島本理生のレビュー一覧

  • 波打ち際の蛍

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    麻由はかつての恋人によるDVで心に傷を負い生きることに臆病になっていた。ある日カウンセリングの相談室で蛍という年上の男性に出会い次第に惹かれていく。彼に近付きたいのに身体はそれを拒絶してしまう麻由の苦悩が痛々しい。せつないけれど希望も感じた小説。

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    2025年05月17日
  • アンダスタンド・メイビー(下)

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    筑波に住む中学3年の母子家庭で育った黒江の二十歳になるまでの壮絶な人生。ある日書店で目にした写真集に心奪われ、カメラマンになるという夢を抱く。そんな中、東京からきた転校生の彌生に出会い…。読み進める度に心を切り裂かれるような事件が…。

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    2025年05月17日
  • 二周目の恋

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    めちゃ豪華な女性作家を集めたアンソロ。恋のお話なんだけれど、読後感が違うのが良きりお気に入りは、着ぐるみ同好会のお話、波木銅 「フェイクファー」と、久しぶりに再開する双子のお話、一穂ミチ 「カーマンライン」。

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    2025年04月29日
  • 夏の裁断

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    ネタバレ

    過去に受けた傷と、その克服について、
    書かれた本だったかと思います。

    千紘は幼い頃に性加害を受けたことがトラウマとなり、自己と他人の境界線が曖昧になって、自ら傷つきにいってしまったりと、自分を守ってあげていないような気がしました。

    作中で何度も行われる自炊も、作家である千紘が裁断機の刃を本の背表紙に当てるのは、自傷行為の暗喩のような印象です。

    自分でも自分を傷つけて、他人の男からも傷つけられて。。夏の章は中々苦しかったです。

    ただ、秋冬春にかけて、自己と他人の境界線の引き方を学んでいけたのかなと、
    自分が心地良いように過ごせる生き方が見えてきたような兆しがありました。

    過去の性加害最低野郎とも、それを知ってた上で過去も今も守ってくれなかった最低母親とも、
    破壊衝動的なとんでも最低編集者とも、
    まさに裁断なのです。

    王子と、猪俣君と、清野さんは、千紘が自分軸で動けるように必要な出会いだったと思います。

    最後のシェイクスピアの名言も良かったです。

    “A rose by any other name would smell as sweet ”(バラはどんな名前であっても、その香りは変わらない)

    清野さんとの関係に説明できる名称は無いけれど、
    お互い会いたいと思い続けることは美しいし、それは愛し合っていると言えるのかなと。

    人間関係の本質を考えさせられるような一冊でした。

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    2025年04月10日
  • 二周目の恋

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    ネタバレ

    好きが詰まった盛り合わせ!めっちゃ良かった!
    最悪よりは平凡 (岛本理生)
    魔美のしんどさがしんどくて、それでも好きな人ができてこれから始まっていく感じに、人生捨てたもんじゃないよねと思えた。
    深夜のスパチュラ (綿谷りさ)
    ひとりで買物行く時のグルグルハイテンション感にめちゃくちゃ共感。スパチュラに泣けちゃう気持ちもわかりみしかなかった。
    カーマンライン (一穂ミチ)
    回想から始まるストーリー展開に安心感。「ホテル・ニューハンプシャー」読んでみようと思った。
    無事に、行きなさい (桜木紫乃)
    「アプンノ パイエ」の言葉の意味と2本の線のデザインがそのまま主人公へのメッセージになっていて良かった。ミワさんかっこいい!
    海鳴り遠くに (窪 美澄)
    主人公の恵美が、絹香と出会って自分の心にちゃんと向き合えたのが良かった。最後の携帯電話越しの波の音に新しい人生が始まる感じがした。

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    2025年04月06日
  • ご本、出しときますね?

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    いやー、面白かった。
    オードリー若林と作家二人との鼎談のテレビ番組を書籍化したもの。
    出演者の内面が見られるけれども、それが静かで、ただただ真面目な雰囲気な物ではなく、明るく面白い。作家というイメージは真面目で物静かで取っつきづらいなんて思っている人も居るでしょうが、そんな人こそこれを読んでみて欲しいです。
    作家だって明るく面白い普通の人なんだと思えます。
    でも、やっぱり何かについて考えたり、それを表現する事はとてもすごいと思いました。
    そんな人が3人も集まってトークをするんだからそれはそれは面白い。
    色々と読みたい本が増えました。

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    2025年04月05日
  • いつか、アジアの街角で

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    大島真寿美さんの「チャーチャンテン」
    島本理生さん「停止する春」
    角田光代さん「猫はじっとしていない」
    が好きでした。
    桜庭一樹さん「月下老人」、続きが読みたい〜

