島本理生のレビュー一覧

  • はじめての

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    2026.08.11
    名うてのストーリーテラーによる連作短編集。
    それぞれ面白い。こういう作品は並び順にも、特に先頭と最後にはプレッシャーがかかると思うがそれもはねのけている感あり。

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    2026年08月11日
  • 天使は見えないから、描かない

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    叔父と姪の恋というタブーを描いた物語。
    強がりで負けず嫌いの女性弁護士永遠子が、男尊女卑の父に反発し、父に媚びる母を嫌悪し、父の面影がある叔父に執着する。
    理路整然としているはずの永遠子が我儘になる、その女らしさが印象に残る作品だった。
    弱さを見せられる幸せって、尊いと思った。

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    2026年08月09日
  • Red

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    描写の書き方が鮮明に分かってしまうくらいすごかった。旦那イライラするなー、一番奥さんの味方でいようよ!読み進めていく中で、お…すごいじゃん。と思ったけど結局ね。ページ数多かったけどすぐ読めた。

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    2026年08月09日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    満足感の高い素敵なアンソロジーでした。

    *島本理生さん
    良いなぁ。最初は朧げな印象の主人公が、いつの間にかしっかり地に足をつけて、「凛」とした雰囲気をまとうように。
    『楽園には住めなくても、楽園のようなものはいつか見つけられるはずだ。私の中に』
    の言葉が心に残りました。

    *織守きょうやさん
    あらあら、どうしましょ。こういうの好きなんです。織守さんは短編集しか読んだことがないので、長編も読んでみたい。

    *友井羊さん
    両親を亡くし、島に住む叔父さんの元へ引き取られた中学生の蒼。そこでの日々は穏やかで人の温もりがあって、シーンのひとつひとつが心地よくて味わい深い。こういう作品好きです!

    *畑野智美さん
    アイドルの密着取材ドキュメンタリーを見ているようでした。ちょっとやるせなくも爽やかな読後感。
    読みながら、佐原ひかりさん「スターゲイザー」を思い出しました。

    *名取佐和子さん
    上京する息子とその母親。離れて暮らすことになる息子との思い出に、色々な感情が湧き上がってきて思わず涙。
    『子育ての道は、こんな夢のような奇跡を拾い集めて歩けるよう広く長くなっているのだろう。』
    何だか感慨深い。

    *伊吹有喜さん
    まさかの「なでし子物語シリーズ」!!
    舞台は東京、不登校の美也が主人公です。懐かしい面々にまた会えました。彼女たちのティータイムは、まるで異国にいるみたい。爽やかで洗練された雰囲気。シリーズをまた読み返したくなりました。

    短編集でこの満足感はすごいと思う。
    ご褒美シリーズは好きなので、次作も読みたいなー。発売したら絶対読む!

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    2026年08月07日
  • ノスタルジア

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    創と紗文の二人暮らしの軌跡。傷を負ったふたりが、少しずつ心を開いて、言葉足らずな部分や配慮に欠けた部分のあること、そして急にいなくなること、そんな軌跡が描かれていた。島本理生さんの美しい描写と、読者の想像に任せる部分相まって作品が素敵に描かれている。宗教信者2世、加害者の家族として、どんな心情になるのかが、色濃く描かれ、少しハッとさせられる本だった。


    p.71 うん。そうしたら、隣にいた年上の女の人がリュックから充電バッテリーを出したの。予備も含めて二つ持ってるからって貸してくれて。そのときに思った。荷物の多さって、どれだけ自分以外の人のことまで考えられるかっていう表れなんだよね。私はその女性に分け与えられる物を持ってなかった。絆創膏とか食料とか生理用品とか。
    けど、彼女は全部多めに持ってるから頼ってねって笑ってた。震災の翌年だったから、余計にちゃんと常備してたみたい」

    p.174 創が当たり前のように言ったので、私は絶句した。やはり川名君とは合わないと痛感した。悪い相性とは、言われたくないことを言って、言ってほしいことを言わない者同士のことだから。

    p.189 生前、仲良くしてくれていた女性が、名前のある方だと知って、私もお父さんもびっくりして。分かって、本当に良かった

    p.236 ここ数年は特に、先の不安ばかり考えすぎてしまっていて」彼女は、そうですか、と相槌を打って
    「そういえば最近、有名な占い師の方に仕事でお会いしたんです。そのときに占いでどうして未来が予知できるのかと尋ねたら、意外と明確な解が返ってきたんですよ」という話を始めた。
    「どんな解だったんですか?」と私は訊いた。
    「占いを通して叶えたい未来を無意識に自己決定することで、おのずと人は具体的なビジョンと計画性を持って無駄なく進めると言うんです。だから、べつに魔法みたいな話じゃないし、叶う確率が高くなるからこそ、強迫観念や否定的なことを持ち込んではいけないっていうお話でした

