島本理生のレビュー一覧

  • いつか、アジアの街角で

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    暑い夏の小旅行のお供にと手にした文庫。
    台湾多めのアンソロジーで、待ち時間にちょこちょこと読むのに丁度よかった。

    台湾には若い頃訪れたことがあるけれど
    桜庭一樹さんも角田光代さんも描いていた「月下老人」は聞いたことがなかった。
    角田光代さんの猫をモチーフにした輪廻にまつわる短編が、ぼんやりとした結末にも関わらずグッときた。(やっぱり角田さんといえば猫ですね…)
    私自身に前世の記憶はないけれど、私の姉もひょんなことから前世の記憶が蘇ったという。
    角田光代さんの前世の記憶が気になる…

    前世の記憶はないけれど、私も生まれ変わったら出逢うべき人に出逢えるようにいつか月下老人にお参りに行きたい。

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    2024年08月11日
  • いつか、アジアの街角で

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    台湾多めのアジアの話、6篇。

    ズバリその国に出かけて行ったり、その国の人との交流だったり、ただ出てくる食べ物がアジアのものなだけだったり、と、アジア度はそれぞれなれど、どれも体温の通ったあったかいお話でした。

    「停止する春」「チャーチャンテン」の2篇がおすすめ。

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    2024年08月03日
  • いつか、アジアの街角で

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    旅にでたーい!アジアー!
    この暑い夏、暑い国に旅行したい!旅気分を味わいたくて手に取った。6人の作家の短編集なのでお得♪

    ○印象的だったもの
    「隣に座るという運命について」中島京子
    日本で感じる台湾。ちょうど電車の中で読んでいたので、隣に座っている人を意識してしまった。

    「チャーチャンテン」大島真寿美
    香港迷の奈美子と香港からやってきたケリーのやりとりに、あるあるとニヤニヤしてしまった。
    ケリーが香港で活動していたこと、そのことをきっかけに家族と距離ができてしまったこと、香港をでて日本で暮らしていること、こんなふうな気持ちで暮らしている若者が今どこかにいるかとおもうと悲しくなってしまう。彼

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    2024年08月02日
  • 夏の裁断

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    柴田さんって言うあんまり生きた感じのしない男性、島本理生の作品にはこうゆう性的に魅力のあるメンズが出てくることが多いような。
    主人公の感情の振れ幅が小さいようで大きくて、繊細に描かれていた。最後は幸せな終わり方。いい。

    他の方のコメントを見て、確かに思ったのは主人公に共感ができなかった。それはあるな。

    春夏秋冬で男性が変わるのも読んでいて楽しかった。

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    2024年08月01日
  • 2020年の恋人たち

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     愛人の子として育った前原葵39歳OL。
    母親の突然の事故死により、母のワインバーを引き継ぐことに。

     母を愛人として囲ってた男性と、葵たち親子を忌み嫌うその息子、母の店の常連客で葵に執着する幸村、同棲してるのに会話もなく引きこもってる彼氏の港、店を手伝ってくれることになった松尾くん、試飲会で出会った既婚者の瀬名、困った時に助けてくれた海伊さん、昼の職場の上司。
      
     色々な男性が出て来たけど、職場の上司が良い人だったな。お互いに恋愛感情がないからなのか、、、。

     結婚している男性との恋愛を
    「一時の甘さの代償として、精神的な負担の借金を重ねるようなものだと思う。」って表現してて、なんか

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    2024年07月31日
  • いつか、アジアの街角で

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    特に好きな作品の感想を。

    ・桜庭一樹「月下老人」
    大好きなバディもの。
    状況も空気も雑多でごっちゃ混ぜな感じが楽しい。

    ・島本理生「停止する春」
    ぐったり元気が出ないとき、自分で自分を励ます方法を知っているだろうかと考えた。
    それでも何ともならないときは思い切って人に寄っかかる思い切りの良さも必要なのだと知れた。

    ・大島真寿美「チャーチャンテン」
    年の離れた友達、文化の違う友達、距離が縮まるには時間がかかりそうだけれどだからこそ深く分かち合えるものがあるのかもしれない。
    ふたりの空気感がとても尊いもので壊れないよう遠くでそっと見ていたいと思った。

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    2024年07月30日
  • あられもない祈り

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    同著者『ファーストラヴ』の文庫版あとがきで、
    朝井リョウさんがこちらの書名を挙げていて気になり、読んでみた。

    島本理生さんの恋愛の心情描写は
    胸に突き刺さることがよくある。

    この作品では、主人公の「わたし」は
    DV彼氏とは別れず、
    不倫している「あなた」とも離れられず、
    そこだけみると、ぜんぜん共感できないのに、
    時々グサッてきて、衝撃が忘れられない。
    特に96ページかな。

    あとがきは西加奈子さんで、
    この作品を読んでもう恋愛小説は書かないと思ったそうだ。

    とにかく苦しくて、人に薦めにくいけど、
    読んだことを忘れられない作品になりそう。

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    2024年07月29日
  • あなたの愛人の名前は

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    うーん難しい…
    みんなそれぞれ抱えているものがあって、それは当たり前なんだけど、それゆえに他人とのすれ違いが起こる。
    男女の性差やもやもやした心理状況をまざまざと見せられた作品です。

