島本理生のレビュー一覧

  • ノスタルジア

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    愛する人がいなくなり書けなくなった作家の紗文と、殺人事件の加害者の息子である創が出会い惹かれる愛の物語。

    現実にふっと紛れ込む並行世界に、静かな幻想感を味える1冊。

    加害者家族である創がそれを理由に理不尽な目にあいながらも、年齢やステイタス・損得に左右されずに相手を見られるピュアさが、物語感を増している気がした。

    紗文と創、二人が惹かれるのは、同じ痛みを抱えているがゆえに相手の欲するものを無意識に与えることができるからなのかもしれない。

    「愛する」と一言にしても、何を愛と捉えるのか、愛情表現も愛する人に望むことも人によって違う。
    お互いの熱量の差や、タイミングもある。

    一瞬で過去のものになってしまう「愛」の儚さと、愛したがゆえに残ってしまう後悔や痛み、どちらも感じた作品だった。

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    2026年07月18日
  • イノセント

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    あらすじ

    美しい女性に惹かれる、やり手経営者とカソリックの神父。自堕落さと無垢な儚さを併せ持つ彼女は、深い絶望を抱えていた──。

    イベント会社代表の真田幸弘は、数年前に函館で出会った若い女性・比紗也に東京で再会する。彼女は幼い息子を抱えるシングルマザーになっていた。真田は、美しく捉えどころのない比紗也に強く惹かれていく。一方、若き神父・如月歓は比紗也と知り合い、語り合ううち、様々な問題を抱える彼女を救おうと決意する。だが、彼女は男たちが容易に気づくことのできない深い絶望を抱えていて──。

    感想

    大人のラブストーリーだった。
    大人ながらも、それぞれの過去や思想に縛られて、時には相手を思いやったり、時には自己中心的になって自己嫌悪になったりしたまだまだ青い三角関係だった。

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    2026年07月16日
  • ノスタルジア

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    書けなくなった作家の紗文と犯罪加害者の母を持つ創。年齢の離れたひょんなことから一緒に暮らすことになり、互いに惹かれ合うように。
    二人とも壮絶な過去があるのに、それをさらりと語って一緒にいられるというのが、物語の中とはいえ単純にすごいなと思ってしまった。
    途中、現実と空想を行ったり来たりするのもあって、どこかフワフワした気持ちで読み進めた。
    個人的には創のピュアさが好きで、ずっとこのままでいて欲しいと思った。

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    2026年07月14日
  • 憐憫

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    憐憫というタイトルがしっくりくる。
    相手を可哀想と思う、同情からくる関係性。
    実際にこういう関係性あるだろうし、要は依存関係みたいなものなのかな。

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    2026年07月10日
  • ノスタルジア

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    島本理生さんらしい世界観の話だった。
    人生でたった1人だけ本当に心から愛した人がなくなってしまった喪失感。
    創と出会うことによって今までの気持ちや思いを生理して、新しい自分の人生を進んで行こうとする主人公の気持ちが見事に描かれていた。
    題名にもなっているノスタルジアの意味が読み終わった後にわかった。
    誰しも人生で一度は自分の全てを賭けて好きになったことがある、それはとても幸せで奇跡みたいなことなんだと思った。

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    2026年07月09日
  • ノスタルジア

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    殺人罪で判決を受け自殺した母を持つ創

    小説を書けなくなった紗文

    創が勤めていた会社に母のこと知られ会社に入れなくなり紗文とも繋がりがあった記者の川合くんから創がこちらにくると言われ住む場所を提供した

    一緒に暮らして行くうちに次第に距離が縮み恋人となる

    そして紗文は忘れられない恋人が最後に行ったイギリスに旅行に出ることにし創も一緒に行く

    その時海辺で2人が別に会った人

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    2026年07月08日
  • ノスタルジア

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    久しぶりの島本理生さんは難解だった。

    書けなくなった作家 紗文と、殺人事件の加害者を母にもつ青年 創。2人の人生が交差することで、不思議な現象が起き始める。

    紗文と創がこれまで歩んできた道が、複雑で険しすぎて、気持ちを寄り添って読み進めることが難しかった。心の内を描写するのではなく、事象に合わせて読者が汲みとる必要があるので、集中して読まなくては取り残されてしまう。空き時間に少しずつ読んでいた私は見事に取り残されてしまった。

