島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表現は綺麗で上手。
今でも読みやすい。
後半は、ごちゃごちゃになっていったな、というのが、個人的な感想。
特に柚子の死が、作中の道具のような感覚がしてしまった。
性被害は「驚き」ではあるが、周囲への影響は限定的で、そのあとの主人公たちのセックスへ繋がる事件になっているが…
主人公は、誰かに付き纏われても、恋人か先生にしか頼る相手がいない。
つまり、大学で一切、友人を作らない。
イジメのトラウマもあるのだろうが、そこまで繊細なら、柚子の死に、もっとセンシティブになるのではないか?
自分の体験のように感じるのでは?
相手が一生の片思いの相手でも、その後にセックスを受け入れる主人公は…小野くんと同 -
Posted by ブクログ
作家 島本理生が編者となり
田辺聖子流の女の一生を存分に味わう一冊として収録作品を選んだのだそう
田辺聖子(1928〜2019)大阪生まれ1964年芥川賞受賞 91歳で永眠した田辺聖子には一生をかけて刊行した約700冊もの作品がある
生涯を通して「楽しさ」を追求し、日常を謳歌することの大切さを人生そのもので表現した
6作からなる短編集
その中のひとつ
感傷旅行(センチメンタルジャーニー)は1964年芥川賞受賞の作品…
昭和39年こんな感じなの?党員って?
私には何だかよくわからなくて斜め読みしてしまいました
それ以外では楽しめました
昔の関西弁?で軽快で、根底ではユーモアを忘れていない、と -
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Posted by ブクログ
銀河鉄道の夜を通した賢治の宗教観と、小説を書くという振る舞いを通して、自らの内面や、他者との関係性に向き合う話。
2020年が舞台なので、コロナ禍ならではの描写が生々しく、あの日々がこうして文学の中に記録されていくんだな。
主人公は、上品で頭が良くて、頑な。
自分の価値を信じられないと言うけれど、実は自己評価が誰よりも高く、だからこそ世間や他者の視線や評価を求め苦しむ、どこにでもいる女性。
彼女を魅力的に感じて、見守りたいと思えるかどうかで、大分評価が変わるかな…と思った。
個人的には、主人公が他者の言葉で自らの傷に気付かされる場面が多く(というか全てこれで)、そこでようやく「そうだ、そう