島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を読むとだいたいの女性はなんらかの性被害に合ってる、幼い頃から大人になるまでの期間で。
男性も性被害にあうこともあると思うけど、女性の比ではないだろう。
そういう危険にさらされながら生きるってどういことだろう。
そういう話しばかりじゃないけど「私の身体を生きる」というテーマで書くとなったらそこは避けられないことなんだろう。
特に西加奈子、柴崎友香、金原ひとみ、朝吹真理子、藤野可織、藤原麻里菜のは身につまされた。
千早茜の「私は小さくない」は共感。(そこまで激しく大きく強くなりたいとは思わなかったけど)
鈴木涼美の「汚してみたくて仕方なかった」はぶっとんでた。すごいアカデミックな環境だから -
Posted by ブクログ
乃里子三部作がすごく好きだったんだけど、それ以降何を読んだらいいかわからなかった田辺聖子作品、島本理生セレクトなんて絶対面白いじゃん!と読んでみた。
軽快でご機嫌な関西弁がどの作品も心地いい。
あと登場人物がいい意味でふてぶてしく、六十過ぎてからこそ人間はまともになるとうそぶいて、「精神力」で若々しさを維持し、さっぱりした恋をしていたりして、頼もしい。わたしなんてまだまだ!と背筋を伸ばす気になる。
エッセイで「このニッポンにあるのは、男と女のオトナの世界ではなく、お袋と息子の親子の世界がすべての心情を支配している。」「男と女が対立し、いがみ合い、仲直りし、理解し合うという、オトナの基盤がない -
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分の身体、この女の身体について色々考えたりすることが最近多くてなんかつらくて手に取った。女性たちが自分たちの身体のことや性のことを話すときなぜだか安心する。わたしもそう思っていると、同じように考えている人がいるというのはそういう安心材料になるんだと思う。どの書き手も性被害を受けている人が多くて本当に社会はクソだ…… 碌でもない人ばかりで、そのせいで自分の体を大切にできない女性がいたりするんだと知った。
わたしはもうずっと女しか子どもを産めないことが本当に許せないので、藤野可織さんの妊娠についてのエッセイは本当に本当にめちゃくちゃ凄いな〜と思った。妊娠出産の機能を持つのが女性だけである時点で -
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Posted by ブクログ
生まれつき顔にアザがある大学院生のアイコと、映画監督の飛坂さん。
アザのせいで恋愛や遊びとは距離をとって生きていたけれど、まっすぐで世間ずれしていないアイコがまぶしい。
”今日だけは仕事を放り出して私を優先して。
一度きりでいいから、一番にしてくれたら、あとはもうずっと待つから。
一生だって待ち続けるから。
そんな本音を、前に進むために呑み込んで、私は壁に額を押し付けて、声を殺して泣いた。”(p230)
今日会わないともうダメになってしまう、そんな約束の日に遅れないためにシャワー室のガラス窓を叩き割ってまで駆けつけようとしたアイコと、仕事の予定が入ったから、と断りを入れてくる飛坂さん。
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Posted by ブクログ
おじと姪の恋愛
許されない、汚らわしい関係だと自分自身を嫌悪しながらも離れられない。
一緒にいることを望む。
その関係は究極の純愛と言えるのかもしれない。
初恋であり誰からも理解されなくてよいと思いながらも、少しずつ周囲の人を頼ることを覚えていき向き合うようになっていく。
自分が同じ立場だったらどうするだろう
身近な人が同じことを望んでも私は受け入れられるだろうか。
そのことが頭をよぎるが結論は出せなかった。
それなのに、読後どれだけ時間が過ぎても、ふとした瞬間にこの二人のことが頭をよぎる。
相当の覚悟を持って自分の意志を貫いて。
2人の関係は純愛なのだと何度も痛感してしまう。
友達が