あらすじ
お願いだから、私を壊して。ごまかすこともそらすこともできない、鮮烈な痛みに満ちた20歳の恋。もうこの恋から逃れることはできない。早熟の天才作家、若き日の絶唱というべき恋愛文学の最高作。
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Posted by ブクログ
葉山先生は自分勝手
僕が君に与えられるのは
これしか無かったのかって
最後に交わるの
壊して壊して、傷つけて
あなたの事を忘れたいと思える用に
もう会いたくないって思えるように
柚子ちゃんが死んじゃうのは辛かったな
殺さないで欲しいから、よがった振りをして
相手をたてて、自分の尊厳を手放した
その事が原因で辛かったのも印象的
黒川とあの子は結局留学戻ってきても別れなかったのかな。
葉山先生への独白のシーンが好き。
セリフが続いて、地の文が浮き上がってくるの。
声が聞こえてきた。
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私を初めて見つけてくれた時から、ただあなたの事が好きだった。誰といても何を見ていても、思い出すのはあの時の廊下や社会科準備室。どんな会話をしたか一言一句思い出せる。私を大切にしてくれていたという片鱗が、私を苦しくもさせるし癒してもくれる。
それはきっとこの先誰と出会っても恋に落ちてもきっと繰り返す痛み。
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最後の方は、酒を飲みながら読んでいたのもあってか、読み進めたいのに読み終えたくない気持ちにさせられた。
先生と生徒という、あまり好きではない題材だったが、気持ち悪いという感情が全くなかった。
ハッピーエンドではなく、読み終えて苦しく、儚い気持ちにさせられる。
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賛否両論あるようだけど、私には葉山先生の気持ちも泉の気持ちも痛いほどわかってすごくスッキリする終わり方だと思った。
どんなに気にかける存在になってもどんなに好きだと思っても、大人になって何か責任を持ってしまったら恋だの愛だのだけではどうしようもない事も叶わないこともある。こなしていかなきゃいけない日常の中で、似た者同士で助けを求めてしまうこともあるし、それなら泉を選べば万事解決なのか?と言われた時そうしない葉山先生は、わたはむしろちゃんとした人間だなと好感を持った。
責任だとか自分の幸せと他人の不幸せとか、このふたりの問題の根深いところを小野くんとのラフな会話の中に散りばめているのが良かった。
物語の中で流れる音楽や生活音の描写が丁寧で、映画を観てるような感覚になれたのも美しかったです。
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演劇部の女子高生(〜大人)と教師の恋の話。切ないし儚いんだけど、センチメンタルではなくなぜだか温かい気持ちになる。でも籍入れたままなのを黙ってるのは良くないなあ。
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よかったなぁ。
先生も凄く自分勝手なんだけど、読んでて不快じゃないのよー。
小野くんもほどよく嫌なやつで、フラれても可哀想って思えなくていいのよー。
泉もちゃんと身をひいてさ。大人だよね。
何年たっても相手を想って泣くような事ある?ないわ。
素敵。
懐中時計がセーラームーン世代には刺さる。
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久しぶりの恋愛小説。
初めて読んだ島本理生さんの本は「私だけの所有者」だったかと思います。あれを読んだとき、私はまだ確かピーーーー歳(ぼかした…)で、今思うと内容を理解できていたんだかいなかったんだか…って感じでした(←おい
「ナラタージュ」はそれから何年か経ち(?)、そういえば島本理生さんの本あれ以来読んでないな…と思い、読んだ作品です。
前置きが長いですがもう少しお付き合いください()
私は前々から『教師×生徒』というジャンルがどうしても受け付けず…(これもなぜかは覚えてないのですが…)。
別に教師と生徒の恋愛が気持ち悪いとか否定的な考えなのではなく、ただジャンルとしてなんか受け付けなかったと記憶しております(好きな方はすみません…
どうでもいいですが補足しておくと食わず嫌いではありません…
で、普段から、タイトル、作家、表紙の3つが読む本を選ぶ基準のため何も知らずにこの本を開きました。
(ちなみにナラタージュを選んだ理由は覚えてません、たぶんナラタージュという単語を知らなかったので気になったのではないかと思っております(適当))
しかもこの頃、というか少し前頃から、読むジャンルが恋愛→ミステリに移行し始めてた時期だったんですよね…。
はい!結論から言います!!
