島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
◼️ 島本理生「一千一秒の日々」
「ナラタージュ」の同年、著者22歳の年に刊行の恋愛短編集。恋愛の「間」や不規則性。
島本理生はそれなりに読んだかな・・。「シルエット」「リトル・バイ・リトル」「生まれる森」「ナラタージュ」「週末は彼女たちのもの」「Red」「ファーストラヴ」「まっくろいたちのレストラン(絵本)」
今作は大学生世代の恋愛を描いている。それぞれモノローグの登場人物はある友人関係に、彼ら彼女らが行くバーの店員などで、別視点で浮かび上がる微妙な姿が興味深い。
4年間付き合った哲の態度がおかしい。終わりを予感する真琴。(風光る)
真琴の親友、瑛子は演劇部の公演の後、同じ大学で面識のない遠山から花束を渡され、猛烈なアプローチを受ける。周りの期待をよそに、その気はない、と言いつつデートには出かける。(七月の通り雨)
距離感と感覚。恋愛には正解がなく、また理不尽に見えても気持ちが変わったら止めようがない。自分が大学生だった時を思い返す。そう、深刻に考えることも多いし、男女ともに、ふつうに彼氏彼女を求めていて、お出かけくらいはしても、なんか合わなくてうまくいかなかったりする。瑛子はもう少し変わっててきまじめでエキセントリックな面もあると受け止めたけど、なんか気持ちは分かるような気もする。
別れの予感、も別れてからのあり方、も想い出に結びつく。そういう意味では、世代は違えど繊細にそして、読者が敏感に気づくような筆致で描く。佳作「ナラタージュ」と同様に、大人になりかけの、特殊な時期の恋愛模様をみずみずしく、時に微笑ましく物語として構築している。
既読の作品は、初期と少し離れた、比較的最近の、やや過激なもの。間の何作かは読んだっけ、どうだっけ・・だった笑。10代で文壇デビュー、年代により変化があり興味深い。未読のものを探して、また読もう。
ちなみに稲垣足穂「一千一秒の物語」も読んだけど、オマージュなのかどうかは、分かりません。