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4.0恐怖が、再定義される── 『ゲット・アウト』の監督・ジョーダン・ピールが送る 黒人作家たちによる恐怖の最前線 【ローカス賞】、【ブラム・ストーカー賞】、【英国幻想文学大賞】受賞! 【世界幻想文学大賞】最終候補作! 『ゲット・アウト』『アス』『NOPE/ノープ』で世界に衝撃を与えた映画監督・脚本家ジョーダン・ピールが編集を手がける、全編書き下ろしによるブラック・ホラー短篇集。 本アンソロジーに収録された19の作品では、奴隷制度の記憶、公民権運動のトラウマ、移民としての分断されたアイデンティティ、そして現代社会の見えざる暴力など、超自然の恐怖だけでなく、アメリカ社会に深く根を下ろした不正義や歴史的暴力といった“現実”の〈悪夢〉が描かれる。 作家陣には、N・K・ジェミシン、ンネディ・オコラフォー、レベッカ・ローンホース、タナナリーヴ・ドゥーら国際的に高く評価される作家たちが名を連ね、新進気鋭の書き手も多数参加。また、ジョーダン・ピール自身による序文も収録されている。 ローカス賞、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞を受賞したほか、Esquire、CrimeReads、シカゴ公共図書館の「年間ベストブック」にも選出された。また、英・ガーディアン紙は「今年最高のアンソロジーであるだけでなく、時代を超えて語り継がれる一冊」と絶賛している。 ブラック・ホラーの最前線を記録する、必読のアンソロジー。 あなたがまだ見ぬ恐怖が、ここにある──
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4.4出張先のメキシコで、突然の雨を逃れて入った古書店。そこで見つけた一冊の書物には19世紀に、スコットランドのある町で起きた黒曜石雲という謎の雲にまつわる奇怪な出来事が書かれていた。驚いたことに、かつて、若かった私はその町を訪れたことがあり、そこで出会ったある女性との愛と、その後の彼女の裏切りが、重く苦しい記憶となっていたのだった。書物を読み、自らの魂の奥底に辿り着き、自らの亡霊にめぐり会う。ひとは他者にとって、自分自身にとって、いかに謎に満ちた存在であることか……。幻想小説、ミステリ、そしてゴシック小説の魅力を併せ持つ、マコーマック・ワールドの集大成とも言うべき一冊。
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-三島由紀夫の文学、思想、行動を包括的に論じる決定版批評集。エッセイでは著者自身の三島体験、作品論では『豊饒の海』四部作を中心に、その構造と思想的展開を緻密に分析。行動論では、映画への出演、政治的発言、東大全共闘との対話などを多角的に考察。又、故中上健次氏との1985年の対談を掲載し、巻末には、戦後の日本とイタリアを代表する文学者である三島とパゾリーニの架空の対話を描いた哲学小説を収録。異なる文化圏で似た運命をたどった二人の邂逅を通じて、文学と思想、歴史と偶然が交錯する想像空間が展開される。三島理解の新たな扉を開く一冊。 平野啓一郎氏推薦――「絶対」を夢見つつ、徹底した相対化を通じてこそ、却って豊かな深みを開示する不思議な作家・三島由紀夫。本書は、多年に亘り、この大仕事を取り組んできた、最適任者による渾身の一冊!
