島本理生のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ先生は本当に奥さんのことを泉より好きだったのだろうか。奥さんに対して、愛情よりも、これまでの2人の人生への責任が強くある印象。私は、物語の中に奥さんを選ぶ決定的な理由を見つけられなかったし、泉を選んではいけない理由も同様に見つけられなかった。ここまで弄んだのに、と思ってしまった。
でも、泉と葉山先生が結ばれていたとしても、幸せになれなかっただろうな。先生は奥さんへの罪悪感を抱えていただろうし、泉も「自分のために先生がそれまでの人生を捨てた」という重さを背負うことになると、それはそれでまた苦しい。長くは続かなさそう。
小野くんの豹変も印象に残った。泉を傷つけることでしか自分のプライドを守れなくなったのかな。3人とも、相手の気持ちは自分の思い通りにはならないということに苦しんでいたように思う。好きだから一緒になれるわけではないという、ままならなさが強く残った。 -
Posted by ブクログ
----------------------------------
あの人と過ごす
何気ない「おやつ」の時間が、
今日を乗り切る力をくれる。
おいしいものを愛する作家陣が贈る、
心とおなかの空腹をあたたかく満たす連作短編集。
----------------------------------
好きな作家さんが多く参加されていて購入しました。
これもかなり前に読んだので記憶が曖昧ですが。
ぱらぱらページをめくると少しずつ思い出してきました。
島本理生さんの「楽園の代わりのカッサータ」が好きでした。
議員と不倫という不毛なことと、
切ないけどなんか爽やかな部分もあって。
他の作品も同級生や親子等で、
忘れられない瞬間と食べ物が。
読後が良いアンソロジーでした。 -
Posted by ブクログ
「私だけの所有者」:自我を持つロボットが語る物語としてはこれで3作目になるが、ストーリーが最もシンプルだったため、肩の力を抜いて最後まで楽しむことができた。Lee Baconの『Interview with the Robot』では、主人公のロボットがほぼ最後まで自分を人間だと思い込んでいたため、終盤に差し掛かると胸が締め付けられるような思いをした記憶がある。また、石黒カズオの『Klara and the Sun』では、伴侶ロボットが最後まで誰にも選ばれず、販売所から廃棄場に至る過程が彼女の視点から語られており、衝撃的なほど斬新で、かつ重い読後感があった。これら二作と比べると、本作は機械知能の存在意義を深掘りするのではなく、むしろロボットという存在を介して「人間の意識」について思索しようとしているのではないかと感じた。
「ユーレイ」:このアンソロジーに参画した4人の作家のうち、これはおそらく辻村深月さんの作品だろうと、読んでいるうちに直感的に分かった。以前読んで心を揺さぶられた『傲慢と善良』を強く匂わせる雰囲気があったからだ。人の心を捉えて離さない筆力は、相変わらず圧巻だった。 -
Posted by ブクログ
包丁が父の胸に刺さってしまった。
そんな殺人めいた言葉を発して、多摩川沿いを血まみれで歩く女子大生、聖山環奈。
彼女を担当する弁護士と、彼女をケアする臨床心理士は、彼女の言葉と過去に向き合いながら、事件に隠された何重もの秘密を紐解いていき、ある真実へとたどり着く。
感想です。
島本理生さん初読みになります。
この作品を知ったキッカケは、どなたかのTikTok動画で『衝撃を受けた作品』を観た際、ラインナップされた作品の中で、本作が未読であった所から手に取りました。
(他は『十角館の殺人』『イニシエーション・ラブ』『葉桜の季節に〜』が紹介されていました)
導入部分はミステリアスな雰囲気で、続きが気になる衝動に駆られます。ただ後半はパズルのピースが揃ってくるので結末を予想しやすく、冒頭のTikTok動画を観て知った私にとっては拍子抜けでした。
とはいえ、本作はとても読みやすく、重たい内容かもしれませんが良い作品でした♪
作中の痛々しさは、千早茜さんの『神様の暇つぶし』を思い出しました(^_^;) -
Posted by ブクログ
叔父と姪の恋愛。普通では忌避される関係ではあるが、「回りからなにか言われるたびに揺れるのは抗いようがない。それでも遼一さんという初恋から解放されて自分の人生を取り戻したいとは、やっぱり微塵も思わない。」とまで思える人に出会えた奇跡。
最近よく普通を考えさせられます。今の自分は社会的に見ても、王道を歩み、そして幸せなんだと思います。これを普通と思えるのはあまりに幸せ過ぎると言える一方、どこか普通を演じている自分もいるなと思うときがあります。
性別は違えど、永遠子のような考えにどこか共感できてしまうところもあり、読んでいてむず痒さがありました。