【感想・ネタバレ】リトル・バイ・リトルのレビュー

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Posted by ブクログ 2021年06月05日

悲劇のヒロイン的ふるまいをするわけでもなく、淡々と毎日を生きてくふみさんがすごく好きだなあとおもった

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Posted by ブクログ 2011年06月15日

高校を卒業してからアルバイトをしながら生活する主人公。
それを取り巻くどこか愛くるしい登場人物たち。
この小説のあとがきを見てハッとしたのを覚えてます。
詳しくは思いだせないけど、あとがきを見て初めてこの本のタイトルの意味に気付かされ、小説って奥が深いなーと感動しました。
小説の内容はそこまで深いと...続きを読むは思わなかったのですが、この作品がもつ文章の柔らかさとか雰囲気がとっても好きです。

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Posted by ブクログ 2011年02月27日

 表紙の写真と『リトル・バイ・リトル』というタイトルからなにか伝わってくる気がした。

 主人公の橘ふみは、父親の違う妹の面倒を見る。全く当たり前に。逃げた父や頼りない母に代わり、進学をやめ働くことにも一切ためらいが無い。
 今どきでもこんなコが居ると信じたい。疑ったりし斜に構えたりしないでそう...続きを読む信じたい。そう思わせるあまりにも滑らかなサラリとした書き方だ。野間文芸新人賞を獲った作品だというのもうなずける。

 『涙そうそう』のDVDをほぼ同時に見たが、こちらも全く血のつなっがっていない「妹」を兄は徹底的に面倒見る、終いには働きすぎで死んでしまうほど。
 やはり、こんな若者が居るだろうかなんていいたくは無い。現代でもきっと居るに違いないと信じたい。ヒット作となったのは、信じたいという願望が私だけのものではないからろう。

 私は120人のお年寄りのお世話をしている。と、言ったら言い過ぎである。実際はスッタッフのケアマネジャー4人が担当してくれている。でも責任者の私は、あくまで建前だけれども全部のお年寄りの家族構成からなにから全部把握していることになっている。
 殆んど全部のお年寄りの「子」は「団塊」の世代だ。この団塊の世代たち、120家族のうち半分は親の介護から「逃げ」ている。自ら手を煩わすことはもちろんのこと、親のことを考えたり、判断したりすることからさえ逃げている。兄弟どうして押し付けあっている。本当に見苦しい。逃げている団塊世代の尻拭いが私の仕事だと言っても言い過ぎじゃない。情けない話ですが。

 「親の居ない子供」、「定職につかずアルバイトなんかしてるコ」、「きちんとした大学を出ていない」、「大きな会社に勤めていない」、「パラサイトシングル」などの数々の偏見を世に定着させたのも彼ら「団塊」世代だともいえる。

 自分達は戦後から高度成長にかけて「親に面倒」をかけて大学まで出してもらって、大人になってからは「親の面倒」からは逃避した世代だ。そして会社の中ではほぼ例外なく学歴と会社とにパラサイトしている。手厳しすぎる見方かもしれないが、あまりにも多くの実例を私は見てきた。

 橘ふみや『涙そうそう』の兄ぃ兄ぃは、団塊世代が生み出した偏見のフィルターにかければ、「真っ当じゃない子」にほかならない。
 だけど、これほど真っ当な子たちが他にいるか。これほど健気な若者がいるだろうか。恥ずかしくないのか、団塊たち!そう言いたくなってしまう。作品の中でもこの子たちの親はやはり大人であるくせに、例外なく無責任か頼りないかのどちらかだ。

 橘ふみと彼氏はおそらくお互い初めて同士の彼と彼女だ。二度も二人っきりになるのだけれど、毎回何もしないで寝入ってしまう。それほのこの子たちは疲れている。
 兄ぃ兄ぃは、全く疲れ知らずで挫折にもめげず猛烈に稼ぐ。最後の最後まで妹には辛さを隠して。だが最後には。

