【感想・ネタバレ】よだかの片想いのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年02月07日

島本理生さんの作品を久々に読んだ。
顔に大きなあざを持つアイコ。
このあざを通してしか人と関わってこなかったから、人をある意味諦めている。
そんなアイコが、自分のことを写した雑誌、そしてインタビューでの出会いを通して恋を知り、今のままでいる自分を認められるようになって行く。
何回りも大きく成長したア...続きを読むイコがとても清々しかった。

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Posted by ブクログ 2023年02月03日

自分の中のコンプレックスであったり、他人といる時に劣等感を覚える感覚を、読んでいて思い出しました。
この本を読むことで、みないようにして過ごしていた自分の中の嫌いな部分・醜い部分と、必然的に向き合わされた感じ。
僕はまだ主人公のように、自分の嫌いな部分を肯定できないです。
いつか自分のそんな部分が、...続きを読むあってよかったと思える日が来たらいいなと読後感じました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月28日

すごく良かったです。
アザのある女性の話で、お涙頂戴だったり、道徳的な感じなのでは…と警戒してましたが、ただ1人の女の子の心の葛藤や成長が、アザのない私にもしっかりと共感できました。

琵琶湖と揶揄われた時の担任の対応、アザを気にしていないと思っていた祖父が毎日神社であざが消えるよう祈っていたと知っ...続きを読むてしまったときの気持ち、その感情を母に気づかれないようにしたこと、何が正解なのだろう…と考えました。
多分、この本はこれからずっと、ふと思い出しては考えるのだろうなと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年10月27日

自分を蔑ろにせず、今の自分で自信を持って生きていく。
そういう生き方を選択することができるようになる、一人の女性の物語だった。
生まれたままの姿で生きていくことを決意したアイコが、とてもかっこよかった。
私は、そんなふうに思えるだろうか。

「前田さん。もし無理をすれば違う自分になれるんじゃないかと...続きを読む思っているなら、その幻想は捨てたほうがいいかもしれない。そのほうが、君はきっと成長できる。たしかに、人は変わることもある。しかし違う人間にはなれない。それは神の領分です」
(P192)

教授が言ったこの言葉が、とても印象に残っている。
もし無理をして変わることができたとしても、自分は自分でしかないのだ。

恋愛小説ではあるが、「愛する人から愛されるハッピーエンド」という形で終わらないのが良かった。
アイコはこの先、ありのままの自分で、まっすぐに生きていくのだろう。
そう感じられるラストが、清々しかった。



顔に大きなアザがある主人公と、『よだかの片想い』というタイトルから、宮沢賢治の『よだかの星』が題材になっているのかなぁと思っていたら、作中にも登場して嬉しかった。

解説内で紹介されていたエピソードを、引用させていただきたい。
(以下、P250から引用)

二人の会話に登場し、タイトルにも関わってくるのが宮沢賢治の『よだかの星』。
周囲から醜いとののしられるよだかは星になりたいと願うが、星たちにも却下され、それでも飛び続けてついに星になる。
この作品をモチーフに選んだ理由については、トークイベントでの作者の言葉を引いてみよう。

「主人公のよだかがいろんな動物にいじめられるなかで、タカに名前を変えろって言われますよね。
でも『名前は変えない』と言う。
名前を変えるぐらいだったら死んで星になりたいって思うところに、何かすごくその生き物のプライドというか強い精神性を感じるんですね。
単純にいじめられて追いやられて星になる話じゃないんですよね、『よだかの星』って。
それは今回の主人公の性格にもあてはまるかなと思いました」

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Posted by ブクログ 2022年07月14日

島本理生さんの本が好きで何冊か読んでいるが、今回も女性ならではの視点で繊細に言葉が紡がれていた。

アイコのアザを「葛藤しながら強く生きて来た証」と無限に広がる夜空に解放してくれた飛坂監督。ひたむきな恋心を知ったアイコに幸せになってもらいたい。

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Posted by ブクログ 2022年03月20日

とても素敵な作品に出会えました。
恋愛小説でもあり一人の女性の成長物語でもある。恋愛小説だけど、恋愛にとどまらない深さを感じました。
人の「強さ」「弱さ」について、自分が発する言葉や生き方についても考えさせられる。

アイコの恋にドキドキして、一緒に一喜一憂した。アイコの真っ直ぐな思いが眩しい。そし...続きを読むて切ない。
顔に生まれつきアザのあるアイコと映画監督の飛坂さん。背負っているものの重さに感情移入して苦しくなった。

