島本理生のレビュー一覧

  • 二周目の恋

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    めちゃ豪華な女性作家を集めたアンソロ。恋のお話なんだけれど、読後感が違うのが良きりお気に入りは、着ぐるみ同好会のお話、波木銅 「フェイクファー」と、久しぶりに再開する双子のお話、一穂ミチ 「カーマンライン」。

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    2025年04月29日
  • 夏の裁断

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    ネタバレ

    過去に受けた傷と、その克服について、
    書かれた本だったかと思います。

    千紘は幼い頃に性加害を受けたことがトラウマとなり、自己と他人の境界線が曖昧になって、自ら傷つきにいってしまったりと、自分を守ってあげていないような気がしました。

    作中で何度も行われる自炊も、作家である千紘が裁断機の刃を本の背表紙に当てるのは、自傷行為の暗喩のような印象です。

    自分でも自分を傷つけて、他人の男からも傷つけられて。。夏の章は中々苦しかったです。

    ただ、秋冬春にかけて、自己と他人の境界線の引き方を学んでいけたのかなと、
    自分が心地良いように過ごせる生き方が見えてきたような兆しがありました。

    過去の性加害最

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    2025年04月10日
  • 二周目の恋

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    ネタバレ

    好きが詰まった盛り合わせ!めっちゃ良かった!
    最悪よりは平凡 (岛本理生)
    魔美のしんどさがしんどくて、それでも好きな人ができてこれから始まっていく感じに、人生捨てたもんじゃないよねと思えた。
    深夜のスパチュラ (綿谷りさ)
    ひとりで買物行く時のグルグルハイテンション感にめちゃくちゃ共感。スパチュラに泣けちゃう気持ちもわかりみしかなかった。
    カーマンライン (一穂ミチ)
    回想から始まるストーリー展開に安心感。「ホテル・ニューハンプシャー」読んでみようと思った。
    無事に、行きなさい (桜木紫乃)
    「アプンノ パイエ」の言葉の意味と2本の線のデザインがそのまま主人公へのメッセージになっていて良か

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    2025年04月06日
  • ご本、出しときますね?

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    いやー、面白かった。
    オードリー若林と作家二人との鼎談のテレビ番組を書籍化したもの。
    出演者の内面が見られるけれども、それが静かで、ただただ真面目な雰囲気な物ではなく、明るく面白い。作家というイメージは真面目で物静かで取っつきづらいなんて思っている人も居るでしょうが、そんな人こそこれを読んでみて欲しいです。
    作家だって明るく面白い普通の人なんだと思えます。
    でも、やっぱり何かについて考えたり、それを表現する事はとてもすごいと思いました。
    そんな人が3人も集まってトークをするんだからそれはそれは面白い。
    色々と読みたい本が増えました。

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    2025年04月05日
  • Red

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    ネタバレ

    仕事も、1人の女性としての尊厳も奪われて、
    翠ちゃんの母としてのみ生きる塔子。

    何もかも奪っていく夫に対して、
    何もかもを与えてくれる鞍田。

    母であるけれど、女性であり、1人の人間であるという、バランスが塔子の中で完全に崩れてしまっていて、それを埋めてくれる鞍田と不倫関係に走るのは必然なのかなと思いました。

    しかも、塔子は割と恋愛体質というか、欲しがりで小鷹とも関係を持とうとするし。。
    きっと母親からの言葉が呪いになっていて、男性から好意を持たれる自分が好きなのだなぁと。。

    母親との関係性や、
    前職でのコンプレックスもあって、
    塔子は真を愛していたから結婚したのではなく、
    幸せそうな家

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    2025年04月01日
  • いつか、アジアの街角で

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    大島真寿美さんの「チャーチャンテン」
    島本理生さん「停止する春」
    角田光代さん「猫はじっとしていない」
    が好きでした。
    桜庭一樹さん「月下老人」、続きが読みたい〜

