島本理生のレビュー一覧

  • あなたの愛人の名前は

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    大人の少し歪んだ愛の話。僕にとってはまだもう少し先に納得できるようになるものかもしれない。特に、浅野(兄)が嫌いだった。
    でも、どこか穴の空いた大人たちが満たされたくて、受け入れられたくて、愛されたくて、誰かに何かを求めていて、切なかった。忙しい日々の中で巡り合うものに自分の存在を委ねていたのかもしれない。
    心が疲れていて、すり減っていて、その時にはその人じゃないと駄目だった。その行為をしなければ駄目だった。未来から見れば愚かなことでも、当時はその不純な恋が必要だったのだろう。

    とはいえ、愛人というものが、これからも僕にとって縁のないものでありますように。笑

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    2025年07月11日
  • 掌の読書会 島本理生と読む 田辺聖子

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    乃里子三部作がすごく好きだったんだけど、それ以降何を読んだらいいかわからなかった田辺聖子作品、島本理生セレクトなんて絶対面白いじゃん!と読んでみた。

    軽快でご機嫌な関西弁がどの作品も心地いい。
    あと登場人物がいい意味でふてぶてしく、六十過ぎてからこそ人間はまともになるとうそぶいて、「精神力」で若々しさを維持し、さっぱりした恋をしていたりして、頼もしい。わたしなんてまだまだ!と背筋を伸ばす気になる。
    エッセイで「このニッポンにあるのは、男と女のオトナの世界ではなく、お袋と息子の親子の世界がすべての心情を支配している。」「男と女が対立し、いがみ合い、仲直りし、理解し合うという、オトナの基盤がない

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    2025年05月24日
  • ご本、出しときますね?

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    2016年~2017年に BS で放送されていた番組を書籍化したもの。オードリー若林氏が各回2人の作家をゲストに迎えて行う鼎談集である。もともと知り合いの方も多いようで、堅苦しい話も小難しい話もなく、気軽に読める。

    小説を読んだだけでは分からない作家さんの側面が見られて楽しいし、読んだことのない作家さんも、話がおもしろい方の本は読んでみたくなる。また、毎回の鼎談の最後に紹介される本も、興味をひかれるものが多かった。

    読書の幅を広げたい方に。

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    2025年05月19日
  • あなたの愛人の名前は

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    目の前にいるのに心が見えない。不安で苦しい...だから惹かれてしまう。すれ違い続ける2人、誰にも打ち明けられない恋愛とは__
    女性視点の「あなたは知らない」と男性視点の「俺だけが知らない」がほろ苦さの中にある微かな幸福を味わうようで好きでした。

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    2025年04月22日
  • ご本、出しときますね?

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    番組Pの佐久間宣之の『おわりに』が印象的だった。作家さん達の考え方の違いが面白く、文字だけで伝わる人柄みたいなものに押されて何冊か本をポチった。

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    2025年04月12日
  • よだかの片想い

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    生まれつき顔にアザがある大学院生のアイコと、映画監督の飛坂さん。
    アザのせいで恋愛や遊びとは距離をとって生きていたけれど、まっすぐで世間ずれしていないアイコがまぶしい。

    ”今日だけは仕事を放り出して私を優先して。
    一度きりでいいから、一番にしてくれたら、あとはもうずっと待つから。
    一生だって待ち続けるから。
    そんな本音を、前に進むために呑み込んで、私は壁に額を押し付けて、声を殺して泣いた。”(p230)

    今日会わないともうダメになってしまう、そんな約束の日に遅れないためにシャワー室のガラス窓を叩き割ってまで駆けつけようとしたアイコと、仕事の予定が入ったから、と断りを入れてくる飛坂さん。

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    2025年04月06日
  • 夜はおしまい

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    島本理生さんの描く女性の物語はエッジが効いていて、とても独特の深さをいつも感じる。

    自分が傷つくことを恐れないかのように(恐れない人は居ないと思う)、心の底から鋭く突き刺さってくる。
    4人の主人公それぞれに心が痛み、だからこそ前を向く勇気や自分の足で歩く力の必要さを感じてしまった。
    そこにリアリティを感じながら主人公の4人の女性の境地を察していくのが本書の醍醐味だろう、と思う。

    そしてタイトルにつけられた「おしまい」がこの物語の中で何を意図しているのか?
    考えながら読み続けた。

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    2025年03月23日
  • ご本、出しときますね?

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    オードリーの若林と作家たちが対談し、”自分のルール”についてをメインに小説を書くにあたってのモチベーションや作品の映像化の話、小説には関係ない話まで色々と語る番組の書籍化。各回の最後にはオススメの本が紹介されています。それぞれのこだわりや持ち味が出ていて面白かったです。テレビで実際に話しているのを見たかったかな。

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    2025年03月21日
  • いつか、アジアの街角で

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    アンソロジー 6人の女性作家による、アジアをテーマにしたアンソロジー。
    特にガツンときたのは島本理生の「停止する春」。
    心がほんわり柔らかくなったのは角田光代の「猫はじっとしていない」。
    それぞれの個性が際立つ短編集でした。

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    2025年12月18日
  • 生まれる森

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    ネタバレ

    共テの予想問題集にあり、
    〝わたしはあの人に幸せになってもらいたかったんです。眠る前に新しい朝が来ることを楽しみに思うような、そんなふうになってもらいたかった。〟
    〝幸せにしたいと思うことは、おそらく相手にとっても救いになる。けど、幸せにできるはずだと確信するのは、僕は傲慢だと思う〟
    という文に惹かれて全部読みたいと思い、手に取りました。

