島本理生のレビュー一覧

  • Red

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    ネタバレ

    周囲から羨ましがられるほどの夫、最愛の娘、理解のある姑、それなのに塔子の結婚生活は幸せなようでどこか満たされない。

    塔子は「誰よりも早くしがらみから抜け出したかった」から彼女の女友達の誰よりも早く結婚したが、彼女はまだ自らの欲望の形も分からず、その欲望を伝えることもできない、未熟な女性だったのかもしれない。

    そんなとき、かつての交際相手である鞍田と再会する。
    塔子を求める鞍田の情熱は、塔子は大人の女性へと成長させていく。

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    2026年05月06日
  • 私の身体を生きる

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    凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
    ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
    共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
    性に関する体験を

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    2026年05月04日
  • ノスタルジア

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    もうおそらく会えない友達が島本理生のことを大好きで、私はそんなに分かんないなぁと言いつつ、人生の節目節目で彼女の作品に心動かされている。ファーストラブ、シルエットが大好きなのだけれど、これも私にとって大切な作品になりそう。
    ナラタージュで年上の男を描いていた島本理生が、すっかり年増の女を書くようになってるのねぇ。

    約20の歳の差恋愛ものと言ってしまえば淡白になるけれど、この不安定さを可視化するようなアクチュアリティが凄い。震災と原発、書くこと、報道記者の在り方、ウクライナ戦争の距離、新興宗教と宗教2世、被害と加害、性的指向……。
    とはいえ大衆小説なので書き口はかなりアッサリ。ただその中にもハ

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    2026年05月03日
  • 夏の裁断

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    ネタバレ

    主人公は女性小説家で、作中で祖父の本棚を整理している。そんな彼女は本作で複数人の男性に出会い、そのなかには肉体関係を持っているが、過去のある出来事もあって、男性との接し方がぎこちなく、男性側のわがままに振り回される。本作は4つの短編で構成されているが、いずれも大人の男女関係を克明に描写されている。

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    2026年05月03日
  • ノスタルジア

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    すごいお話だった。
    愛とは何か、人から愛されることとはどういうことかに向き合っている作品のように感じるが、
    物語の根底でそれぞれが抱えている人生の片鱗が動き出して、なんとも言えない感情になりながら後半読み進めた。
    読み終わった後で帯のコメントを読むと、涙が込み上げてきた。
    島本さんのお話は大好きなので、いち早く読めてよかった。

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    2026年04月29日
  • ファーストラヴ

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    第159回直木賞受賞作。初めて読む作家さん。

    実の父親を殺害した罪で逮捕された女子大生。動機は分からないと供述する彼女だが、臨床心理士との関わりで、固く閉ざされた過去と向き合い、事件の真相が明らかになっていく、というお話。

    誰にでも分かりやすいエピソードだけが、人の心を傷つけるものではないと思い知らされた。
    周囲の大人が大事になるものではないと思い込み、当たり前のように振る舞っていたら、子供はおかしいなことだなんて気付けるはずはない。その経験が積み重なって、人の心を作り上げていく。

    当事者でない限り、その感情を真に理解することは難しい。それでも当事者側に立って本気で想像するしかない。人間

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    2026年04月23日
  • ファーストラヴ

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    とても良かったです。
    まっすぐな恋愛ものを好まないので「ファーストラヴ」というタイトルから読まず嫌いをしていましたが、「解説・朝井リョウ」を信じてよかった。
    途中ヤキモキさせられる場面も長いですが、法廷〜ラストシーンの読後感が良く、爽快感さえ感じる小説でした。
    なんでファーストラヴなんだろう。ファーストラヴってなんなんだろう。「ラヴ」の種類についても考えさせられる、家庭で子供が受ける親からの無償の愛がファーストラヴなのだとしたら、それを受けられなかった子供達は、歪な形で受けてしまった子供達は、どんな人生を生きるのだろう。。。
    島本理生、おもしろい。もっと色々読もう。

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    2026年04月15日
  • ナラタージュ

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    互いが互いを特別な存在だと思っているけど、隣にいるのが最適解ではなく。
    日々過ぎる日常の中で意識していなくても、きっかけがあれば体の中の感情全てがあの時間、瞬間に戻ってしまう。

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    2026年04月08日
  • いつか、アジアの街角で

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    どれも良かった!
    語彙力無さすぎ!
    日本の中にあるアジア
    アジアに残る日本の爪痕(かすかに出てくる程度だが)
    それらがほのかに香る短編たち
    どれもその先を知りたくなる
    ああ、短編ってそこがね〜
    もどかしいというか…

    私も3月に初めて台湾に行ったが、また行きたいと、もっと色々な所を見てみたいと感じさせてくれた。

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    2026年04月06日
  • 2020年の恋人たち

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    面白かったし、ワイン飲みたくなる
    ちょうど人生について考えている時で、色々と心に刺さってしまった
    分かってはいるんだけどっていうことを、葵はきちんと決断できていて羨ましい
    自分が納得できる生き方をしたい

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    2026年04月05日
  • はじめての

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    「初めて」何かをした日、その時の気持ちって覚えてますか?

