

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    2026年03月15日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    ネタバレ

    昼下がりのご褒美と、それにまつわる思い出。
    同じ食べ物にも、そこには一人ひとり違う、誰かにとっての大切な記憶がある。
    中でも、「春とマーマレード」がとても好きだ。日々の生活の中で、「食」を通じたひととひとのつながりを、丁寧に繊細に描く友井羊さんの作品は、食や人に対する愛に溢れていて、いつ読んでも心が安らぐ。
    どの短編も、あたたかく、素敵なお話だった。

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    2026年03月10日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    泣いちゃった。お母さんに会いたくなった。お母さんと一緒にご飯が食べたくなった。私にとってはお母さんだったけど、心に浮かぶ大切な人はそれぞれなのだと思う。
    食とは人の生活に欠かせないものであるがゆえ、「習慣」として認識してしまいがちだが、この本を読むと食が人とのコミュニケーションであったり、経験、栄養、思い出、愛情になると気づかせてくれる。全部が本当に素敵なお話だった。

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    2026年03月09日
  • 天使は見えないから、描かない

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    十代にも満たない時から叔父に惹かれ、叔父を欲していた弁護士の永遠子。
    合理的な判断で別の男性と結婚したが、夫が別の女との間に子どもができたことを機に離婚。
    唯一無二の叔父への愛に気づいた永遠子は・・・

    叔父と姪が関係をもつというだけで、生理的に嫌悪感を抱く人も多い題材だと思う。
    作中、二人の関係性を何度も「気持ち悪い」と表現されるのがまさにそれだ。

    弁護士という職業をもち、社会的に絶対的強者でありながらも、一つの愛に執着し、女性としての生き方を模索して悩み生きる永遠子の姿には、不安定な危うさを感じた。

    この内と外の対象的なギャップの根底にあるのは、幼少期に育った環境の影響が大きいと思う。

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    2026年03月07日
  • あなたの愛人の名前は

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    島本さんらしい繊細な文体・官能的な物語。
    全てが肯定される恋愛ではないが、
    その当事者・周辺の人々の感情は
    生活を送っているなかでは味わえない
    不思議で現実離れしていて、でもちょっと現実味があるのかな。
    もう一回じっくりと読みたい

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    2026年03月07日
  • 星のように離れて雨のように散った

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    作品を通して登場人物が語る結婚観や自分自身と向き合うことなど、頭の中のメモ帳に残しておきたくなる言葉が多くて、島本さんの小説には毎回共感させられる。好きだー。

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    2026年03月04日
  • はじめての

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    「はじめて」をテーマにしたYOASOBIさんとの短編&楽曲プロジェクト。島本さんのSFから始まり、辻村さんは初読みでしたが感動。脱帽です。ホームページから曲やビデオ、インタビューも楽しめます。

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    2026年03月03日
  • あなたの愛人の名前は

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    大人の恋愛模様を、さまざまな角度から描いた短編集。
    途中から二編でひとつの物語となり、「あなたは知らない」「俺だけが知らない」では、同じ関係を男女それぞれの視点から追体験する構成になっています。

    お互いの感情は驚くほど似ているのに、気持ちだけがすれ違い続ける関係性が、静かな緊張感とともに描かれていきます。
    わからないから惹かれ合うのか、それとも惹かれているからわからなくなるのか。

    島本理生さんは初読みでしたが、言葉の選び方の美しさに何度も立ち止まらされます。
    「濡れた食用菊を口に含んだときのように頼りない感触」という表現は、その象徴のような一文。感情を直接語らず、触感や温度で伝えてくる文章

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    2026年03月02日
  • ノスタルジア

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    過渡期を迎えた作家の紗文は問題を抱えた創といっしょに暮らすことになるいっしょに暮らす内に恋愛感情が生まれてくる創それに対して紗文はどう答え行くのか悩み続けていく過程が見事にに描かれていきます。こう言う恋愛形態もあるのかと考えされられます。イギリス旅行体験は2人とってどうあるのか興味津々でした。ラストは意外性があり面白く読みました。

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    2026年03月02日
  • 一撃のお姫さま

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    住んでいる地域が出てくると知って
    家出の庭が面白かった!
    島本さんの小説に出てくる主人公って、同じ性別なのに全く価値観が違ってみんな面白い

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    2026年03月01日
  • いつか、アジアの街角で

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    台湾が大好きで、表紙があまりにも可愛くてに取りました。

    サラッと読める文章で隙間時間に楽しむのにちょうど良い一冊です。

    台湾に行かなくても、日本に住む日常の中に台湾を感じることができます。

    香港や台湾は、ずっとそのままでいてほしいな。

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    2026年03月01日
  • あられもない祈り

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    痛い、苦しい、湘しい、そのぜんぶを正当化できない息苦しさ。巨大な罪悪感を持ちきれなくて、あなたを責めた。自業自得だと思うほど飛び出す言葉は容赦なく、自分の内側から噴き出した毒がまわって病んでいく。

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    2026年02月28日
  • 一撃のお姫さま

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    全体的に難しい表現はなく、読みやすい物語集だと思った。不倫、付き合う前の性的行為などに対して良い印象が無いため、そういうことを普通にする主人公ばかりで最初は若干ストレスだった。ただ、【⠀家出の庭】というタイトルの話は共感することが多くて読んだあとに励まされた気持ちになって良かった。

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    2026年02月15日
  • いつか、アジアの街角で

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    ネタバレ

    短編のオムニバス。個人的には、中島京子さんの筆致や「よしんば」の発想はさすが卓越してるなぁとか、やはり桜庭一樹は苦手なんだよだなぁとか、比較しながら楽しく読んだ。
    大島真寿美さんの作品は初めて読んだけど、「香港加油」のポストイットのくだりがたいへん良かった。他の作品も読んでみようと思ってググってみたり。こういう出会いがオムニバスの醍醐味だな、と思う。
    ちなみにアジアといっても、台湾や香港が舞台で、もっと東南アジアやインドなど、異文化感の強い舞台の作品も読みたかった。

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    2026年02月16日
  • あなたの愛人の名前は

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    島本さんのどの本を読んでも刺さる文章がある。
    「人の輪郭って、他人がなぞるんだね。」
    言葉にできない良さがある…。
    周りから見れば幸せそうでも、何かしら抱えているものなんだよなあ。

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    2026年02月14日