    私は未だ身を焦がすほどの恋をしたことが無いのですが、主人公が深い森の中で途方に暮れている様子が少し痛々しく見えました。雪生が言うように、私はとても〝危うい〟のだと思います。ただ、〝危うい〟のは雪生やサイトウも同じで、〝危うい〟人同士が惹かれ合っているのを見

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    2025年03月03日
  • 星のように離れて雨のように散った

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    主人公、春の修士論文のテーマは、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と、幼い頃失踪した父親をモデルにした小説。

    結婚を前提に同棲してほしいという恋人。
    大学院の友人、篠田君と売田さん。
    アルバイト先のミステリー作家、吉沢さん。

    島本理生さんらしい主人公だなと思った。
    儚くて、危うげで、影があって。
    ぱっと見はか弱くも芯がある孤高のひと、のような印象を受けるけれど、
    本当はただただ自信がなくて、気づかないままに自分を誤魔化して他人に媚びたり、おもねったりする。



    売田さんの語る「ノルウェイの森」がよかった。
    ”私がもっと知りたいのは、そういう危うい女の子たちが本当に救われたら男の子たちはどうする

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    2025年03月02日
  • ご本、出しときますね?

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    若林さんは不思議な人だ。
    めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
    だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
    この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
    人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。

    私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
    この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
    あとは角田光代さん

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    2025年02月13日
  • 天使は見えないから、描かない

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    新刊情報で見掛けて、気になっていた作品。
    タイトル、あらすじ、帯、推薦文、島本理生さんのコメント…全てが気になりすぎて、書店で見掛けて迷わず手に取った。
    岩倉しおりさんによる装画も素敵。

    結婚して3年経つ永遠子は夫との関係を保ちながらも、年の離れた叔父との逢瀬をやめられない。あることがきっかけで彼女は幼い頃から抱いている歪な欲望と向き合うことを決意する。

    島本理生さんの作品はすごく読んでいるわけではないけれど(全作品の半分も読んでなかった… )私にとって、好みの振り幅が結構大きい作家さん。
    本書の題材は嫌悪感を覚える方や生理的に受け付けない方もいると思うけれど、私はとても好きだった。

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    2026年04月25日
  • あなたの愛人の名前は

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    自分は大丈夫なんて、どうして言えるだろう。
    真面目に生きていても、駄目だとわかっていても、どうしても惹かれる人は誰にだっているのに。

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    2025年02月06日
  • 波打ち際の蛍

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    暫く筆を止めていた島本理生さんが時を経て、認めた作品。
    文章の瑞々しさに自分もその中にいるような、当事者のような感覚に。

    一筋の光が見えてよかった

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    2025年01月16日
  • アンダスタンド・メイビー(下)

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    もう一回読んだら結末変わらないかな と思いながら、下巻を何度も読みました。
    黒江さん、彌生くん、仁さん みんな幸せになってほしい。
    その後が読みたいです。

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    2025年01月13日
  • よだかの片想い

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    生まれつき顔にアザがある24歳の大学院生アイコの初恋の話。

    自分のコンプレックスと向き合いながら、まっすぐ飛坂のことを想い、様々な感情に心を揺さぶられる。

    人は誰しもコンプレックスを抱えて生きている。
    コンプレックスをもつ自分を受け入れ、愛し、そんな自分をまるごと大切にしてくれる人に出会う。そういうのをすてきな恋というんだろうなと思った。
    アイコのまっすぐな気持ちがまぶしい。
    島本さんは性描写が細かいイメージがあったけど、この作品は控えめなので、高校生くらいにも読んでほしい。

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    2025年01月12日
  • 2020年の恋人たち

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    精神疾患の元カレ、お母さんのお店の元常連、雇っているスタッフ、グルメ雑誌の副編集長、昼職の部長、近くのお店の料理人、ホテルで声をかけられたサラリーマン...時間と一緒にあらゆる男性が流れて行く感じが、リアルでとても良かった。

    葵とお母さんの描写にしんどくなる部分もありつつ、自分と母、自分とこれから産まれてくる娘の関係がどういうものでありたいかを少し考えた。
    女同士、少なからず(もはや結構な割合で)相手の人生への影響が大きいからこそ、どう娘と向き合うのか。親も完璧ではない、と親になる今そう感じる。

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    2024年12月31日
  • 2020年の恋人たち

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    the 大人の恋愛
    どうしてその道を選ぶのか
    どうしてその人を選ぶのか
    「そうだよね、辛いよね。そんなとき誰かに寄りかかりたいよね。」と共感する半面、「どうせまた気持ちが変わるんでしょ?」と冷たい眼差しを送りたくもなる。
    見えてるものを軸に感情を動かし人と関わり人生の選択をし、ストーリーが進むにつれてやっぱり他人の見えてるものなんてほんの一部分でしかないと思うことが多かった。
    人と関わる上で寄りかかるという一方的なものではなく、寄り添うことの温かみも感じた。

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    2024年12月18日
  • あなたの愛人の名前は

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    ネタバレ

    大人な恋愛小説ではあるけど
    意外とピュアなところも多くて
    不倫のドロドロ感は薄かった。
    自分に寄り添って理解してくれる人がいると
    そこが自分の帰るべき場所じゃなかったとしても
    吸い寄せられるように
    会いたくなってしまうもの。
    でもそれは足跡みたいなきっかけ一つで
    ぷつんと切れてしまうような脆い繋がりで…
    シチュエーションは違うけど
    心の移り変わりにはものすごく共感。

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    2024年12月18日