【感想・ネタバレ】星のように離れて雨のように散ったのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年03月08日

就活で自信をなくした主人公が、恋人との関係が苦しくなることで自分の足りないもの(自己肯定感?)に気付く話。
幼少期の経験から、何でも自分が悪いと考える癖があったが、周りの人たちとの交流によって、
例え理不尽な扱いを受けても自分が間違ってるわけではないこと、相手と同化しなくても(相手と意見を異にしても...続きを読む)自分として存在していいことに気付く。結局、春が亜紀君と苦しい関係になってしまったのは、春が亜紀君と同化してしまった自分自身に苦しくなってしまったからでは?

私自身も同じような考え方をすることがあるので、篠田君が言うように私と他人の問題を区別していきたい。あと、言わない訓練を積みすぎていて本音がわからなくなっているので、これからは上部の言葉を使うのはやめて欲に忠実に生きていく!

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Posted by ブクログ 2023年11月26日

平易な文章だが、物語の進行と共に私の内面を抉られた。そこから見えた事と向き合う時が来るのかもしれない。そんなことを思った。オススメです❗

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Posted by ブクログ 2023年11月12日

複雑な家族関係の春は日本文学の修士論文に取り組むなかで、彼氏との関係に疑問を抱くようになる。時はコロナ禍、友人や大人たちと大人数で会うことがなくなった反面、より密に会話を交わすようになった。論文の主題となる宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を探り、自分の過去と向き合い、自分の人間関係をつぶさに見つめていく。...続きを読む
恋愛だけが物語として進むのではなく、常に宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の研究が物語の根底に流れていて、読み終えたとき読者は長い旅路を終えたような気持ちになる。
いや、終えたというか、まだ道半ばだが、人生は悩みの連続でそれから逃れることはできないということを認識しつつも、一つの区切りがつけられた登場人物達が愛おしい。
『銀河鉄道の夜』以外にも文学作品が引き合いに出され、文学と宗教を巡る個々の考え方も心地良く、自分の考え方も含めて思考が広がる感覚があった。
どうしてもこのコロナ禍に描いておかねばという筆者の気持ちが伝わるような気がする。
人間関係は本当に難しい。

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Posted by ブクログ 2023年10月29日

危ういものにふれて自分の弱さと向き合いはじめる
宮沢賢治と主人公そしてその父と叔母
蓋をした感情の表出が周りの登場人物の言葉と
物語がリンクして解けていく感じが絶妙

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Posted by ブクログ 2024年04月14日

面白かった。小説としてストーリーが面白いし、この作家の書く文章が好きだと思った。
ただ取り扱っているテーマとして、宗教だったり神だったり少し考えることが必要だったりもする。
また再読したい。

個人的には、ノルウェイの森の考察を売野さんが語る場面が好きだった。

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Posted by ブクログ 2024年04月07日

島本さんの作品って私が読んだ中では日常がキラキラしてる光のような作品が多いけど、たまに人間の本質に目を向けたどこか危うい闇のような作品がある。
今回は後者だったけど、少し自分の生い立ちや抱えてる闇とリンクするところがあってすごく考えさせられた。

幼少期の経験、親の人柄ってその人の人格形成に大きく関...続きを読むわるってのは分かってて。それが春にとって闇を生み出してた。それを認めること、向き合うこと、知ることってすごく必要なんだな。
私は常にいい子でいたい。幼いときからのその感情がずっと消えない。だから他人の顔色を伺いすぎるし自分の思いなんて押し殺しちゃう。
何を言っても自分の意見が罷り通らない環境で自分の意見を口に出すことなんてしなくなった。
今でも怖いんだ、周りの人が離れてくのが、失望されるのが。自分ってなんなんだろう。私も春のように自分のルーツを見直すことで自分の闇の原因を知って変わりたい。
でも今日まで確実にその闇は晴れていってて。それって対話があったから。自分の考えを言葉にどんどんできるようになってきた。
作中でも言及されているように読むこと、話すことが与える影響って大きい。
深すぎて、でも私の深いところに刺さりすぎて読んでいて苦しかった。
でもこの本に出逢えたことって私にとってすごく意味のあることなんだろうな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月16日

若い頃の不安定な心の描写がリアルだった。ずっと一緒にいたいという彼には躊躇するけど、元カノの話をされると嫉妬したりする。上手いなあ。
銀河鉄道の夜をもっと読み込んでからこの本を読むと、もっと良かったかも。

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Posted by ブクログ 2024年02月14日

修士論文に取り組む春は、彼から結婚を迫られるがどこか躊躇する。子供の頃に、父親が宗教にはまった末に失踪するという過去があるからか、どこか危ういところのある春だが、クラスメートやバイト先の作家と話をすることで、意識の下に埋もれていた自分の本心に気付く。

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と、その背後にある賢...続きを読む治の思想、そして、春の過去が緩やかに繋がっていく、不思議なストーリー。