この本めっっっっっちゃ好みでした!!!
なんであんな受け付けなかったのかは置いといて。
まぁこれはただの教師×生徒とも違うけれど……
言葉にするのが難しいのですが、人間関係がすごくドロドロなのに、嫌にならずに読める、みたいな。
グレー歴史のため(グレー歴史とは)、詳細は言えませんが、
実は私もピーーーー歳(2回目)のとき、好きだった先生がいたんですよ……(遠くを見る目)
なんか卒業してから連絡してもらえるって羨まs…
じゃなくて!不思議なもどかしさというか…モヤモヤ感というか…とにかく感情の描写がきれいです。
結末が大好きな作品。
いやぁ…あんなに教師と生徒の恋愛もの好きじゃなかったのになんで先生のこと好きになったんだろうか…今更すぎだけど。というか、そのせいで読みたくなった説はありますが(どゆこと…
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「お願いだから、私を壊して-壊れるまでに張りつめた気持ち。ごまかすことも、そらすことできない‐二十歳の恋」
島本理央さんが著者の「ナラタージュ」を紹介いたします。
この本を読もうと思ったきっかけは、冒頭の帯の文章に惹かれたからです。
気持ちが高ぶっていそうなのに、どこか繊細さを感じるこの文を読んでどんな風に言葉を選んで書かれているのか気になりました。登場人物は主に3人で、主人公の泉・泉の高校の先生、葉山・泉と大学時代付き合っていた彼氏の小野くん。
三者三様にどこか危うい部分があり、恋愛の闇における部分を痛いくらいに表現されています。
私は3人の中で、特に主人公の泉に共感しました。泉は高校の時の部活の顧問、葉山先生を忘れられないでいます。
泉が葉山先生を忘れられない理由はいくつかあると思いますが、私は「弱っていたときに心の支えになってくれた」のが大きいと思います。
クラスに馴染めなかったとき、手を差し伸べてくれた葉山先生は泉にとって心のよりどころになっていて、そういう存在である葉山先生のことはいつまでたっても忘れられないでいる。そんな気持ちにとても共感しました。
あとはやっぱり帯の文章で感じた通り、島本理央さんの書く文章は繊細で表現力がすごい!
天候だけでなく、月でも表現するところが私は好きです。
透明な月、細い月に柔らかい光、月のない夜空、理科の教科書のような月・・・。
主人公の心の穏やか具合を細い月の柔らかい光で、心が死んで何も感じなくなったことを理科の教科書の月のような無機質なものに例えてしまう文才に惚れ惚れしました。
この本を読み終えて、私が一番救われたなと思ったことは「恋愛における最後がハッピーエンドじゃなくてもいいんだ」ってこと。
ハッピーじゃないとどうしても終われないと思っていたけど、恋愛に正解も不正解もなくてただ自分が好きだった事実をちゃんと思い出せればいいことを教えてくれる本です。
Posted by ブクログ
再読完了。
初めて読んだのは、高校生の時だったので、深く物語を理解するには至っていなかったと思う。単に先生と元生徒の恋愛小説だったという記憶に留まっていた。
だが、大人になって読み返してみると、少しばかり捉え方が異なっていた。
葉山先生は、やはりずるく、傲慢な男だと思う。誰も傷つけたくないが故に、向き合うことから逃げていたなんて、泉の前で言えるところが、彼の至らないところであり、勝手だ。教師としての彼は、穏やかで頼り甲斐があっても、男性としての彼はまだまだ未熟な部分も大いに秘めていたことが分かる場面だった。
泉を大事に思うことで、妻を大切にできるんじゃないかと思ったなんて、こうも明け透けに発言するだろうか。
泉も葉山先生にされたように、小野を利用していたことからして、救いようがない可哀想な人だと思っていたが、やはり葉山先生はその上を行くほど、残酷な人だと思う。最後の最後まで、泉の中から出て行こうとしないことが、泉の為を思っての優しい判断ではなく、結局は自分自身の私利私欲を貫いていると感じてしまうし、どこまでも我儘な人だなと思った。
高校生の時に読んだ後は、結局泉の一方通行で、葉山先生は泉越しに奥さんだけをずっと愛していたんだと思ったけど、今読み返してみると、きっと葉山先生は、泉が思ってる以上に、幼稚で、弱くて、脆く、少年のような心を持っていて、泉が思ってる以上に泉のことが好きだったんだなと思う。
また次、この本を読み返す時が来た時、今とは、違う気持ちが芽生えているんじゃないだろうか。
