島本理生のレビュー一覧
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父親を刺し殺したとして、逮捕起訴されたアナウンサー志望の聖山環菜。警察の取り調べの中、動機に関して聞かれた彼女はこう言ったと「動機?それはそちらで見つけて下さい」。。。。
臨床心理士である真壁由紀、その義理の弟である弁護士の庵野迦葉。2人は、あらゆる側面から事件究明に向け調査を始めるが、、、、
というあらすじ。
感想としてまず、感情表現が細かいなぁ。
物語の全体がすごい繊細な感じが良い。
それに人間関係、生々しい男女や親子の関わり。
特に被疑者の環菜の家庭の話が明るみに出る度に
普通ってなんだろうと考えさせられる。
しかし、それは別の視点からみてもそうなんだが。
こういう感じは男性作家 -
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豪華な4人のアンソロジー
色んな「はじめて」を詰め合わせた素敵な作品集でした。
島本理生 私だけの所有者
はじめて人を好きになった時に読む物語。
誰かへの初恋のお話かと思いきや、アンドロイドとそれを所有する人間のお話。
辻村深月 ユーレイ
はじめて家出した時に読む物語。
学校でいじめを受けた女の子が死ぬことを意識して家出するお話。
宮部みゆき 色違いのトランプ
はじめて容疑者になった時に読む物語。
鏡のように自分と全く同じ顔の人間がいる世界があり、そのもう一つの世界で自分の娘が捕まってしまったら…?という話。
森絵都 ヒカリノタネ
はじめて告白した時に読む物語。
三度も告白して玉砕して -
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Posted by ブクログ
恋の終わりって…
激しいイメージがあったけど
こぼれ落ちていくものなのかも…
余韻を残す終わり方が素敵でした
映画と原作では終わり方が異なっていて…
どちらもグッときたけど
私は原作の終わり方が好きだったな
マザコン気味だけど誠実で不器用な夫
優しすぎて気を遣いすぎるほどの義理母
自分の居場所はここにあると思っていたのに…
ふと遠くから自分を見つめなおすと
妻や母親の役割だけ求められて
家族の中では本当の私は必要と
されてなかった現実…
むかし大好きだった人が現れたら
燃え上がってしまうかもしれないな…
愛を綴った描写が色濃く描かれているけど
ひとりの女性の心の成長の物 -
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なるほど低評価になっても仕方ない、万人受けするタイプの作品ではない。わたしには合ってた。おもしろかった。話の流れとしてはありがちかもしれないけど、ひとつひとつの紡がれる言葉が美しかった。
主人公の視点で繰り広げられる、「わたし」と「あなた」の苦しい恋愛。
西加奈子さんの解説を読んでとてもしっくり来たけど、主役であるはずの「わたし」と「あなた」の輪郭は常にぼやけていて、その他の登場人物のほうが線が濃い。でも、それこそが恋というものなんだろうなと思う。相手のことを考えて考えて、相手の存在があって初めて自分があるような、そういうものが本気の恋なのかもしれない。
だからこそ、恋が終わりを告げると途端 -
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静謐な空気を感じる短編集だった。
「あなたは知らない」という話が特に好き。主人公の瞳さんは唯一感情移入できた人物だった。
「それでも浅野さんと抱き合ったら重さを胸のうちにおぼえてしまった。情が生まれてしまうやつだ、ととっさに察した。そう思った時点ですでに生まれていたことには気付かぬふりをして。」という一節が印象深い。重さを感じてしまった時にはもう知らなかった頃には戻れない。初めからどん詰まり、いつか突然終わる日が来る相手。関係性としての名前は与えられない、一見して不安定なつながりにある彼は、自分の求めているものを感じる与えてくれる、安心できる存在。その背にもたれてはいけないけれど、寄りかかり寄 -
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綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。 -
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父親殺害事件の加害者として映っていた環菜が、「なぜその行動に至ったのか」を探っていく中で、生い立ちや家庭環境が徐々に明らかになっていく。その過程で事件の印象も環菜自身の印象も大きく変わっていき、真相が少しずつ整理されていくのがとても興味深かった。
環菜の事件に向き合う由紀と迦葉の物語も切なく、二人の過去や心の傷が静かに浮かび上がる描写が良かった。全体として大げさなミステリーではなく、どこか現実にありそうな家庭や人物像が丁寧に描かれていて、リアルで読み応えのある作品だった。事件そのものはやるせないが、人物の心情描写が繊細で、引き込まれる一冊。 -
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小説とYOASOBIの曲、MVと…合わせて楽しむことでそれぞれの魅力が何倍にもなる、すごい組み合わせ。まさに「はじめての」読書体験だった
アンドロイドと所有者の話を描いた島本理生の「私だけの所有者」、鏡写しのような同じ見た目だけど全く状況・中身が違う世界を描いた宮部みゆきの「色違いのトランプ」は、ちょっと切なく、悲しくもあり、愛もありと心動かされた。
そこにYOASOBIの「ミスター」「セブンティーン」という楽曲があり、歌詞全体はもちろん、細部の言葉遣いやMVのアニメーションも原作をしっかり解像度高く表現していて、感動がそのまま音楽でも忠実にあって、何回も聴いてしまう。
森絵都の過去3回同