あらすじ
直木賞作家が描く、愛と救済の物語。美しい女性に惹かれる、やり手経営者とカソリックの神父。自堕落さと無垢な儚さを併せ持つ彼女は、深い絶望を抱えていた──。イベント会社代表の真田幸弘は、数年前に函館で出会った若い女性・比紗也に東京で再会する。彼女は幼い息子を抱えるシングルマザーになっていた。真田は、美しく捉えどころのない比紗也に強く惹かれていく。一方、若き神父・如月歓は比紗也と知り合い、語り合ううち、様々な問題を抱える彼女を救おうと決意する。だが、彼女は男たちが容易に気づくことのできない深い絶望を抱えていて──。
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Posted by ブクログ
究極な恋愛小説だと思った
たとえ自分のことが愛してなくて保護者のように見守ってて欲しい存在だと思われていても自分は愛しているからその人のために何かをしてあげたいそれはもう究極の愛なのではないか
愛ってお互いが好き同士のことだけではないのではないかそんなことを考えながら最後まで読んだ
ハッピーエンドで終わって嬉しかった
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やり手の経営者とカトリックの神父
シングルマザーの三角関係なのかな?
主人公比紗也ちゃんちょっとずるいぞw
義父の暴力や愛する人の死などがあって心が壊れてるのはよくわかる。
なら、甘えればいいのにって思ってしまう。
真田さん推しだからかなw
最後のハッピーエンドはすごく良かった。
涙の数だけ幸せになってほしい
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美しい比紗也、会社経営 真田、 カソリック神父如月。比紗也は重い過去と義父との関係を背負っている。対照的な真田と如月。義父の存在があり幸せになりそうでならない。そんな中、如月が義父を引き受け、比紗也の過去と未来を真田が、、
幸せになってほっとした。
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夫を東北の震災で亡くしたシングルマザーの比紗也。彼女は義理父に身体も心も強姦されているという島本理生さんらしい設定。経営者で精悍な真田と過去の罪を引きずり司祭になった如月に愛され、心を揺さぶられて行く。最終的に真田との子供を授かり1年身辺整理をして迎えにきた真田のシーンはハッピーエンドで涙が出た。島本理生さんらしく黒いところが多いけど、引き込まれる作品でした。
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主人公であるシングルマザーと、経営者の男と神父の3人が三角関係を繰り広げる物語。
それぞれがニュアンスの異なる闇を抱えている。
主人公は闇によって人を信用できなくなっているものの身体はすぐに許してしまうし、感情や態度、行動をコロコロと変えてしまう奔放ぶり。
読者の一部は嫌気が差すかもしれないが、個人的にはこの小説のタイトルは丁寧に付けられたものだと思う。
人を好きになる資格は誰にだってあるけれど、その感情を揺らがないようにしてくれるのは"他人がどう"ではなく、アイデンティティの確立なのかもしれない。
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最後の最後で涙が出た。
最終的に比紗也が幸せになれることが分かって、ほっとした。
あたしは島本理生さんの書くセリフとか、言葉が、好きだなぁ〜と改めて思いました。
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女性から見たら随分面倒な比紗也。
魅力的だけど信用するには不安の残る真田。
傷を持つ大人の物語でした。
比紗也の父が私の父に似ていて吐き気がしたけど、最後は私の父と同じような最後で。
比紗也が解放されて良かった。
私もスッキリした。
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最初から最後まで胸がザワザワしっぱなしなお話でした。
比紗也にも真田にも共感できなかったけど、歓は救われて欲しいと思いながら読んでた。
ラストは歓の願ったとおり?になったのかもしれないけど、なんか、モヤモヤする。。
読後感はよろしくないです。。
めっちゃザワザワ本だったけどイッキに読まされてしまったので、星3.5くらいなんだけど3ではなく4にしといた。
Posted by ブクログ
数年ぶりに恋心みたいなものを抱いて、恋愛小説が読みたくなって手に取りました。
男性二人と女性一人の恋愛小説。恋愛要素以外にも震災の話なども出てきて、読んだ時期がちょうど東日本大震災の時期だったこともあり、少し喉が詰まる感じがしながら読んだ。一人目は女性が途切れたことがないタイプ、二人目は過去の罪から逃れる(許される)ために神に捧げた神父。この二人の恋愛観とか愛情は結構違うように見えたが、結局のところ、惚れた女を幸せにしたいというものが根にあって分かりやすかった。
