島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと書影の雰囲気、あらすじに惹かれて読んでみた。星評価は3.5の気持ち。
タイトル通り「ノスタルジー」や「後悔」といった、憂いの空気を感じられるものが好きな人は楽しめそう。
ただ、若干のファンタジーというかスピリチュアルっぽい要素はあるので、それを受け入れられるかで好みが別れる気がする。
創の大型犬のような可愛らしさと、時折見せるイラッとポイントの塩梅が絶妙。自分がどちらかというと紗文の年齢に近いのもあり、共感できる部分が多かった。
イギリスの果てまで行ったところは、なんとなくカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を思い出した。
それぞれの後悔に決着がついて、新たな一歩を予感させる爽やかな読後感も好き。
初の島本理生作品だったけど、文章の雰囲気が好みかもしれない。他の作品も読んでみたくなった。 -
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◼️ 島本理生「一千一秒の日々」
「ナラタージュ」の同年、著者22歳の年に刊行の恋愛短編集。恋愛の「間」や不規則性。
島本理生はそれなりに読んだかな・・。「シルエット」「リトル・バイ・リトル」「生まれる森」「ナラタージュ」「週末は彼女たちのもの」「Red」「ファーストラヴ」「まっくろいたちのレストラン(絵本)」
今作は大学生世代の恋愛を描いている。それぞれモノローグの登場人物はある友人関係に、彼ら彼女らが行くバーの店員などで、別視点で浮かび上がる微妙な姿が興味深い。
4年間付き合った哲の態度がおかしい。終わりを予感する真琴。(風光る)
真琴の親友、瑛子は演劇部の公演の後、同じ大学で面識のない遠山から花束を渡され、猛烈なアプローチを受ける。周りの期待をよそに、その気はない、と言いつつデートには出かける。(七月の通り雨)
距離感と感覚。恋愛には正解がなく、また理不尽に見えても気持ちが変わったら止めようがない。自分が大学生だった時を思い返す。そう、深刻に考えることも多いし、男女ともに、ふつうに彼氏彼女を求めていて、お出かけくらいはしても、なんか合わなくてうまくいかなかったりする。瑛子はもう少し変わっててきまじめでエキセントリックな面もあると受け止めたけど、なんか気持ちは分かるような気もする。
別れの予感、も別れてからのあり方、も想い出に結びつく。そういう意味では、世代は違えど繊細にそして、読者が敏感に気づくような筆致で描く。佳作「ナラタージュ」と同様に、大人になりかけの、特殊な時期の恋愛模様をみずみずしく、時に微笑ましく物語として構築している。
既読の作品は、初期と少し離れた、比較的最近の、やや過激なもの。間の何作かは読んだっけ、どうだっけ・・だった笑。10代で文壇デビュー、年代により変化があり興味深い。未読のものを探して、また読もう。
ちなみに稲垣足穂「一千一秒の物語」も読んだけど、オマージュなのかどうかは、分かりません。 -
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ネタバレ臨床心理士の由紀の視点で、父親殺人容疑の環菜(アナウンサー志望の就活生)とその家族、夫の我聞とその血のつながらない弟迦葉との関係が描かれる。
父を死に至らしめる事となった大元の原因は、画家である父親(血縁のない)の催すデッサン会のモデルを中学生の頃からさせられ、裸の男性モデルと背中合わせで"普段の10倍集中して観察する若い男たち"の視線に長時間晒されるという(立派な)性虐待と、その後の環菜の自傷行為にあった、というところに辿り着くのだが、そもそもその状況を作った元として、父親、母親其々の育ち、境遇などなど様々な環境も影響しているという所まで描かれるのは、臨床心理士目線ならではの感があった。 -
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いろんな人の性への考え方があって、理解できるものもあれば出来ないものもあった。
自分の性に対する考えをもっと整理したいと思った。
藤野可織さんの話は首がもげるほど共感できた。
特に共感した部分。
「私は自分が子どもを望んでいるのかどうかわからなかった。いくら考えてもわからなかった。私は体力がなくて、だいたい無気力で、まともな生活もできず、一般の人よりも劣っていると言う感覚があった。子供なんて産んでしまったら責任のある決定をたくさんしなければいけなくて大変だし面倒だし疲れるだろうと思った。」
「私は、自分をコントロールできるということに振り回されていた。当たり前でありながら得難い素晴らしい権利に気持ちをぐちゃぐちゃにされ、一瞬ごとに子供がいてもいいと思ったりいたら終わりだと思ったりしていた。自分が情けなかった。」 -
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長編の作品だったけど、2週間かからず読み終わった。
やっぱり島本理生先生の作品は読みやすいなと思う。長編でも読む手が止まらなくて、気づいたらどんどん読み進めていた。
塔子の気持ちは、分かるが半分、分からないが半分だった。
ただ、無意識に「普通」を求めてしまうところは少し分かる気がした。
私自身も、普通でいることで安心感を得ようとしているところがあると思う。
だから、塔子の気持ちや選択を全部理解できるわけではないけど、そういう部分では少し自分と重なるところがあった。
鞍田さんは、さすがだなと思った。
なんというか、島本理生先生の作品に出てくる男性らしい男性だなと。
こういう人を描くの、やっぱり上手だなと思う。
官能的な描写が結構多めだったので、そこはちょっとだけ苦手だったかも。
今回は星3.5くらい。
島本理生先生の作品で大好きなものが他にもあるので、それと比べるとこのくらいかなという感じ。
でも、長編なのに2週間かからず読み終えられたし、島本先生の文章の読みやすさや、登場人物の心の描き方はやっぱり好きだなと思った。
映画も今度観てみたい。
原作を読んだ今、映画ではどんなふうに描かれているのか気になる。 -
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とても不思議なお話
創と紗文は年齢は離れているけれど境遇がかなり似ているからか、紗文がどんなに大人として振る舞っていてもなんだか痛々しい共依存にしか見えなくて、、、
2人の関係が妙に危なっかしいというか、いつかどちらかがスーッ…っと消えてなくなりそうな細々とした感じがヒヤヒヤした。
所々、ファンタジー要素が入るのでちょっと???な部分もあるけど、そういうのもこの2人にしか分からない世界なんだろうな、と。
紗文はたぶんモテるんだろうけど川名さんみたいな、生命力がしっかりしてる人間とはたぶん上手くいかないと思う。
青野さんや創みたいな、いつの間にかふわふわと消えていきそうな生命力の薄そうな人間に惹かれるんだと思う。
でも青野さんが抱えてた秘密が…衝撃的で…汗
紗文は辛いだろうけれど前を向けてよかったと思う。
ただ、創と紗文は離れてはくっついてを繰り返していきそうだなぁ〜