島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ上巻は、主人公黒江の行動にハラハラさせられた。
「その人に着いて行ってはダメ」、「どうしてそんな風に考えるの?」そう黒江に聞きたくなってばっかりだった。
しかし、10代の私だったらこんな行動に出たかもと思う場面も多々あった。
不器用だから、彌生くんに対しても伝えたいことを伝えられない。
黒江本人は、彌生くんに伝えなくても、言葉にしなくても私の神様なんだから分かって、って思ってたのかもしれない。
下巻で、出てくる、仁さんには私自身も読みながら救われた。
黒江を突き放しはせず、でも、全面的に保護はしない。
それでも、黒江が傷ついている時はそっとそばにいる。
そんな黒江と仁さんの関係性がとても羨ましかった。
「この小説は読み手を選ぶ」まさにその通りだ。
黒江が脈絡のない行動に出るので、共感の差は読み手の経験にとても左右される小説だと思った。 -
Posted by ブクログ
上下巻合わせた感想。
本作品は過去の自分自身の傷から自覚なしに目を背けてきたひとりの少女が現在の自己人格の形成過程と向き合って旅立つ作品。歪んだ愛を受けて育ってしまったから相手に対して真っ当で表面的な愛を求めてしまうのも仕方がないのかなと思った。主人公からしたら目に見える綺麗なモノが正しくて、それ以外は何もかもが信じられない。彼女は親から与えてもらうべき愛情が欠如しており、ずっと子供のまま肉体だけが大きくなっていってしまったのかな。
つらいなぁ。もし自分が黒江の立場だったらおかしくなって死んでるな。いや黒江も実際死のうとしてたけど。
浦賀の存在だけが彼女の心の支えで、逆もまた然り。お互いがお互いの存在によって救われる。本来親がなるべき心の支えを浦賀が担った事によって黒江は自身の過去と向き合うことができた。全てを壊してしまった黒江にもまだ浦賀という存在が残っていて、だからこそ彼女には彼との関係性を大事にして生きていってほしい。
浦賀から彌生への手紙に痺れました。
島本理生先生の作品をしばらく読み漁っているのですが、その中でも印象的な一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ島本理生さんが大学在学中に執筆された作品。
当時の島本さんと等身大の主人公の「わたし」に、読んでいる私もあの頃の自分と重ねてしまった。
高校3年から大学1年にわたる、真っ直ぐすぎる想い。
気持ちを巧くコントロールできず空回りしてしまう「わたし」は、暗くて深い森の中をさ迷い続け抜け出すこともできず途方に暮れてしまう。
苦しいくせに平気なふりをして、自分から助けを求めることさえできず、もがき続ける。
「昨日よりは今日、今日よりは明日、日々、野田ちゃんは成長して生きてる」
こんな風に言ってくれる友達がいる限り大丈夫。
いずれ森を抜け出せると確信した。
報われない恋心は、時に少女に新たな絆をもたらす。
とても颯爽とした気持ちになれる物語だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれは、、
私は今までずっとナラタージュが大好きで、ナラタージュが出た当初高校生だったんだけど、その頃から私の心に留まり続けて、こんなに読んだあとその世界観から抜け出せなくなる小説はない、と思ってたんだけど、、
綿貫さんに共感しまくった。
完璧に所有されたいという気持ちが自分の中で物凄くしっくりきてしまった。
最後は感動して涙こぼしながら読んだ。
映画のようなドラマチックな描写。
その流れは絶対婚姻届でしょ、と普通ならなるところ、この2人にとっては養子縁組の書類。
この世で一番頑丈で強固な束縛。
ちょっとこう言ってはなんだけど、羨ましい。
実際養子縁組って現実的ではないんだけど、、。
晴雨さんの不器用さが愛おしい。
君の夢を叶えよう
なんてめちゃくちゃ言われたい笑
そして1人1人の登場人物がみんな愛くるしい。
久しぶりにいい小説に出会えた。