そして一人の女性が個人的にはどうしても男性である自分には理解できない部分も多く、すぐに体を許すところだとか、憎んでるはずの父親の元へ帰って自ら不幸になることを望んでるようなところがハッキリ言って気持ち悪く感じた。第三者目線で見ているからこそだが、こんなにも男性二人はただただ彼女の幸せを願って、周りの人間も含め、助けようとしてくれてるのにともどかしかった。ただそれは1番幸せな時期に一番大切な人が自分を選んでくれなかった結果、二度と会えなくなったことによる傷や成長してきた環境で歪んでしまったものなんだなと徐々に理解できた。
最初こそ、若い割に俯瞰して、全部諦めて男は利用するだけのものという考え方から過去のことも受け入れ、好きだとか愛とかに素直になっていく過程は女性として魅力的に見えた。
男性視点としては神父側が自分に近いように感じた。なので、正直神父と幸せになってほしかったなぁと途中途中で思ったりもした。いや頼まれたのお前なんだからお前が仙台ついてけや!!!とも思ったけど。ただ完全に肉体関係が最後までなかったこと、異常なまでの献身性があったからこそ彼女は救われたのであって、他の人間ではここまでできなかっただろうなぁと納得。あと紡君が一度も神父様と話すシーンがないというところに真田との明確な差があるのが上手いなぁと感じました。
それでも星4にしたのは、前述したようにヒサヤにはモヤモヤしてしまう部分が多かった。最終的に幸せに向かって歩き出せたことは良かったが、もっと自分を大切にしてほしいと傷つけられる描写があるたびに思って辛くなった。もっと素直に幸せになってほしかった。こんなに苦労して苦労して頑張ってるのにって。いつか女性のことをもっと理解できれば、ヒサヤの心理や考え方にも納得できる日が来るのかなぁ。
Posted by ブクログ
主人公たちが非常に魅力的な3人だった。
特に比紗也みたいな女の子はほんとうにいそう。
見た目が良くて、色気もあるけど、少し抜けてるから関係を持ちたいけど、結局気持ちが通じ合えなくて、自分が傷ついてしまうパターン。でもそれは相手はわかってない、みたいな。
表面も金回りもよいが、どこか空虚な真田と、自分で赦せない過去を持つ歓も人間味があって、ラストがどうなっていくのか想像できなかった。
圧倒的悪役の父親がバッドエンドに持っていくパターンも予想されたが、
最後は歓から真田へ渡されるバトンによるハッピーエンド。
これは本当によかった。
島本さんは、エグッてくるよなー
Posted by ブクログ
女性の繊細さ、強さといった、気持ちに触れられた気がする小説だった。
キリコのアドバイスを受けて変わった真田さんの素直な気持ち、行動がグッときた。やっぱり、素直な気持ちで正面からぶつかっていける関係がいい。
Posted by ブクログ
人間の汚い部分だとか、とても現実的に書かれていて。じわりと染み込んでくる暖かさもあり、比紗矢がこれから日常の中に幸せを感じる場面が増えていけばいいなと願わずにいられない
【果てしない水平線を見つめながら、埋まらないのだと気付いた。胸に空いた空白はこれから先も埋まらない。いなくなった者の代わりなんているわけがない。違う人間なのだから。だから、埋まらないままでいいのだ。空いたままだって、生きられる。そうやって誰しも生きているのだと。】
Posted by ブクログ
容姿が良くて、あまり努力もせずにモテる人生を歩んでいると、何か欠けた大人になってしまうのかもしれない。たいていの異性を口説き落とせ、さまざまな欲を発散できるから、無闇に手の届かない異性に踏み込まない。そういう空気を感じたらさっと引く。傷付くことに慣れていないから。でもそれは本当の愛を手に入れることができないということにつながると思う。
Posted by ブクログ
比紗也の辛さ、苦しさを理解してあげたい気持ちと、それでも深い闇に自ら進んでいってしまう弱さにもどかしさを感じる作品でした。
物語中盤まで簡単に体を許してしまう比紗也と会う度に体を求める真田の関係性に、このまま二人が結ばれるラストだったら少し嫌だなと思って読んでましたが、読み終わって考えると比紗也や紡、紗雪の将来を考えると真田と一緒になるのが幸せなのだろうなとも感じました。
自分は真田のような男にはなれないし、聖職者という立場はあるにせよ歓の想いこそが本当の愛のように感じられ歯痒さが残りましたが、歓はたまに思い出して胸がキュンと締め付けられることはあっても、きっと後悔はしないんだろうなと思いました。
Posted by ブクログ
島本さん小説の主人公の女性たちは、どうしてこうも重く辛い荷物を背負わなければならないのか。
比紗也も、もう名前からして不幸を貼りつけられたようなものだ。2人の男たちのそれぞれ異なる愛の形が、どのように結実するか、あるいは破壊されるのか後半はサスペンスを読んでいるようだった。
しかし、想像してたのとは違う結末でいい意味でよかった。
Posted by ブクログ
結局三角関係の勝者になれるのは心の支えになってくれる男じゃなくて、 世俗の幸せを保証してくれる男なのね。
子どもたちと三人で生きる決断をしてほしかった。
真田が二度と比紗也を傷つけないことを祈るしかないけど。
散々 精神的 宗教的な話をして 結局そのハッピーエンドなんだなと感じた。
身体の交わりがなくても異性の信頼を得ることことはできる、でも交わって子どもを設けることの前には無力ってこと?
