あらすじ
お願いだから、私を壊して。ごまかすこともそらすこともできない、鮮烈な痛みに満ちた20歳の恋。もうこの恋から逃れることはできない。早熟の天才作家、若き日の絶唱というべき恋愛文学の最高作。
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Posted by ブクログ
葉山先生は自分勝手
僕が君に与えられるのは
これしか無かったのかって
最後に交わるの
壊して壊して、傷つけて
あなたの事を忘れたいと思える用に
もう会いたくないって思えるように
柚子ちゃんが死んじゃうのは辛かったな
殺さないで欲しいから、よがった振りをして
相手をたてて、自分の尊厳を手放した
その事が原因で辛かったのも印象的
黒川とあの子は結局留学戻ってきても別れなかったのかな。
葉山先生への独白のシーンが好き。
セリフが続いて、地の文が浮き上がってくるの。
声が聞こえてきた。
Posted by ブクログ
工藤は高校生のとき、葉山先生に助けられた。工藤のその気持ちが「愛すること」であったと後に気づかされることで、愛することは大人だけのものではなく、気づけるかどうかだけであったという話。
この人からは何もいらない。与えることで幸せになれるとと思ってしまう工藤。
それに対し、〇〇したらもっと好きになってくれる?と、不安から相手をコントロールしようとしてしまう恋人の気持ちとの違いがはっきりとしてしまう。
物語にボリュームがあるが、飽きることもなく、堪能することができた。また、「服についた埃をはらった」など、情景や行動の描写で人の感情の変化が丁寧に描かれている。
Posted by ブクログ
葉山先生は疎遠になっている奥さんへの気持ちが捨てきれておらず、これが報われない恋だと分かっていてもなお、葉山先生への気持ちを抑えきれない泉の切なさが辛いです。小野君と付き合ってみてもやっぱり葉山先生のことを忘れられず小野君に別れを切り出すシーンでは、泉に対して報われない想いを持っている小野君と、葉山先生に対して報われない想いを持っている泉の姿が重なって見えました。愛しているのに報われない愛だったからこそ、泉にとって忘れられない恋の相手になったのだと思います。
Posted by ブクログ
恋愛体質な姉からもらった本
やはりドロドロに恋愛小説だった。泉と葉山先生が心でつながっているということが小野くんと付き合っていることでより一層明らかになった感じがして恋愛ってそういうものだよなと自己完結した。男性はお互いに嫉妬しあってて泉も気持ちをはっきりすることができないっていう状況が人間臭くてとても面白かった。
Posted by ブクログ
映画化もされた、島本理生さんの長編です。
女子大生が主人公の恋愛小説。
正統派な書き方なのだけれど、
内容はメジャーではないタイプの話。
ずっと、落ちついたトーンが貫かれています。
それも、いかにも品のある感じではなくて、
日常のなかでのちょっとした落ちつきのあるときのトーン、
といえばいいでしょうか。
鼓動は落ちつき、
たまにごく自然に高鳴り、
また落ちつく。
そんなトーンかなあ。
丁寧ともいえます。
残りの100ページくらいから、
ぐぐっと暗黙のうちに結実していくものがある。
ストーリーの展開やラストへの収束、
それらによるそれまでの曖昧さをはっきりさせる
結論付け的部分もあるのだけれど、
書かれていないところで、
なにかがふわりとした形になっていくかのような感じを受けます。
それまでの曖昧さを具象化するっていう、
小説執筆の方法論はありますね。
ただ、そうやって具象化していきながら、
意図してでもしないでもまあ関係なく、
読者がそこに生まれる言葉で言い表せないなにかの形を感じとること、
そのなにかを生みだした筆者の技あるいは偶然は、
やっぱり文学のゲージツ部分だなあと思ったりしました。
薄いレースのようなやさしさというかおだやかさというか、
そういった雰囲気に包まれた作品だと思いながらクライマックスへ。
俗っぽさがないのが好印象のラブシーンでした。
感情や人物、風景などの描写って
「へえ、そんなところに気づくものなのね!」っていう勝負だったりする。
それで、いろいろ気づけるようになってくると
「それをそう表現するのね!」「そこにそれを挿入するのね!」
っていう技術や編集力の勝負になるんだと、
中途半端な立位置にいるぼくは、
とくにこの小説を読んで思うのでした。
文章を書くことと一言で言っても、
感性や、さまざまな種類の知力を駆使することになるのだから、
自分のさまざまな能力の総合力で書くものなんだ、
と言っていいと思うのです。
閑話休題。
オトコが読むと、
「そうだよねえ、オンナってのは、
そういうこっちでは理解しがたいようなまどろっこしいところがあるよ」
なんて思えてしまう生々しさもありましたよ。
派手さはありませんが、
趣味がいいと言いたくなる作品でした。