島本理生のレビュー一覧

  • Red

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    ネタバレ

    周囲から羨ましがられるほどの夫、最愛の娘、理解のある姑、それなのに塔子の結婚生活は幸せなようでどこか満たされない。

    塔子は「誰よりも早くしがらみから抜け出したかった」から彼女の女友達の誰よりも早く結婚したが、彼女はまだ自らの欲望の形も分からず、その欲望を伝えることもできない、未熟な女性だったのかもしれない。

    そんなとき、かつての交際相手である鞍田と再会する。
    塔子を求める鞍田の情熱は、塔子の人生は再び動き始める。

    それは破滅の始まりか、大人の女性としての成長か。

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    2026年05月06日
  • ファーストラヴ

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    ネタバレ

    裁判のシーンは特に印象的で、怒涛の展開だった。

    ただでさえ幼少期に当たり前として刷り込まれた価値観は、他者と関わらない限り、それが「おかしい」と気づくことが難しいもの。環奈は自分の幼少期を隠していたから尚更気づくことができなかった。

    今回は虐待がテーマだったけれど、これは他の場面にも当てはまると思う。自分自身も大学進学を機に上京し、それまで当たり前だと思っていたことが少しずつ塗り替えられていく経験をした。そうした新しい価値観に触れることで知見が広がっていく。
    だからこそ、心を閉ざさずに他者と関わることの大切さを改めて感じさせられる作品だった。

    また我聞さんからは、「大人になる」ということ

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    2026年05月03日
  • ファーストラヴ

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    タイトルから恋愛小説を想像していたけれど、まったく違った。

    父親を刺した女子大生・環菜。動機は不明のまま、臨床心理士の由紀が取材を重ねていく。少しずつ明かされていく家族の歴史は、読んでいて胸が痛くなるものだった。

    誰かにとっては「大したことない」出来事が、ひとりの少女の人生を長い時間をかけてこわしていく。その描かれ方が静かで丁寧で、だからこそ重く響いた。

    島本さんの文章は、心の柔らかな部分にじわりと入ってくる。派手な展開があるわけじゃないのに、ページをめくる手が止まらなかった。

    読み終えてから、タイトルの意味についてしばらく考えた。これって誰の、何の「初恋」なんだろう。答えは書かれてい

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    2026年04月30日
  • 夜はおしまい

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    女性はなにに支配されているのか。
    まず女性の対となる存在である男性。彼ら(もちろん全員ではないが)は、女性の脆弱さ(ヴァルネラリビティ)につけこみ性の尊厳を搾取していく。
    ほかにも、親としての権力を振りかざし子の領域に踏み込んでくる両親。あるいは同じ女性からも抑圧されることだってあるのかもしれない。

    そんな支配から脱却し、独立を勝ち取るために、強さ(レジリエンス)を獲得しようと悩みもがく女性たちを見守っているのが、神父の金山。(彼も男性であるが、過去に支配されている)

    強靭に生きるというのは難しい。でも、そのためのヒントとなるかもしれないことを神話と照らし合わせて、本書は伝えてくれる。

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    2026年04月26日
  • イノセント

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    一気に読んでしまったが、
    内容が重く1ページ1ページをめくるのもしんどいのも確か。
    島本さんの今までの小説(私が読んだ)と同様、愛・生い立ち・キリスト教がテーマ。
    過去のことに対して、違う出来事ではあるものの、
    加害者・被害者の立場からその罪(イノセント)を背負い、背負わされ、その罪はキリスト教の信念によって救われるのか?

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    2026年04月26日
  • よだかの片想い

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    ネタバレ


    自分の全てを受け止めて欲しい
    なんて身勝手な感情なのだろう

    愛しい人のためならと尽くすこと
    なんて自分を蔑ろにしているのだろう

    恋愛をすると自分を見失ってしまう。
    多くの人が経験しているのではないだろうか。


    ときに、一般化されていることが偏見を水面下で産んでしまう怖さ。
    善意が知らずに他者を傷つけていることの怖さ。
    全く考えたことのない視点だった。

    本当の意味での思いやりってなんだろうと考えた。
    今の私が思うのは

    相手も自分も、双方が心地よい関係である事だとおもう。
    人は弱い生き物だから、受け止めて欲しい時もあるだろう。それを苦痛なく受け止められる関係。
    こうしてあげたいと思った

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    2026年04月25日
  • 星のように離れて雨のように散った

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    「青い夕方」とは、どんな空なのか、、、
    この小説には青い色が散りばめられている。青いノートや青い服などが出てくるが、「青い夕方」という表現もその一つだ。

    主人公の「春」についてだけでなく、「亜紀」についても語られていて、人間の弱さやどうしようもなさが描かれていた。登場人物達があまりにも、自身や周りと真摯に向き合おうとし過ぎる気もして、読んでいて苦しくなった。

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    2026年04月25日
  • ナラタージュ

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    かつて同じときを過ごした瞬間を鮮明に思い返すことができる相手と、しかも再開することが叶わない相手となれば、はたして長い人生の中で出会えるのだろうか。

    この作品の登場人物の多くは、泉も、葉山先生も、あるいはほかの人も、自分の中に傷ついた過去を抱えている。その傷を、放っておくこともせず、痛ぶることもなく、ただ痛くないようにでも心地良いようにやさしくやさしくいたわってくれる相手に出会うのであれば、人は救われるのだろう。救われた瞬間もまた、人生の中のしずかな幸せとして深く深く自分の中に残っていく。それが互いに救い救われるという共存関係を、教師と学生という禁断の関係と並列させて島本さんの細やかな心理描