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    2025年03月24日
  • 生まれる森

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    これ書いてるの私?(そんなわけないのですが)と思ってしまうくらい、「わたし」の気持ちが分かりすぎて、心のカサブタを剥ぐみたいな気持ちになった。読むのきついくらい共感してしまったけど、「回復」へ向かう途中ってこんな感じなのか、と客観視できて、痛みは無視しなくていいんだ…と思たことがすごく、良かった。

    小説としては本当に本当にかなり好きだし、島本理生さんの描く痛々しい女の子の、その生きる様が瑞々しくて、感性のいろんな部分が刺激される。島本理生さん沼すぎる。

    島本理生さんがこの本を執筆したのって大学生のときなんだって!すごいよね〜

    ちょっと心のカサブタが剥がれてしまったので次は、幸せハッピー!

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    2025年03月17日
  • ご本、出しときますね?

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    あっという間に読んでしまった!

    本当に面白い、変わり者の集会
    みなさん一つ芯があるように感じる

    確かな言葉の重みがあって、
    そのリアリティーさが心地良い

    また読み直したいと思た

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    2025年03月16日
  • よだかの片想い

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    2025/03/02
    よだかというのは主人公の名前じゃなくて、この本の話の中で触れられる宮沢賢治の小説のよだかから取られたもの。
    主人公のアイコは顔に大きな青あざを抱えて生きてた。周りからも傷つけられたり、心無い態度を取られたりしたことが重なって人並みの生活にもすごい憧れていると同時にそんなに簡単には人を信用できないと思って生きていた。
    大学院まで進学した彼女が、ふとしたことから知り合った年上の映画監督の人に恋をするお話しである。
    自分の芯があるとか、人として強いとかそんな表現が出てくるのですが、それって本当にそうなんだろうか、具体的にどいうことなんだろうかということを考えられる小説だと思いま

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    2025年03月03日
  • はじめての

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    ネタバレ

    私だけの所有者「ミスター」
    主人公のナルセに対する呼び方を見て、曲名はここからきてるんだなと思った。
    アンドロイドと人間が混在する世界のは、いつか私たちの世界が人間のようなアンドロイドの開発を突き詰めていったときに到達するかもしれない、もしもの世界たりえるような気がした。
    「きみたちの権利は最低限、保障されている。ただし〜人であると同時にものである、とようにしか言いようがない」は言い得て妙だと思った。確かにロボットと言うには人間味がありすぎるし人間とするには機械的だしはたして生命と言えるのか、と疑問に思う。アンドロイドの権利を保障しようとしたら、結局、モノ扱いとヒト扱いのどっちつかずになるしか

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    2025年02月24日
  • シルエット

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    島本さんが15〜17歳に書かれた3つの話が収録されてます。高校生でこの文章が書けるなんて、ほんと作家さんはすごい。少ない経験をすべてだと信じ、泣いて絶望したり、少しの希望を見つけて喜んだりする十代の危うい世界が恋愛を通して描かれています。

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    2025年02月20日
  • ご本、出しときますね?

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    オードリー若林と20人の作家がマイルールについて語る大人気番組を書籍化
    目次を見てこれは買わねばと即決。執筆についてだけではなく、プライベートな話も盛りだくさんで、面白くてついついにやけてしまう..
    村田沙耶香さんには怒の感情がなく、小説を書く時◯の感情に浸っているとは...
    (◯が何かは読んで確かめてください〜!)

    作家さんに興味を持って、その方の作品を読みたくなる...新たな出会いのきっかけになる一冊でした!

    ぜひとも朝井リョウさん、柚木麻子さん、窪美澄さんの同期対談を読みたい。第2弾もお願いします!

