島本理生のレビュー一覧
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顔にアザのある大学院生のアイコが、「顔にアザや怪我を負った人」をテーマにした本の取材を受け、表紙に出たのを機に、初恋と失恋を経験する。
子どもの頃から、アザのことで嫌な思いも、逆に周囲の愛情や本物の友情を感じることもあったアイコ。そのあたりの機微も描かれていて、アイコは幸せだなと思うと同時に色々考えさせられた。
アイコは本の映画化に向け、その監督の飛坂と対談をし、恋をする。
「気まぐれだし、思ったようにしか動けないから。付き合うと大変だし、苦労するよ?」と言われて、「大丈夫、私、頑丈ですから」と付き合い始めるが、最後は、「約束は守ってほしいし、私と会うことを一番楽しみにしていてほしい。相手に -
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どうしてこの瞬間に隕石衝突とか地球爆発が起きないのだろうと思った。こんなに好きな人とセックスなんてしたら、地球が真っ二つに割れるくらいじゃないと到底取れないじゃないか。採算とか、バランスとか、代償とか、そういうぜんぶが。
この言葉、作者が女性じゃなければ書けないのでは?とまでも思う。
そして身に覚えがありすぎるこの物語、瞳の気持ちが痛いほど分かってしまった。
罪悪感、論理感、この刹那的な幸せの代償。
自分を取り巻く環境やしがらみを全部捨てて、今この瞬間死んでも良い、そうしたら楽なのにと思う気持ち……。
そこまでの瞳の想いとは対照的に、浅野さんが
瞳への気持ちは恋でも愛でもない…と思っ -
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恋愛小説のアンソロジー。
著者ラインナップが『一穂ミチ・窪美澄・桜木紫乃・島本理生・遠田潤子・波木銅・綿矢りさ』こんなの全員海老の天ぷらじゃん。海老天しかない天丼じゃん…。
私はれんこんの天ぷらが一番好きだけど。文芸誌の恋愛特集のために書き下ろされた作品をまとめたもの。
どれもほんとーーーによかった。全部好き。
なんか恋愛ってどうしても自分の生きてきた環境から受け取った価値観がインストールされて、それがよくも悪くも作用してるよなあと読んでいて思うのだった。
あとけっきょく他人と深く向き合うことは自分と深く向き合うことでもあって、そらつらいわあ…。
ヒリヒリしてて苦しくて、でも文字からそれを体感 -
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読んでみたいけど、なかなか手が伸びなかった作家さんばかりのアンソロジー。思わず買ってしまった。
『最悪よりは平凡』 島本理生
主人公の和田魔美ってどんな女性なんだろうか?会ってみたいと思った。とても魅力的らしい。読んでて、真面目でしっかりとした女性だと思うんだけど、なぜか下心がある男ばかり寄ってくる。本人はそんなつもりは全くないのに。身体が魔性の女みたいに言われてるし。最後はいい感じに終わって良かった。
『深夜のスパチュラ』 綿谷りさ
バレンタインデーは恋する女子にとっては戦いだねって改めて思った。主人公の可耶ちゃんがチョコを買いに行くところから渡すまでの奮闘が読んでて面白かった。ガトーシ -
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ねえこんな苦しいことある…??
軽い気持ちで読み始めたら、吐きそうなくらいしんどくて、私の2023年しんどい恋愛小説大賞ぶっちぎりの第一位です。
〈私〉と〈あなた〉のおはなし。
一緒に暮らす恋人がいる〈私〉と、奥さんがいる〈あなた〉のおはなし。それだけ。
登場人物はたくさん、母や父や職場の同僚やそれこそお互いのパートナーも出てくるけれど、みんな「その他の登場人物たち」だった。
ただ、〈私〉と〈あなた〉の恋のおはなし。
自分勝手でまっすぐでどうしようもない恋のお話。
ぼんやり霞のかかったような比喩表現にぎゅっと胸を掴まれて、また苦しくなる。
これは読むタイミング、精神状態を選ぶ作品 -
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複雑な家族関係の春は日本文学の修士論文に取り組むなかで、彼氏との関係に疑問を抱くようになる。時はコロナ禍、友人や大人たちと大人数で会うことがなくなった反面、より密に会話を交わすようになった。論文の主題となる宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を探り、自分の過去と向き合い、自分の人間関係をつぶさに見つめていく。
恋愛だけが物語として進むのではなく、常に宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の研究が物語の根底に流れていて、読み終えたとき読者は長い旅路を終えたような気持ちになる。
いや、終えたというか、まだ道半ばだが、人生は悩みの連続でそれから逃れることはできないということを認識しつつも、一つの区切りがつけられた登場人物 -
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ネタバレ顔に大きなアザのある女の子が主人公で、不器用なようで芯が強くて、でも弱くて、私もアイコちゃんといろんな感情を一緒に経験した気持ちになった。初恋の心震えるあの感じ、なんで恋ってこんなに始まりは素敵なのに終わりは苦しいんだろうって思った。
そして、どうして島本理生さんの書く男の人ってこんなに好きになっちゃうんだろう。しかも幸せになれないってわかってるんだけど好きにならずにいられないタイプの…笑。何回も、飛坂さんと上手くいきますようにって願ったけど結ばれなかった。アイコちゃんが恋愛経験者だったら、もしくはあの「付き合ってるのに片思い」状態を我慢すれば一緒にいられたかもしれない。でも、あそこで大好きだ -
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ネタバレ上巻は本当に切なくて苦しくて、なんで?と思うところもたくさんあった。なんで、なんでそんなに不幸の匂いがする方にばかりいくの?と。
下巻で黒江がなぜそんな生き方しかできないのかが明かされていきますが、ほとんどは上巻と同じような思いで読んでいました(笑)
ただ、上巻(地元)と違うのは仁さんがいるということとやりたかったことに突き進んでいること。
その2点が黒江を支えていたと思う。
どんなにダメな方向に進んでも、見守り支えてくれる。
ただそこにいてくれる、在るということ。
現代の宗教の問題にも問いかけるような物語。
正直上巻を読んでいる時は最後に泣かされるとは思っていませんでした。弥生くんはやっぱり -
Posted by ブクログ
ネタバレとっても好きな一冊だった。短編だけど登場人物は重なっている。事実はひとつでも、それぞれの思いや受け取り方は違う。題名から想像するドロドロ系の不倫小説とはちがった。人って生きていく上でたくさんの他人と関わっていて、その出会いはぜんぶ運命で、その出会いや経験の全てがその人を作ってるんだなぁと。もっと大人になって読んだら感想が変わるような気がする。
猫目線の物語も入っていてほっこり。"氷の夜に"の大人なしっとりした恋愛もハッピーエンドでよかった。
「自分がなによりも欲しかったものはこの罪悪感だったのだとようやく気付いた。」ー足跡
「その昔あなたのことが大好きでそして今では嫌いに -
Posted by ブクログ
私は本当にこの人の文が現実の言葉での切り取り方が好きだなあと思わされた作品。
長編よりも短編の方が好きで、何より登場人物が繋がっていく描写が1番好き。
だって、それぞれの人にそれぞれの人生があるって気づかせてくれるから。
私の人生だけど、それには色んな沢山の人の人生が関わってきてるんだって思い知らせてくれる。
感情に素直に生きるって簡単そうですごく難しいことな気がする。
そうやって生きられたらどれだけ楽かもしれないけど
この世界って色んな人の考えと色んな人の人生が絡み合ってるからそんなの無理な話なんだよね。
だから人間は必ず苦悩するし死ぬまでに何度も何度も悩んで落ち込んで壁にぶつかる。
でも -