    不可思議な体験がもたらしたラストに、希望の光が感じられてよかった。島本文学の新境地との評判だが、私の想像力では現実味が乏しくて、いっそ映像化して欲しいと思った。

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    2026年07月08日
  • ナラタージュ

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    【あらすじ】
    工藤泉(くどういずみ)は、婚約者と川辺りを歩く道すがら、ある男性との思い出を回想する。葉山貴司(はやまたかし)。泉の高校時代の恩師であり、そして彼女の忘れ難い初恋の相手である。演劇部の応援のために久しぶりに訪れた母校で、久しぶりに葉山と再会を果たした泉は、戸惑いながらも胸の高鳴りを覚えーーー。

    【短評】
    残念ながら好きではなかった。
    泉と葉山が互いをかけがえのない存在として認め合っているのは理解出来た。初恋というのは鮮烈なものであるからして、後生大事に抱えて生きていくことも概ね理解出来た。しかしながら、当人同士がそれを心の内に秘めたままに別々の人生を歩んでいくという思考は、まるで理解出来なかった。それは色んな意味で不誠実だと思うのだ。

    誰かを伴侶とするならば「一番に置く」というのはとても大事なことだと思う。心に決めた一番があるのであれば、それに従うのが当然だし、そう出来ないのであれば別の誰かと結ばれるべきではないと私は思う。ニ番手に置かれれば、そりゃあ相手は怒るのだ。(怒れば何でもして良いというの別問題で、控えめに言って小野は屑である)
    而、個人的には泉も葉山も遠からず破滅すると思う。彼らは二人で手を取って生きていくべきであったし、そうでなければ、世間とは隔絶したどこかで隠遁して生きていくべきだと思う。これは「嗚呼!どうして別れてしまうんだ!!」みたいな切なさとは違う。得も言われぬ不快感である。

    さりとて。綺麗なシーンは幾つもあった。
    印象的な電車のシーンなどはとても好きだし、最終盤の葉山の近況を聞く泉の姿も感慨深かった。どれも素敵な描写なのだが、前述した不快感にどうしても塗り潰されてしまう。また、婚約者が都合良く泉を包み込むのも気に入らない。多分、遠からず彼も豹変するのだろうな、などと思った。婚約者については余り頁が割かされていないが、「他に一番がある相手を愛せるか」という部分が骨太に描けていたら、本作の評価も一変しただろうと強く思う。

    恋愛小説は「好み」先行なので、浅薄な私のままに、合う/合わないで論じてみた次第。
    あれこれと書いてしまったが、私は恋愛小説は余り読み慣れておらず、全体にチョコレートをビシャ掛けしたような甘くて頭の悪いものを好む悪食ゆえ、ご容赦願いたい。も少し若い時分に読んでいたら印象も違っただろうかと天を仰ぐ夏である。

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    2026年07月07日
  • 明日町こんぺいとう商店街3 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

    ネタバレ 購入済み

    う〜ん
    よく分からん。
    色んな人の色んな感性が有って。ドイツ料理、アイスバイン、みたいなのは、理解出来ない。何で、一番好きな人とは結婚せずに、SEX出来ない男と結婚して、姑の介護してんの?一番好きな人とは、不倫関係で居て…………。

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    2026年07月05日
  • Red

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    ネタバレ

    どうしても結ばれない人。どうしても分かり合えない人。自分以外は全部他人で、だからこそ自分以上に愛せる人が見つからない。結婚とか家族ってすごいなってつくづく思う。

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    2026年07月03日
  • ナラタージュ

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    序盤と終盤で全く違う小説を読んでいるみたいだった。前半の青春劇が爽やかな分、泉と付き合ってからの小野君の変化にかなり大きなダメージを喰らう。
    今の言葉で言ったらモラ男なんだろうな…彼のような人を言い表す語彙ができて、絶対的に非難されるような社会になっていることに、時代の変化を感じる。
    心の底では自分と違う人を見つめている人を、それでも受け止めて愛せるか、というのがテーマの小説だと思う。そう考えると、泉はそんな彼女のことも受け入れてくれる人と結婚したことが感慨深い。

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    2026年06月30日
  • 真綿荘の住人たち

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    レトロな下宿を舞台にした物語なのに、どこかほろ苦さが残る読後感でした。
    上京した大和くんは気配りが少し足りず、言葉の選び方ひとつで状況をこじらせてしまう場面が多く、実際にいたら思わず「今のは違うよ…」と言いたくなるタイプ。

