島本理生のレビュー一覧
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原文の一部が載ってるくらいので読みたいと思ったけれど、完全現代語訳。だけど、それぞれ訳された作家さんたちのセンスがキラリと光り、江戸文学のエッセンスがギュッと詰め込まれた、お値打ち品の一冊。
好色一代男
原作: 井原西鶴/ 現代語訳 島田雅彦
七才の時、夜中に子守に連れられてトイレに行った時、足元が危なくないように蝋燭を持って付いていてくれた子守のお姉さんに「その火を消して、そばに来て」。「足元が危ないから、こうしているのに、明かりを消してどうするんです。」と子守。「恋は闇ということを知らないの?」。
この頃から、クレヨンしんちゃん顔負けの天才好色男児、世之介!
八歳の時に、伯母さんの家に -
Posted by ブクログ
ネタバレとてもほっこりする話だった。さらっとしていて読みやすい。
主人公は双子の大学生の冬冶と華子。同居をしていて、前半は華子、後半は冬冶の視点で話が進んでいく。
口げんかをしながらもお互いを思いやっているのが伝わる。
2人の恋愛観が対照的で、冬冶は慎重派だが華子は派手で色々な人と交際している。
冬冶と幸村さんの恋愛の話がとても好き。おしゃれに無関心だが頭はとても良く地味だった幸村さんが、冬冶に出会って恋に落ち美しく変わっていく様子が良い。冬冶も不器用なりに幸村さんと真剣に向き合って恋愛している姿が良かった。
華子と冬冶が長引くけんかをしてお互いに意地を張っていたが、最後に夕食のカレーを作るために当番 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻は、主人公黒江の行動にハラハラさせられた。
「その人に着いて行ってはダメ」、「どうしてそんな風に考えるの?」そう黒江に聞きたくなってばっかりだった。
しかし、10代の私だったらこんな行動に出たかもと思う場面も多々あった。
不器用だから、彌生くんに対しても伝えたいことを伝えられない。
黒江本人は、彌生くんに伝えなくても、言葉にしなくても私の神様なんだから分かって、って思ってたのかもしれない。
下巻で、出てくる、仁さんには私自身も読みながら救われた。
黒江を突き放しはせず、でも、全面的に保護はしない。
それでも、黒江が傷ついている時はそっとそばにいる。
そんな黒江と仁さんの関係性がとても羨まし