 本当に健気で真っ当な若者達である。
 こんな子たちが物語の中だけではなくて現実にも居てほしいものだ。思わずそう願ってしまう。

 ある方のレビューが気になって、読んでみる気になった一冊でした。

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Posted by ブクログ 2022年04月19日

ふみさんの性格をよく知るには短い物語だった。
あとがきで作者が書いている通りの『外側から見たら不幸そうでも、心通う人達と過ごせれば楽しく生きていられるという楽しい作品』というのは伝わった。
登場人物は皆魅力的だったのでもう少し長い作品でこの人達をもっと知りたいと思った。

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Posted by ブクログ 2021年06月03日

野間文芸新人賞受賞作!
高校卒業した女の子が主人公で、島本さん作品の女性は自分を大事にしてくれる人を傷つけがちだけどこの話の中ではちゃんと大切に想い返しててほっとできる一冊だった☺︎
10代後半の時期って近くにいる大人とか環境の影響を大きく受ける大切な時期だなってすごく思った
暴力を振るう実の父親が...続きを読むいなくなって、喧嘩ばかりの二番目の父もいなくなって、異父姉妹の妹とあんまりしっかりしてないお母さんとの3人暮らしって普通に考えたら可哀想、なんだけど、本人がそれを決して口に出さないところが印象に残ってる
たしかに辛くても嫌でも、口に出してしまうことは認めることになるっていう気持ちは分かるなぁ、、
けど、自分一人で溜め込むのも辛い、っていうことを教えてくれる一冊

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Posted by ブクログ 2020年11月23日

何か特別なことが起こるわけではない日常。それだけ考えると、一見つまらなくも感じられますが、おそらく私も、そしてあなたもみんな、日常とはそのように特に何か起こるわけでもなく、朝が来て、夜になるその繰り返しなのだと思います。でも、そんな言わば平凡な日常の中でも日々少しずつ何かが変わっていっていることに気...続きを読むづきます。芽が出て、双葉が出て、茎が伸びて、やがて蕾が、そして花が咲く、一日一日の変化は少なくても、例えば身近な花だってそんな風にゆっくりと時間をかけて成長していきます。これは私たち人間だって同じことだと思います。少しづつ関係を深めていく人間関係。昨日よりも今日のほうが、そして明日になればまた、というように人と人との繋がりにも少しづつ変化が訪れていきます。そんな人と人との関係が少しずつ近づいていく、その中に幸せを感じてゆく物語。これは島本理生さんが綴る少しずつ、少しずつ前へと進んでいく橘ふみが主人公の物語です。

『最終の電車で彼女は帰ってきた』というそのとき『私はベッドで童話を読みながら妹のユウちゃんを寝かしつけていた』のは主人公の橘ふみ。『深夜だというのに勢いよくドアを開ける、トイレへと駆け込む忙しない足音』に『せっかく眠りかけていたユウちゃんが跳び起きてベッドを抜け出し』という事態。『お母さん、この帰宅時間はなに?』と問う ふみに『アルコールの臭いを全身から漂わせた彼女』は『ふみちゃん。今から手品を見せます』と ふみの問いかけを全く無視して、ポケットから『チョコレート。ジッポライター。灰皿に筆ペン。五百円玉。変な亀の置物。治療院の顧客リスト』と次々に取り出す母。『ものすごく酔ってるのは分かったけど、どこから盗んできたの?』と問う ふみに『盗んできたんじゃないの。記念にもらってきたの。職場が潰れちゃった記念』と返す酔った母。…というような家族の話をする ふみに『そりゃあ大変だねえ』と柳さんにも言われて『そうみたいですね』と他人事のように返す ふみ。『私が一年前から通っている習字教室の先生』という柳さんに週に一度習字を教わっている ふみ。『家のほうは大丈夫なのかい?』と心配してくれる柳さんに『とりあえず私も卒業しましたし、母も今、必死で新しい仕事を探しているので。二人で稼げばなんとかなると思います』と答える ふみ。家に帰ると、『テレビの前でパンダのぬいぐるみにバスタオルを巻き付けてい』た ゆうちゃんは『おねえちゃん、なんで帰ってくるのがこんなに早いの?』と問いかけます。『おねえちゃんはもう高校を卒業したからだよ』と答える ふみに『おねえちゃんばっかりずるい。ユウちゃんも学校を卒業したい』と言い出しました。そこに『ユウちゃんは二年生だから小学校はまだまだ卒業できないよ』と突然割り込む母。『高校や中学は三年だけど、小学校は六年かかるの。もし三年で卒業だと、子供はすぐに大きくなるから二回も卒業式のための高い服を買わなくちゃいけないでしょう』と『間違った知識を教え込みながら』買い物袋を手に部屋へ入ってきた母。『お母さん、またそんなこと教えて』と『間違った知識を教え込』む母に苦言を呈す ふみ。『母と父親違いの妹の三人で暮らしている』という家族三人のささやかな日常がゆっくりとした時間の中で描かれていきます。