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    2025年03月24日
  • 生まれる森

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    これ書いてるの私?(そんなわけないのですが)と思ってしまうくらい、「わたし」の気持ちが分かりすぎて、心のカサブタを剥ぐみたいな気持ちになった。読むのきついくらい共感してしまったけど、「回復」へ向かう途中ってこんな感じなのか、と客観視できて、痛みは無視しなくていいんだ…と思たことがすごく、良かった。

    小説としては本当に本当にかなり好きだし、島本理生さんの描く痛々しい女の子の、その生きる様が瑞々しくて、感性のいろんな部分が刺激される。島本理生さん沼すぎる。

    島本理生さんがこの本を執筆したのって大学生のときなんだって!すごいよね〜

    ちょっと心のカサブタが剥がれてしまったので次は、幸せハッピー!みたいな作品を読むことにします。笑

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    2025年03月17日
  • ご本、出しときますね?

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    あっという間に読んでしまった!

    本当に面白い、変わり者の集会
    みなさん一つ芯があるように感じる

    確かな言葉の重みがあって、
    そのリアリティーさが心地良い

    また読み直したいと思た

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    2025年03月16日
  • よだかの片想い

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    2025/03/02
    よだかというのは主人公の名前じゃなくて、この本の話の中で触れられる宮沢賢治の小説のよだかから取られたもの。
    主人公のアイコは顔に大きな青あざを抱えて生きてた。周りからも傷つけられたり、心無い態度を取られたりしたことが重なって人並みの生活にもすごい憧れていると同時にそんなに簡単には人を信用できないと思って生きていた。
    大学院まで進学した彼女が、ふとしたことから知り合った年上の映画監督の人に恋をするお話しである。
    自分の芯があるとか、人として強いとかそんな表現が出てくるのですが、それって本当にそうなんだろうか、具体的にどいうことなんだろうかということを考えられる小説だと思います。
    もちろん主人公や出てくる人たちが織りなす人間模様や恋模様も読んでいてとても面白いです。

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    2025年03月03日
  • シルエット

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    島本さんが15〜17歳に書かれた3つの話が収録されてます。高校生でこの文章が書けるなんて、ほんと作家さんはすごい。少ない経験をすべてだと信じ、泣いて絶望したり、少しの希望を見つけて喜んだりする十代の危うい世界が恋愛を通して描かれています。

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    2025年02月20日
  • ご本、出しときますね?

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    オードリー若林と20人の作家がマイルールについて語る大人気番組を書籍化
    目次を見てこれは買わねばと即決。執筆についてだけではなく、プライベートな話も盛りだくさんで、面白くてついついにやけてしまう..
    村田沙耶香さんには怒の感情がなく、小説を書く時◯の感情に浸っているとは...
    (◯が何かは読んで確かめてください〜!)

    作家さんに興味を持って、その方の作品を読みたくなる...新たな出会いのきっかけになる一冊でした!

    ぜひとも朝井リョウさん、柚木麻子さん、窪美澄さんの同期対談を読みたい。第2弾もお願いします!

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    2025年02月17日
  • よだかの片想い

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    好きという今の状態は素晴らしいものだけど、本当に好きだったという過去の状態がとても美しく感じる物語だった。
    生きていく中では、関係を持ち続ける人よりも過ぎ去っていく人の方が圧倒的に多い。でも過ぎ去っていく人の中には自分にかけがえのない経験や価値観、学びや愛を与えてくれる人がいる。
    そんな、過去だけど圧倒的な事実、自分を支えてくれる思い出を大切に日々を生きていきたい。

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    2025年02月07日
  • あなたの愛人の名前は

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    ネタバレ

    少しづつ読んでいた。
    実る事がない男女の愛、不器用な家族愛、愛せない愛…。
    6編それぞれ、違う人物の視点で描いているが、どこかで繋がり合っている。
    向き不向きは、あるけれど私は好きだなぁ。
    島本理生は、不器用で刹那い恋愛を書くのが上手い。

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    2025年01月25日
  • よだかの片想い

    匿名

    購入済み

    胸が締め付けられるようにギュッとなりました。
    アイコさんの気持ちが愛おしくて切なかったです。
    愛してるのに別れる選択をできる彼女を尊敬します。

    #切ない #感動する #泣ける

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    2025年01月14日
  • 波打ち際の蛍

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    没入感すごい。
    島本さんの作る文章、雰囲気に気がついたら呑み込まれている感じで。