アイコの懸命に生きる姿が胸を打つ。心の機微がとても繊細に描かれていて静かに響く。
相手の何気ない一言に感情が溢れ思わず一緒に涙。登場人物が口にする言葉、シーンの一つ一つが心に残りました。
アイコ、飛坂さん、アイコの母親、教授、後輩の原田くん、ミュウ先輩。登場人物の愛情や思いを感じるし、みんなの人柄もいい。
自分の感情の記憶があっちこっちに飛んで、ずっと感情を揺さぶられていた。
私にとって大切な一冊になりました。
今年映画化もするようでそちらも楽しみです♪

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月15日

自分のために、家族のために強く真っ直ぐに生きてきた主人公。強いからこその脆さが、恋をすることで表れていく過程が繊細に描かれています。
彼女の発言に心をほどかれる彼と、その彼の笑顔を愛おしく見つめる彼女。誰かに受け入れてもらえる幸福感を私自身も思い出し、胸がぎゅっとなりました。
それでも、2人の置かれ...続きを読むている世界、価値観、恋愛観は重ならないことに気付き、主人公は別れることを、自分のために、2人のために選ぶ。切ないはずなのに、2人がきっとこの恋を一生大切にしていくのだろうと感じ、心が温まるような恋の終わりでした。

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Posted by ブクログ 2022年02月19日

この本を読んで、誰でも自分に何かしらのコンプレックスがあると思うが、それを受け入れてくれる人がいるのは貴重なことだと気づかされた。
いつのまにか、主人公のアイコとかつての自分の初恋の思い出を重ねて読んでいて、最後には涙した。
映画公開日が待ち遠しい‥・早く見たい!

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Posted by ブクログ 2022年11月17日

彼女の心の葛藤
誰もが抱くコンプレックスから逃げる事なく強さも弱さも含めて
リスペクトでした。
若い頃
コンプレックスの塊だった私に教えてあげたい1冊です。

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Posted by ブクログ 2022年11月08日

宮沢賢治の「よだかの星」が元になった作品
顔にアザのある女性アイコが、障害を持つ人たちを特集した雑誌の表紙モデルをしたことをきっかけに、映画監督の飛坂と知り合う。

主人公の力強さに惹かれる飛坂
監督の分け隔てないやさしさに惹かれるアイコ

お互い自分にないものに惹かれて付き合うが、すれ違いによって...続きを読む最後は別れる
でも暗い終わり方ではなく、今後の人生をより一層力強く生きていくと思えるような主振興の成長が感じられる作品

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Posted by ブクログ 2022年09月24日

最初ほ掴めない主人公で、少し読みにくさをおぼえていたけれど、主人公が恋をしてからは掴みどころ見つけられたお話。
紆余曲折あって、最後の方のアイスのくだりからの男の人に可愛いって言ってもらいたかった(てきなニュアンス)のところがぐっと来ました…!
島本理生さん2作目!作品によって雰囲気違うなあと思いま...続きを読むした。映画のトレーラーは見たけれど、映画はいいかなあと言う感想です。

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Posted by ブクログ 2022年09月23日

主人公の切ない想いが、それでも前を向こうとする強さが滲みる。
さまざまな感情が入り乱れる初恋を思い出すような作品だった。
「一度切りでいいから、一番にしてくれたら、あとはもうずっと待つから。一生だって待ち続けるから。」
切ないけど、好きになって本当によかったって思える恋は、素敵だな、、、。

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Posted by ブクログ 2022年07月13日

このお話大好きだった。

島本理生さんの小説って重い内容が多いけど、これは決して軽い訳ではないけど、割とサクッと読める。

実写化するみたい、これは見たいな。

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Posted by ブクログ 2022年06月09日

これまで読んできた島本理生さんの作品とは雰囲気が違っていて、ある意味安心して読むことができました。他の作品も読んでみたくなりました。

顔に痣があることがマイナスという価値観が生み出されるプロセスや本人にとってはプラスとなるファクターであることへの気付き。それらのことがこれまでと違った世界に触れるこ...続きを読むとで綴られていく成長の物語です。

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Posted by ブクログ 2022年05月05日

Instagramのおすすめに出てきたため購入→読破

顔に痣のある少女
に限らず、人間誰しも何かを隠しながら生きてるよな、と思った。
その隠してるものが露わになった時どうしよう、、と不安になったり、大切な誰かに曝け出すことを恥ずかしく思ったり。みんなそれぞれに、そういう隠したいと思うものを抱えて生...続きを読むきている。
隠したいと思うものに出会った時に、どんなふうに向き合うかって考えた時、私はやっぱり隠すことを1番に考えちゃうと思う。
でもこの主人公は、隠した後に顕になった時のことを考えて、隠さないっていう選択肢を選ぶ。その勇気がすごいし、強い。強かだった。

