島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「大人の恋愛小説大賞」受賞作品、ってのがうかがえる大人の女の恋愛話だなーと言う印象。23時以降の30分ドラマになりそうな。
32歳の前原葵。母が事故死して残されたワインバーをどうするか?母の愛人にかなり資金を出してもらっていだその店は移転する予定で,店も決まってたのに。
愛人の長男(義兄と記されてるけどあってる?)に、OLの葵が持っててもしょうがないから処分すると言われたが、意地になって自分がやる!と決める。
昼は営業の仕事をして、夜はワインバーの開店のために奔走。そして、開店、コロナを経て・・・という流れのなかで、
会う男たちとの話って感じ。
最初は同棲相手の湊がいたが、彼はリストラに -
Posted by ブクログ
ネタバレ恋愛はしてもしなくてもいい、振り返っても持ちたいものが無かった、というのが印象に残った。
読み始めた時、葵は恋愛体質な人なのかなと思った、自立してるけど甘えるさじ加減がめちゃ上手い気がしたので。
もちろん人それぞれだけど、恋愛はもういい、と思ったら10年以上恋愛しない人もいる。でも葵は気持ちのシャッター的なものを下ろさない人なんだなと思った。
でも、私の好きなようにしたらいいんだとちょっと思えた。何事にも無意識に一歩引く癖がついてしまったのは仕方ないけど、下がった所からでも見えるのになんでしなかったんだろうなぁって、なんか少しだけ、やわらかい思考になれるような気がした。 -
Posted by ブクログ
心の傷に気付いてない、気付いて必死に生きているあなたに読んでほしい本。
誰もに心の傷がある。大人になって、ひしひしと鮮明になる傷。私自身、日々、表現することで自分を救っている。
世の中、孤独でなく孤高に生きなければと焦っている。その葛藤の中で、人は弱くて脆い。結果、恋愛や酒やタバコなどを求め依存。自分の傷を埋めようと必死な人々がたくさんいる。その気持ちも大いに分かる。しかし、埋めようともがいた結果、何も残らなくて虚しくなる。それが人間。
この小説を読んで、
「自分の傷は自分で治す」
ことがいかに大事か、主人公や取り巻く環境における人々の心の変容を通して感じた。
主人公が、恋愛から抜け出