島本理生のレビュー一覧
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“美味しいおやつが食べたくなる”ようなものではなく、おやつを通して気持ちや人生の揺らぎを描いたアンソロジーだった。
作中のおやつは、ただ甘いものではなく、それぞれの登場人物が踏ん張るための“小さな支え”や“カンフル剤”として描かれていた。
自分らしく生きる道を見つけるきっかけになったり、本と一緒に孤独や空腹を埋める青春の思い出になったり、懐かしい味が安心へ繋がったり。
特に4話目の子育ての話は、自分ではない誰かの人生に関わり続けることの大変さが強く伝わってきた。
迷ったり悩んだりしながらも、その子自身を信じていくしかない。
だからこそ、ほんの少し息をつける“おやつの時間”が必要なんだろうなと思った。
複雑な感情を呼び起こすものだったとしても、それで踏ん張れるなら、その人にとって大切な支えなんだと思う。
5話目では、選択することの難しさが描かれていたけれど、周りの雑音や不安があっても、自分が本当にやりたいことを素直に選びたいし、きっと選べるんだと思えた。
海外児童文学のエピソードと一緒に語られるおやつも素敵で、ただ「美味しそう」だけでは終わらない余韻があった。
まっすぐな道だけが正解じゃなくて、遠回りでも、自分の目指す場所へ向かおうとしているなら、それはちゃんと人生と向き合っていることなんだと思わせてくれる作品たち。
帯にあったようにおやつはまさに“今日を乗り切る力をくれる”ものだった。 -
Posted by ブクログ
☆3.5
最初の大和の話で、ライトな上京物語だと思ったら全然違った。むしろ大和の話がないと全体的に暗すぎる。
真綿荘に住む住人たちの恋愛を描いた作品。人の数だけ恋愛の形はあるし、正解なんてないけど、みんなイレギュラーすぎる、、。
大和みたいな大学生はいるかな。鯨ちゃんと荒野先輩もすてき。何より問題は大家の綿貫さんか。
話の順番と、冒頭からの違和感で、最後は綿貫さんで締めるだろうなぁとは思ってたけど、ほんとにわからない。
ただ、やはり恋愛と親子関係はつながるものがある。親からいびつな愛情を受け取っていたり、愛情が欠けていたりすると、変わった人を選ぶ傾向はあると思う。そういう意味では親の愛情って人格形成にものすごく大きな影響を与えると改めて感じた。 -
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なんだかんだ言っても不倫なんてろくな
もんじゃない、何で不倫をするんだろうと
思っていたんですが、スリルや刺激を求める
ためなんて言われたら勝手にしてくれと
作品の趣旨と違う感想を持った島本理生さんの
「楽園の代わりのカッサータ」。
受けた恩というか優しさって相手が
思っている以上に大きなものだし
その優しさを自然とできる彼・・・素敵だ
と思った織守きょうやさんの
「ファースト・アンド・オンリー」。
両親を亡くした悲しみから救い出してくれた
瀬戸内の島でいっしょに暮らす叔父との
素敵な時間とジャムに心ひかれた友井羊さんの
「春とマーマレード」。アイドルって見た目の
華やかさとは裏腹に大変な職業だと思った
畑野智美さんの「アンパッサン」。
子供ってなんだかんだ言ってもその子の
ペースで大人になっていくそして親は
成長した子供のことも認識するけどまだまだ
心配が尽きないって感じた伝わった
名取佐和子さんの「ドーナツ息子」。
有りがちなが言葉だけど、「何かをするのに
早いも遅いもない。ただ、始めるだけさ」
がほんとにそうだよねと心に刺さった
伊吹有喜さんの「ストロベリーの歌」。
どの話も面白かったけど、個人的には
「ファースト・アンド・オンリー」と
「ドーナツ息子」が面白かったかな。 -
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ネタバレ顔のアザも気にしない私自身を愛してくれていると思っていたのに、その人は自分のピンチには何も私のことは考えておらず、仕事のことを考えてたんだってわかった時のアイコの吹っ切れる感じが強くて爽やかでした。
ずっとその男には未来がないよ〜と思いながら読んでた大人の私にとっては選んだ最後はとてもよかったです。でもこれを同じ年代に読んでたら、絶対私も飛坂さん好きになってただろうなとか思ったり。
ずっと前に買っていたのに、読めていなかったのですが、もっと早く読んだらよかった。
周りから勝手に押し付けられた可哀想とか、でもこれが自分だし!と強がる気持ちとか、それを丸ごと愛してもらえた喜びとか全部詰まってて、読んでて自分と重なる部分が誰しもあるんじゃないだろうか。
コンプレックスがある人も、ないと思ってる人も読んでみるといいと思います。 -
Posted by ブクログ
調べたら3年ぶりの島本理生さん。本作は2014年刊の島清恋愛文学賞受賞作で、ざっくり言うと、不倫に抗えない主婦の話でしょうか。
直近に官能的で耽美な小説を読み、同類かと思いきや全然違いました。本作の方が日常のリアルさが浮き彫りになっています。単なる恋愛小説ではなく、女性が抱える結婚・出産・家事・育児に対する不安や不満など、普遍的な問題を絡ませています。
ただ、主人公・塔子の思考や判断、行動については、読み手の境遇や性別、年齢で共感の度合いが分かれるかもしれません。立場や孤独などは理解するも、塔子は自信がないわりに鷹揚、固いわりに言い寄られると傾く隙があるように描かれますから…。
それにしても島本さんは、女性の繊細な心理描写が巧いなあと思います。特に相手への愛しさと憎さ、自身の強さと弱さなど、相反する感情により葛藤する内面表現が見事です。文体もていねいかつ軽やかで、読みやすく引き込まれます。
3人の男性との関わりを通して、塔子は翻弄されながら自分の生き方を模索します。人によって答えの形が違う、幸せを求める選択や妥協は、確かに誰もが直面する問題ですが、共感するか否かは別問題でしょう。
官能とともに危険な匂いがする本作でした。タイトルの「Red」は、女性の妖艶さの象徴? そして本作の本質は、誰かのためでない自分の幸せのために女性はどう生きるか‥への問いかけでしょうか? -
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キャッチーな表題だから聴きながら歩くとちょうどいいだろうとAudibleで。
5編全て、温度差があるけどそれぞれに刺さる内容があった。女性の生活とか醸し出す言葉。
「Good Breath you」は年の差の恋愛の分にはピンと来なかったけど、ちょっと別の意味でもっと長編で読みたかった。宗教2世と親との確執。もっと先をと、思ったかな。
「家での庭」がよかったな。義母も嫁も旦那様も優しくて。。「そういうこともある」と理解してくれる人がいるだけで、生きやすくなるしその人も生きやすい。
で、タイトルの一撃のお姫様。依存させることに依存している世界。ホストクラブや女風とか解らないし、私から見たら遠い場所だけど、どこの職場・人間関係・恋愛関係でも普通にあることではないかな。曲聴いてみたい。