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Posted by ブクログ 2022年04月26日

2時間くらいでサクッと読めて面白かった。
監督は本当に罪な男だよ、、、原田くんが本当に本当に可愛い。
主人公が自分が幸せになる道を選べる強さがあって本当によかった。あとこんな面白い女性いない。こんな会話ができたら好きになっちゃう。

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Posted by ブクログ 2022年02月23日

すっっっごく面白かった!!!!!
主人公が自分のコンプレックスに向き合いながら飛坂さんと関わり合いながら傷つけ傷つき、成長していく過程が読んでいて胸が締め付けられた。
最後に飛坂が言った「そのことにどれほど救われたか、もっとこえをおおきくして、あなたに言えば良かった」を読んだ瞬間泣いてしまった…。飛...続きを読む坂さんも余裕があるように主人公には見えてたけど実際はお互いまだ未熟者同士で…最後までよりを戻さない終わり方もすごく納得できて、人との関係もこんな感じなんだろうなって思いました。

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Posted by ブクログ 2022年02月13日

顔に大きな痣がある女の子がコンプレックスを抱きつつも恋をして成長していく物語。…と言うとなんだかチープな感じになってしまうんだけど、個人的にすごく好きでした。
主人公が惹かれる相手が、もう絶対幸せになれないやつじゃん!って最初からなんとなくわかるのに、ぐんぐん好きになっていっちゃうところとかわかりす...続きを読むぎる。いや、でも本当に良い恋。
島本さんの他の本も読んでみたくなりました◎

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Posted by ブクログ 2021年11月01日

結ばれること=正解じゃないんよなぁ
どうしてもこの片想いが実ることばかりを祈ってしまうけど、いろんな経験をして自分の価値観みつけて成長していくんよなぁ
やっぱり島本理生さん良きやわ〜この人の作品に出てくる男の人ってやっぱりみんな魅力的で影があって危なっかしいのに惹きつけられちゃうんよな、、、あんな男...続きを読むの人に出会いたい

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Posted by ブクログ 2021年10月26日

顔にアザがあることでからかわれたり、恋愛も諦めていたアイコ。そんなアイコも映画監督の飛坂に恋をした。不器用な初恋。複雑な恋心が痛いほど伝わる。片想いではあったがすっきりといい関係で終わってよかったと思う。

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Posted by ブクログ 2023年02月16日

子供の頃、宮沢賢治の「よだかの星」が嫌いでした。顔が醜いというだけで、全ての生き物に忌み嫌われ、天に輝く星達にさえも拒絶される悲しい宿命を背負ったよだかが、あまりに可哀想で。地上に生きる賤しい生き物達はともかく、神に最も近い場所にいる星々が口汚く小さな鳥を馬鹿にするなんて!

本作は、そんな現代に生...続きを読むきる「よだか」とも言える女子大生の物語です。
でも、本作の「よだか」アイコは、皆に蔑まれて孤独に星になっていった孤高の鳥ではありません。とても芯が強く魅力的な女性です。もちろん彼女の周囲には、彼女を愛する家族や友人が数多くいます。

顔に大きなアザを持つアイコは、恋から縁遠い生活を送っていましたが、ある日、自分のコンプレックスであるアザを取材した本をきっかけに出会った男性と恋に落ちます。
一途で真っ直ぐな彼女の思いに、同じく偽りのない真っ直ぐな残酷さで、彼は答えます。

「僕は君を幸せにすることはできない」

それでもいいと一度は受け入れ、多くを望まなかったアイコは、やがて1人の女性が望む当たり前の幸せを彼に求めるようになってしまいます。

私を最優先にして欲しい。
今すぐ会いたい。会いにきて欲しい。

あまりに純粋な彼女の恋心が、星のような眩しさで目が眩むようでした。

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Posted by ブクログ 2022年12月14日

初読みの作家さんだったが、タイトルの“よだか”とは宮沢賢治の『よだかの星』から採られているのだろうと想像しながら手にした。意外と感情移入して引き込まれたのは自分でも驚いた。生まれつき顔にアザがある理系女子大生・アイコのまっすぐさが初々しく力強く感じられる作品だった。アイ子の頑なさは一風変わっている。...続きを読む当然アザを隠そうとするものだろうが、アイコは敢てアザを隠さないことを選んでいた。たぶん、彼女の矜持から来たのだろうが・・・。恋愛やミュー先輩のやけど事件などを経て「化粧で隠してもいいんだ」というところへたどり着く所が興味深い。恋した映画監督・飛坂の繊細さも私が許容できる範囲内に納まっていたのも嬉しかった。
呪縛からの解放は彼女が自ら勝ち取った成長だろう。
アイコが迷っていたレザー治療を止めた理由。
「私はずっとこのアザを通して人を見てた。でも、だからこそ信頼できる人と付き合ってこられたんです。ミュウ先輩もその一人です」
映画化もされていて、そちらも観てみたい。