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4.617世紀、デカルトとニュートンのパラダイム成立によって、世界から魔術が失われた。 貨幣による資本主義と合理的な科学思考によってできあがった近代的な世界。 魔術は科学に置き換えられてしまった。しかし、科学的に再編成される過程で色あせていったパワフルな知を取り戻すために、今こそ「世界の再魔術化」が必要だ! デカルト・パラダイムに反旗を翻し、1960年代のカウンター・カルチャーの空気をひっさげ、「世界の再魔術化」への道筋を探った知的冒険の書、待望の復刊! オカルト学の山々を乗り越え、たどり着いたひとつのヒントはグレゴリー・ベイトソン。 ロボティクス、アンドロイド、VR的な現実世界の出現を前に、今こそ再読されるべき書。
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5.0
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-詩、小説、漫画、映画、写真、美術、音楽、建築、世界への旅、1960~70年代の記憶……。 あらゆる表象芸術を論じ、同じ時代を疾駆した博覧強記の評論家ふたりによる初の対論。 隣り合って交錯し、ずれながら反響する知のセッション! 生年も経歴もほぼ同じ。映画と写真、専門分野は違えども、時代を見つめる姿勢だけは変わらない。少女アリスとビートルズを守護神に、詩を書き、夢を見、アジア・アフリカ大旅行。表象芸術、何でも来い! 始まりも終わりもない対論集がついに刊行! 「隣接性は直前性といってもいいかもしれません。いずれにしても、連続性や従属性とはまったく別のものです。それはテクストが先行するすべてのテクストと対等な位置において並び、そこにいかなる支配/被支配の関係も存在していないという状況を指しています。 ただ隣り合っていて、無言でお互いを肯定しあっている。そうしたトポロジカルな関係を、わたしは隣接性と呼んでみたいのです。武者小路実篤は色紙に一筆をと依頼されると、よく茄子と胡瓜が並んでいる絵を描き、「なかよきことは美しきかな」と言葉を添えました。「なかよきこと」など、世界を見渡してももうどこにも見つからなくなった現在、わたしはあえて隣接的を文学の価値の基準として差し出してみたいのです」――四方田犬彦「テクストの隣接」より 【内容目次】 第一部 ウィリアム・ウィルソン 四方田犬彦 ハイスクール・デイズ 飯沢耕太郎 ハンガーストライキ 四方田犬彦 アフリカの断食者――ムゼーのこと 飯沢耕太郎 万里の長城とバベルの塔 四方田犬彦 「夢の建築」の方へ 飯沢耕太郎 戒厳とその直後 四方田犬彦 先回りするロバンソン、テツオくんのこと 飯沢耕太郎 苦痛のもとに書く 四方田犬彦 苦痛を分かちあうということ 飯沢耕太郎 肉体の宿命を撮影する 四方田犬彦 生と死のボーダーライン、あるいは…… 飯沢耕太郎 アーバスの真実はどこにあるか 四方田犬彦 第二部 詩ってなんだろう? 飯沢耕太郎 中断と訣別 四方田犬彦 「欠落と断片」、そして「異言」 飯沢耕太郎 アウトサイダー・アートとしての現代詩 四方田犬彦 「連れていかれる」ということ 飯沢耕太郎 テクストの隣接 四方田犬彦 「猿」と、起源の欠落について 飯沢耕太郎 女性性器の表象 四方田犬彦 「名前」について 飯沢耕太郎 表象と命名 四方田犬彦 来るべき「きのこ時代」のために 飯沢耕太郎 ビートルズと茸の関係について 四方田犬彦 終末と晩年様式 飯沢耕太郎 終末もなければ起源もない 四方田犬彦 『マッシュルーム・ブック』とルドンの壁画 飯沢耕太郎 【著者プロフィール】 四方田 犬彦 (よもた・いぬひこ)(著) 1953年生まれ。映画史家、比較文学研究家。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を学ぶ。明治学院大学教授として長らく教鞭を執り、コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学、中央大学校(ソウル)、清華大学(台湾)などで映画史と日本文化論を講じる。『月島物語』(集英社)で斎藤緑雨文学賞、『映画史への招待』(岩波書店)でサントリー学芸賞、『モロッコ流謫』(筑摩書房)で伊藤整文学賞・講談社エッセイ賞、『ソウルの風景 記憶と変貌』(岩波新書)で日本エッセイスト・クラブ賞、『白土三平論』(作品社)で日本児童文学学会特別賞、『日本のマラーノ文学』『翻訳と雑神』(ともに人文書院)で桑原武夫学芸賞、『ルイス・ブニュエル』(作品社)で芸術選奨文部科学大臣賞、『詩の約束』(作品社)で鮎川信夫賞受賞。主な著書に『パゾリーニ』『零落の賦』(ともに作品社)などがある。 飯沢 耕太郎(いいざわこうたろう)(著) 1954年生まれ。写真評論家、きのこ文学研究家。日本大学芸術学部写真学科卒業、筑波大学大学院芸術学研究科学術博士課程修了。