Posted by ブクログ
小野くんかもしれないし、泉かもしれないし、自分はあの恋情を言語化して思い出すことができるとは思わなかった
大学生の頃は独りよがりのセックスも思いもがけない振られ方も全部謎だったけど俯瞰して見てみると全部繋がるんだな、、、
Posted by ブクログ
1人の人をここまで愛せるなんて羨ましい。恋愛でこんなに涙を流したり夜中に飛び出したり一日中歩き続けたり‥でもお互い愛し合っているとわかっているのに一緒にならないところがもどかしい。どちらかといえば小野くんと付き合っていた時の泉と自分が重なる部分があって切ない気持ちになった。柚子ちゃんの存在は最初から何かキーになるんだろうと思っていたけれど意外な展開で驚いた。葉山先生の奥さんのことも含めて恋愛だけでなく人間の生死も考えさせられた。結婚して落ち着いたら生活を送る今の私とはかけ離れた話で面白かったが少し冷めた目で見てしまった。
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ビターな恋愛小説でした。周囲の人物の心の機微がとても繊細に描かれていて、感無量という感想です。客観的に見ると歳の差があり、お互いに恋人や妻がいるにもかかわらず、不貞を働いているというあまり共感できそうにない状況でも、そこに至るまでの心の動きに感動しました。泉は最後、就職して結婚することになり、葉山先生を含めた友人とも疎遠になっていくのだが、それでもお互いが想い続けているという人生の美しさと儚さを感じました。
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苦しすぎる、本当に胸が痛くなった。私も教師を好きになったことがあり、またそれとは別に既婚者を好きになったことがある、そういうの全てを思い出してしまって読みたくないと思う瞬間が何度もあった。泉の気持ちがずっと痛いほど分かって苦しかった。自分が理解できないことは生きていたら何度も起こる、私たちはたとえ納得できなくてもそれを飲み込んで進んでいくしかないんだと思った。
島本理生さんの小説はやっぱり好きだなと思う。刺さるフレーズを自然に生み出しているような印象。
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ずっと葉山がふらふらしていて意志の弱さにいらいらして読んでいたが高校時代のことを考えると泉が彼に惹かれる因子は揃っていたのかもしれない。もし葉山に相手がいなければ、と終始思ってしまう。恋愛はタイミングなのだなあと考えさせられた。忘れられない相手がいる人にぜひ読んでほしい一冊である。
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工藤は高校生のとき、葉山先生に助けられた。工藤のその気持ちが「愛すること」であったと後に気づかされることで、愛することは大人だけのものではなく、気づけるかどうかだけであったという話。
この人からは何もいらない。与えることで幸せになれるとと思ってしまう工藤。
それに対し、〇〇したらもっと好きになってくれる?と、不安から相手をコントロールしようとしてしまう恋人の気持ちとの違いがはっきりとしてしまう。
物語にボリュームがあるが、飽きることもなく、堪能することができた。また、「服についた埃をはらった」など、情景や行動の描写で人の感情の変化が丁寧に描かれている。
Posted by ブクログ
きっと確実にハッピーエンドにならないだろうとは思って読み進めていたが、自分の中で特別と思えるそんな対象に出会えた泉と葉山先生の尊さと、その切なくも正しいであろう決断に胸が苦しくなりました。
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恋愛小説なんて、最後にいつ読んだだろう。過去の読書傾向から、ChatGPTに勧められるまま手に取った一冊だったが、読み終えて、カミさんへの感謝の気持ちがふと芽生えた。熱い想いが込み上げるわけではないが、胸の奥に静かな温かさが残る読後感がある。
Posted by ブクログ
ちょうど自分もパートナーと別れた時期に読みました。お互い好きでしたが思い描く未来図がいつまでも別々で平行線のままでした。
泉ちゃんのような偶然や奇跡はなくそれっきりですが、想い合うことが必ずしも幸せな結果を招くのではないんだと痛感しました。