    麻由の、自分の内側にある暗い場所に埋もれていく感じ。悪いのは自分だ、って。自分もメンタル患ったことがあるのですごく分かる。

    あと、病気というより性質だけど、他者のことばかり考えすぎて甘えられない感じもすごく共感。

    そういった描写はまったくないけれど、駅で彼を見送る麻由は、清々しい美しさに満ち溢れているのだろうなと思った。

    美しい文章が紡ぐ美しい物語が極上の読書体験を与えてくれた。

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    2024年12月15日
  • 2020年の恋人たち

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    少し前にトークショーを拝見したものの、読んだことがなかった島本理生先生。小説はみずからラブストーリーと銘打ったものを選ぶことはあまりなかったので、とても新鮮な気持ちでこの本を手にとってみた。
    2020年、というのは、ちょっと身構えてしまうワードだ。現実世界に色んなことがあったせいで、過剰に意味がこもってしまう。作品の時間軸は主に2018年で、2020年は後日談として触れられる。解説でコロナ禍を踏まえた加筆修正があったとなっていたが、確かに時代の空気感が丁寧に織り込まれていた。この時代だからこそ、刺さる物語の着地になっていたように思う。
    島本作品は初読なのだけれど、文章の湿度が高くて乾いた肌に染み込んでいく感触があった。なんでこの気持ち良い文体を今まで読んでこなかったのだろうか……。主人公の葵は、結構ヘビーなバックボーンを持つ。その実情は紡がれる人間関係の中で、少しずつ後出しされていく。だからだろうか、自然と葵の人間性が自分に透過してきて、苦しくなるほどの一時と、終盤に向けての開放感を、我が事のように感じることができた。
    葵を取り巻く男性陣、バラエティに富んでいて、色々と考えさせられる。自立して生きていくこと、について改めて直面したような。といっても自分は葵ほど芯は強くないのだけれど。
    それにしても……急死した母のワインバーを継ぐ、という舞台設定は、お酒もお料理も美味しそうすぎてハチャメチャに飲みに行きたくなった。葵と松尾君のいるワインバー、ふらりと訪れてみたい……。

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    2024年12月02日
  • 二周目の恋

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    (2023年12月21日の感想。帰りのバスで書く。)
    アンソロジーっていいよね。宝箱みたい。いろんな作家さんたちが一度に会していて豪華。

    この本を買った頃は丁度自分のなかで島本理生、窪美澄、一穂ミチのブームが来ていた。だからウッキウキで買って、そのあと暫く読めずにいたのを今になってようやっと読めた。

    面白かったのは綿矢りさ「スパチェラ」
    綿矢りさは、中学生の頃に『蹴りたい背中』、大学二年の秋に『勝手にふるえてろ』を読んだ。両方とも、それから今回の「スパチェラ」にも当てはまることだけど、今を生きる若い女の子を描くのが本当に上手。綿矢りささん自身は歳を重ねているのに、寧ろ作品のなかではより若く、より瑞々しく、そしてより甘く仕上がってきていて面白いと思う。

    桜木紫乃「無事に、行きなさい」も印象的だった。
    別れを告げる言葉を持たない民族のさよなら、無事に、行きなさい。別れる人の無事を願うことができるなんて懐が深いと思った。私は馬鹿みたいに重たいから、倫彦の無事なんて絶対願わない。私の預かり知らぬところで不幸になってくれと思う。

    意外だなって思ったのは窪美澄「海鳴り遠くに」
    この人こんなキャラクターも描けるのね、という点で意外だった。絹香のような子、珍しい気がする。最初に読んだのが『やめるときも、すこやかなるときも』だったから、多分その影響を引きずっているのだろうけど。年が明けたら『さよなら、ニルヴァーナ』読もうかなって計画中。

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    2024年11月26日
  • よだかの片想い

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    この本を読んでいると
    宇多田ヒカルさんのOne last kissの歌詞
    誰かを求めることは、すなわち傷つくことだった
    が頭からはなれなかった
    誰かを好きになって、その人の一番になれなくて
    そしてすきだけど冷めていく
    この流れが秀逸!

    恋愛をいいなって思わせてくれる一冊

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    2024年11月22日
  • あなたの愛人の名前は

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    大人の恋愛を切り取り、繊細な心理描写とともに描いた短編集。

    素敵だった、、。まっさらな純愛が語られているわけじゃないのに、純粋に素敵だなぁと思えてしまうのは、作者の品性が情景の切り取り方や言葉選びに表れているからだと思う。

    好きだから付き合おうよ、とはストレートにいかない複雑な感情の揺れ動きがいろんな登場人物の視点から見れてよかった。島本さんの他の本も読んでみたい!

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    2024年11月03日