『まだ高校に通っていた頃、夕焼けに染まった川沿いの道を自転車で走っていたとき、ふいに家族の話を書こうと思いついた』という高校生の島本さんが同年代の高校卒業後浪人中という主人公・橘ふみの家族を描いたこの作品。芥川賞の候補作となったこともあり、キラリと光る表現があちこちに登場します。まずは他の作家の作品を話題に出すこの箇所を少し。母と離婚した父親と毎年一度再開する約束をしていた ふみ。中学一年の再開の機会に結局現れなかった父を待つ ふみ。『待つことが得意だった私は二時間以上も彼を待っていた』という、そんな ふみの気持ちを島本さんはこのように表現します。『三島由紀夫の「班女」の花子みたいに待つこと自体が意味を持ってしまいそうなほど待ったけれど、結局、彼は来なかった』というまさかの三島由紀夫の登場。「班女」?、読書若葉マークの私は全く知らない作品です。読書を中断して調べてみると、それは”世阿弥作”と考えられる能の一つという「班女」、それをベースにしたのがこの三島由紀夫の作品だと知りました。”戻ってくるのが叶わない男を待つ女、その中でついに狂ってしまった女は、迎えに来た男を認識できなくなってしまっていたという”狂気の世界の物語。その作品の強烈な”待たされ感”を引用するこの表現は、分かる人には分かるというかなり高度な表現だと思います。一方でいきなり登場するその表現に少し唐突感を感じないわけではありませんが、これを高校生の島本さんが描いたという事実の凄さをとても感じる興味深い表現でした。そして、もう一点。飼っていたモルモットの死に際し、その死体を目の前にした ふみが抱く感情の表現がこんな風に登場します。いきなり体言止めで『もう生きてはいないもの』と始める ふみ。それを『よく考えると、すごく奇妙だと思った』という ふみは『お葬式で柩に横たわった親戚のおじさんを見たときに感じた違和感』と同じだと考えます。『人だったのに、もう人ではない。生き物だったのに、もう生き物ではない』というその死体。『すっかり熱を失った体は脱皮したセミが残した抜け殻のようだった』とまとめるこの一連の表現は、どこか詩的な雰囲気も感じさせる一方で、素朴な内面の描写の中に、その後に描かれていく ふみという女性の性格をも決定付けていく、とても重要な場面の一つになっているとも感じました。

次に、この作品の書名について考えてみたいと思います。「リトル・バイ・リトル」には”little by little=少しづつ、だんだんと”という意味合いがあります。この作品では上記で触れた作品冒頭を含め、ただただ、橘家の親子三人の日常が淡々と描かれていきます。私のレビューでは、作品の雰囲気感を、読んでくださる方と共有させていただきたいという思いから、さてさて流でその冒頭を紹介しています。その最後の部分は、作品中の最初の山場に至る直前とすることが多いのですが、この作品はその線引きがとても難しいと感じました。山もなければ谷もない、そこにあるのはただただ何も起こらない平凡な日常だけというその内容は、読む人によっては退屈、何を言いたいのかわからない、そのような感想を抱く方もいるでしょう。ただ冷静に考えてみれば私たちの日常だって同じだと思います。一昨日、昨日、そして今日、と振り返ってみて、あなたには他の人に話ができるような出来事はあったでしょうか?たまたま何か事件に遭遇したような人以外は、基本的にはごく普通の日常がそこには続いていただけだと思います。しかし、そんな平凡な日常を生きている私たちは、一昨日、昨日、そして今日と全く同じ自分なのでしょうか?人はコミュニケーションを繰り返しながら生きています。毎日、あの人、この人と出会い、色んな話をして、それが結果的に自身にも何かしら、もしくは結果的に影響を与えていく部分もあると思います。『人と人が一緒にいてお互いに楽しく生きようと思うことで、十分に幸せになれること。それが少しでも伝わったなら嬉しい』と語る島本さん。そんな島本さんの思いそのままに、何も起こらない日常の中に、主人公・ふみの微笑ましいとも言える小さな幸せが少しづつ繋がっていく日常が描かれていくこの作品は、読者に素朴な味わいを残す物語だと思いました。

