島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ江戸時代は、だいたい現代?
治められた4つの小説は、どれも名前は聞いたことがあるかな、というもの。読んでみるとスイスイ読める。古典文学だとちょっと遠巻きにしていたのがもったいない。
「好色一代男」これぞエロの大国日本だな、とか思ってしまう。とことん遊んで最後に船出していく世之介を、嫌える人なんていないだろう。源氏物語のパロディと言われて、なるほどと思う。
「雨月物語」いくつかの話は知っていたが、通読するのは初めて。しっとりと、また少し不思議で、少し怪しい。
「通言総籬」つうげんそうまがき。これは知らなかったけど、『なんとなく、クリスタル』ならぬ『なんとなく、総籬』といういとうせいこう訳 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
島本理生の本を読みたいな、と思い手に取った本。
全体的に暗く、かといって強く否定出来ないような恋愛の話。
タイトルの裁断は、作家の千紘が亡くなった祖父の家に住みつつ、祖父の遺した本を裁断し、データ化する「自炊」を行うこと。
本を生み出す側が自らの手で本を解体するという、自傷に例えたタイトルである。
柴田、王子、清野という男性と関わりつつ、最後は自分の過去と向き合っていく。
柴田のようなどうしようもない男を好きになる人は、私の友人を含めて多い気がする。
話を聞くのが上手く、簡単に距離を縮めて、気があるそぶりを見せつつ簡単に裏切るような人。
何も与えないけど、何も奪わない人、という千紘の