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    2024年07月25日
  • 星のように離れて雨のように散った

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    自分の気持ちを認めて前に進むためには、やはり何かを介在させる必要があるのかも。
    自分一人で考えていてもグルグルと同じ感情や思考が回るだけ。
    なんでそう考えるの?
    そう思う背景には何かあるの?
    口ではそう言ってるけど態度はこうだよね

    主観と客観の橋渡しをしてくれるのは他者の存在。
    自分と違うものを少しでも受け入れてみようという窓がないと、その橋はかからないのかもしれない。


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    2024年07月18日
  • 真綿荘の住人たち

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    下宿『真綿荘』に住まう人々。
    下宿を営む小説家の綿貫さん。
    綿貫さんの内縁の夫で画家の晴雨さん。
    大学進学を機に北海道から上京してきた大和くん。
    大和くんに恋する鯨ちゃん。
    女子高生と付き合ってるアラサー女性の椿さん。

    気遣いの出来る優しい鯨ちゃんと、鯨ちゃんを好きな荒野先輩が癒しでした。

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    2024年07月16日
  • いつか、アジアの街角で

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    装丁に惹かれて気になって読んだ、
    アジアにまつわるアンソロジー作品。

    ─ 隣に座るって、運命よ。

    わたしも香港に行ったとき入ったお店で、たまたま隣に座っていたお姉さんに声をかけられたなぁ、なんて思い出してみたり。

    香港で食べたあのココナッツアイスの味が今でも忘れられなかったり。

    旅先でも、本でも、出会いは大事。

    各作家さんの個性もみられる、繊細でどこか懐かしく感じる素敵な作品だった。

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    2024年07月10日
  • 二周目の恋

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    「道具屋筋の旅立ち」
    「無事に、行きなさい」は、読んでてモヤモヤしつつ要点が掴めずにいた。
    カーマンラインはタイトルに合ってる気がした。
    ただ二週目ってなに?! 二度目ではなく二週目なのが、わからない。

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    2024年07月08日
  • シルエット

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    島本理生さんの作品をもう少し開拓してみたいと手に取った1冊。表題の「シルエット」は、時間が経ってしまって気付いたときにはもう遅い、みたいな感じが、秒速5センチメートルに似ている気がした。

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    2024年07月06日
  • 生まれる森

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    『ただ懐かしい』じゃなくて、その時の空気感とか匂いとか音とかそういう物が鮮明に思い返される本だった。

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    2024年07月05日
  • あなたの愛人の名前は

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    別れを決意した心情は語られないが、自分の経験からなんとなく想像して胸が苦しくなったり自由に身を震わせたりした。蛇猫奇譚の「二つ同時には愛せないの」は真理。

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    2024年07月03日
  • 2020年の恋人たち

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    読み進めている途中は、昔の月9みたいな大人の恋愛ドラマ的な雰囲気を期待してまったが、葵にはどこかドライな印象を受けてしまう。
    決して打算で付き合ってるわけではなく、かといって流されているわけではないのに、男性との関係が切れていかない葵に釈然としない気持ちも抱きつつ、ひとりの女性としての強さや自分の恋愛すら客観視しているような冷静さも相まって、意外とリアルな30代女性ってこんなもんかもなって感じられる部分もあった。2020年の恋人たちってタイトルも、葵にとってはこんなこともあったなーって一年なんだろうか。
    千駄ヶ谷の鳩森八幡神社のあたりの静けさとちょっとした路地にある少し小洒落たお店、代々木界隈

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    2024年07月02日
  • いつか、アジアの街角で

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    いろいろなタイプのお話があって面白かった。島本理生さんのお話は、そうそう、これ、と味を知っている好物を食べるような気持ちで読んだ。大島さんのお話は登場人物の関係性が絶妙で、現代で、また違う方向性に良かった。

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    2024年06月30日
  • いつか、アジアの街角で

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    ネタバレ

    チャーチャーテンは星4

    猥雑で、活発で、独特のセンスが炸裂していて、西洋と東洋が混じり合った空気が満ち満ちていて、自己主張が強くて、でもフレンドリーで、そのくせ、つっけんどんで、わあわあわあわあうるさくて。至る所においしいものがあって、がつがつ食べて、映画を見て、コンサートに行って、買い物をして、観光地をめぐって、太極拳をして、私が心から楽しんだ街がこんなふうになっているなんて思いたくない。

    3/4くらい同意。

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    2024年06月30日
  • 2020年の恋人たち

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    葵は自立してるのか…?
    嫌っている相手に結局頼るだけ頼って跳ね除けるとは中々に自己中心的ではないかと思ってしまった。
    特に心に何か残るとかいうことはなかった。多分自分と価値観も環境も全て違いすぎてだと思う。

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    2024年06月20日
  • 2020年の恋人たち

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    主人公がモテ過ぎてジェラシー。
    抑えたトーンの文体なのに、全体的にピンク色で主人公の心の移ろいに集中できず。
    30代ってそんなものかと、遠い記憶を掘り返してます。

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    2024年06月17日