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    2026年08月07日
  • ファーストラヴ

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    なぜ自分は父を殺さないといけなかったのか。
    タイトルだけ見たら恋愛モノかと思うのに、動機を見つけて欲しいというミステリーものであることにまず驚き。
    そしてなぜ殺したのかの動機が犯人にも分からない。
    そこには人格形成や助けを差し伸べれなかった結果、言葉の捉え方次第で見方が180度変わる需要さが重くのしかかります。
    ここで誰か彼女を受け止めてたら、言葉に耳を傾けていたら…こんな結末になっていなかったかもしれない。
    受け止めたから彼女はあんなふうに変化できたんだという終わり方もよかったです。

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    2026年08月06日
  • ファーストラヴ

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    前から表紙が気になっていた本。
    こんな内容だとは思ってなかった。
    読みやすい文体で
    主人公の由紀の過去にも秘密があって
    その秘密が明かされていくところから
    一気に惹き込まれて読み切った。
    環菜の家庭環境や周りの男性が酷くて辛い。
    性被害を扱う話はやっぱりきついし
    苦手だけど、目を逸らしてはいけないと感じる。 
    環菜の母親も傷ついてきた過去を
    見ないようにして、自分を守ってきて
    誰からも助けられなかったのかなと複雑な気持ちに、、
    だけど、、それにしても、、どうにか娘のこと
    守ってあげて欲しかった。
    私自身も考えてしまうところがあって
    過去、今でもかもしれないけれど
    嫌だと思っているのに
    怖くて笑ったり、こうしないといけないよねと思ったり
    私が相手をそうさせてしまったなら責任取らないととか
    思ったり、何かいろいろ思い出すところがあった。
    私自身の小さい頃のトラウマを引き出してしまうところも
    あって読んでいて辛かった部分も、、
    なんとなく嫌だった視線や言動の理由は
    大人になったときさらに理解してショック受けるんだよね。
    最後の展開はよかった。
    無実にはならなくても、伝えられることができたこと
    環菜の前向きな姿が印象的だった。
    我聞さんの最後の言葉も素敵だった、、
    じーんとくるものがあってよかった、、

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    2026年08月05日
  • ノスタルジア

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    ネタバレ

    3.7
    終わりは良かったものの、途中いろいろと???と難しかった
    イギリス行ってからが一気に流れすぎてびっくりした(笑)
    創くんはまだまだ知らないことが多いけど、知ってさえいればきちんとできるし優しくできる人だなぁと
    何事も、きちんと話し合うのが大事だね

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    2026年08月03日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    私はこういう不意な胸キュンに弱いのかもしれない。堂々たる愛を語るみたいな恋愛ではなくて、小学生の恋愛のような知らず知らずの間に一緒にいる、一緒に何かを食べる、一緒に帰るとか、そういうちょっとした当たり前を共有しているという好きを大事にしたいなと改めて思った。駆け引きなんてない小学生の頃の純粋な恋愛に少しだけ懐かしく少しだけ羨ましく感じた。

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    2026年08月02日
  • あなたの愛人の名前は

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    誰しも生きていれば人生の停滞感・漠然としたもやもやを抱えるときがある。

    それをわかってくれる相手が最愛の相手とは限らない。夫婦だからこそ、縛られた関係の中で行き詰まる。逆に境界線を引いている関係の人間からこそ、俯瞰してその人の抱えている本質が見えるのかもしれない。

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    2026年08月01日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    ネタバレ

    おやつをテーマにした短編集。
    6名の作家さんが1つずつお話を書いてくれていて、こういうのをアンソロジーというらしい。

    タイトルに「やるせない」とついてるだけあって、どのお話にも切なさが漂うけれど、甘いおやつがそれを癒してくれたり、前を向くきっかけになったりして、読後は優しい感動に包まれる。

    「楽園の代わりのカッサータ」は、映画みたいなおしゃれな雰囲気。
    不倫はダメだけど、誰かや何かにすがったり、現状を変えてほしいっていう思いには共感した。
    しかしこの相手の政治家はひどい男だ。
    ピュアなんだけど、結局自分のことしか考えてないんだよね…。

    「ファースト・アンド・オンリー」はキュンすぎてまるで少女漫画。
    ラストのところ、素敵すぎて読み返しちゃった。
    お弁当を差し入れるのも、ピンチを助けるのも、勇気いるのにすごいな。
    結局、行動した者が人生を変えるのだ。

