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Posted by ブクログ
表紙の写真と『リトル・バイ・リトル』というタイトルからなにか伝わってくる気がした。
主人公の橘ふみは、父親の違う妹の面倒を見る。全く当たり前に。逃げた父や頼りない母に代わり、進学をやめ働くことにも一切ためらいが無い。
今どきでもこんなコが居ると信じたい。疑ったりし斜に構えたりしないでそう信じたい。そう思わせるあまりにも滑らかなサラリとした書き方だ。野間文芸新人賞を獲った作品だというのもうなずける。
『涙そうそう』のDVDをほぼ同時に見たが、こちらも全く血のつなっがっていない「妹」を兄は徹底的に面倒見る、終いには働きすぎで死んでしまうほど。
やはり、こんな若者が居るだろうかなんていいたくは無い。現代でもきっと居るに違いないと信じたい。ヒット作となったのは、信じたいという願望が私だけのものではないからろう。
私は120人のお年寄りのお世話をしている。と、言ったら言い過ぎである。実際はスッタッフのケアマネジャー4人が担当してくれている。でも責任者の私は、あくまで建前だけれども全部のお年寄りの家族構成からなにから全部把握していることになっている。
殆んど全部のお年寄りの「子」は「団塊」の世代だ。この団塊の世代たち、120家族のうち半分は親の介護から「逃げ」ている。自ら手を煩わすことはもちろんのこと、親のことを考えたり、判断したりすることからさえ逃げている。兄弟どうして押し付けあっている。本当に見苦しい。逃げている団塊世代の尻拭いが私の仕事だと言っても言い過ぎじゃない。情けない話ですが。
「親の居ない子供」、「定職につかずアルバイトなんかしてるコ」、「きちんとした大学を出ていない」、「大きな会社に勤めていない」、「パラサイトシングル」などの数々の偏見を世に定着させたのも彼ら「団塊」世代だともいえる。
自分達は戦後から高度成長にかけて「親に面倒」をかけて大学まで出してもらって、大人になってからは「親の面倒」からは逃避した世代だ。そして会社の中ではほぼ例外なく学歴と会社とにパラサイトしている。手厳しすぎる見方かもしれないが、あまりにも多くの実例を私は見てきた。
橘ふみや『涙そうそう』の兄ぃ兄ぃは、団塊世代が生み出した偏見のフィルターにかければ、「真っ当じゃない子」にほかならない。
だけど、これほど真っ当な子たちが他にいるか。これほど健気な若者がいるだろうか。恥ずかしくないのか、団塊たち!そう言いたくなってしまう。作品の中でもこの子たちの親はやはり大人であるくせに、例外なく無責任か頼りないかのどちらかだ。
橘ふみと彼氏はおそらくお互い初めて同士の彼と彼女だ。二度も二人っきりになるのだけれど、毎回何もしないで寝入ってしまう。それほのこの子たちは疲れている。
兄ぃ兄ぃは、全く疲れ知らずで挫折にもめげず猛烈に稼ぐ。最後の最後まで妹には辛さを隠して。だが最後には。
本当に健気で真っ当な若者達である。
こんな子たちが物語の中だけではなくて現実にも居てほしいものだ。思わずそう願ってしまう。
ある方のレビューが気になって、読んでみる気になった一冊でした。
Posted by ブクログ
野間文芸新人賞受賞作!
高校卒業した女の子が主人公で、島本さん作品の女性は自分を大事にしてくれる人を傷つけがちだけどこの話の中ではちゃんと大切に想い返しててほっとできる一冊だった☺︎
10代後半の時期って近くにいる大人とか環境の影響を大きく受ける大切な時期だなってすごく思った
暴力を振るう実の父親がいなくなって、喧嘩ばかりの二番目の父もいなくなって、異父姉妹の妹とあんまりしっかりしてないお母さんとの3人暮らしって普通に考えたら可哀想、なんだけど、本人がそれを決して口に出さないところが印象に残ってる
たしかに辛くても嫌でも、口に出してしまうことは認めることになるっていう気持ちは分かるなぁ、、
けど、自分一人で溜め込むのも辛い、っていうことを教えてくれる一冊
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