1990年、季刊写真誌『déjà-vu(デジャ=ヴュ)』を創刊。1996年、『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書)でサントリー学芸賞受賞。写真関連の著書に『写真的思考』(河出書房新社)、『現代日本写真アーカイブ』(青弓社)、『写真の国のアリス』(福音館書店)などが、きのこ関連の著書に『きのこ文学大全』(平凡社新書)、『マジカル・ミステリアス・マッシュルーム・ツアー』(東京キララ社)、『フングス・マギクス 精選きのこ文学渉猟』(東洋書林)などが、編書に『きのこ文学名作選』(港の人)、『泉鏡花きのこ文学集成』『宮沢賢治きのこ文学集成』(ともに作品社)などがある。
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4.0映画100年の作品はいかに豊穣か.サイレントからトーキー,モノクロからカラーへと映画の表現形態は技術の進歩とともに変わるが,その歴史を直線的な過程としてとらえるのではなく,国境や時間をこえ,縦横にその影響関係を読み解く.ビデオ時代の映画の見方を判りやすく説く画期的な映画入門の本.写真,資料多数掲載.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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3.0人はなぜ 愚行を怖れ しかも魅惑されるのか フローベール、ドストエフスキー、ニーチェ、バルト、そして谷崎潤一郎 愚行は西洋近代が考案した〈人間の宿命〉である 「愚」という尊き徳をめぐる最新長篇論考 愚行を地上から消滅させることは不可能であると認識していた者は、いつの時代にも少数だが存在していた。だが多くの者は、何らかの条件さえ整えば、人は愚行に対して勝利を収めることができるものだと考えていた。しかし今日にいたるまで愚行は消滅することなく、それどころかますます猖獗を極め、強固な構造として世界に遍在している。
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4.0老いていくことのゆるやかな心構え 1953年生まれの著者は今年、70歳になった。 「これまでは老人見習いのような感じであったが、これからは本格的に『高齢者』の域に突入する。(中略)そこで現在自分が人生観、世界観(というとあまりに厳粛な感じがするので、そういいたくはないが、要するに毎日の普通の心構え)を整理して纏めておきたい。」(巻頭「老年にはなったけど…」より) 「忘却」「記憶」「読むこと」「書くこと」「勉強」「音楽」「詩作」「犬」「幸福と若干の後悔」「スープと復讐」「もう一度行きたい、外国の街角」「秘密」「病」「信仰」「死」など、「老年」に身近な多彩なテーマを、そっと自らに問うている。 「この本はとてもリラックスして書いた。(中略)『人、中年に到る』と同じように、手元に何も資料など置かず、思いつくままに、好き勝手に筆を進めたわけで、書いているのが愉しかった。」(巻末「対話風の後書き」より) エッセイ集『人、中年に到る』刊行から13年、「歳を取ろうとしているわたしは、はたして聡明になったのだろうか、幸福になったのだろうか」。映画、文学、漫画、演劇、料理など各分野を網羅する著述家による、書下ろし作品。
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5.0「俺は国際的の居候」と嘯く大正時代の作家,大泉黒石.ロシア人を父に持ち,複数語に堪能なコスモポリタンだった.『中央公論』連載の『俺の自叙伝』で一世を風靡するが,才能を妬まれ,虚言家だと罵られ文壇追放,忘れられた作家となる.国家も民族も飛び越え,人間性の普遍へと向かおうとした異端の文学者が,今,蘇る.
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4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ★エッセイで指南し、小説で実践してみせる。当代一の書き手によるゴシック入門。 エドガー・アラン・ポー、ウィリアム・フォークナーから始まり、内田百閒、伊藤潤二、柴崎友香、『鬼滅の刃』までのゴシック、ホラーの作品世界を、現代アメリカの最重要ゴシック作家のひとりブライアン・エヴンソンが語り尽くす。書き下ろしを含むゴシック小説4篇(うち3篇は本邦初公開)と、柴田元幸との対談も収録。完全英日バイリンガル本。 