【感想・ネタバレ】よだかの片想いのレビュー

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Posted by ブクログ 2021年07月25日

初恋とか初めての彼氏とかそういう話キュンキュンする〜!
また不器用な恋ほどキュン度が増すよね〜。

アザを隠したり消すのではなくアザがあるままで生きていくのを選ぶなんて、これまた不器用なんだけど強いなぁ。
どんな道を選んでも幸せになれるよ、きっと!!!

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Posted by ブクログ 2021年07月03日

あなたは、自分の”顔”に何か思うところがあるでしょうか?

“バランスが悪い”、”目が垂れている”、そして”鼻が低い”などなど。アンケート結果の上位を占める、人が不満とする部位は”顔”に集中しています。思えば証明写真含め、その人を表す部位はなんといっても”顔”です。右腕だけ、左足だけを撮った写真を見...続きを読むせられても、果たしてそれが誰かを言い当てることは難しいと思います。『顔は人間が最初に出会う部分です』というように、人は物心がついた時に、まず鏡の中に映る自分の”顔”を見て、自分自身というものがここに確かに生きていることを認識します。その初めての瞬間には”顔”がどうという考え方自体ないはずです。そこに映っているその存在、それがあなたそのものだからです。しかし、人はそんな自分を他人と比較する生き物です。他人と比較して、自分の”顔”を不満に思う、そこに自分の”顔”を意識する瞬間が訪れます。

さて、ここにそんな自分の”顔”に特別な思いを抱く一人の女性がいます。『赤ん坊の頃にうっすらと青く浮き上がって、左目の下から頬にかけてだんだん濃く広がった』というアザと共に生きてきたその女性。『左頬を隠すためにうつむいて』生きてきたその女性。この作品は、そんな女性がアザに何を思い、何を考え、そしてその先に何を見つけることができるのか、アザと共に生きる女性の確かな成長を見る物語です。

『私の顔には生まれつきのアザがある』、『うっすらと青く浮き上がって、左目の下から頬にかけてだんだん濃く広がった』という赤ん坊の頃を語るのは主人公の前田アイコ。『今ほどレーザー治療も進んで』おらず『アザはそのままいすわった』というそれから。『小学三年生の社会の授業』、『日本一大きな湖は』と問う教師に『前田のアザ、琵琶湖だっ』、『本当だ、琵琶湖そっくりだな』と口々に言い合う男子。そんな時『なんてひどいことを言うんだ!』と『教卓を拳で殴った』教師を見て静まり返る教室。そして『遠巻きに私の横顔を見』るクラスメイトたちの『目には今までになかった恐れと遠慮が滲んでい』ました。アザを意識するようになり『髪をおかっぱにして、頬が自然と隠れるようにした』アイコ。そして『中学校に上がると、男の子たちはアザとは無縁の女の子たちとばかり仲良くしたがった』と『彼らを憎み、遠ざけることで目をそらそうとした』アイコは、そんな男子の会話を偶然耳にします。『コンビニでA組の女子と会ったんだけど。あのー、顔にでかい青アザのある。並んでるのに気が付かなくて、横入りしちゃったら、すげえ睨まれちゃった』、『…想像すると、マジで怖いな』という会話に『そんな言い方したら、気の毒じゃん…可哀想だって』という会話を聞いて『反射的にドアを蹴飛ばしていた』アイコ。『可哀想だって』という言葉を反芻し『たくさんの涙が流れるのを感じた』アイコは『私はなにも可哀想なんかじゃないのに』と思います。『高校に入ると、地元の友達が少なくて、知らない子だらけだった』のを見て『もう”可哀想な子”じゃないと思った』アイコ。しかし、カラオケに誘われたアイコは待ち合わせの場所で自分のことが話されているのを耳にします。『微妙なの?』、『少ーし顔に大きなアザ?ぽいものがあるっていうか』、『てか、ほかにいなかったの?』という会話を聞いて引き返したアイコ。そんなアイコは、担任の勧めもあって物理部に入部します。『いざ始めてみると、部活は楽しかった』という物理の世界に魅せられ、『雑念を追い払うように勉強し』、『国立大学の理学部物理学科に合格できた』というアイコ。そして、『ほかの子たちのように恋や遊びに費やすこともなく、勉強ばかりしていた』というアイコの大学生活。そして大学院へと進んだアイコ。そんなアイコに中学時代の友人で出版社に勤める まりえからメールが届きました。『今度、顔にアザや怪我のある人たちのルポルタージュを作ることになりました』というそのメール。『偏見のない社会を目指したい』、『ぜひ参加してもらえませんか?』というその内容に『こんな私でも少しは誰かの役に立てるかも』と考えたアイコはインタビューを受けることにしました。そんなインタビューの後『じつはもう一つお願いがあるんです』と言う編集者は『インタビューを受けて下さった方の中で、表紙になってくれる方を探していて』と切り出します。『私が本の表紙に、ですか?』と心が高鳴るアイコはその申し出を受けることにしました。そしてアイコが表紙になった『顔がわたしに教えてくれたこと』という本が出版されたことをきっかけに、運命の人との出会いを経て、アイコの人生が大きく変化していきます。