それでも何かの拍子に、過ごした日々は温かくて穏やかで鮮やかなものとして蘇ります。
どうにもならないことだと頭では分かりつつも、どうにかなったんじゃないか、どうにかなっても結局こうなっていた、と堂々巡りを繰り返しています。
きっとそれは後悔とか未練などの感情ではなく、新しい出会いがあっても変わる事なく自分の一部としてこれからも生き続けるのだと思います。
恐れ多くも泉ちゃんと自分を重ねて号泣しました。小野くんの言葉も胸に響きました。自分もそうですし、自分と出会った人達が元気で幸せでいてくれたら嬉しいです。
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恋愛小説は読まない方だ。何も考えず読んでいて、「あ、これ恋愛小説だったの!?」みたいなことは往々にしてあるが、自発的に読むことはめったにない。読んでも痴人の愛とか(笑)
「著者、若き日の絶唱」といううたい文句そのまんまだったと思った。私は結婚して、一生一緒にいる人と過ごしているが、この小説の主人公のようになることが現実でもままあって驚いた。そりゃそうか、俺だけじゃないよなと感情が共有された気持ちになって感激した。もちろん、妻のことは大好きだし、一生離さないつもりでもある。だからこそ、あの頃を思い出す瞬間がたまらなくなる時がある。ナラタージュという一人語りだからこそ、他者への思い違いやあやふやな見え方があることもこの小説を読んでいると思い出させてくれる。21歳でこれ書いたのは紛れもなく天才だと思う。とてもいい時間だった。
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先生と元生徒の恋愛。葉山先生に対する泉の複雑な想いが伝わってきて、人を好きになることの難しさや葛藤が繊細に表現されていると感じた。
ある人にとっては過去に大きく影響を受けた人を基準に、これから出会う人や物事を比較してしまうことがあると思うし、泉にとっては葉山先生がそうした存在であり続けるだろうなと思いました。
Posted by ブクログ
誰かのことをこんなに強く思えるのが純粋に羨ましいと思った
お互いに思いあったまま離れていく、こんな愛もあるんだなーと
個人的に小野くんとあんな風に別れることになったのが意外だったけどこういうのも現実は良くあることなんだろうな
最後が切なくて少し泣きそうになった
Posted by ブクログ
10代の頃何度も読み返した作品
初めて心の底から人を好きになりその人のことだけを考えてしまう、その心情が当時の自分に響いた
何回読んでも10代の恋心を知った時の自分に戻る感覚がする
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・葉山先生の気持ちがあまり理解できなかった。私にはまだ難しい、、人生に1度くらいはこんな恋をしてみたい。
・私も泉だったら好きになっちゃってるな
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初めて読む作家さんでした。登場人物の行動に時代を感じずにはいられなくて、20年前の作品であることで時代の変化を痛感しました。自分は誰にも感情移入できなかったけど、恋愛小説としては素晴らしいんだと思います。
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演劇の話がメインではなかったけど、ちょこちょこ演劇の話が出てきて、台詞が自然に出てくるコツとか声の出し方についても書かれていて、高校時代に演劇をやってるときに読みたかったなーと思った。
すべてを投げ出してもいいと思えるほど人を好きになれるのはすごいなと思う。
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表現は綺麗で上手。
今でも読みやすい。
後半は、ごちゃごちゃになっていったな、というのが、個人的な感想。
特に柚子の死が、作中の道具のような感覚がしてしまった。
性被害は「驚き」ではあるが、周囲への影響は限定的で、そのあとの主人公たちのセックスへ繋がる事件になっているが…
主人公は、誰かに付き纏われても、恋人か先生にしか頼る相手がいない。
つまり、大学で一切、友人を作らない。
イジメのトラウマもあるのだろうが、そこまで繊細なら、柚子の死に、もっとセンシティブになるのではないか?
