島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
十代にも満たない時から叔父に惹かれ、叔父を欲していた弁護士の永遠子。
合理的な判断で別の男性と結婚したが、夫が別の女との間に子どもができたことを機に離婚。
唯一無二の叔父への愛に気づいた永遠子は・・・
叔父と姪が関係をもつというだけで、生理的に嫌悪感を抱く人も多い題材だと思う。
作中、二人の関係性を何度も「気持ち悪い」と表現されるのがまさにそれだ。
弁護士という職業をもち、社会的に絶対的強者でありながらも、一つの愛に執着し、女性としての生き方を模索して悩み生きる永遠子の姿には、不安定な危うさを感じた。
この内と外の対象的なギャップの根底にあるのは、幼少期に育った環境の影響が大きいと思う。 -
Posted by ブクログ
大人の恋愛模様を、さまざまな角度から描いた短編集。
途中から二編でひとつの物語となり、「あなたは知らない」「俺だけが知らない」では、同じ関係を男女それぞれの視点から追体験する構成になっています。
お互いの感情は驚くほど似ているのに、気持ちだけがすれ違い続ける関係性が、静かな緊張感とともに描かれていきます。
わからないから惹かれ合うのか、それとも惹かれているからわからなくなるのか。
島本理生さんは初読みでしたが、言葉の選び方の美しさに何度も立ち止まらされます。
「濡れた食用菊を口に含んだときのように頼りない感触」という表現は、その象徴のような一文。感情を直接語らず、触感や温度で伝えてくる文章 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画の広告を見て興味があったので読んでみました。
最初は主人公の母親との関わり方に親近感を覚え、何となく感情移入できそうだなと思っていたのにがっつり裏切られた。過去のこととはいえ突然奔放になる主人公にドン引き、キラキラ神展開で置き去りにされた。これが恋愛小説か。なんだろう、この理由でそこまで奔放になれるか?? と疑問がぬぐえない。その微妙な感じが「家庭内で行われることがどれくらいのことなのか」というこの作品のテーマにもかかわってくるのかもしれないけれど、とりあえず親近感は吹っ飛んだ。夜通しで読んだせいかもしれないけれど、主人公が問題意識をもって自ら変わったというより付き合う男という外的要因で