島本理生のレビュー一覧
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さよならさえ愛だった…
心の奥底に沈む「記憶」の物語
潮騒の音がずっと耳の奥で鳴っているような
切なくも静謐な余韻の中にいる
美しくも残酷な過去
逃れられない家族の記憶
心の奥底に沈殿した「愛」という名の執着
島本さんらしい繊細な筆致で描き出している
「ノスタルジア」というタイトルの言葉が
持つ懐かしさと二度と戻れないことへの悲しみが混じっているように感じた…
物語の中で描かれるのは、あまりにも純粋で
それゆえに歪んでしまった愛の断片が感じられる
家族という名の檻、過去という名の鎖
逃げ出したいのに
その温もりをどうしても求めてしまう…
そんな人間の矛盾した心の機微を
ど -
Posted by ブクログ
ネタバレ顔のアザも気にしない私自身を愛してくれていると思っていたのに、その人は自分のピンチには何も私のことは考えておらず、仕事のことを考えてたんだってわかった時のアイコの吹っ切れる感じが強くて爽やかでした。
ずっとその男には未来がないよ〜と思いながら読んでた大人の私にとっては選んだ最後はとてもよかったです。でもこれを同じ年代に読んでたら、絶対私も飛坂さん好きになってただろうなとか思ったり。
ずっと前に買っていたのに、読めていなかったのですが、もっと早く読んだらよかった。
周りから勝手に押し付けられた可哀想とか、でもこれが自分だし!と強がる気持ちとか、それを丸ごと愛してもらえた喜びとか全部詰まってて、 -
Posted by ブクログ
調べたら3年ぶりの島本理生さん。本作は2014年刊の島清恋愛文学賞受賞作で、ざっくり言うと、不倫に抗えない主婦の話でしょうか。
直近に官能的で耽美な小説を読み、同類かと思いきや全然違いました。本作の方が日常のリアルさが浮き彫りになっています。単なる恋愛小説ではなく、女性が抱える結婚・出産・家事・育児に対する不安や不満など、普遍的な問題を絡ませています。
ただ、主人公・塔子の思考や判断、行動については、読み手の境遇や性別、年齢で共感の度合いが分かれるかもしれません。立場や孤独などは理解するも、塔子は自信がないわりに鷹揚、固いわりに言い寄られると傾く隙があるように描かれますから…。
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Posted by ブクログ
キャッチーな表題だから聴きながら歩くとちょうどいいだろうとAudibleで。
5編全て、温度差があるけどそれぞれに刺さる内容があった。女性の生活とか醸し出す言葉。
「Good Breath you」は年の差の恋愛の分にはピンと来なかったけど、ちょっと別の意味でもっと長編で読みたかった。宗教2世と親との確執。もっと先をと、思ったかな。
「家での庭」がよかったな。義母も嫁も旦那様も優しくて。。「そういうこともある」と理解してくれる人がいるだけで、生きやすくなるしその人も生きやすい。
で、タイトルの一撃のお姫様。依存させることに依存している世界。ホストクラブや女風とか解らないし、私から見たら遠い場所 -
Posted by ブクログ
みんな何かを抱えて生きている。
どうしようもないけれど…悩んだりしながらも生活していくわけで、それでもいつの間にか状況は変化していくのだと。
そのときのご褒美は、きっといつまでも心に残るものなのかもしれない。
どの作品も作家の特徴がよく出ている。
「楽園の代わりのカッサータ」島本理生〜妻子ある相手と伊豆の山奥のホテルで。
「ファースト・アンド・オンリー」織守きょうや〜忘れられない同級生と屋上前の踊り場でお弁当。
「春とマーマレード」友井羊〜果樹が生い茂る瀬戸内海の島で叔父と。
「アンパッサン」畑野智美〜卒業するメンバーと取り組む最後の仕事で。
「ドーナツ息子」名取佐和子〜幼い日の息子