【感想・ネタバレ】ナラタージュのレビュー

あらすじ

お願いだから、私を壊して。ごまかすこともそらすこともできない、鮮烈な痛みに満ちた20歳の恋。もうこの恋から逃れることはできない。早熟の天才作家、若き日の絶唱というべき恋愛文学の最高作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

島本さんの作品にハマり、読書好きの友人3人が声を揃えて『ナラタージュ』と薦めてくれたので。
私にもしっかり刺さった。思ったより評価が低いと思ったけど、たしかに好みは分かれるかも。

前半はずっと、この話はどこに行き着くんだろうという布石が多く、ここで挫けたらいけないんだろうなと思ってがんばって読んだ
その前半を回収するかのように、中盤、小野くんと泉が付き合い始めるあたりから一気に終わりまでいける。

ナラタージュとはフランス語で「回想によって過去の出来事を再現する」という映像技法のことらしい。こんなところに泉らしさが出ているのか。まさに泉による葉山先生との記録作品だ。
あくまですべて泉目線だから、葉山先生がきれいに映るのかもしれない。
それを象徴するかのように、小野くんと葉山先生とでは行為シーンの描写がまったく異なる。
小野くんはとても泉を大切にしていた。泉目線では重くなってしまうし、小野くんはやりすぎなところもあるかもしれないけど、自分ではない男の存在を彼女から感じてしまうのは辛いだろう。
一方で葉山先生と過ごす最後の時間は本当に辛く哀しいのにとても美しい。こんなに美しい行為を初めて見た。涙が出そうになった。泉は葉山先生との最後の時間を忘れることはないだろうし、だからこそこの作品があるのかもしれない。
ノンフィクションではないだろうけど、島本さんはこういう忘れられない大切な人がいるんだろうなと思った。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

葉山先生は自分勝手
僕が君に与えられるのは
これしか無かったのかって
最後に交わるの

壊して壊して、傷つけて
あなたの事を忘れたいと思える用に
もう会いたくないって思えるように

柚子ちゃんが死んじゃうのは辛かったな

殺さないで欲しいから、よがった振りをして
相手をたてて、自分の尊厳を手放した
その事が原因で辛かったのも印象的

黒川とあの子は結局留学戻ってきても別れなかったのかな。

葉山先生への独白のシーンが好き。
セリフが続いて、地の文が浮き上がってくるの。
声が聞こえてきた。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

かつて同じときを過ごした瞬間を鮮明に思い返すことができる相手と、しかも再開することが叶わない相手となれば、はたして長い人生の中で出会えるのだろうか。

この作品の登場人物の多くは、泉も、葉山先生も、あるいはほかの人も、自分の中に傷ついた過去を抱えている。その傷を、放っておくこともせず、痛ぶることもなく、ただ痛くないようにでも心地良いようにやさしくやさしくいたわってくれる相手に出会うのであれば、人は救われるのだろう。救われた瞬間もまた、人生の中のしずかな幸せとして深く深く自分の中に残っていく。それが互いに救い救われるという共存関係を、教師と学生という禁断の関係と並列させて島本さんの細やかな心理描写できれいに描かれていく作品こそが本作「ナラタージュ」。

この互いに救い救われる関係は恋愛とはまた異なるが、深い慈愛や愛情に密接に関連しているという意味では似ている関係なのかもしれない。でも恋愛ではないので、救いを施してくれた相手と人生が重なる可能性が限りなく少ないことだってある。
道を分かっても、二人はお互いに相手を救い相手に救われている。

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

工藤は高校生のとき、葉山先生に助けられた。工藤のその気持ちが「愛すること」であったと後に気づかされることで、愛することは大人だけのものではなく、気づけるかどうかだけであったという話。
この人からは何もいらない。与えることで幸せになれるとと思ってしまう工藤。
それに対し、〇〇したらもっと好きになってくれる?と、不安から相手をコントロールしようとしてしまう恋人の気持ちとの違いがはっきりとしてしまう。

物語にボリュームがあるが、飽きることもなく、堪能することができた。また、「服についた埃をはらった」など、情景や行動の描写で人の感情の変化が丁寧に描かれている。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

葉山先生は疎遠になっている奥さんへの気持ちが捨てきれておらず、これが報われない恋だと分かっていてもなお、葉山先生への気持ちを抑えきれない泉の切なさが辛いです。小野君と付き合ってみてもやっぱり葉山先生のことを忘れられず小野君に別れを切り出すシーンでは、泉に対して報われない想いを持っている小野君と、葉山先生に対して報われない想いを持っている泉の姿が重なって見えました。愛しているのに報われない愛だったからこそ、泉にとって忘れられない恋の相手になったのだと思います。

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2025年12月22日

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