『私の顔には生まれつきのアザがある』というインパクトのある冒頭から始まるこの作品。『左目の下から頬にかけて』『太田母斑』というアザが赤ん坊の頃からあるという前田アイコの視点で物語は進んでいきます。人が自分の存在を意識するのは何歳くらいからなのでしょうか?鏡に映るその姿を自分自身だと認識する瞬間が誰にでもあったはずです。赤ん坊の頃からアザがあるアイコは、そのアザがある自身の顔を当たり前のものとして生きてきました。物心がついた後に後天的にできたものであれば、どうしてもその前の状態と比較するという発想が浮かびます。しかし、アイコの場合はアザがあるのが当たり前、それを含めて自分自身という認識がありました。だからこそ、小学校の授業で自身のアザのことを男子が話題に出してもそのことについて反応することはありません。それよりも『勉強ができて女子に人気の吉井君』が『興味深そうに私を見つめた』という瞬間に『とても恥ずかしくて、だけど内心ちょっと嬉しかった』とさえ感じています。しかし、次の瞬間『なんてひどいことを言うんだ!』という教師のひと言で全てが変わってしまいます。教師にとっては、アザのことを持ち出す男子生徒を注意する意図だったはずです。しかし、それによって『今までになかった恐れと遠慮』を滲ませてアイコを遠巻きにするクラスメイトの心の中には恐らくアイコとの間に境界線の存在を感じたのではないでしょうか?さらにアイコ自身も『ひどいこと。ひどいこと』と教師の発言を頭の中でリフレインします。教師にも男子生徒にも、ましてやアイコ自身にも何ら悪気がなかったにもかかわらず、この瞬間を起点にアイコの中にアザを意識する感覚が生じてしまいます。中学校、高校、そして大学とアザを意識するアイコの人生。しかし『刺だらけの現実が追いかけてきた』というその人生の中でもアイコは強い信念を持っていました。それが『生まれつきのものを可哀想だと言うのなら、私は一生否定されることになってしまう』というその考え方。人は自分自身を意識した瞬間、その身体的特徴の全てを自分自身と認識します。そして、次に他者との比較という瞬間がやってきます。その一方で、生まれながらに持っているアザのことを話題にすることは『ひどいこと』であり、アザを持つことは『可哀想』なことだと決めつける周囲の人たち。そんな人たちに悪意がないことがアイコを余計に傷つけることになるのは皮肉としか言いようがありません。『好奇心や恐怖の視線に気付くようになった』アイコはやがて『一生研究室にいるかもしれない。それもいいかもな』と『このまま変わらずにいることを受け入れ始めてい』きます。