〈目次〉 まえがき ブライアン・エヴンソン Introduction by Brian Evenson 1 幼いころに難解な物語を 聴くことの効用 ― たとえばポー ― Having Poe Read to in Childhood エッセイ ポーを読む(Reading Poe) 小説 ザ・パニッシュ(The Punish) 2 「よくわからない」が創作につながる ― 鬼滅の刃、内田百閒、伊藤潤二、柴崎友香 ― Creativity of Not Knowing エッセイ 何もかもわかってはいないことの効用(Not Quite Knowing What It All Means) 小説1 痕跡を残さぬ顔(A Face Leaving No Traces) 小説2 紫の野菜(Purple Vegetable) 3 ブライアン・エヴンソンはいかにして作られたか The Making of Brian Evenson ブライアン・エヴンソン、柴田元幸対談 A Conversation Between Brian Evenson and Motoyuki Shibata 4 総括篇 Conclusion 小説 ぐっすりお休み(Good Night, Sleep Tight) 訳者あとがき 柴田元幸 Translator's Afterword 装画 横尾忠則
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-現代アメリカ文学を代表する作家のひとり、アレクサンダル・ヘモンの最初期短編集 故郷喪失者は言語の中でのみ生きることができる たとえどこにいようが故郷には決していないのだから 原書が刊行されてから二十数年が経過し、サラエヴォ包囲自体は過去の出来事になったかもしれないが、むろん優れた小説はこの程度の時間で古びるものではないし、そもそもユーゴスラヴィアの惨事と消滅そのものは過去の話であっても、同じような事態が日々世界で生じていることは言を俟(ま)たない。(柴田元幸) ヘモンがナボコフとのあいだに感じる親近感は語彙という面からくるものではなく、故郷を喪失した作家が共通して抱える「埋め合わせてくれるものは言語だけ」という感覚だという。(秋草俊一郎) A・ヘモンによる『島』は、彼が英語で書いたもっとも初期の作品のひとつである。ヘモン氏はボスニア人であり、一九九二年にアメリカを旅行中、ボスニアでの戦争により帰国の道を絶たれてアメリカに移住した。『島』 を書いたのは一九九五年の春、もはや母語で小説を書くこともできず英語でもまだ書けなかった三年間を耐えた末のことだった。 スチュアート・ダイベック(『プラウシェアーズ』 1998年春号) 【目次】 島 アルフォンス・カウダースの生涯と作品 ゾルゲ諜報団 アコーディオン 心地よい言葉のやりとり コイン ブラインド・ヨゼフ・プロネク&死せる魂たち 人生の模倣 訳者あとがき 【著者】 アレクサンダル・ヘモン 1964年、旧ユーゴスラヴィアの構成国だったボスニア・ヘルツェゴビナ社会主義共和国の首都サラエヴォで生まれる。1992年渡米後、サラエヴォがセルビア人勢力によって包囲されたことで帰国不能になりアメリカに留まる。母語ではない英語で作品を発表するようになり『ノーホエア・マン』で高く評価。代表作に『世界とそれがかかえるすべて』など。映画『マトリックス レザレクションズ』ではラナ・ウォシャウスキー、デイヴィッド・ミッチェルと脚本の共同執筆も務めた。 柴田元幸 1954年生まれ。東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベックなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『アメリカン・ナルシス』、訳書にジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』、エリック・マコーマック『雲』など。講談社エッセイ賞、サントリー学芸賞、日本翻訳文化賞、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』日本語版責任編集、英語版編集。 秋草俊一郎 1979年生まれ。日本大学准教授。専門は比較文学・翻訳研究など。著書に『アメリカのナボコフ―塗りかえられた自画像』、『「世界文学」はつくられる 1827-2020』、訳書にドミトリイ・バーキン『出身国』、ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの塊 エッセイ集1921-1975』、アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』、ホイト・ロング『数の値打ち―グローバル情報化時代に日本文学を読む』(共訳)など。
