島本理生のレビュー一覧
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《人は、簡単には過去を手放せない》
楽しみにしていた島本理生さんの新刊✧*。
書けない作家の女と、5年前に消えた年上の男。そして、犯罪加害者を母に持つ青年。
孤独な魂が惹かれあう時、この世ならざる景色が見える──。
こちら、何を書いてもネタバレになりそうな気がするので感想は少しだけ。
全体的に静かな死の気配が漂う作品だった。
島本さんの文章は相変わらず美しくて素敵だし、島本作品に出てくる男性ってやっぱり魅力的…!
私は紗文と歳が近いから、しっかりしているようで甘え上手な創がツボだった- ̗̀ ෆ( ˶'ᵕ'˶)ෆ ̖́-
過去を乗り越えて自分の人生を生きてい -
Posted by ブクログ
著者のラインナップに惹かれて手に取った。本作は「はじめて」小説に触れる人を想定したアンソロジーのようだ。各編読みやすいながらも、それぞれの作家さんのカラーがしっかり出ていて、元々抱いていたイメージとすんなり繋がる。あまり小説を読んでいない人が、このうちのどれか一編が気に入って、同じ作家さんの本を読んだら、きっとその本にも満足できるはず。それぞれの作家さんの入り口になれる本だ。
森絵都さんの描く中学生はやはり生き生きとしていて良いなと思った。私はこの話が好きかな。島本理生さんの作品は儚くて切ない。はじめて人を好きになったときか‥
YOASOBIとのコラボとのことで、読後にYouTubeで全曲を -
Posted by ブクログ
臨床心理士の由紀が、ノンフィクションを執筆するための取材で、女子大生の聖山環菜が父親を殺さなければならなかった理由を探っていくミステリー。
最初は感情が抑圧され自己評価が低かった環菜が、由紀や弁護士の迦葉たちと接するうちに感情を表し堂々と振舞えるようになっていく過程が繊細に表現されていた。
ミステリーだけど、それだけではない文学的な作品。
朝井リョウさんの解説も、今作をより深める一助になる解説だった。
生まれ育った環境が異なり、別の価値観・常識を持つようになった中、同じ事象でも見る人によって意味合いや事実は違ってくる。
未来や他者の気持ちへの想像力が薄れてきている今、読んでほしい1冊 -
Posted by ブクログ
それぞれに想像を絶するような過去を抱えて生きる、紗文と創の物語は人間ドラマとしても描けそうなところを、ここではタイトルに込められた意味合いもあって恋愛ものにしたことで、読み終えた後に抱く感慨がまた違ったものになってくるのではないかと、私には感じられた。
並行世界というSF要素まで盛り込んで伝えたかったのは、私のようなものでも幸せを感じることができる時が来るのだろうかという、そんな切実な願いを様々な可能性と照らし合わせたかった意図を感じさせられた分、どこか非現実的でリアルさの薄い感覚が増したのは気になるところ。
例えば、母親が殺人事件の加害者であった創の心境を理解できるかと聞かれると、 -
Posted by ブクログ
5年間筆を置いた女性作家と、その原因となった消えた年上の男。そして、犯罪加害者を母に持つ青年。三者の物語を通じて本作は、苦しい生い立ちを背負った人間がいかに「今」を生きるか、孤独な魂たちがどのように愛し合うかを静かに描き出している。
どのシーンにも、どこか孤独の気配が漂っていた。小さな幸せをたしかに感じているはずなのに、それがいつ消えてしまうかに怯えている——そんな登場人物たちの姿が印象的な作品だった。
なかでも特に心に残った一節がある。年上の男から仕事への理解を示す言葉をかけられた主人公が、その幸福をこう語る場面だ。
「大事な相手に理解されているという幸福感は、ゴミの散らかった朝の路上や