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    2025年02月17日
  • よだかの片想い

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    好きという今の状態は素晴らしいものだけど、本当に好きだったという過去の状態がとても美しく感じる物語だった。
    生きていく中では、関係を持ち続ける人よりも過ぎ去っていく人の方が圧倒的に多い。でも過ぎ去っていく人の中には自分にかけがえのない経験や価値観、学びや愛を与えてくれる人がいる。
    そんな、過去だけど圧倒的な事実、自分を支えてくれる思い出を大切に日々を生きていきたい。

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    2025年02月07日
  • はじめての

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    ネタバレ

    コンセプトからしてワクワク。

    読んで、楽曲を聴いて、読み返して。
    そんな楽しみ方ができる本は初めてで、面白かった。

    どの短編も印象深く、雰囲気は違うけど、「はじめて」をテーマにしたお話。

    どの話にも、感じたことのない感情が起こるときの、切なさ、苦しさ、ときには救われる感じ。抽象的だけど、そんな印象で読んだ。



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    2025年02月02日
  • あなたの愛人の名前は

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    ネタバレ

    少しづつ読んでいた。
    実る事がない男女の愛、不器用な家族愛、愛せない愛…。
    6編それぞれ、違う人物の視点で描いているが、どこかで繋がり合っている。
    向き不向きは、あるけれど私は好きだなぁ。
    島本理生は、不器用で刹那い恋愛を書くのが上手い。

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    2025年01月25日
  • よだかの片想い

    匿名

    購入済み

    胸が締め付けられるようにギュッとなりました。
    アイコさんの気持ちが愛おしくて切なかったです。
    愛してるのに別れる選択をできる彼女を尊敬します。

    #泣ける #感動する #切ない

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    2025年01月14日
  • 波打ち際の蛍

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    没入感すごい。
    島本さんの作る文章、雰囲気に気がついたら呑み込まれている感じで。

    麻由の、自分の内側にある暗い場所に埋もれていく感じ。悪いのは自分だ、って。自分もメンタル患ったことがあるのですごく分かる。

    あと、病気というより性質だけど、他者のことばかり考えすぎて甘えられない感じもすごく共感。

    そういった描写はまったくないけれど、駅で彼を見送る麻由は、清々しい美しさに満ち溢れているのだろうなと思った。

    美しい文章が紡ぐ美しい物語が極上の読書体験を与えてくれた。

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    2024年12月15日
  • 2020年の恋人たち

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    少し前にトークショーを拝見したものの、読んだことがなかった島本理生先生。小説はみずからラブストーリーと銘打ったものを選ぶことはあまりなかったので、とても新鮮な気持ちでこの本を手にとってみた。
    2020年、というのは、ちょっと身構えてしまうワードだ。現実世界に色んなことがあったせいで、過剰に意味がこもってしまう。作品の時間軸は主に2018年で、2020年は後日談として触れられる。解説でコロナ禍を踏まえた加筆修正があったとなっていたが、確かに時代の空気感が丁寧に織り込まれていた。この時代だからこそ、刺さる物語の着地になっていたように思う。
    島本作品は初読なのだけれど、文章の湿度が高くて乾いた肌に染

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    2024年12月02日
  • 二周目の恋

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    (2023年12月21日の感想。帰りのバスで書く。)
    アンソロジーっていいよね。宝箱みたい。いろんな作家さんたちが一度に会していて豪華。

    この本を買った頃は丁度自分のなかで島本理生、窪美澄、一穂ミチのブームが来ていた。だからウッキウキで買って、そのあと暫く読めずにいたのを今になってようやっと読めた。

    面白かったのは綿矢りさ「スパチェラ」
    綿矢りさは、中学生の頃に『蹴りたい背中』、大学二年の秋に『勝手にふるえてろ』を読んだ。両方とも、それから今回の「スパチェラ」にも当てはまることだけど、今を生きる若い女の子を描くのが本当に上手。綿矢りささん自身は歳を重ねているのに、寧ろ作品のなかではより若く

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    2024年11月26日
  • よだかの片想い

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    この本を読んでいると
    宇多田ヒカルさんのOne last kissの歌詞
    誰かを求めることは、すなわち傷つくことだった
    が頭からはなれなかった
    誰かを好きになって、その人の一番になれなくて
    そしてすきだけど冷めていく
    この流れが秀逸!

    恋愛をいいなって思わせてくれる一冊

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    2024年11月22日