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4.1★柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。 ★オリジナル・イラスト174点収録。 ★訳者 柴田元幸の「作品解題」付き。 「トム・ソーヤーの冒けん」てゆう本をよんでない人はおれのこと知らないわけだけど、それはべつにかまわない。あれはマーク・トウェインさんてゆう人がつくった本で、まあだいたいはホントのことが書いてある。ところどころこちょうしたとこもあるけど、だいたいはホントのことが書いてある。べつにそれくらいなんでもない。だれだってどこかで、一どや二どはウソつくものだから。まあポリーおばさんとか未ぼう人とか、それとメアリなんかはべつかもしれないけど。ポリーおばさん、つまりトムのポリーおばさん、あとメアリやダグラス未ぼう人のことも、みんなその本に書いてある。で、その本は、だいたいはホントのことが書いてあるんだ、さっき言ったとおり、ところどころこちょうもあるんだけど。 それで、その本はどんなふうにおわるかってゆうと、こうだ。トムとおれとで、盗ぞくたちが洞くつにかくしたカネを見つけて、おれたちはカネもちになった。それぞれ六千ドルずつ、ぜんぶ金(きん)かで。つみあげたらすごいながめだった。で、サッチャー判じがそいつをあずかって、利しがつくようにしてくれて、おれもトムも、一年じゅう毎日(まいんち)一ドルずつもらえることになった。そんな大金、どうしたらいいかわかんないよな。それで、ダグラス未ぼう人が、おれをむすことしてひきとって、きちんとしつけてやるとか言いだした。だけど、いつもいつも家のなかにいるってのは、しんどいのなんのって、なにしろ未ぼう人ときたら、なにをやるにも、すごくきちんとして上ひんなんだ。それでおれはもうガマンできなくなって、逃げだした。またまえのボロ着を着てサトウだるにもどって、のんびり気ままにくつろいでた。ところが、トム・ソーヤーがおれをさがしにきて、盗ぞく団をはじめるんだ、未ぼう人のところへかえってちゃんとくらしたらおまえも入れてやるぞって言われた。で、おれはかえったわけで。 ——マーク・トウェイン著/柴田元幸訳『ハックルベリー・フィンの冒けん』より ■タイトルの表記について(本文「解説」より) ハックはまったくの無学ではないし、学校に行けばそれなりに学びとるところもあるようだから(まあ六七(ろくしち)=三十五と思っているみたいですが)、もし漢字文化圏の学校に通ったとしたら、字もある程度書けるようになって、たとえば「冒険」の「険」は無理でも、「冒」は(横棒が一本足りないくらいのことはありそうだが)書けそうな気がするのである。
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-怖くなければ映画じゃない!? インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、カンボジアなどの怪奇映画史、恐怖と身体の政治性、アニミズム的精霊信仰との関係を解く。渾身の書下ろし!
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4.0みずから進んで映画評を執筆した谷崎潤一郎。日本最初の表現派映画を試みた大泉黒石と溝口健二。新感覚派の小説家たちの協力を得て、前代未聞の前衛映画『狂つた一頁』を製作した衣笠貞之助――精神病院を舞台に、狂人の妄想をグロテスクに描き出した『カリガリ博士』が日本の芸術家たちに与えた衝撃を精緻にたどる評論集。
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4.5ソウルの大学への就職話というのもそれほど悪いものではないかもしれない。なにしろ自分はこの2年というもの、横文字ばかり読んできて、すっかり頭が欧米向きになってしまった。フランス語も英語も存在しない、この不思議な文字の連なりからなる国に足を向けるというのも、考えようによっては面白いに違いない。焼肉もキムチも好きだ。焼肉は食べ放題だっていうではないか。きっとこれは真の意味で冒険となるだろう。何しろまったく予備知識のない社会に、白紙同然の状態で行こうとするのだからな。となれば、ぐずぐずはしていられない。今すぐパスポートを申請し、ヴィザの発給を受け、この文字に少しでも親しんでおくことだ。わたしはそう決意した。わたしはパスポートを受け取ると、その足で南麻布にある大韓民国大使館に向かった。 1970年代に日本人が韓国を訪問するには、理由と期間の如何を問わず、ヴィザの発給を受ける必要があった。とりわけわたしの場合には、観光や就学のヴィザではない。一年間を外国人教師として過ごすには労働ヴィザを取得しておかねばならない。それは極めて稀なことだったのである。…… 「ところで皆さん、韓国に行ったことはありますか。」宴会のなかで梁さんの発したひと言が「わたし」の運命を大きく変えた。20代前半の「わたし」は日本語教師として、ソウルの大学に赴任し、そこで朴正煕大統領暗殺、戒厳令の施行に遭遇する。『ソウルの風景』(岩波新書)の著者による渾身作。