そして、アイコに『本の表紙になるなんて。そんなことが自分の身に起きるなんて』という機会が訪れます。さらに『その本が映画化されることが決まった』ことで、映画監督の飛坂と運命の出会いを果たすことになったアイコ。その先に待っていた人生は、『このまま変わらずにいることを受け入れ始めてい』たアイコの人生を大きく動かしていきます。『ちっとも思い通りにならなくて残酷で、悲しいこともつらい気持ちも気付かれないで過ぎて行く』という現実の中に『置き去りにされる女の子の気持ちを、拾い上げてくれる人がいた』ことに胸がいっぱいになり『飛坂さんに恋をしてしまった』という瞬間の到来。『たとえ言葉を交わさなくても、好きな人をすぐそばで見ていられる。こんな幸福が自分の人生に訪れるなんて想像したこともなかった』と極めて前向きなアイコの人生が描かれていく物語中盤は、前半のアイコの苦悩を知る読者の心をもほっとさせる瞬間です。

そんな中で語られるのが宮沢賢治の童話「よだかの星」。『一方的にまわりから罵られて、汚いと言われて。でも、そんな痛みを知っている よだかでさえも、もっと小さな生き物を殺して食う』というその現実。『だから自分はなにものも傷つけずに燃えて星になりたいと願う』よだか。そんな『すごい繊細さと崇高さ』に溢れた童話にアイコの想いを絶妙に重ね合わせるこのシーン。そんな物語は、映画監督の飛坂と付き合うアイコの心の変化を結末に向かって丁寧に綴っていきます。その中に見られるアイコの感情の変化と気付きの瞬間の訪れ。それは『私はずっとこのアザを通して人を見てた』という、まさかのアザの存在がアイコの人生の核にあったことに気づくアイコ。そして、力強く、確かな一歩を踏み出したアイコ。『もう前の私には戻れない』というアイコの力強い歩みを見るその結末は、中盤に感じたほっとする瞬間を超えて、アイコが掴んだ本当の幸せを読者がともに感じる瞬間でもありました。

『今回は主人公の成長を書きたかったんです』と語る島本理生さん。そんな島本さんがアザのある女性を主人公に描いたこの作品。それは、アザのある顔を自分だと意識した女性が、アザを隠し、世の中に後ろ向きになる逃げの人生を送る中で、『私はずっとこのアザを通して人を見てた』と、自身のアイデンティティに気づいていく様を見る物語。それは『遠い星を見つめ』る主人公・アイコの極めて前向きな、そして納得感のある結末を見る物語でした。

「よだかの片想い」というこの作品。主人公・アイコが抱く想いのその先に、空いっぱいに瞬く星空を見上げる幸せで胸がいっぱいになった、そんな素晴らしい作品でした。

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Posted by ブクログ 2018年04月27日

あぁ、ダメだ。
溢れる。。。


「一緒にいるっていうのは、相手を肯定しながら同じ場所にいることなんだからさ。それは立派な理由だし責任だ。」

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Posted by ブクログ 2015年10月27日

帯は
「24歳、理系女子、初めての恋。」

これ、ハードカバーのときに
買おうかどうしようか悩んだ一冊です。

たまたま書店に足を運んだら目に飛び込んできて、
ぱらぱらっと読んで迷わずに手に取りました。

顔に目立つアザをもつアイコ、
映画監督の飛阪さんにはじめての恋をするーー。

岡本太郎の、
...続きを読むたとえ気どった恰好をしてみても、八頭身であろうが、
 それをもし見えない鏡に映してみたら、
 それぞれの絶望的な形でひんまがっている。」
という言葉を思い出しました。

本を読んでいると、
自分が見ないようにしていた感情や
忘れていた出来事や、
なにかを思い出したり、改めて感じたりすることが多くて。
きっと手に取る本は、自分がそのとき必要としているものを
無意識に取っているんだと思います。苦笑

この作品は他人事ではありませんでした。
私も一時期、映画監督に恋をしていたから。笑
あの時間は本当に自分にとって大切なものでした。
それにしても、飛阪さんに重なる部分が多くて、
やはりそうなのか、と苦笑いしてしまいましたが。笑

アイコ同様、私も必死でした。
知らないことだらけで自信もなくて、
だけど自分の気持ちだけは確固たるもので。

恋をして、世界は広がっていくのに、視界は狭まっていく。

またあの苦しくて切なくて、
だけど何にも変えられないあの気持ちを
思い起こさせてくれる作品です。

恋したくなります。
最初の一歩を踏み出したくなる一冊!