自分の体験のように感じるのでは?
相手が一生の片思いの相手でも、その後にセックスを受け入れる主人公は…小野くんと同じくらい、欠落している。
だからラストのシーンも、「ああ、私って可哀想でしょ?」と語りかけられた感じがして、「この人の本心はなんなのだろう?」と。
でも多くの人が素直に感涙するだろう、若き恋愛小説の傑作、です。
Posted by ブクログ
恋愛体質な姉からもらった本
やはりドロドロに恋愛小説だった。泉と葉山先生が心でつながっているということが小野くんと付き合っていることでより一層明らかになった感じがして恋愛ってそういうものだよなと自己完結した。男性はお互いに嫉妬しあってて泉も気持ちをはっきりすることができないっていう状況が人間臭くてとても面白かった。
Posted by ブクログ
映画化もされた、島本理生さんの長編です。
女子大生が主人公の恋愛小説。
正統派な書き方なのだけれど、
内容はメジャーではないタイプの話。
ずっと、落ちついたトーンが貫かれています。
それも、いかにも品のある感じではなくて、
日常のなかでのちょっとした落ちつきのあるときのトーン、
といえばいいでしょうか。
鼓動は落ちつき、
たまにごく自然に高鳴り、
また落ちつく。
そんなトーンかなあ。
丁寧ともいえます。
残りの100ページくらいから、
ぐぐっと暗黙のうちに結実していくものがある。
ストーリーの展開やラストへの収束、
それらによるそれまでの曖昧さをはっきりさせる
結論付け的部分もあるのだけれど、
書かれていないところで、
なにかがふわりとした形になっていくかのような感じを受けます。
それまでの曖昧さを具象化するっていう、
小説執筆の方法論はありますね。
ただ、そうやって具象化していきながら、
意図してでもしないでもまあ関係なく、
読者がそこに生まれる言葉で言い表せないなにかの形を感じとること、
そのなにかを生みだした筆者の技あるいは偶然は、
やっぱり文学のゲージツ部分だなあと思ったりしました。
薄いレースのようなやさしさというかおだやかさというか、
そういった雰囲気に包まれた作品だと思いながらクライマックスへ。
俗っぽさがないのが好印象のラブシーンでした。
感情や人物、風景などの描写って
「へえ、そんなところに気づくものなのね!」っていう勝負だったりする。
それで、いろいろ気づけるようになってくると
「それをそう表現するのね!」「そこにそれを挿入するのね!」
っていう技術や編集力の勝負になるんだと、
中途半端な立位置にいるぼくは、
とくにこの小説を読んで思うのでした。
文章を書くことと一言で言っても、
感性や、さまざまな種類の知力を駆使することになるのだから、
自分のさまざまな能力の総合力で書くものなんだ、
と言っていいと思うのです。
閑話休題。
オトコが読むと、
「そうだよねえ、オンナってのは、
そういうこっちでは理解しがたいようなまどろっこしいところがあるよ」
なんて思えてしまう生々しさもありましたよ。
派手さはありませんが、
趣味がいいと言いたくなる作品でした。