島本理生のレビュー一覧

  • 夏の裁断

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    芥川賞候補作で表題作の『夏の裁断』に、三編の書き下ろしを収録した、文庫オリジナル。

    正直柴田のような男性には嫌悪感しかなくて、表題作を読み進めるのはとても苦痛でした❗️しかし、『秋の通り雨』以降、千紘が少しずつではあるけれども、前向きに進もうとしている姿に共感して、最後は温かい気持ちで読み終えることができました❗️

    『夏の裁断』のみの話しであったなら、不快感しか残らない作品になっていたと思いますが、後日談の三編を加えることで物語に深みを感じることができました。またまた好きな島本作品を見つけてしまいました❗️

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    2025年12月04日
  • 天使は見えないから、描かない

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    この作家さんのドロドロな恋愛作品大好き。

    歪な欲望って、ちょっと気持ち悪いと思う反対側で、そこまで愛せて羨ましいとも思う。


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    2025年12月03日
  • 星のように離れて雨のように散った

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    何だかとても気になるタイトルで購入したけれども、ずっと積読していてようやく読もうと思った14作目の島本 理生作品。

    島本 理生作品にしては珍しく、クズな男性キャラクター(父親は例外です❗️)が登場しないので、思っていた以上にテンポ良くサクサクと読むことができました。お互いに大きく傷つきたくないと、腫れ物に触る様な付き合いをしている春と亜紀君の関係に、少しヒヤヒヤして読んでいましたが、島本作品の中でも決して悪くない読後感です。

    一番好きなキャラクターは、作家の吉沢 樹先生です❗️彼の春に対する冷静な観察と対応が、亜紀君との不穏な空気の繋ぎ止めの様に思えて、安心して見ていられます。

    あとがき

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    2025年12月02日
  • 天使は見えないから、描かない

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    不倫始まりからの相手は叔父。
    終始一貫、叔父さんダメでしょ。としか。
    覚悟をきめて飛び込んできたから受け入れたとかダメでしょ。窘める場面だよ、そこは。
    設定が受け入れられないのに、それでも読ませる島本理生すごい!!

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    2025年12月02日
  • 一撃のお姫さま

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    ネタバレ

    5作の短編集。
    いろんなことが積み重なってしまった女性の話から始まり、「妖艶で美しい」と思われるような名前をつけられた女性の話、キリスト教を専攻している助教授と宗教団体から逃げてきた若者の話、同居している義母が庭に張ったテントで暮らし始めた話、作曲のために1ヶ月で100万円をホストに使う話。

    基本的には多くの話が女性があまり幸せとは言えないような立場に立たされてしまっているような印象が多かったので、ザ島本理生先生って印象。
    一番のお気に入りはテントで暮らし始めた義母の話。自分の発達障害の部分をそうと知らず「自分だけのきらきらしたガラクタ」と思っている義母が素敵だな。それに対する葉子さんの返し

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    2025年11月30日
  • 天使は見えないから、描かない

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    ネタバレ

    結局譲れないほど好きな人がいるのだから
    その人以外じゃダメなんだと言う話
    彼女が出会ってきた男性が皆ダメな男と
    言うわけじゃない
    叔父さんじゃ無いから、叔父さんと違うから
    好きになれない、嫌な部分が目に付く
    親に絶縁されたって彼女にはこれしか
    残ってない生き方
    【私の男】みたいな話なのかと思ってたが
    全然違った
    読み終えたあと私には叔父が居たのかな?
    と考えた
    あぁ、居たなぁ1人
    でも異性としてなんて全然意識したことなんて無かったな笑

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    2025年11月23日
  • ファーストラヴ

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    性被害に遭うと、その過去を「あんなこと大したことじゃない」と思い込みたくて性に奔放になる人がいる、という話はどこかで聞いたことがある。心の傷を守るための防衛本能だと。
    読んでいて、そのことを思い出した。

    レイプや痴漢だけが性被害ではない。
    幼い頃に受けた「気持ち悪かった」「怖かった」という漠然とした感情がトラウマとしてずっと心の中で燻り続け、その後の人格形成にも大きく関わってくる可能性があるのだということを目の当たりにさせられた。

    言いたくても言えないし、
    言ったところで理解してもらえないかも知れない。
    理解してもらえなかったら、もっと傷は深くなる。
    性被害者の多くは、ひとりで抱え込んでい

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    2025年11月23日
  • 私の身体を生きる

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    「汚してみたくて仕方なかった」鈴木涼美
    売春が無くならないのは、男側の問題の方が大きいけど、自分に値打ちが付くことに依存する女側の問題もあるのかもしれないと思った。女は性処理として利用されてきた時代が長く続いたせいもあり、完全に無くすことは難しいのだと悟った。

    「トイレとハムレット」宇佐見りん
    面白かった、、!確かに腹痛と苦悩のポーズは似ている。舞台が好きな理由として「シンプルだから」っていうのはすごく腑に落ちた。たった一つの物語、感情を演じているだけだもんな。現実の方が感情ごちゃ混ぜで騒がしいもの。

    「私の三分の一なる軛」児玉雨子
    生物は毎日ちょっと死んでおかないと生きられないって興味深

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    2025年11月22日
  • ファーストラヴ

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    ネタバレ

    父親殺害の容疑で逮捕された女子大生の心情を描くために取材する臨床心理士の由紀と国選弁護人として弁護する義弟の伽葉による物語。
    こう書くとバディものの小説っぽいが実際は2人は訳ありの関係。

