島本理生のレビュー一覧

  • いつか、アジアの街角で

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    好きな感じの短編集だった。
    特に好きだなと思ったのは、宮下奈都の「石を拾う」と角田光代の「猫はじっとしていない」だった。
    心の底から突き上げてくる怒りをマグマと表現していたり、喪失感からくる寂しさを埋める旅をしてみたり、心の模様を石や猫をモチーフにして上手に描いているところが良かった。
    好きになった作者の他の作品も読んでみたいと思った。

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    2025年02月07日
  • Red

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    展開は昼ドラの域を超えないんだけど
    読ませてくる筆致。

    まあこういうの、ほんとにどこにでもあるんだろうな。

    鞍田さんが「しっかりしてくれよ、、」大賞でした。

    塔子は惚れてるからあんまり疑問に思わない、というか、強引さが現実から離れてむしろ嬉しい、みたいな感じだと思うけど、好意がなければレイプやん、、、みたいな箇所が多々。

    執着も常識を逸脱してる、と感じる。

    自分の機嫌は自分でとって、
    対話を重ねながら相手を慮る気持ちを持てる余裕、
    が大人は大事よね。
    要はコミニュケーション、という当たり前のポイントに着地しました。

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    2025年01月25日
  • 夏の裁断

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    精神的に不安定な状態になった主人公が、静かな生活を送るために、本の「自炊」作業を始める。過去のトラウマを強制的にシャットアウトするという意味で「裁断」と掛けているのかも知れない。キレイに清算するまでには時間が掛かるので、裁断という言葉がシックリきた。
    男性関係を含め、主人公の不安定な状態が沢山描かれており、読んでいて時系列が混乱するところがあった。男性の暴力的な面に惹かれてしまったり、相手の欲望を断れない自分に葛藤している様子が鋭く描かれていて、「この人は大丈夫か?」と心配になるほど、重たいストーリーだった。

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    2025年01月11日
  • いつか、アジアの街角で

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    *あの街の空気が呼びおこす遠い記憶と、かすかな希望、そして――
    人気女性作家6人による、心に染みる珠玉のアジア・アンソロジー*

    どの作家さんのお話もそれぞれの特徴が良く出てるけど、
    全編一様にアジア調の空気が漂っているので統一感もありつつ、
    独特な浮遊感も楽しめる不思議な短編集。

    特に良かったのは、中島京子さんの「隣に座るという運命について」。
    ふわふわと柔らかくて、キュートな登場人物たちと優しい読後感が好き。

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    2025年01月06日
  • 2020年の恋人たち

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    加藤シゲアキの解説が面白くて、「この要素はそういう意味だったのか〜」と自分では思い至らなかったことばかりで興味深かった。主人公の自意識はちょっと中二っぽくて読んでいて恥ずかしくなる部分もあった。

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    2025年01月05日
  • よだかの片想い

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    隠さない自分を世界に認めさせたい、と勇気を持つこと。
    そのためにはしっかりと受け止めてくれる誰かが必要。
    誰かのそんな誰かになれるといい。

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    2025年01月04日
  • Red

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    主人公のフラフラ加減にも男性たちにも共感できずだったんだけどどんどん読んでしまって、島本さんが産後のフラストレーションをぶつけて書いたというインタビューを読んでなんか色々納得した
    自分は変わったはずなのに何も変わらない夫、変わる前の自分に戻してしまう昔の恋人、変わったところを見透かしてくる同僚
    3人に振り回され振り回し、結局行動の根っこには子どもへの愛しさがあるのが母だなぁと
    一番好きなのは実母かな笑

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    2024年12月25日
  • いつか、アジアの街角で

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    6人の作家さんによるアンソロジー
    アンソロジーは買ったことがなかったのですが装丁のマンゴーかき氷に心奪われて手に取りました。

    「停止する春」心に刺さる。また読み返したい
    「チャーチャンテン」読んでいてワクワクした
    「猫はじっとしていない」蜃気楼のような空気感のある話

    私はこの3つがとても好みでした。台湾、香港旅行好きな方におすすめです。
    なんとなく敬遠していたアンソロジーでしたが読んだことのない作家さんの魅力を知るきっかけになってたまにはこうやって新しく本を開拓していくのもいいなと思いました。

    台湾で食べたマンゴーかき氷はほんとうにおいしかった。。また行きたいなぁ

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    2025年01月28日
  • いつか、アジアの街角で

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    6作家の短編集。

    どの作品も作家さんならではの内容でした。

    大島真寿美のチャーチャンテンがいちばんテーマにも合って良かったな。著者作、最近見かけないな、そろそろかしら。

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    2024年12月18日
  • よだかの片想い

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    主人公がコンプレックスから恋愛に億劫になってしまう、って話
    主人公が自分に似てる話に自分を重ねて読む派なんだけど、コンプレックスに対する向き合い方が私と真逆で逆に読み終わったあと悲しくなってしまった。