“ハレの日”と”ケの日”。”ハレの日”というものにワクワク感を抱き、それを待望する気持ちが私たちの中にはあります。しかしそのような感情は、圧倒的大半の”ケの日”=普通の日常が続いていてこそ、生まれるものだとも思います。そんな普通の日常の中で、私たちは日々、様々な人と関わり、結びつきあって生きています。昨日よりも今日のほうが、そして明日になればまた、と少しづつ相手の知らなかった側面を知ることになり、その中で関係も深まっていくのだと思います。そう、”少しづつ”、”だんだんと”、という、その小さな変化に焦点を当てたこの作品。ただただ描かれる何も起こらない日常、そして読み終わってわき起こる温かい感情の不思議を感じる物語。ささやかな日常の幸せをしっとりと感じた、そんな作品でした。

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Posted by ブクログ 2016年07月19日

この人の文章は好きだな、と思った。大げさじゃないことばの中に、大切なものが詰まっているような。

思い出してまた読みたくなる1冊。

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Posted by ブクログ 2015年11月02日

タイトルがしっくりとくる作品。『蹴りたい背中』以来。
少しずつ揺れ動く気持ちが繊細に描かれていて、とてもリズムが心地いい。

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Posted by ブクログ 2015年02月24日

派手さはないけど、穏やかな日常が心地よい。主人公ふみの家庭は母はバツ2、父親の違う妹ユウちゃんと複雑な環境だ。ふみはバイトで働きながらも、会えない父への想いや、自分の悩みを他人に打ち明けられない苦悩が印象に残った。あと、脇の登場人物の言うことも深い。書道教室の柳先生が言った「どんな言葉にも言ってしま...続きを読むうと魂が宿るんだよ」の心得を頭の片隅に置いておきたいな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年08月21日

母親と父親違いの妹と3人で暮らしている橘ふみ。「大学の受験勉強のさいちゅうに、母が二度目の夫と離婚した」ため、受験費用を払うことができず、浪人(フリーター)することに。
父親との交流がなくなったこと、2度目の父親とはうまくいかなかったこと、DVの経験を周が癒してくれていること、それでもなお父親に期待...続きを読むしてしまうこと、すごく自然に書かれている。

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Posted by ブクログ 2014年06月12日

悲しくてもうれしくても、時は淡々と流れていく。人と出会い、別れ、でも日々は過ぎて行く。特に大事件はなくても、人それぞれ、多かれ少なかれドラマがある、そんな日常を簡潔な文章で紡いでいる作品。ひとつひとつ、一歩ずつ、そして次第に胸が温かく、明るくなる。こういう作品、好き。

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Posted by ブクログ 2013年02月02日

島本さんを読むきっかけの一冊。
高校の時だったかな?読んだの。
えー何これーしんどっ!
と思いつつすぐ読んでしまった。
何て言うのかな~
とにかく雰囲気が大好き。

漫画で言うといくえみ綾さんの雰囲気に似てるなーと思った。

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Posted by ブクログ 2012年01月06日

心に響く小説は、冒頭での引き込み方が違う。

その意味ではこの小説の冒頭は凄く、良い。

中盤以降はゆるやかに停滞していくが、それもまた味かなと思ってしまった。
敬語を使う彼には違和感が一杯だけれど、二人の距離感が伝わる。
物語ではなくて、彼女ならではの文章表現が、読んでいて胸を温かくさせた。