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    2026年04月26日
  • 天使は見えないから、描かない

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    島本理生さんの綴る恋愛は、やっぱり湿度が高い。人間は、どうして好きになる人を理性的に選べないんだろう。
    奪われ続けることを望んでひたすら孤独に向かうのかと思ったら、終盤で主人公が母親や親友と向き合うシーンがあって、それこそが現代社会において煩わしさであり救いでもあると思った。

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    2026年04月24日
  • 天使は見えないから、描かない

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    心に残ったフレーズを二つほど。

    「分かったからだよ。たとえ姪でも、女の人が人生かけて飛び込んどきたことが。だから、俺も決められたんだよ」

    「理解されなくていい、なんて思ってないよ。萌には、私を理解してほしい。そして味方でいてほしい。萌が無理だって思うのも、当然だと思う。ただ、そう伝えたかった。」

    たとえ社会に認めてもらえず、公言できない関係だとしても、遺伝子を残せないとしても、それでも愛し合える、名前をつけ難い、他にない、強固な関係性に憧れと羨ましさを抱いた。
    これからどんなに茨の道であっても2人は強くやっていくんだろう。

    永遠子が覚悟を決められたのは、複雑な家庭環境が大きく影響して

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    2026年04月19日
  • はじめての

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    いやー面白かった!
    なんて豪華なアンソロジーなんだ!?と思って手に取ったけど、どれも期待を裏切らない良作でした。
    宮部みゆきだけ、とても良かったけどミステリーじゃなくてファンタジーの方で来ちゃったな、サブタイトル見るに、発注と違うんじゃない!?とは思ったけど…笑

    "はじめての"というテーマだったけど、この本自体がそれぞれの著者の作品をはじめて読む読者を想定してるのかな、と思うくらいそれぞれの作家さんの色が全面に出てるというか、めちゃくちゃ"らしい"作品で、従来のファンの人にも読書初心者にも嬉しい本だったと思う!
    女流作家あんまり読まないんだよね、という

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    2026年04月19日
  • あなたの愛人の名前は

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    遊びの先に幸せはない...!
    いや遊びでもないし幸せじゃないわけじゃないか...

    面白かった。切ない。

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    2026年04月19日
  • はじめての

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    好きな作家さんのお話が楽しめました。それぞれの作家さんの世界観が素敵でした。曲のMV見ちゃうとネタバレになっちゃうので少しひねりは欲しかった気がしました。必ず小説読んでから曲を聴く方がいい。

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    2026年04月16日
  • ナラタージュ

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    高校生の頃の恋が本気の愛じゃないなんて、誰が決めつけられるのでしょうか。これはもう本当に愛し愛されている男女の話でした。それなのに結ばれないなんて切なすぎます。

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    2026年04月14日
  • Red

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    読み始めは官能小説?と思ったが、終盤にかけてそれでは片付けれられない深い結び付きを感じる事が出来て良かった。
    肉欲に溺れていた主人公も最終的には不倫相手との関係に終止符を打てたところが、スッキリした。
    夫婦になれてもお互い腹を割って話せないと結局は孤独なんだなと思った。

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    2026年04月14日
  • 星のように離れて雨のように散った

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    読み終わった今、なんだか不思議な体験をした感じ。ドラマを一気見したような、、表現力が相まって映像として脳内再生されていたような、、そんな感じ。
    島本理生さんの作品は初めて読んだ。春も亜紀もそれぞれに抱えてるものがあって、お互い見て見ぬ振りをして相手に寄りかかってしまっていて、やってること若いなって思った。だけど、そういう自分の弱いところを認めたり消化したりすることって歳とれば自然とできることではなくて、周りからの声があったり、自分自身と向き合う何かきっかけがないと難しいことだと思う。
    銀河鉄道の夜と宮沢賢治の話があることで、よりその部分が強調されていた気がする。
    親しい人との距離感は、お互いに

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    2026年04月12日
  • 2020年の恋人たち

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    島本理生さんの書く文章が本当に好きで、幾つか読んできた中でも1番好きな作品かもしれない。葵を取り巻く男性陣の嫌なところ、惹かれてしまうところが存分に描かれていて、読んでいて惹かれてしまう所もありながら危険だと思って身を引きたくなる。
    彼女が幸せになるにはどう進むべきか、すぐには答えを出せないような複雑な人物だったが寧ろ好感を抱いた。媚びず、芯を持って歩いていきながらも弱い所を持つ彼女が凄く好きだ。松尾くんとの関係性もよく落ち着いてくれた。
    そして松尾くん、本当に良い。松尾くんみたいな方と恋愛させてください。

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    2026年04月04日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    短編はそれぞれの著者の作風が顕著に現れていて、ぐるぐる変わる世界観に飲み込まれながら、様々なおやつの複雑で繊細な魅力を味わい尽くすことができる。

    春とマーマレード
     一番好きな雰囲気だった。母の作ったマーマレードの味を、味覚や記憶を辿りながら追い求めていくなかで、徐々に明らかになっていく真実。

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    2026年04月01日
  • ファーストラヴ

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    登場人物の過去をひもどきながら進んでいく形のミステリーでした。やっぱり人から愛を与えられるということは大切なのだと思いました。

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    2026年03月29日
  • ファーストラヴ

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    著者の作品故に、被告はサイコな女性なのかなと疑ってかかりましたが、結果自分の疑い癖を恨みました。
    主要な登場人物が、最初と最後では心変わりしていく様が、すごく読み手に伝わってきました。
    ミステリー感も強いですし、最後まで楽しめた一冊でした。

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    2026年03月29日