島本理生のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
野間文芸新人賞受賞作!
高校卒業した女の子が主人公で、島本さん作品の女性は自分を大事にしてくれる人を傷つけがちだけどこの話の中ではちゃんと大切に想い返しててほっとできる一冊だった☺︎
10代後半の時期って近くにいる大人とか環境の影響を大きく受ける大切な時期だなってすごく思った
暴力を振るう実の父親がいなくなって、喧嘩ばかりの二番目の父もいなくなって、異父姉妹の妹とあんまりしっかりしてないお母さんとの3人暮らしって普通に考えたら可哀想、なんだけど、本人がそれを決して口に出さないところが印象に残ってる
たしかに辛くても嫌でも、口に出してしまうことは認めることになるっていう気持ちは分かるなぁ、、
け -
Posted by ブクログ
ネタバレ恋愛しているときの、辻褄が合わない感情と行動が溢れていて、思い出される後悔とか恐怖で読みながらじわじわと追い詰められる感じかしました。
強くなりたい、でもそのままでも受け入れられてしまう。一方、わたしの葛藤が何故か私を安心させてくれました、悩むのは私だけではないと。
「あなたが、どんなに私を追い詰めるようなことをしたって、それは追い詰められる私の問題であって、あなたのせいじゃない」
自分が感情をコントロールできていないせいだって分かっているけど、苦しいんだよって気持ちだけでも伝わってほしい。そんな自分の幼稚さを見せられてはっとさせられた一文です。 -
Posted by ブクログ
『大学の購買部でパンを買おうとしていたら、目の前を、リクルートスーツ姿の女の子たちが横切った。たぶんビジョンがないからダメなんだよねー、という台詞も聞こえた。「就活の時期だなあ」』
大学時代も後半になると、それまで主流だった恋愛の話題に代わって、友達との会話も進路の話題が増えてくると思います。えっ?あいつもう内定もらったらしいよ!彼女は大学院に進むんだって!俺、実家を継ぐことにしたよ!…と、今まで同じ時を楽しく過ごしてきた友達がそれぞれの道を選び、それぞれの道へと歩みを進めていこうとする大学時代後半。でも一方でそう簡単に道を選ぶことのできない人間もいます。XX年前の私がそうでした。進路がどん -
Posted by ブクログ
何か特別なことが起こるわけではない日常。それだけ考えると、一見つまらなくも感じられますが、おそらく私も、そしてあなたもみんな、日常とはそのように特に何か起こるわけでもなく、朝が来て、夜になるその繰り返しなのだと思います。でも、そんな言わば平凡な日常の中でも日々少しずつ何かが変わっていっていることに気づきます。芽が出て、双葉が出て、茎が伸びて、やがて蕾が、そして花が咲く、一日一日の変化は少なくても、例えば身近な花だってそんな風にゆっくりと時間をかけて成長していきます。これは私たち人間だって同じことだと思います。少しづつ関係を深めていく人間関係。昨日よりも今日のほうが、そして明日になればまた、とい
-
Posted by ブクログ
比紗也の辛さ、苦しさを理解してあげたい気持ちと、それでも深い闇に自ら進んでいってしまう弱さにもどかしさを感じる作品でした。
物語中盤まで簡単に体を許してしまう比紗也と会う度に体を求める真田の関係性に、このまま二人が結ばれるラストだったら少し嫌だなと思って読んでましたが、読み終わって考えると比紗也や紡、紗雪の将来を考えると真田と一緒になるのが幸せなのだろうなとも感じました。
自分は真田のような男にはなれないし、聖職者という立場はあるにせよ歓の想いこそが本当の愛のように感じられ歯痒さが残りましたが、歓はたまに思い出して胸がキュンと締め付けられることはあっても、きっと後悔はしないんだろうなと思いまし -
Posted by ブクログ
家族に恵まれず、愛着形成がなされないまま大人になってしまった「私」。自分の手首を切り、自分を大切にしてくれない相手と付き合う。交際相手も脆いところを持ち、共依存しているような関係に。
愛してくれなかった母親はお金の無心をしてくるし、義理の父親は意識がない状態、交際相手は盗難を繰り返す。
そんな「私」がよりどころとした「あなた」。
だいぶ年上で、婚約者もいる。
それでも愛し合ってしまった...
という内容を考えると小説としてはありそうだなーという種類のものだけど、この小説はとにかく描写がすばらしい。
綺麗で透明な文章。ドロドロしてるのに清潔感さえ感じる。
最初の1ページから引き込まれてしまった