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    2024年12月09日
  • よだかの片想い

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    ネタバレ

    顔にあざのあるアイコのお話。やはり体にあざがあったりすると、あまり同い年の人よりも大人の人のほうが受け入れてくれるのだろうか。それとも映画監督という特殊な職業だから、普通の人とは違う価値観で受け入れられるのだろうか。
    あざがある=欠点となって苦しむアイコをかわいそうだと思ったけれど、同情はそれはそれでよくないのかもしれない。家族を大切にしているアイコのことは本当にいいなって思いました。原田君との今後は恋愛に結びつくのかわからないけれど、飛坂さんよりも等身大のアイコを受け入れてくれそうな感じがしました。

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    2024年11月03日
  • いつか、アジアの街角で

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    アジアというか東南アジア大好きな私にとって、なんとなくふわっと面白い短編集でした。

    一番好きだったのは、「月下老人」

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    2024年10月23日
  • 夏の裁断

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    島本理生さんの描く女の人って、いつも少し意外だなと言う気がする。
    なぜかはよくわからないけれど。

    孤高で、凛として、強くてまっすぐ、に見えるけど
    実は人並みに臆病で、俗っぽくて、孤独で、自信がなくて、依存症。

    好きじゃないのに共感できる、変な感じ。

    「正しい約束をして、幸せになりたい」
    ずっとそう思っているはずなのに、ずっと言えない感じ。

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    2024年10月20日
  • 星のように離れて雨のように散った

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    島本さんの描く女主人公はいつも出自が変わっていて、学生時代はその子の悲壮感みたいなものにあこがれてたなあ、と思い出した。

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    2024年10月10日
  • Red

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    ネタバレ

    官能的な表現が多い作品だった。塔子は恵まれてる環境と自負しながらも夫婦生活での体の関係がうまくいかないのが悩みだった。友人の結婚式を機にかつての恋人鞍田と出会い、体の解放だけでなく、仕事を続けたかった、夫に育児家事に参加して欲しかったなど我慢していた思いが溢れてくる。
    結婚生活なため読んで納得はするが、実質は理解できないことが多い。恋愛経験が少ない男性は、女性はこうであるべきと考えが強くなり、自分を正当化し女性を卑下してしまうことが多い気がする。それが昭和の男の人やモテない男になりがちの発想になり、塔子や世の中の女性を縛ってしまっている気がした。
    私自身も恋愛経験少ない時は、親と暮らすのが良い

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    2024年10月07日
  • いつか、アジアの街角で

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    私も同じ経験をしているので、「停止する春」は当時の事を思い出すと同時にあれから月日が流れて今居る自分の居場所、気持ちも含めて共感出来るものがあった。

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    2024年10月07日
  • 2020年の恋人たち

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    ネタバレ

    正直、主人公にあまり共感できないまま終わってしまった。独り立ちしたく、男性を嫌い、頼りたくないと思いながら、要所要所で恋をして、身の拠り所にして生きているところに矛盾を感じずにはいられなかった。ただ、人間はこういった矛盾の塊なのではないかなと思う部分もあるので、人間の複雑だがリアルな部分も映しているような感じがした。

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    2024年09月29日
  • 二周目の恋

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    7人の短編。初めて読んだ波木銅の「フェイクファー」が意外に面白かった。学生時代のサークル「ミッシング」で着ぐるみを作ったり着たりして楽しんだ頃と仲間たちの話し。
    「裁縫は暴力の逆だから好き」と言う発想も面白かった。

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    2024年09月28日
  • いつか、アジアの街角で

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    表紙のイメージからてっきり「食べ物」「旅」のアンソロジーかと勘違い。実際は台湾や香港を感じられるアンソロジーでした。

    特に好きだったのは、
    「隣に座るという運命について」 
    幽霊疑惑のエイフクさんとのクスリとなるエピソードが好きでした。大学生が描かれており、懐かしい気持ちにもなりました。

    「チャーチャンテン」 
    初読みの作家さん。何だか“縁”を思わせるストーリーも、作品に漂うごちゃごちゃしてるけど安心感のある雰囲気も、とても心地よくて好みでした。

    「停止する春」 
    「あぁ、これは…」。心が痛むのに読まずにいられない。言葉が自分のなかに爪痕を残していくような妙にあとを引く感じ。島本さ

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    2024年09月26日
  • いつか、アジアの街角で

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    星3.5
    有名女性作家たちが書いたアジアを舞台にしたアンソロジー、と思ったら実際アジアに行った話は角田光代さんのだけだった。アンソロジーのいいところは、普段手に取ることのないようなジャンルの物語を読めること。この中にも、私がいつもは読まないような不思議な話がいくつかあった。
    角田さんの話に出てくる迪化街は去年ぶらぶらして歩いたので、不思議な話でもどこか納得してしまった。また、私は猫にあまり興味がないのだが、角田さんの猫の描写はくすっと笑ってしまった。
    表紙のマンゴーかき氷の絵が好き。

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    2024年09月18日