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Posted by ブクログ 2015年10月14日

自分の中で「ナラタージュ」以来の名作。筋としては至って普通の恋愛物なのに、島本さんが書くとどうしてこんなにもハッとさせられるのか。本当にオススメです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月01日

結ばれること=正解じゃないんよなぁ
どうしてもこの片想いが実ることばかりを祈ってしまうけど、いろんな経験をして自分の価値観みつけて成長していくんよなぁ
やっぱり島本理生さん良きやわ〜この人の作品に出てくる男の人ってやっぱりみんな魅力的で影があって危なっかしいのに惹きつけられちゃうんよな、、、あんな男...続きを読むの人に出会いたい

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Posted by ブクログ 2021年10月26日

顔にアザがあることでからかわれたり、恋愛も諦めていたアイコ。そんなアイコも映画監督の飛坂に恋をした。不器用な初恋。複雑な恋心が痛いほど伝わる。片想いではあったがすっきりといい関係で終わってよかったと思う。

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Posted by ブクログ 2020年09月01日

顔に大きなアザがある女の子(アイコ)の話。芯が強く真っ直ぐに生きるアイコに好感を持った。映画監督の飛坂は彼女のそんなところに惹かれるが、気まぐれで自己中心的。自分が好かれていることをいいことに、突然の呼び出しや約束の反故をすることも多い。どれだけ相手のことを好きでも、ぞんざいな扱いをされ続けると自分...続きを読むが磨耗してしまう。大切なのは、嫌なところが何個もあったとしても、一緒にいたい人と一緒にいること。それも大切だけれど、大前提は、お互いを尊重し合っていることだと思う。

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Posted by ブクログ 2020年08月20日

愛し愛される結末に解決を求めるのではなく、自らが自らであることを受け止め前に進む姿に心惹かれた。島本作品の女性はいつだって羨ましくなるほどに強くて美しい。

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Posted by ブクログ 2020年03月02日

一緒にいることっていうのは相手をその間ずっと肯定すること、みたいなセリフが好き。登場人物みんな優しいけど人と人である以上分かり合えない部分があるし、社会で生きる以上世間的な目線を完全に捨て去って目の前の1人だけを見つめることは難しい。でもできるだけそうしたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年01月13日

P208「私、登坂さんのこと、すごく好きでした。同じくらい好きになってもらえなくてもいい、て、そう思ってたんです。でもね、ずっとずっとそれじゃあ」「夢見たいでした。あなたに会えて、付き合えて」

P209出会った頃だったら、私はこの言葉だけで、一生、満足できただろう。でも、今は知ってしまった。求めら...続きを読むれることの幸福を。そうしたら、もっと欲張りになっていた。約束は守ってほしいし、私と会うことを一番楽しみにしていてほしい。相手にも、こちらが想うのと同じくらい、好きになってほしい。付き合っているのに、片想いみたいな現状じゃなくて。もう前の私には戻れない。それはわがままじゃなくて、自分にとって必要な変化だと思うから。

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Posted by ブクログ 2018年12月04日

読んでみたいと思っていた作家さんのひとり。
初めて読んだのが、この『よだかの片思い』

顔に大きなあざのある大学院生のアイコ。
「顔にあざや怪我をおった人」をテーマにした本の取材を受け、その本の表紙に。
それをきっかけに、恋愛には心を閉ざしていたアイコが、映画監督の飛坂に恋をする。