    下宿やルームシェアへの憧れはあるけれど、まったく違う価値観の人たちと暮らす時間は、きっと想像以上に濃い経験になるんだろうなと感じました。

    そして、人はなぜ“こちらの方が合いそうなのに”と思う相手ではなく、別の誰かに惹かれてしまうのか。綿貫さんのこれからを思うと、ただただ心配になって終わる一冊でした。

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    2026年06月27日
  • 2020年の恋人たち

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    3.5 知らない世界すぎてはまらず。生い立ちのトラウマが結婚にも、恋愛にも前向きになれない女子が主人公。実際、自分の恋愛対象だったらめんどくさく感じるだろうな。異性愛、女子から見たらこの主人公に共感はあるのか?は興味あり。

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    2026年06月24日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    織守きょうやさんの一編が最高に好きでした。尊い。
    作者さんの別の短編集でも描かれていたけれど、美味しいものを食べて(できれば)喜んてほしいって、シンプルに愛の本質だなぁ。尊すぎて何回も読み返しました!

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    2026年06月21日
  • 天使は見えないから、描かない

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    この作品の軸となる叔父と姪の関係については、最後までそれが正しいのかどうか判断できず、複雑な思いを抱えたまま読み終えました。しかしラストでは、「生きていく上で本当に大切なもの」について、一つの答えが示されたように感じました。
    人は一人では生きていけない。誰かを頼ることで安心や安定を得られる一方で、誰かに頼られる存在になることも同じくらい大切なのだと気付かされました。
    人と人との支え合いの尊さを改めて考えさせてくれる作品でした。

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    2026年06月15日
  • 一撃のお姫さま

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    ネタバレ

    特に、「家出の庭」が面白かった。

    「お義母さんが困っているなら、病院に行くのもいいと思います。上手くカレーが作れなかったら、レシピを見るようなものだと思いますよ。私と春斗さんはべつに今でもお義母さんのカレーが好きですけど」

    「物理的にやることが詰まった日常は、悲しみを遠ざけるには有効だけど、その分、とても大事なものを覆い隠す。現代人はそうして何年、何十年でも生きていけてしまう。」

    この二人の関係性は暖かくて、唯一無二でよかった。
    現代を生きる人間だからこそ、はっとさせられた。

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    2026年06月14日
  • はじめての

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    著者のラインナップに惹かれて手に取った。本作は「はじめて」小説に触れる人を想定したアンソロジーのようだ。各編読みやすいながらも、それぞれの作家さんのカラーがしっかり出ていて、元々抱いていたイメージとすんなり繋がる。あまり小説を読んでいない人が、このうちのどれか一編が気に入って、同じ作家さんの本を読んだら、きっとその本にも満足できるはず。それぞれの作家さんの入り口になれる本だ。
    森絵都さんの描く中学生はやはり生き生きとしていて良いなと思った。私はこの話が好きかな。島本理生さんの作品は儚くて切ない。はじめて人を好きになったときか‥

    YOASOBIとのコラボとのことで、読後にYouTubeで全曲を視聴した。歌詞の中にほぼ物語が入っていてびっくりした(YOASOBIさんはいつもそうなのかもしれないが)先に曲を聴くと物語の内容がわかってしまうので、聴くのは読み終えてからの方がいいかもしれない。

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    2026年06月08日
  • ファーストラヴ

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    臨床心理士の由紀が、ノンフィクションを執筆するための取材で、女子大生の聖山環菜が父親を殺さなければならなかった理由を探っていくミステリー。

    最初は感情が抑圧され自己評価が低かった環菜が、由紀や弁護士の迦葉たちと接するうちに感情を表し堂々と振舞えるようになっていく過程が繊細に表現されていた。

    ミステリーだけど、それだけではない文学的な作品。

    朝井リョウさんの解説も、今作をより深める一助になる解説だった。

    生まれ育った環境が異なり、別の価値観・常識を持つようになった中、同じ事象でも見る人によって意味合いや事実は違ってくる。

    未来や他者の気持ちへの想像力が薄れてきている今、読んでほしい1冊。

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    2026年06月06日
  • 夏の裁断

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    初めは気持ち悪い大人たちだなーいい年して何やってんだかって言う気持ちで読んでたが、いい年した大人だからこそこんな拗れるのかもなと思い直した。
    やっぱり千紘のような、どこか寂しげで頼りない感じの女の人ってなんだかんだ言って男の影が絶えないんだなと思った。

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    2026年06月01日
  • あられもない祈り

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     島本さん作品にしては、あまり好みではなかった。終盤はひたすら長く感じ、ダラダラとした感じ。次回読む作品に期待。

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    2026年05月31日