島本理生のレビュー一覧
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満足感の高い素敵なアンソロジーでした。
*島本理生さん
良いなぁ。最初は朧げな印象の主人公が、いつの間にかしっかり地に足をつけて、「凛」とした雰囲気をまとうように。
『楽園には住めなくても、楽園のようなものはいつか見つけられるはずだ。私の中に』
の言葉が心に残りました。
*織守きょうやさん
あらあら、どうしましょ。こういうの好きなんです。織守さんは短編集しか読んだことがないので、長編も読んでみたい。
*友井羊さん
両親を亡くし、島に住む叔父さんの元へ引き取られた中学生の蒼。そこでの日々は穏やかで人の温もりがあって、シーンのひとつひとつが心地よくて味わい深い。こういう作品好きです!
*畑野智美さん
アイドルの密着取材ドキュメンタリーを見ているようでした。ちょっとやるせなくも爽やかな読後感。
読みながら、佐原ひかりさん「スターゲイザー」を思い出しました。
*名取佐和子さん
上京する息子とその母親。離れて暮らすことになる息子との思い出に、色々な感情が湧き上がってきて思わず涙。
『子育ての道は、こんな夢のような奇跡を拾い集めて歩けるよう広く長くなっているのだろう。』
何だか感慨深い。
*伊吹有喜さん
まさかの「なでし子物語シリーズ」!!
舞台は東京、不登校の美也が主人公です。懐かしい面々にまた会えました。彼女たちのティータイムは、まるで異国にいるみたい。爽やかで洗練された雰囲気。シリーズをまた読み返したくなりました。
短編集でこの満足感はすごいと思う。
ご褒美シリーズは好きなので、次作も読みたいなー。発売したら絶対読む!
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Posted by ブクログ
創と紗文の二人暮らしの軌跡。傷を負ったふたりが、少しずつ心を開いて、言葉足らずな部分や配慮に欠けた部分のあること、そして急にいなくなること、そんな軌跡が描かれていた。島本理生さんの美しい描写と、読者の想像に任せる部分相まって作品が素敵に描かれている。宗教信者2世、加害者の家族として、どんな心情になるのかが、色濃く描かれ、少しハッとさせられる本だった。
p.71 うん。そうしたら、隣にいた年上の女の人がリュックから充電バッテリーを出したの。予備も含めて二つ持ってるからって貸してくれて。そのときに思った。荷物の多さって、どれだけ自分以外の人のことまで考えられるかっていう表れなんだよね。私はその女性に分け与えられる物を持ってなかった。絆創膏とか食料とか生理用品とか。
けど、彼女は全部多めに持ってるから頼ってねって笑ってた。震災の翌年だったから、余計にちゃんと常備してたみたい」
p.174 創が当たり前のように言ったので、私は絶句した。やはり川名君とは合わないと痛感した。悪い相性とは、言われたくないことを言って、言ってほしいことを言わない者同士のことだから。
p.189 生前、仲良くしてくれていた女性が、名前のある方だと知って、私もお父さんもびっくりして。分かって、本当に良かった
p.236 ここ数年は特に、先の不安ばかり考えすぎてしまっていて」彼女は、そうですか、と相槌を打って
「そういえば最近、有名な占い師の方に仕事でお会いしたんです。そのときに占いでどうして未来が予知できるのかと尋ねたら、意外と明確な解が返ってきたんですよ」という話を始めた。
「どんな解だったんですか?」と私は訊いた。
「占いを通して叶えたい未来を無意識に自己決定することで、おのずと人は具体的なビジョンと計画性を持って無駄なく進めると言うんです。だから、べつに魔法みたいな話じゃないし、叶う確率が高くなるからこそ、強迫観念や否定的なことを持ち込んではいけないっていうお話でした
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Posted by ブクログ
前から表紙が気になっていた本。
こんな内容だとは思ってなかった。
読みやすい文体で
主人公の由紀の過去にも秘密があって
その秘密が明かされていくところから
一気に惹き込まれて読み切った。
環菜の家庭環境や周りの男性が酷くて辛い。
性被害を扱う話はやっぱりきついし
苦手だけど、目を逸らしてはいけないと感じる。
環菜の母親も傷ついてきた過去を
見ないようにして、自分を守ってきて
誰からも助けられなかったのかなと複雑な気持ちに、、
だけど、、それにしても、、どうにか娘のこと
守ってあげて欲しかった。
私自身も考えてしまうところがあって
過去、今でもかもしれないけれど
嫌だと思っているのに
怖くて笑ったり、こうしないといけないよねと思ったり
私が相手をそうさせてしまったなら責任取らないととか
思ったり、何かいろいろ思い出すところがあった。
私自身の小さい頃のトラウマを引き出してしまうところも
あって読んでいて辛かった部分も、、
なんとなく嫌だった視線や言動の理由は
大人になったときさらに理解してショック受けるんだよね。
最後の展開はよかった。
無実にはならなくても、伝えられることができたこと
環菜の前向きな姿が印象的だった。
我聞さんの最後の言葉も素敵だった、、
じーんとくるものがあってよかった、、 -
Posted by ブクログ
ネタバレおやつをテーマにした短編集。
6名の作家さんが1つずつお話を書いてくれていて、こういうのをアンソロジーというらしい。
タイトルに「やるせない」とついてるだけあって、どのお話にも切なさが漂うけれど、甘いおやつがそれを癒してくれたり、前を向くきっかけになったりして、読後は優しい感動に包まれる。
「楽園の代わりのカッサータ」は、映画みたいなおしゃれな雰囲気。
不倫はダメだけど、誰かや何かにすがったり、現状を変えてほしいっていう思いには共感した。
しかしこの相手の政治家はひどい男だ。
ピュアなんだけど、結局自分のことしか考えてないんだよね…。
「ファースト・アンド・オンリー」はキュンすぎてまるで少女漫画。
ラストのところ、素敵すぎて読み返しちゃった。
お弁当を差し入れるのも、ピンチを助けるのも、勇気いるのにすごいな。
結局、行動した者が人生を変えるのだ。
「春とマーマレード」のジャムを作るシーンや「ストロベリーの歌」の苺ピクニックのシーンが素敵で憧れる。
どのお話も、登場人物達のその後が気になるな〜。
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Posted by ブクログ
ネタバレ島本さんらしい、恋愛の苦さがわかる作品。読みやすくてどんどん惹き込まれていった。
作品自体はおもしろいけど、個人的には葵のことあんまり好きになれないなぁ。
来るものは拒まず、去る者は追わずって感じかと思いきや、母親の愛情を真に受けていないのもあってか、回避型の恋愛をするタイプなのかな。
モテるのはいいけど、30代ってこんなに会う人会う人と恋愛しないでしょ。あまりにも恋愛体質というか、寂しいのかな。「自称」サバサバ女って感じがする。友だちだったら会うたびに違う男の話してくれておもしろいかもしれない。
葵の恋愛観はともかく、出てくる男性陣はみんな危うい魅力があるというか。島本さんはこの辺の書き方がほんとにうまい。海伊さんがいちばんどこにでもいそうなちょっと古いタイプの男性だったかな。
港がもうちょっと暴れてくれたり、瀬名さんとの恋愛がこじれてごちゃごちゃしたりしたら、より好きだったかも。それはありきたりだけど、ありきたりな展開もいい。
まさか海伊さんとスペイン行って一瞬で別れるとは思わなかったけど笑