島本理生のレビュー一覧
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ネタバレ臨床心理士の由紀の視点で、父親殺人容疑の環菜(アナウンサー志望の就活生)とその家族、夫の我聞とその血のつながらない弟迦葉との関係が描かれる。
父を死に至らしめる事となった大元の原因は、画家である父親(血縁のない)の催すデッサン会のモデルを中学生の頃からさせられ、裸の男性モデルと背中合わせで"普段の10倍集中して観察する若い男たち"の視線に長時間晒されるという(立派な)性虐待と、その後の環菜の自傷行為にあった、というところに辿り着くのだが、そもそもその状況を作った元として、父親、母親其々の育ち、境遇などなど様々な環境も影響しているという所まで描かれるのは、臨床心理士目線ならではの感があった。 -
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いろんな人の性への考え方があって、理解できるものもあれば出来ないものもあった。
自分の性に対する考えをもっと整理したいと思った。
藤野可織さんの話は首がもげるほど共感できた。
特に共感した部分。
「私は自分が子どもを望んでいるのかどうかわからなかった。いくら考えてもわからなかった。私は体力がなくて、だいたい無気力で、まともな生活もできず、一般の人よりも劣っていると言う感覚があった。子供なんて産んでしまったら責任のある決定をたくさんしなければいけなくて大変だし面倒だし疲れるだろうと思った。」
「私は、自分をコントロールできるということに振り回されていた。当たり前でありながら得難い素晴らしい権利に気持ちをぐちゃぐちゃにされ、一瞬ごとに子供がいてもいいと思ったりいたら終わりだと思ったりしていた。自分が情けなかった。」 -
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長編の作品だったけど、2週間かからず読み終わった。
やっぱり島本理生先生の作品は読みやすいなと思う。長編でも読む手が止まらなくて、気づいたらどんどん読み進めていた。
塔子の気持ちは、分かるが半分、分からないが半分だった。
ただ、無意識に「普通」を求めてしまうところは少し分かる気がした。
私自身も、普通でいることで安心感を得ようとしているところがあると思う。
だから、塔子の気持ちや選択を全部理解できるわけではないけど、そういう部分では少し自分と重なるところがあった。
鞍田さんは、さすがだなと思った。
なんというか、島本理生先生の作品に出てくる男性らしい男性だなと。
こういう人を描くの、やっぱり上手だなと思う。
官能的な描写が結構多めだったので、そこはちょっとだけ苦手だったかも。
今回は星3.5くらい。
島本理生先生の作品で大好きなものが他にもあるので、それと比べるとこのくらいかなという感じ。
でも、長編なのに2週間かからず読み終えられたし、島本先生の文章の読みやすさや、登場人物の心の描き方はやっぱり好きだなと思った。
映画も今度観てみたい。
原作を読んだ今、映画ではどんなふうに描かれているのか気になる。 -
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とても不思議なお話
創と紗文は年齢は離れているけれど境遇がかなり似ているからか、紗文がどんなに大人として振る舞っていてもなんだか痛々しい共依存にしか見えなくて、、、
2人の関係が妙に危なっかしいというか、いつかどちらかがスーッ…っと消えてなくなりそうな細々とした感じがヒヤヒヤした。
所々、ファンタジー要素が入るのでちょっと???な部分もあるけど、そういうのもこの2人にしか分からない世界なんだろうな、と。
紗文はたぶんモテるんだろうけど川名さんみたいな、生命力がしっかりしてる人間とはたぶん上手くいかないと思う。
青野さんや創みたいな、いつの間にかふわふわと消えていきそうな生命力の薄そうな人間に惹かれるんだと思う。
でも青野さんが抱えてた秘密が…衝撃的で…汗
紗文は辛いだろうけれど前を向けてよかったと思う。
ただ、創と紗文は離れてはくっついてを繰り返していきそうだなぁ〜 -
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ネタバレ先生は本当に奥さんのことを泉より好きだったのだろうか。奥さんに対して、愛情よりも、これまでの2人の人生への責任が強くある印象。私は、物語の中に奥さんを選ぶ決定的な理由を見つけられなかったし、泉を選んではいけない理由も同様に見つけられなかった。ここまで弄んだのに、と思ってしまった。
でも、泉と葉山先生が結ばれていたとしても、幸せになれなかっただろうな。先生は奥さんへの罪悪感を抱えていただろうし、泉も「自分のために先生がそれまでの人生を捨てた」という重さを背負うことになると、それはそれでまた苦しい。長くは続かなさそう。
小野くんの豹変も印象に残った。泉を傷つけることでしか自分のプライドを守れなくなったのかな。3人とも、相手の気持ちは自分の思い通りにはならないということに苦しんでいたように思う。好きだから一緒になれるわけではないという、ままならなさが強く残った。