    直木賞ということで割と期待してたが個人的には刺さらず。
    ハッピーエンド的な人間関係に振り切っているかといえばそうでなく、一方で扱うテーマも小児性愛とか買春とか、ネグレクトっぽい感じで寄り添いにくいからだろうか。

    恵まれた環境で育ったからこそハマりきれない読み手の感受性が足りず、ということだろうか。総じて女性目線の感覚の小説。

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    2025年11月22日
  • ファーストラヴ

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    想像することをやめない、自分の気持ちも含めて。
    ふとしたときに忘れてしまうこと、意識し続ける努力を怠りたくない。私が小説を読み続ける理由のひとつだと思った。

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    2025年11月19日
  • ファーストラヴ

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    本を閉じて何時間も経つのに、いまだにどきどきしている。そのくらい私の心をとらえる物語だった。臨床心理士と聞くとついカウンセリングを想像してしまうけれど、面会室での環奈と由紀の関わりはあくまでもインタビューであり、セラピーではない。あと、環奈については異なる見立てもできる。たとえば「慣れてはいるけど」(p. 242)は分離不安じゃなくて見捨てられ不安では?とか。読むほどに編み直しの可能性を感じる物語。

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    2025年11月16日
  • ファーストラヴ

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    ネタバレ

    めちゃ面白いのに、主人公がバディみたいな関係だった男と実は昔性行為してて、その男の兄と結婚したって言うエピソード出てきてゴリつまらんくなった。でもこういうのが幼少期の性的な虐待や嫌な思いをした経験の裏返しになるのかなーー面白いけどこれだけ引いた。なくてもよくないか。

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    2025年11月15日
  • ご本、出しときますね?

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    村田沙耶香さんのインタビューを読み漁っていたところこの番組を知り、当方リトルトゥースでもあるので是非観てみたいと思い、映像を探していたら書籍化されてるとの事で読みました。
    若林さんと仲の良い西加奈子さんや朝井リョウさんのインタビューも載っていてとても面白かったです。

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    2025年11月09日
  • イノセント

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    ネタバレ

    結局三角関係の勝者になれるのは心の支えになってくれる男じゃなくて、 世俗の幸せを保証してくれる男なのね。
    子どもたちと三人で生きる決断をしてほしかった。
    真田が二度と比紗也を傷つけないことを祈るしかないけど。
    散々 精神的 宗教的な話をして 結局そのハッピーエンドなんだなと感じた。
    身体の交わりがなくても異性の信頼を得ることことはできる、でも交わって子どもを設けることの前には無力ってこと?
    どんな思いで如月が真田を比紗也のもとに送り出したか考えると苦しくなる。

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    2025年11月08日
  • Red

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    ネタバレ

    映画見てから小説読んだ

    官能的でとても濃厚でした
    映画では2人が美しくて圧巻されたが
    小説ではもっと深く塔子がはまっていく姿が
    印象的で魅力的だった

    女として生きるのか親として生きるのか
    葛藤していたが私は子供のことを思って
    戻ってきてーって思った

    夫のことばかり強く言うのは
    少し違うかなと思った
    性に関して自分の本音を言うのは
    恥ずかしいしむずかしい
    分かってもらえるのはもっとむずかしい
    けどコミュニケーションって大事だなって
    思った

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    2025年11月03日
  • 私の身体を生きる

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     身体や性についてのエッセイ集。この中で柴崎友香さんが呈示していた疑問「なぜ書き手の性別を限っているのか」、私もこれと同じことを思った。もう、このフェーズは終わっていないか。いま、同じテーマで、男性やその他の性の人の語ることも聞きたいし、それらが同じひとつの場所に並べられているところを見たい。
     どのエッセイもそれぞれ興味深かったし、色んな方向に心動かされたが、上記の意味で、柴崎さんが「このような疑問を私が持っていることを編集者と共有できたので、書くと返答した」という経緯を書いてくれていたことが、いちばん嬉しかった。もちろん、疑問の詳細は私が書いたこととは違ったけれど。

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    2025年11月02日
  • 一撃のお姫さま

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    読みやすく面白かったけど、少し記憶に薄い。著者の書き方が上手くてするする読めてしまったから記憶に薄いのか、書き方にセンスがあって内容がそこまでの力がなくて記憶に薄いのか。どちらかまだわからないけど確かに言えるのは、爽快感ならぬ読快感はひしひしと感じる。
    目次の説明をみて思い出し、宗教2世の話とタイトルにある話は読み応えと何か意思をもったテーマがあるように感じた気がするけど、時間をたってさあ感想を!と思うと…どの章もでてきた主人公は痛みをもちつつ毎日をしっかり生きてる人達で応援したくなる。前向きになる1冊

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    2025年10月30日
  • 一撃のお姫さま

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    タイトルかっこいい!
    恋愛と自分との距離をつかもうともがくお姫さまたち
    恋に溺れず、流されず。クールでしたたかな主人公が多かった

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    2025年10月30日
  • よだかの片想い

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    ネタバレ

    もっと飛坂に振り回されながらもコンプレックスを乗り越えていくのかと思ったら、意外と純愛だった。

    アイコはちゃんと最初から強かった。

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    2025年10月29日
  • はじめての

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    全員好きな作家さんでYOASOBIもよく聴かせて頂いております。

    島本理生と宮部みゆきは世界観の設定が短編としては複雑過ぎて置いてけぼり感が強かった。
    辻村深月はまぁ少しの驚きはあるものも普通かな、と。
    この中では森絵都が一番キャラ造形と笑いと青春が混ざりあっていて面白かったです。

    YOASOBIの歌詞と併せて読んで聴くととまた違う感動がありました。

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    2025年10月25日