ミステリーが大...続きを読む好き。
ほっこりした話が大好き。
そして、ラブストーリーが大好き。
この本はすっぽりとはまりました。
一気読み。
島本さんの他の本も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2018年09月17日

ちょうど主人公と同じく顔にアザを持っている人たちのニュースを見ていてそういうハンディ?を持っている人にぜひ読んでほしい作品です。
恋をしていきながら成長するリケジョの姿はとても好印象です。
等身大、普通の言葉で書かれていて誰しもが登場人物の誰かに共感できる物語です。

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Posted by ブクログ 2018年07月30日

飛坂さんの作る映画がすごくいいなぁ。
ほんとに観てみたい。
きっと号泣。

よだか、がわからずに読んだけどすっきり。
しっかりがっちりはまったタイトル。

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Posted by ブクログ 2016年02月19日

ちょっと見でわかるくらい絶対にうまくいかない相手に、本当にまっすぐに落ちていった。
アイコは痣を通して世界を見ていて、人のいたみを知っている。だからどこまでも優しい。飛坂さんはお父さんという傷を抱えて世界を渡ってきて、アイコの優しさに許された気がしたんじゃないかと思う。恋ではなかったけどあの時の飛坂...続きを読むさんにはアイコが必要だった。
かっこいいけど、悪い男だなぁと思う。
普通に見目麗しい男性よりも、飛坂さんのような生々しい魅力に溢れた男性の方がタチが悪い感じがするのはなぜなのか。
あれはアイコには荷が重い…
胸が痛かった。懐かしいような新しいような、大昔に経験してもはや忘れ去ってしまった痛みだった。

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Posted by ブクログ 2016年01月14日

全然違うんだけど、なんとなくパラダイスキスを思い出す読後感。自分のことも相手のことも蔑ろにしちゃいけないんだよなーと思わせられる。あと初恋ってやっぱり難しいなと。

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Posted by ブクログ 2015年10月29日

今まで読んだ本の主人公の女の子は、大抵パッとしなくても透き通るような白い綺麗な肌をしていた。世の中の女の子も大抵綺麗な肌をしている。
綺麗な、人並みの肌であることは、私にとって恋をする資格のある人のことだった。私は汚いから、色々駄目だと思っていた。そう思う心が、内面が、外見に反映されることにも長く気...続きを読む付けなかった。それなのに自分は一人だ不幸だと嘆いて、勝手に傷付いて自分の弱さに人を巻き込んでいた。未熟で身勝手だった。
けれどアイコのように、この顔でなければ、体でなければ、気付けない人の弱さが沢山あった。私はこの体でなければもっと傲慢で品のない人間になっていたと思う。この体でよかったとまでは思えないけど、この体だから色んな事が見えた。それは紛れもない事実だった。

ここで描かれるのは、自分に自信が持てなかった女性が、
ようやく「自分をないがしろにしない」という決断ができるようになる、その過程なのだ。

この解説の言葉で私がなぜこんなにこの本に既視感を覚えるのか分かった。私もこの決断をするまで24年もかかった。自分という人間を受け入れる、という決断に、こんなに長い時間をかけた人間が、私以外にも、いた。それだけで、救われた。ありがたかった。アイコが観た十四歳の女の子のように、こんな些細な私の人生の決断を拾い上げてくれた、と思わずにはいられなかった。
島本さんのお話の女の子は弱くて儚げでか細い人ばかりだったから、アイコみたいな人も書くんだなって少し驚き。こういう人を、また主人公に据えてほしい。
独白、終わり。

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Posted by ブクログ 2015年11月03日

顔にアザがある大学院生のアイコ。
本の表紙のモデルになり、映画監督のインタビューを受ける。
アザは彼女のコンプレックスであり、プライドでもあり。
よだかの片思い、読んだ後は作品にぴったりのタイトルと思った。
後日、宮沢賢治のよだかの星も読んだ。確かに小学生で習ったかな~? 小説読んだ後に読むといろい...続きを読むろ考えてしまうな。