    「春とマーマレード」のジャムを作るシーンや「ストロベリーの歌」の苺ピクニックのシーンが素敵で憧れる。

    どのお話も、登場人物達のその後が気になるな〜。

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    2026年07月27日
  • ファーストラヴ

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    幼少期に受けた心の傷や愛情不足の重みをひしひしと感じて、胸が痛かったです。
    解説は朝井リョウさん!
    「島本理生さんの小説は、自分ではわからない気持ちや自分だけでは辿り着くことのできない感情を教えてくれると実感する」と表現されているのですが、それこそが読書の醍醐味だなと思います。

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    2026年07月25日
  • ファーストラヴ

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    映画を観た後、原作が直木賞受賞作と知り手に取りました。
    映画は流石に物語を俯瞰した形で演出していたけど、原作は主人公「由紀」の目を通して、傷ついたことのある人間が、傷だらけの人間の絡まった鎖を解いていく流れだ。時には自分の傷口を再度開いて返り討ちにあったり、暗闇に光明が見えたり、映像では味わえない共鳴があった。環菜の心の奥にしまい込んだ闇を見るために、読者もじつに不愉快な追体験をしなければならないが、その中で菩薩のような存在の我聞が良い。その大きな愛情に包まれて物語が終わったことが、私の一番の収穫だ。

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    2026年07月25日
  • ナラタージュ

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    多分人生で1番読み返してる小説。島本理生さんの話はどタイプ。
    自分には経験がなくても、自分の中にある思い出とどうしても擦り合わせながら読んでしまう。過去をどうしても思い出したくなる。

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    2026年07月25日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    大好きなアンソロジーシリーズ。
    今回は、初読の作家さんも多かったけど
    タイトル通りやるせないんだけど
    暗さはなくて、読後感がすっきり。

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    2026年07月23日
  • はじめての

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    220ページ
    1600円
    2026年7月14日〜7月22日

    4人の作家さんの4つのストーリーが1冊で読めるのは贅沢な感じがした。

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    2026年07月22日
  • ノスタルジア

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    ネタバレ

    犯罪加害者の母を持つ青年と、精神を患い自殺した母を持つ作家の女
    2人で暮らすことになり、年齢差を超えてお互い惹かれ合うようになる
    2人とも傷つきすぎていて、救われることはないように思われる中、この出会いが奇跡を起こす
    単純な恋愛でも同情でもない、2人にしかできない生き方の共鳴が切なく描かれていた
    心を掴まれた

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    2026年07月19日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    どのお話も読み終わった時には少し元気が出てくるような、まさにご褒美のお菓子と似た味わいでした。「ファースト・アンド・オンリー」がお気に入りです。

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    2026年07月17日
  • 2020年の恋人たち

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    ネタバレ

    島本さんらしい、恋愛の苦さがわかる作品。読みやすくてどんどん惹き込まれていった。
    作品自体はおもしろいけど、個人的には葵のことあんまり好きになれないなぁ。
    来るものは拒まず、去る者は追わずって感じかと思いきや、母親の愛情を真に受けていないのもあってか、回避型の恋愛をするタイプなのかな。
    モテるのはいいけど、30代ってこんなに会う人会う人と恋愛しないでしょ。あまりにも恋愛体質というか、寂しいのかな。「自称」サバサバ女って感じがする。友だちだったら会うたびに違う男の話してくれておもしろいかもしれない。

    葵の恋愛観はともかく、出てくる男性陣はみんな危うい魅力があるというか。島本さんはこの辺の書き方がほんとにうまい。海伊さんがいちばんどこにでもいそうなちょっと古いタイプの男性だったかな。

    港がもうちょっと暴れてくれたり、瀬名さんとの恋愛がこじれてごちゃごちゃしたりしたら、より好きだったかも。それはありきたりだけど、ありきたりな展開もいい。
    まさか海伊さんとスペイン行って一瞬で別れるとは思わなかったけど笑

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    2026年07月15日
  • Red

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    主人公の塔子は、はたから見れば夫、子供、家族に恵まれた女性。ところが、昔の彼との偶然の出会いにより、心の中に鬱屈していたものがムクムクと浮き上がる。人の感情をのぞき見しているようで、戸惑いとスリルを覚えた。しかし、“自分の気持ちに正直に生きるとはどういうことか?”結婚とは?”と冷静に考えている自分に気づいた。人は皆、自分なりの幸せの落としどころを探しながら、生きていくのだろう。

    (2019.10.4読書ノートの感想より)

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    2026年07月14日