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Posted by ブクログ 2022年11月22日

ミュウ先輩好きだなー。ミュウ先輩はやけどをして初めてアイコの気持ちが分かるようになったみたいな感じだった。確かにアイコの気持ちはやけどをする前のミュウ先輩には分からなかったかもしれない、だけどそのミュウ先輩にアイコは救われてきたわけだし、必ずしも人と分かり合えなくてもいいんだと思った。

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Posted by ブクログ 2022年06月17日

顔に大きなアザのある主人公、恋愛の始まりから終わりを通して、ひとまわり成長するさまが描かれている。きちんと恋愛するってこういうこと。全てに納得できる小説。アイコの気持ちに何度も苦しくて哀しくて泣きそうになった。出てくる料理が美味しそうだった。

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Posted by ブクログ 2022年04月23日

アザを通して見える世界、価値観、機敏に自分が同じ立場だったらどうだったろうかと考えさせられながら読みました。面白かったです。

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Posted by ブクログ 2022年02月12日

顔に大きなあざが有る若い女性・アイコの物語。
一人に閉じこもりがちではあるが、あざを含めての自分と考えていて、全部を受け入れてくれる人を望んでいる。そこに現れたのが、その条件を満たした映画監督の飛坂であり、アイコは彼にのめり込んでいくが、仕事を優先する彼と中々会えない日が続き。。。
最終的に、自分の...続きを読む事を一番に考えてくれない飛坂との恋愛関係は破綻するのですが、それはあざとは無関係な話になってしまい、ここらですれ違ってしまいました。
(他の人のレビューを見ても)普通の恋愛小説としても良い出来なのでしょうが、そうなると私があまりベタな恋愛小説に興味が無いもので・・・。
映像化に向いた話だろうな~と思ったらちゃんと映画化されてましたね。

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Posted by ブクログ 2022年02月02日

周りが思うほど本人は気にしていなくて普通に過ごしている主人公。本人が気にして引っ込んでいるというよくありそうパターンと違い読んでいて心地良い。

- 私はなにも可哀想なんかじゃないのに。

- 「あなたが弱くたっていい。でもその弱さに甘えるのは、間違ってる」

- 自分のことはすべて認めてほしくて、...続きを読む相手の弱さは受け入れられなくて、そんなの、ただの子供じゃないか。

- 「ダサく見えたなら、それは僕がダサいからですよ。もし今大人気の有名な俳優が付けていたら。みんな、きっと憧れて同じものを買ったりすると思います。そういうもんですよ」

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Posted by ブクログ 2022年01月19日

恋愛小説ではあるけど、とても強い心を持つ人間性にとても惹かれる作品。
主人公の強さがとても勇気づけられる。
顔に大きなアザがあってとても辛い思いをしてるのに、生き方がとてもかっこよく尊敬できる。
こんな友達が欲しいと思った。

編集部に初めて行ったシーンと終盤のミュウ先輩と病院で会うシーンがとても印...続きを読む象的で良かった。

個人的には、とても読み易くはあったものの、物語の温度感が常に一定で、一気に読むほど引き込まれる事はなかった。

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Posted by ブクログ 2021年12月30日

他人の優しいと思う言動はときに当事者を傷つける。当の本人は生まれながらにして共にしてるわけで、それを含めて自分を認めて欲しい。それを真から受け止めて肯定してくれた飛坂さんのことはやはり好きになる。でも全てうまくいくわけではない。そこがまたよかった。初恋としてとっても素敵な恋だったなぁ。

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Posted by ブクログ 2022年01月31日

【2021年24冊目】
顔にアザがある女性が主人公のこの作品。本のあらすじには「女性に不自由しないタイプの飛坂の気持ちがわからず」と書いてあったので、そういった展開かと思いきや、もっとずっと、想いが真っ直ぐな二人の話でした。
「一緒にいるっていうのは、相手を肯定しながら同じ場所にいること」というフレ...続きを読むーズが気に入りました。

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