どんな思いで如月が真田を比紗也のもとに送り出したか考えると苦しくなる。
Posted by ブクログ
アンダースタンドメイビーやRedなどがすきで読んでみました。登場人物にあまり共感できなかったですが、結末がどうなるのか気になり、夢中になって読みました。みんな色々な過去をもっていてそれを乗り越えていくのがいいと感じたのですが、振り回される紡がとてもかわいそうに思えました。
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2014年
幼い息子を抱えて、身寄りの無い東京で美容師として生活する女性。彼女は不貞の子として出生して、義理の父親に心身共に蝕まれていた。
信じていた息子の父親は、出産間近にあの震災で亡くなってしまっていた。
誰も信じられないまま親となり、彼女を救おうとする男達の全てを信用する事はできない。
不安定でありながら、自らの力で生きようとする無垢さがある。そこに美貌が加わって聖女のようであり、妖艶さが増すのか、モテる。
過去の清算を請ける男と将来の構築に伴う男。
彼女は、ようやく一人ではなくなる。
主人公の女性に関わる神父が、脳の変形の二重意識を持つ設定だったので、そちらにすごく期待したのですが、そこは恋愛小説で、結局は、病理ではないと集結してしまいちょと残念。その面白い設定は、攻めて欲しかったです。
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不幸な身の上の女性と、上手く生きて来たが故に
本気で他人と向き合った事の無い男性。
偶然の出会いが重なり、お互いを意識するが
抱えたものの大きさから素直になれない、
そしてそれを理解しようとできない。
もう1人、彼女を救いたいと願う神父
人間としてなのか、異性としてなのか。
ラストシーンは万事良しとするのか
如月神父の願いは叶ったと言えるのか。
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期待なんて裏切られるんだ。当たり前だけど、皆、そうやって生きてる。おまえだけじゃない。それでも必死にやったら蟻一匹分くらいは報われるかもしれない。
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愛人の子、母親らしいところのない実母。育った環境の影響は大きく、天使とも聖母マリアとも思わせる美貌とたまに見せる優しさがなければ人の注目をひくこともないであろう主人公。子持ちな上に色々事情を抱えてそうな様子は大抵の人は手に負えないので多分近づかない。
皆根っから悪くなりたいのではなく、維持か上向くつもりでいたのに震災が大きく影響してしまった人達。
Posted by ブクログ
幸せのかたちは様々だけれど、あの結末で良かったのか…心に澱が残る。
親が子供を選べないように、子もまた親を選ぶことは出来ない。日本では結婚や出産に際し、親が障害になることは少なくないように思う。
誰かに頼るか、自立するか。女性として性的な対象として見られたいか、人として対等でありたいか。
裏表でどちらを選ぶことも出来ない、複雑な女性の気持ちがよく描かれているなぁと感じた。
比沙也のような子は現実にも存在していて、良くも悪くも男性たちを振り回していると思う。
私にはキリコが眩しく感じられた。
Posted by ブクログ
辛い人生を送ってきた影のある美人とそんな彼女に惹かれる経営者の男と神父の男。
暗い過去があるとはいえ女性のはっきりしない態度にはイライラするし、男達も自分のエゴが見え隠れしていて正直共感できない部分は多い。
生々しい描写も何度かあって、最初の方は断念しそうになった。
同じように恋愛が絡んでる「ファーストラブ」の方がスッキリ読めてた。
今作はかなりドロドロしている。
比紗矢が勤めてた美容院のゲイ店長と真田の女友達キリコがいいキャラしてる。
Posted by ブクログ
主人公は幼い息子を持つシングルマザーの徳永比紗也(とくなが ひさや)
そして比紗也を救おうとする対照的とも思える二人の男性、実業家の真田幸弘(さなだ ゆきひろ)と神父の「如月歓(きさらぎ かん)
この三人が中心となってストーリーが進んで行きます。
島本理生さんの作品は殆ど読んでいて繊細で美しい文章に惹かれますが、今回は重い内容と共感出来ない主人公にモヤモヤ感が残りました。