島本理生のレビュー一覧
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恋愛ものの話ではないと知っていて読んだが(恋愛ものだったら買ってない)ミステリー感な小説。
めちゃくちゃ読みやすく、自分が本読むのが得意だったのか?と思える本。
辻堂ゆめの今日未明をよんだばかりだったからか、
人の事件の裏にはこんなことが隠されてんだよな。
殺害の真意など、知りたくてハラハラしながら読み進められる。
ミステリー小説で、盛り上がって犯人わかってどんでん返し!!(完)って、見事に騙された。ラストで度肝を抜かれた。ような小説大好きなんだけど、ここから先も読みたいなと思う事多い。
でもこれは、スッキリする最後まで話が進むので、本当に良かった!! -
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性というか性別(性自認や対象)というか、性欲というか性癖とか、性体験とか。
「性」のことはご法度的で親子、恋人、親友でも避けたりするわけで、孤独な世界だと思ってきたけれど。それが女性作家が17人も語るわけで下品上等、生々しくて面白い。
面白い、と言ってる事を下品と言う人もいると思いますが、多様性?とあえて言葉にすれば線引きしないでよ、と。
面白いというのは具体的に変えれば興味深い、が適切か。いやらしい意味でなく、前述のようにご法度な他者の世界に興味があるわたしは、作家がこうもあけすけにエッセイとして実体験や思想を語ってくれてありがたく。
本として残るので結構なカミングアウトもあったりするわ -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
あの人と過ごす「おやつ」の時間が、
今日を乗り切る力をくれる。
おいしいものを愛する作家陣が、
心とおなかの空腹をあたたかく満たす短編小説集。
●作品紹介
妻子ある政治家と逢瀬を重ねる画家の朱莉。
マスコミを避けるため延泊した伊豆の山奥のホテルで回想する、
これまでのこと。
――島本理生「楽園の代わりのカッサータ」
なりゆきから、派手めギャルとして高校生活を送る陽子。
クラス替えで再会した関優征は、かつて放課後をともにした相手だった。
――織守きょうや「ファースト・アンド・オンリー」
両親の交通事故がきっかけで瀬戸内海の島に住む叔父に引き取られた碧。
果樹が茂る庭の手入 -
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ネタバレ私が最も強く感じたのは、「女という性を内包したまま、母親という役割を生きることがどれほど危ういか」ということだった。
この作品は、単なる不倫の物語ではないと思う。
家庭があり、子どもがいて、周囲から見れば安定した生活を送っているように見える塔子が、その内側でどれほど孤独を抱えていたのかが、とてもシビアに、そしてリアルに描かれていた。
安心を与えてくれる恋と、刺激を与えてくれる恋。
その二つのあいだで揺れ動いたことがある人にとって、この物語はとても共感する部分が多い内容だったのではないかと思う。
レビューを読んでいると、塔子の気持ちが分からないという人もいれば、強く共感したという人もいる -
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感情の機微の言語化が静かに響いた。
人の心ほど難しいものはないなぁ。
傷は癒えないと無意識に連鎖してしまう。
環境の大事さよ。
解説も好き。
*断片的な物語を、頭の中で一本に編み直す。考える。整理する。まとめる。残りの謎と問題はなんだろう。
*さかのぼって原因を突き止めることは、今を変えるために必要な整理。見えないものに蓋をしたまま表面的には前を向いたようにふるまったって、背中に張り付いたものは支配し続ける。なぜなら、「今」は、今の中じゃなくて、過去の中にもあるものだから。
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*想像することをサボれば、自分とは別の肉体が生きる景色を知ることはできない。目に見えない爆 -
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女子高生時代、周りと上手く関係を築けずにいた工藤泉、そんな彼女の支えになっていた既婚の葉山先生。精神的に深いところでしっかり結びついていった二人だが、その後のその時々の立場、置かれた環境、取り巻く人々との関係性など、様々な因果で阻まれたり、理性に従って自制しながらも、結果的には互いの想いは断ち切れるものではなく、お互い他の人との結婚生活を円満に過ごすという表面上の幸福の内側で、これからも燻り続けるしかないのであろうという、何とも切ない物語であった。
全410頁のラスト4頁の展開にはやられた。ここまで泉の高校生、大学生、社会人時代の出来事が細かく描かれてきたのはこの為だったかと思われるくらい、ラ -
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ネタバレ裁判のシーンは特に印象的で、怒涛の展開だった。
ただでさえ幼少期に当たり前として刷り込まれた価値観は、他者と関わらない限り、それが「おかしい」と気づくことが難しいもの。環奈は自分の幼少期を隠していたから尚更気づくことができなかった。
今回は虐待がテーマだったけれど、これは他の場面にも当てはまると思う。自分自身も大学進学を機に上京し、それまで当たり前だと思っていたことが少しずつ塗り替えられていく経験をした。そうした新しい価値観に触れることで知見が広がっていく。
だからこそ、心を閉ざさずに他者と関わることの大切さを改めて感じさせられる作品だった。
また我聞さんからは、「大人になる」ということ -
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タイトルから恋愛小説を想像していたけれど、まったく違った。
父親を刺した女子大生・環菜。動機は不明のまま、臨床心理士の由紀が取材を重ねていく。少しずつ明かされていく家族の歴史は、読んでいて胸が痛くなるものだった。
誰かにとっては「大したことない」出来事が、ひとりの少女の人生を長い時間をかけてこわしていく。その描かれ方が静かで丁寧で、だからこそ重く響いた。
島本さんの文章は、心の柔らかな部分にじわりと入ってくる。派手な展開があるわけじゃないのに、ページをめくる手が止まらなかった。
読み終えてから、タイトルの意味についてしばらく考えた。これって誰の、何の「初恋」なんだろう。答えは書かれてい -
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女性はなにに支配されているのか。
まず女性の対となる存在である男性。彼ら(もちろん全員ではないが)は、女性の脆弱さ(ヴァルネラリビティ)につけこみ性の尊厳を搾取していく。
ほかにも、親としての権力を振りかざし子の領域に踏み込んでくる両親。あるいは同じ女性からも抑圧されることだってあるのかもしれない。
そんな支配から脱却し、独立を勝ち取るために、強さ(レジリエンス)を獲得しようと悩みもがく女性たちを見守っているのが、神父の金山。(彼も男性であるが、過去に支配されている)
強靭に生きるというのは難しい。でも、そのためのヒントとなるかもしれないことを神話と照らし合わせて、本書は伝えてくれる。