    初めて
    恋した日
    家出した日
    容疑者になった日
    告白した日
    が収録されてます。

    個人的には「家出した日」の「ユーレイ」が最後の展開が綺麗で好きです。

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    2026年04月05日
  • はじめての

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    いろんな初めてが詰められたアンソロジー。

    YOASOBIの歌にもなってるので、読みやすい人はいるかと思いますが、以前「想うた」の感想でも書きましたが、歌詞を物語に、物語を歌詞にするのはめちゃくちゃ大変だということです。歌詞にしても短編にしても、そこへの解像度が作者と一致しないと、自己満足になってしまう。広く言えば、創作の世界とは自己満足になるわけだが、異なるアートをリンクさせようとすると、リンクさせる側の自己満足は喪失する。我流を押し通せば非難されるし、かといって落とし込むだけであれば、したためる必要がない。料理と同じだ。サンプリングしたものがイタリアンで、和洋折衷に拵えたものがナポリタンで

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    2026年04月02日
  • 天使は見えないから、描かない

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    何の前情報もなしに読んだ。「遼一さん」と体を重ね、家に帰ると「晴彦」がいる。あら、不倫ものだったか、と読み進めてびっくりした。叔父と姪だった。血縁関係もある。

    気持ち悪いこともわかったうえで、気持ち悪いと感じる自分もいながら、それでもこの人がいいと互いに手を伸ばす2人は、全然気持ち悪くなかった。
    気持ち悪いことをしていたとして、それを誰かに許してもらわないといけないのだろうか、とふと思った。多分許される必要はなくて、気持ち悪いと感じるなら見えない位置まで戻ってほしいだけ。ずけずけ入ってきて気持ち悪い!って騒がれても、でもこちらとしては気持ち悪いこともわかったうえで続けていることだから、どうし

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    2026年03月31日
  • 私の身体を生きる

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    個人的にはむっちゃ面白かったが、娘を持つ父親としてはマジ複雑。危険すぎるやん、満員電車に乗せられないし、共学にも入れられない。とかやってると箱に入れすぎて社会に出て路頭に迷う。
    特に若い女性は希少性が高いし、あらゆる年齢層の男性から性的視線を向けられるキモさ、精神的苦痛は想像してもキツイ。
    しかも性被害に遭えば一生悩まされるし、キモい男性、痴漢は一定程度発生して避けようがないとしたら、。地獄に落ちないようにだけはしっかりと自衛せなあかんよな。

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    2026年03月31日
  • はじめての

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    音楽と文学がつながる瞬間を4回楽しめる!
    中でも色違いのトランプは圧巻。
    小説〜音楽〜MVと目と耳と心で楽しむ世の遊びを!

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    2026年03月29日
  • 天使は見えないから、描かない

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    この人の作品で描かれる(いうほどたくさん読んでいない。すみません。)、ステレオタイプの男の嫌なところ。それを読んで「そんな人今どきいるか?」と思ってしまうのは、俺が男だからか。俺はリベラリストでフェミニストになりたい。

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    2026年03月28日
  • ファーストラヴ

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    作家が体験より勉強に基づいて書いた作品か。やや平板な読後感を持った。父親を殺した罪で起訴された環奈は、裁判の前後で人物像が変わりすぎだ。変わった理由も書かれているが、十分には感じられなかった。性虐待は手垢の付いたテーマであるだけに、読み応えのある話を作るのは難しいと思う。

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    2026年03月29日
  • よだかの片想い

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    良かった。仕事やプライベートで鬱々とした気分になっていたが、なんか頑張ろう、誠実に真っ直ぐ生きようと晴れやかに思えた。

    あざのある主人公がひとつのきっかけで色々な経験をして、人の温かさもどうしようもなさも弱さも、様々なものが丁寧に描かれている。
    主人公のアイコと、ミュウ先輩が好きだった。

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    2026年03月23日
  • ナラタージュ

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    精神的に深い関係にある2人の関係性がとても印象的だった。
    教師と女子生徒という設定にどこか気持ち悪さを感じていて、嫌厭していたが、それを覆されるくらい2人のお互いを思う気持ちや紡ぐ言葉が綺麗で良かった。
    最終的に二人が結ばれることはないが、不思議とハッピーエンドのような余韻があり、読み終えた後もしばらく幸せな気持ちが残った。

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    2026年03月23日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    どの短編も読んだ人を前向きな気持ちにさせてくれるお話でした。程度の差こそあれどの主人公も悩みを抱えているのですが、魅力的なおやつのおかげで読んでるこちらも重苦しい気持ちにならずに読むことできました。欠点は読んでる途中からすごくお腹が空いてくることでしょうか。
    個人的にはいちばん「ドーナツ息子」が印象深かったです。街中で誰もが見かけたことのある子育ての苦労を、その当事者目線で語られいるため胸に深く突き刺さるものがありました。
    この短編をきっかけにそれぞれの作家さんの長編作も読んでみたくなりました!

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    2026年03月19日