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-それは1914年のうららかな春、プロイセンで撮られた一枚の写真から時空を超えてはじまった―物語の愉しみ、思索の緻密さの絡み合い。20世紀全体を、アメリカ、戦争と死、陰謀と謎を描ききった、現代アメリカ文学における最重要作家、パワーズの驚異のデビュー作。 ※本電子書籍は、「舞踏会へ向かう三人の農夫 上・下」の合本版です。
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5.0カフカ、ニーチェ、ランボー、プルースト――「密かな悪徳」としての読書を愉しむ、ちょっとディープな世界文学案内。 30年前の高校生を魅了した名作15篇を再読。知的興奮あふれる文学エッセイ! ● 読み返すというのは、奇妙な体験である。わたしは高校生であったころから、すでに三十年以上も馬齢を重ねてしまった。ある書物に最初に出会ったときの驚きと同じものを、現在なお求めようとするのは困難かもしれない。その代わりにわたしには、高校生のときに見過ごしていた細部を、より丁寧に、またより広い文脈のもとで理解し直すことができるのではないかという期待がある。(「はじめに」より)
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4.1世界中の子どもと大人が読む18世紀の英国の名作を、実力と人気を兼ね備えた柴田元幸が、見事に翻訳し注釈する。小人国、巨人国、空飛ぶ島ラプータ、馬たちが暮らす理想郷。次々と起きる出来事、たっぷりの諷刺、理屈ぬきの面白さ! 朝日新聞好評連載の書籍化。
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4.0ピーター・バラカン 「持ち寄ったレコードを黙って聞き、意見を一切言わない。この極度のオタク行為に潜む意義はあるのか、答えはまだ出ませんが、一気に読んでしまいました」 直枝政広(カーネーション) 「明かされるタイトルだけを頼りに、読みながらプレイリストを作った。音楽の迷路に迷い込む気持ち良さを存分に味わった。答え合わせは後のお楽しみだ」 月曜の夜、パブの小部屋に3枚のレコード盤を持ち寄り、厳格なルールのもとにただ黙って聴く──ストイックな倶楽部は順調に育っていくかに見えたが、やがてライバルが出現し、分裂の危機に揺さぶられる……トマス・ピンチョンがデビュー作を賞賛、イギリスならではの乾いたユーモアの名手が送る現代社会の寓話。 作中には60年代以降のロック、ポップスのタイトルが無数に登場するが、ミュージシャンやバンド名はいっさいナシ。そんな意地の悪い小説だが、作者本人がSpotifyに“The Official Forensic Records Society Playlist by Magnus Mills”と題したプレイリストを公開中! 訳者・柴田元幸によるあとがき、注解とマグナス・ミルズの著作ガイドとともにお楽しみ下さい。 訳者あとがきより─── 人物の過去も背景も示さず、ほかに何をやっているかも伝えず、ひたすらひとつの営みに携わるさまを、比喩などのレトリックにも頼らず描く。そうやって自主的に素材を貧しくすることを通して、この作家ならではの、オフビートな可笑し味が生まれてくる。無表情で可笑しいことを言ったりすることを英語ではdeadpanと呼ぶが、マグナス・ミルズほどdeadpan humourに長けた書き手もそうザラにいない。
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-翻訳家・柴田元幸が、翻訳に対する考え方や自身の翻訳手法について述べた、とっておきの100の言葉(と、なぜか本人のボケツッコミ)を集めた一冊。東京大学での翻訳の授業や、講演、対談、インタビューなど、さまざまなシーンのシバタセンセイが登場します。 近現代の英米文学作品を独自の視点で選び抜いて翻訳し、日本の読書界を動かしている翻訳家・柴田元幸が、翻訳に対する考え方や自身の翻訳手法について述べた、とっておきの100の言葉(と、なぜか本人のボケツッコミ)を集めた一冊。 本書は、エッセイや講演、対談、インタビュー、東京大学での授業などを記した、さまざまな文献、音声資料、ウェブサイトなどから柴田元幸の名言を選び抜いて編んだものです。 構成は「ぼくが考える翻訳とは」、「ぼくの翻訳手法1&2」、「ぼくが考える翻訳という仕事」、「ぼくの翻訳の教え方」、「ぼくと村上春樹さんとのお仕事」、そして番外編として「ぼくから若い人たちへのメッセージ」の全7章。翻訳とは結局、何をどうすることなのか、翻訳をするときに頭と身体はどう動いているのか、といった練達の翻訳家ならではの言葉から、実はあまり本を読んでいなかった若き日々、不登校になりかけた幼少時代を踏まえての若い人たちへのメッセージまで、リズミカルな言葉で紡ぎ出されます。 柴田訳のファン、翻訳に興味のある方、英語を勉強中の方、本が好きな方、言葉について考えるのが好きな方、そして、なぜだかこの本を手に取ってしまったあなた。