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Posted by ブクログ 2015年10月23日

顔にアザがある大学院生の話。

コンプレックスを含めて自分だから
上手く付き合っていくしかないとわかっていても
なかなか認められないからこそコンプレックスなんだな。

相手の好意を感じられてるのに
結局片想いなときって幸せであり苦しくもあって
どうしたらいいのかわからん。

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Posted by ブクログ 2022年01月19日

恋愛小説ではあるけど、とても強い心を持つ人間性にとても惹かれる作品。
主人公の強さがとても勇気づけられる。
顔に大きなアザがあってとても辛い思いをしてるのに、生き方がとてもかっこよく尊敬できる。
こんな友達が欲しいと思った。

編集部に初めて行ったシーンと終盤のミュウ先輩と病院で会うシーンがとても印...続きを読む象的で良かった。

個人的には、とても読み易くはあったものの、物語の温度感が常に一定で、一気に読むほど引き込まれる事はなかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月30日

他人の優しいと思う言動はときに当事者を傷つける。当の本人は生まれながらにして共にしてるわけで、それを含めて自分を認めて欲しい。それを真から受け止めて肯定してくれた飛坂さんのことはやはり好きになる。でも全てうまくいくわけではない。そこがまたよかった。初恋としてとっても素敵な恋だったなぁ。

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Posted by ブクログ 2021年10月16日

【2022年24冊目】
顔にアザがある女性が主人公のこの作品。本のあらすじには「女性に不自由しないタイプの飛坂のの気持ちがわからず」と書いてあったので、そういった展開かと思いきや、もっとずっと、想いが真っ直ぐな二人の話でした。
「一緒にいるっていうのは、相手を肯定しながら同じ場所にいること」というフ...続きを読むレーズが気に入りました。

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Posted by ブクログ 2021年04月02日

飛坂さんの映画が普通に観てみたい。
アイコもその周りの人達も純粋で好きだけど、そんな上手くいくか?と思った。まあ小説だからそこがいい。

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Posted by ブクログ 2020年12月16日

顔にアザがある女性の物語。

島本さんの本は読みやすく、さらっと読める。

主人公の女性は、強いけど弱い。物語を通して成長していくが、まだまだ自分を知ることが出来ていない。

主人公に感情移入することは難しい。もちろん、僕自身顔にアザは無い。
主人公は小学生の時に、顔のアザがコンプレックスだと知る。...続きを読むこの時、誰もが(自分も他人も)コンプレックスだと認識してしまうものに、アザはなってしまう。

人は誰しも、大なり小なりコンプレックスがあると思う。
今回の主人公は、アザがあることで、過大にコンプレックスを感じ、しかし、そのコンプレックスを自ら改善する努力や、それを受け入れるだけの覚悟も無い。最初は中途半端な感情にいる。
こんなことを言えるのは、自分が男であり、アザがないからと言われればそれまでかもしれない。

主人公は最後に、アザを消さないことを決断する。
幼い頃に、アザを消す治療が痛くて、トラウマだったことで、逃げていた治療という選択肢と向き合って、消さないことを決断をする。

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Posted by ブクログ 2020年05月10日

身体的なコンプレックスを抱える者には共感できる内容。タイトルから終わりは想像できたが...。弱さの受容と依存、強さの社会性と自己防衛。人はそんなに器用には振舞えないし、分かってもらえるとも考えていない。そんな葛藤とストレートな恋情が描かれた良作。読後感も良です。

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Posted by ブクログ 2017年03月29日

ちぇっ、いい恋してるな(笑)
あらすじ(背表紙より)
顔に目立つ大きなアザがある大学院生のアイコ、二十四歳。恋や遊びからは距離を置いて生きていたが、「顔にアザや怪我を負った人」をテーマにした本の取材を受け、表紙になってから、状況は一変。本が映画化されることになり、監督の飛坂逢太と出会ったアイコは彼に...続きを読む恋をする。だが女性に不自由しないタイプの飛坂の気持ちがわからず、暴走したり、妄想したり…。一途な彼女の初恋の行方は!?