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Posted by ブクログ 2023年12月05日

ファーストラブがよかったのでこの本を読む前からすごくドキドキしていた。

読んでみるとやっぱりいい。宗教とか論文とかテーマが難しかったけど、時々すごくいい文章だなって思う箇所があって。

春が最後には過去と向き合えてよかった。

銀河鉄道の夜、まだ読んだことがないのでまた読んでからこの本を読むとさら...続きを読むに楽しくなるんだろうな。

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Posted by ブクログ 2023年09月19日

ゆっくりと自分と向き合う主人公。そしてそれを支える仲間達。大きな展開はなくも、静かで色々考えさせられる物語でした。

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Posted by ブクログ 2024年05月11日

島本理生の作品を読むと必ず好きな文章に出会えるが、ストーリー自体になかなかのめり込むことができず、大体三点に落ち着いてしまう。

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Posted by ブクログ 2024年03月31日

どこか陰のある彼女と、そんな彼女を支える彼氏のお話と思いきや。

彼女が不安定だから支えたい。自分が彼女を幸せにしてあげたい。そうやって相手に自分の存在意義を見出すのは、逆に依存していることになるんだなと思った。
春はその不健康さに気づいていたから、自分と混じり合う前のそのままの亜紀くんが好きだった...続きを読む、と過去形で語るのかな。

春と亜紀(あき)。
けして隣り合わない季節を名に持つ二人の未来は、どうなるのだろう。
今まで避けてきた対話を通して、理解し合える関係になれたらいいなと思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

 心の傷に気付いてない、気付いて必死に生きているあなたに読んでほしい本。
誰もに心の傷がある。大人になって、ひしひしと鮮明になる傷。私自身、日々、表現することで自分を救っている。
 世の中、孤独でなく孤高に生きなければと焦っている。その葛藤の中で、人は弱くて脆い。結果、恋愛や酒やタバコなどを求め依存...続きを読む。自分の傷を埋めようと必死な人々がたくさんいる。その気持ちも大いに分かる。しかし、埋めようともがいた結果、何も残らなくて虚しくなる。それが人間。
この小説を読んで、
「自分の傷は自分で治す」
ことがいかに大事か、主人公や取り巻く環境における人々の心の変容を通して感じた。

 主人公が、恋愛から抜け出した夏、「今年は自分で自分を一つ一つ拾って大切にしよう」とする結末。人間の強さが垣間見られる。私自身も、人や自分と丁寧に対話して向き合い、互いの中の優しく光る星を見つけるように生きていきたい。
周囲に気を遣い、感情をあまり出さない訓練を無意識にした春はどこか自分と重なる。「かんじょうのままやりたいことをやり、言いたいことを言ったほうがいい」と後押しする吉沢さんの言葉に私も救われる。
余談であるが、私の名前の候補の一つが「はる」だったな。この小説を読み返して、また違った感情になる日を楽しみに本棚に添える。

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Posted by ブクログ 2024年01月19日

恋愛の話だと思ってたら、途中から宗教的な話も絡んで難しくなった
生きること、依存すること、愛すること、誰の影響で今の自分がいるのか、自分は何を指針に生きていけばいいのか。
色々難しかったけどなんか良かった←

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月25日

主人公の春が、いろんな人と関わる中で自分のことを振り返る物語。
恋愛、結婚、家族、文学、宗教。いろいろな要素が絡み合っていた。難しい話もあったけど、2020年のコロナ禍の生活についても触れられていて親近感が湧いた。


自分の中にある見たくないものにフタをする感じ、その見たくないものを他人で埋めよう...続きを読むとする感じが少し分かる。


自分と混ざる前の単体のあなたが好きだった、みたいなセリフに共感。自分と関わることで、相手の価値が下がる感じがするの分かる。

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Posted by ブクログ 2023年10月18日

普通に生きてこられてた自分は普通だけど、ものすごく幸せなのだと感じた。
主人公の心情を理解出来ない部分が多かったため、銀河鉄道の夜や宮沢賢治について理解を深めた上でもう一度読み直そうと思う。

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

今月は、島本理生さんの小説を読ませていただきました。恋愛となるまでの不安定な期間を揺れ動く言動で表現するのが上手い方だなと思いました。

こちらは、コロナ禍に、書かれたようです。小説の中にも窮屈な行動制限の様子が時折出てきます。

大学院生の私は、修士論文に「銀河鉄道の夜」を選びます。妹トシと賢治の...続きを読む宗教観の語らいの予測など、面白いなと。もう少し、踏み込んで島本さんの宮沢賢治論を織り込んでいただいても良かったかな。

主人公の大学院生は、小学校の時父親が失踪。そこに宗教との関わりもある。そのあたりに彼女が自分の過去を受け入れられていない理由と思います。そして、優しい恋人の大きすぎる許容や安直すぎる理解。不満はない、愛情はある。なのに一緒にいると息苦しい。このあたりの心情は、痛い感じですね。贅沢な〜と思っても、その微妙な違和感がだんだん大きくなっていくみたいな。
若さも加わった不安をお互いの傷を理解して、恋人再開できそうです。

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