――どなたにもおすすめの一冊です。 【対象レベル】英語全レベル 【著者プロフィール】 柴田元幸: 1954(昭和29)年、東京生まれ。米文学者、東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、ブライアン・エヴンソンなどアメリカ現代作家を精力的に翻訳。2005 年にはアメリカ文学の論文集『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞を、2010年には翻訳『メイスン&ディクスン(上)(下)』(トマス・ピンチョン著、新潮社)で日本翻訳文化賞を、また2017年には早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌「MONKEY」(スイッチ・パブリッシング)の責任編集も務める。英検1級(優秀賞)。
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-四方田柳子という見覚えのない名前をきっかけに始まった過去の探索。しだいに明らかになるさまざまな事実。女子大時代に学んだ理想主義的な児童教育に心血を注いだ柳子。広大な屋敷を管理することに情熱を捧げた美恵。日本舞踊と西洋音楽を同時に学び、生涯にわたって労働とは無縁だった昌子。著者が発掘した一家の歴史。
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-英語×柴田訳で見えてくるこの国の「基本」 日本国憲法には公式訳があった! 文学翻訳の名手が挑む「英文版憲法」 日本国憲法が公布された1946年11月3日、その全文訳が英文官報に掲載された。本書では、この「英語版憲法」の新訳に、英米文学翻訳家の柴田元幸が挑戦、明快な現代語訳を作りあげた。英語という言語を介して、この国の基本法を新たな角度で見つめよう。 ●「英語版」&「柴田元幸訳」で日本国憲法が分かる! 英語も身に付く! 日本国憲法の公式訳「英語版憲法」を、翻訳界の巨匠柴田元幸氏が翻訳。正統派の英文と明快な現代語訳という新しいアプローチで、憲法のスピリットとメッセージが頭にすらすら入ってくる。英文は、憲法公布日(1946年11月3日)、GHQの了承に基づき英文官報に掲載されたもの。語注が付いているので、英語学習にも最適。法律用語を憲法学者の木村草太氏が監修。 ●朗読音声で「耳から」もよめる! 日本語と英語の朗読が聞けるダウンロード音声付き。日本語は『鬼滅の刃』(鬼舞辻無惨役)でお馴染みの関俊彦氏、英語はプロのネイティブナレーターが朗読。私たちの生活を守る憲法が耳に、心に、じわじわとしみてくる。 ●柴田氏&木村氏の対談「英語からみた『日本の憲法』」を収録 peopleをどう訳すかは難題、第9条の英文に感じる「気合い」、「実は憲法には衆議院と参議院の違いが書かれていない」…etc.。訳語をめぐる思いや条文の以外な事実など、訳者と監修者が語る、英語から見えてくる日本の憲法。 ●アメリカ合衆国憲法も! アメリカの憲法にはどんなことが書かれているのか? 合衆国憲法の英文(抜粋)、柴田氏の翻訳、木村氏の解説を収録。日米比較で憲法をよりディープに理解。大統領選や弾劾裁判などアメリカのニュースもぐっと身近で分かりやすくなる。 ※本書は、2015年刊行の『現代語訳でよむ日本の憲法』にアメリカ合衆国憲法の翻訳を新たに加え、増補改訂したものです。 ※本書の学習で使用する音声(MP3)は、すべて無料でダウンロードできます。アルクのウェブサイトよりダウンロードの上ご利用ください。お持ちのPCの音声プレーヤーや、スマホに同期して再生、もしくはスマホアプリ「英語学習 booco」(無料)から直接ダウンロードして、再生いただくこともできます。なお、本電子書籍のビューワー上で音声再生はできません。予めご了承ください。商品ご購入前に、ご利用の端末でのアプリ「英語学習 booco」インストールの可否を、ストア(App Store/Google Playストア)でご確認ください。 【対象レベル】英語全レベル 【ダウンロード音声】MP3形式 【著者プロフィール】 柴田元幸(翻訳): アメリカ文学研究者、翻訳家。EJで「英米小説最前線」連載中。ポール・オースターやレベッカ・ブラウンら、アメリカ文学の翻訳を数多く手掛ける。文芸誌「MONKEY」(スイッチ・パブリッシング)責任編集。『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクスン』(上・下、新潮社)で日本翻訳文化賞を受賞。