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Posted by ブクログ 2016年01月06日

読んでみて気づいたのは
読後に何も残っていないこと。
嫌いな内容でもなかったのになぁ。。

人には色々な距離感があって
自分と折り合いつけながら生きているんだなぁと。
書道の先生との絡みがもう少し読みたかったし、恋人との行方もまだまだ過渡期だし、ゆうちゃんの立場からも切りこんだところも見たかったし。...続きを読む
小さいなりに葛藤があるかもなぁって。

長編でゆっくり読みたい気もしたかな。

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Posted by ブクログ 2014年08月23日

【本の内容】
ふみは高校を卒業してから、アルバイトをして過ごす日々。

家族は、母、小学校二年生の異父妹の女三人。

習字の先生の柳さん、母に紹介されたボーイフレンドの周、二番目の父-。

「家族」を軸にした人々とのふれあいのなかで、わずかずつ輪郭を帯びてゆく青春を描いた、第二十五回野間文芸新人賞受...続きを読む賞作。

[ 目次 ]


[ POP ]
母と異父妹との三人で暮らすふみ。

母を通じてキックボクサーの周と出会い、恋をする。

彼女をとりまく状況はけして明るくないけれど、彼女の周囲の人間はいつもおかしくて明るい。

職を失ってもおどけることを忘れない母。

娘を一人前の女として扱い、恋のきっかけすら作ってしまう様子はとても魅力的だ。

奇想天外なジョークを飛ばす、周の姉もいい味を出している。

それに十八歳の青年とは思えないほど優しくて包容力のある周。

ふみは実の父との縁が切れても、彼らに支えられて立ち直っていける。

こんな形で救われるふみをうらやましく思った。

静かな文体で綴られるなかから、登場人物たちの優しさが立ちのぼってくる。

実際にはこれほど愉快で人間のできた人たちはいないかもしれないが、たとえ現実的でなくても、読んで暖かい気持ちになれる物語だと思う。

まだ若い作者のこれからが楽しみ。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2014年02月11日

バツ2の母と、父親の違う小学2年生の妹と暮らしている主人公の恋愛と家族関係の話。
主人公は高校卒業後はフリーターをしているが、
母の働く接骨院で出会ったキックボクサーの少年に惹かれていく。

なんというか整っているけど響くものがない物語と感じた。
細やかで機微のあるエピソードがふんだんに盛り込まれて...続きを読むいるのだけど、なんだか教科書的というかもう誰かが書いてしまっているんじゃないかと思う物語だった。

ステレオタイプな心に傷を負った主人公という感じ。

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Posted by ブクログ 2013年08月01日

さらさらしててるんだけど潔い
清潔感がある気持ちいい小説でした
なんでもない映画を観てるみたいな読み心地

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Posted by ブクログ 2013年07月08日

「大きな熊が来る前に、おやすみ。」を読んで興味が出たので購入。
若いとは思っていたが、まさかデビューが高校生の時だったとは恐れ入った!

物語としては「大きな熊が来る前に、おやすみ。」よりも個人的には面白かった。
母親と主人公と種違いの妹。ものすごく大きな事件が起こるわけではないが、3人を取り巻く空...続きを読む気感がとてもよい。これが透明感のある文章だ、と言われても実に納得できる。書いたときの年齢に引っ張られているのかもしれないが、この小説の瑞々しい文章は若い感性で描かれたものだろうとも思う。

もう何作か読んでみたいと思える。

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Posted by ブクログ 2013年06月16日

この年でないと書けないなぁと思わせるみずみずしい文章。あっさりとしてるけど奥深い関係性は癖になります。

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Posted by ブクログ 2013年03月15日

透明感あふれる青春。その一瞬を等身大の言葉で切り取ったラブストーリー。

高校を卒業したばかりで、来年受験を控えた女の子とひとつ年下の男の子との距離感がもどかしい…
昔、初めて女の子と一緒に出かけて電車に揺られた時のことを思い出した。笑

