島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
心に複雑な問題を抱えた女性が主人公の4つの短編。それぞれにキリスト教神父の金井が絡んで統一感がある。
「夜のまっただなか」の琴子、「サテライトの女たち」の結衣は、真逆なようでいてどちらも自分を大切にできずに深く傷ついている。
パパ活やホスト通いをする結衣の自己肯定感の低さ、みじめな思い。性的描写もキツくて読んでて、金原ひとみの小説を思わせるような場面もある。
後半の2篇「雪と逃ゲル」「静寂」は作者の直木賞受賞作「ファーストラブ」を想起させる内容。作者は、父親から虐待を受けた娘、という設定に相当なこだわりを持っているのかもしれない。
「雪と逃ゲル」は家庭のある女流作家と恋人Kとの特殊な関 -
Posted by ブクログ
ネタバレ江戸時代は、だいたい現代?
治められた4つの小説は、どれも名前は聞いたことがあるかな、というもの。読んでみるとスイスイ読める。古典文学だとちょっと遠巻きにしていたのがもったいない。
「好色一代男」これぞエロの大国日本だな、とか思ってしまう。とことん遊んで最後に船出していく世之介を、嫌える人なんていないだろう。源氏物語のパロディと言われて、なるほどと思う。
「雨月物語」いくつかの話は知っていたが、通読するのは初めて。しっとりと、また少し不思議で、少し怪しい。
「通言総籬」つうげんそうまがき。これは知らなかったけど、『なんとなく、クリスタル』ならぬ『なんとなく、総籬』といういとうせいこう訳