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Posted by ブクログ 2016年07月08日

主人公アイコの初恋のお話。顔にあるアザのコンプレックスがありながらもそれを、気にしない人に出会えたことで、成長していく。
不器用だけど、芯のある子。続きそうでどうなるのか気になるところです。

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Posted by ブクログ 2016年04月03日

私は、人生で二人、顔にあざのある男性を知っている。
一人は、私の親戚で、暗く、集中すべき時に、友達から絶好されるほど反対されるような彼女を作るほどの恋愛依存だった。
もう一人は、小学校の同級生で、明るくて、クラスの人気者で、私も好きだった。

男女で違うのかもしれないが、この主人公はどちらかというと...続きを読む、私の親戚より。確かに、親戚にも心ない言葉が寄せられることがあり、親子で闘っていた。でも、どこか、この本の内容のように思っていたかというと、違うような気がした。

恋愛に経験がないから、フラフラと責任の伴わない優しさをもつ男性に惹かれてしまったと思うので、やっぱりちょっと不幸だと思ってしまった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年11月15日

 生まれつき顔にアザがあるアイコの、初恋の物語。男らしくて人に媚びないアイコも、映画監督である相手の飛坂さんも、それぞれの良さがちょっとした場面やセリフで描かれていて、「あー、これは好きになるわ」と納得できる。例えば、飛坂さんが猫を助けるためにアイコの体重を聞く場面で、「ビートルズの人数に喩えると、...続きを読む何倍程度?」と尋ねるのが好き。そのユーモアと気遣いに惚れる!

 アイコが最初は見返りがなくても飛坂さんのそばにいられればいいと思っていたにも関わらず、いつの間にか求められ、自分を一番に優先してほしいと思ってしまう気持ちが痛々しくて、共感できるのに少しイライラもしてしまう。そのセリフは重いよ!言っちゃいかんよ!とついツッコミを入れてしまった。

 あと印象に残っているのは、アイコがレーザー治療を考えた時、アザがなくなって人生が変わったとしても、きっと「この人は私にアザがあったら近づいては来なかったのではないか」と疑ってしまう、と考えて踏みとどまる場面。どうやっても、自分の背負った運命とは向き合っていかなければならないという現実をちゃんと見つめるアイコは、とても真っすぐだと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年10月12日

顔にアザのある女の子と、とある若い映画監督との、恋のお話。

顔にアザのある女の子・アイコは、
「アザ」という、周囲から植え付けられたコンプレックスを抱え、自分を押し殺して生きている。

しかし、はじめて自分を、偏見を持たず受け入れてくれる映画監督・飛坂に出会い、恋をする。

自分に自信のなかったア...続きを読むイコは、はじめ、相手と自分の気持ちの大きさが等しくなくてもいい。そう思っていたが、次第に気持ちに変化が訪れる。

―私がこんなに会いたくて必死になっている間に、飛坂さんはべつの用事を優先させることを決めていた。
私たちの関係性は、きっと変わらない。
この先も。

そう、アイコは気づくのだ。

こちらばかりが追いかけるのではなく、
同じくらい、相手に求めたっていい。

そう思えたのは、アイコが成長して、自分を大切にすることを知ったからだと思う。


アイコが飛坂さんを好きになって、告白するシーン。電車で飛坂さんのあどけない、無防備な寝顔を見て幸せに浸るシーン。
そんなひとつひとつにきゅんとする。

渋谷の喫茶店でのシーン。飛坂さんのはじめての素直な姿にきゅんとする。

みゅう先輩の、本当は「本音で話すのが苦手」と語るシーンに考えさせられる。

そういったそれぞれのシーンにアイコの行動や言葉があり、その行動や言葉の根拠が語られている(アイコは、こう思ったから、こうした。といった具合に語れられる)ので、私自身も、アイコを通して様々な人と触れ合い、少し成長した気がする。

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