母親を「彼女」と呼ぶ女の子と母親との距離感に、妙に違和...続きを読む感を覚えた。背伸びしすぎているのか、本当にそんな家庭なのか…

作中で、硯で墨をすって心落ち着ける女の子の光景を思い浮かべて、オイラも習字教室に通いたくなった。

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Posted by ブクログ 2013年02月26日

度を超して変な父親がいるより
女3人のほうがしあわせかもしれない。
妹がもっと大きくなったら
楽しい家族になれるはずだ。

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Posted by ブクログ 2012年11月11日

何の気なしに手にとってみた。ちょっと壊れた家庭の話しなんだけど、微妙な壊れっぷりとか母親の飛びっぷりとか設定が上手いよな。ただ似たような作風が多いと感じるのも事実。とは言え引き続き、
何作か読んでみようかな。

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Posted by ブクログ 2012年09月18日

高校生作家ってまじかい。同い年じゃねーか!ふざけろ畜生!!と、高校生の時才能にじだんだを踏んだ。
あられもない祈りを読んですっかりファンになってしまったので、読んだ。

す、すごい。
年齢を考えるとすごい。
でもやっぱりナラタージュとかあられもない祈りとかのほうが好きだ、けど、すごい。

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Posted by ブクログ 2012年07月01日

島本理生さんは、両刃の剣というか、私はいつもあまりにも引きずられてしまって、読後しばらく落ち込んでしまったりする。

これはまさにそういう一冊でした。
自分の中のなるべく触れたくない生傷的なとこを刺激された。

島本作品の中でも、初期のものよりもどろっとした部分が多め、かも。

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Posted by ブクログ 2012年06月09日

絶妙な人間関係模様が島本さんぽくて好き。

「喋りたくないことはとにかく、俺、なんでも聞きたいし、聞きます」
島本さんの描く男の子って好きだなー
周君も礼儀正しいけど、よそよそしいんじゃなくて、
姉もいるせいか女心がよくわかっているじゃないか。

柳さんと奥さんのエピソード、言霊の話は切ない。

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Posted by ブクログ 2011年09月14日

前々から読みたかった本。文庫になっていたので購入☆
短いし、読みやすいのでぱぱっと読めました(講義中に…)
描かれているのはさりげない日常で、特別大きな事件もないんだけど。
なんだか暖かくて、さわやかな話です。
島本さんの本は全部同じ穏やかな空気が流れている気がする。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年09月06日

53冊目。再婚、家庭内暴力、母子家庭。複雑な事情を抱える家庭に暮らす主人公が家族や恋人とのふれあいを通じて少しずつ(リトル・バイ・リトル)前へ進んでゆく、物語。

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Posted by ブクログ 2011年06月13日

 雨が降る土曜日のドトールで読んだ。
 特に印象に残らない感じ。
 でも、淡々と、幸せな日々と、雨の土曜日に読むのがあっているなーと思った。

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Posted by ブクログ 2011年06月07日

島本理生を読み始めるときは、いつも深呼吸する。
いつどこで自分の思い出が溢れ出てくるかわからないから。
彼女の作品には、ひとのくすぐったい記憶を誘い出す力がある。

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Posted by ブクログ 2011年08月30日

母と異父妹と3人で暮らす、ふみの淡々とした日常を描いたお話。 ふみは、最初はクールで欲の無い女の子だなあと思ったが、読み進めていくと、実父の長い不在が心の隅に引っかかっていて、自分の気持ちを言葉にすることが苦手な少し不器用な女の子という印象に変わっていった。 家族にも距離...続きを読む感を持って接している彼女の抱える、落としどころのない気持ちや居心地の悪さは何となく共感できる。 丁寧に描かれる淡々とした日々のシークエンスがとても味わい深く、タイトル通り少しずつ前に進んでいくふみの細やかな感情の移り変わりが自然と読み手の心に入ってくる。 ただ、最後の一文が少しありふれてる…と思った。

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