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4.5戦後70年の節目に、「日本国憲法英文版」をアメリカ文学研究家、翻訳者の柴田元幸が現代日本語に翻訳。法律用語監修に首都大学東京の木村草太を迎え、対談「英語からみた『日本の憲法』」も収録。また、現代語訳を声優の関俊彦が朗読。英語から「日本の憲法」にアプローチする、新たな試み。 【商品の特長】 1)日本国憲法英文版を、柴田元幸が「素直」によんで、「今の言葉」に訳す 1946年11月3日、日本国憲法が公布された同じ日、「英文官報号外」に“The Constitution of Japan”が掲載された。いわゆる「日本国憲法英文版」である。 この日本国憲法英語版の全文を、「素直」によんで、「今の言葉」に訳すとどうなるのか? これに挑戦したのが、ポール・オースターをはじめ、アメリカ文学の翻訳を数多く手がける柴田元幸。一見回り道のようだが、英語からアプローチすることで、日本国憲法の持つメッセージが、より明確に、「腹にストンと落ちる」形で伝わる。 2)木村草太が、法律用語を監修 他分野とのコラボレーションに意欲的で、発信する憲法学者である木村草太。本書では、憲法学の見地から、法律用語を監修。 3)柴田元幸×木村草太対談 英語からみた「日本の憲法」収録 日本国憲法を英語からみると、どんな地平が広がっているのだろう? 「対談を通して訳語が変わっていく」過程、「実は憲法には衆議院と参議院の違いが書かれていない」意外な事実、「individuals(個人)とhumans(人)の違いは、英語で考えるとよりくっきりする」気付きなど、刺激に満ちたスリリングな対談。 4)無料ダウンロード音声で声優・関俊彦がよむ「日本の憲法」全文が聞ける! 「忍たま乱太郎」(土井先生役)、「仮面ライダー電王」(モモタロス役)、「NARUTO-ナルト-」(うみのイルカ役)などで知られる声優の関俊彦が、現代語訳された「日本の憲法」全文をよむ。耳から「日本の憲法」がしみこんでいく。 ※ダウンロード音声(mp3)はPCのみの対応です。ダウンロードするにはPCとPC用のメールアドレスが必要です。 対象レベル:全レベル ダウンロードコンテンツ: ・現代語訳版音声:17ファイル、約56分、収録言語=日本語。「日本国憲法英文版」の現代語訳を、声優の関俊彦さんの声でお聞きいただけます。 ・日本国憲法英文版音声:17ファイル、約52分、収録言語=英語。「日本国憲法英文版」の原文をお聞きいただけます。 【著者プロフィール】 翻訳: 柴田元幸:アメリカ文学研究者、翻訳家。1954 年東京生まれ。ポール・オースターやリチャード・パワーズ、レベッカ・ブラウンをはじめ、アメリカ文学の翻訳を数多く手掛ける。文芸誌「MONKEY」(スイッチ・パブリッシング)責任編集。『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクスン』(上・下、新潮社)で日本翻訳文化賞を受賞。月刊誌『ENGLISH JOURNAL』(アルク)にて「英米小説最前線」を好評連載中。 法律用語監修: 木村草太:憲法学者。首都大学東京法学系准教授。1980 年東京生まれ。著書に、『平等なき平等条項論』(東京大学出版会)、『憲法の急所』(羽鳥書店)、『憲法の創造力』(NHK出版)、『テレビが伝えない憲法の話』(PHP)、『未完の憲法』(奥平康弘との共著、潮出版社)、『憲法の条件』(大澤真幸との共著、NHK出版)など多数。「報道ステーション」(テレビ朝日系)レギュラーコメンテーターとしても活躍中。
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-詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生といえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられず、極貧のまま、40歳で路上で生を終えた――。孤高の作家の昏い魂を写したかのようなゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録。生誕200年記念。(『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―』の内容紹介文より) ※当電子版は新潮文庫版『ポー短編集』シリーズⅠ~Ⅲをまとめた合本版です。
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3.3人間のもっとも古い伴侶にして身近な他者──「犬」。古代叙事詩からルネッサンスの戯作、近代小説、SFそして映画と漫画にいたるまで、「犬」のイメージの変遷を辿る。比較文学者にして愛犬家である四方田犬彦による古今東西文学エッセイ集。【目次】ハーマン・メルヴィルを讃えて/乞食の帰還 ホメロス/二人の動物物語作家 シートンとロンドン/孤独の友だち ブニュエルとセリーヌ/犬、人を襲う 鏡花、多喜二、ギャリ/四つん這いになる ドヌーヴと金石範/犬婿入り 『後漢書』と馬琴/冥府より来りて グラス/犬を人間にできるか ステープルドンとブルガーコフ/犬をどう名付けるか/密談ピカレスク セルバンテスとホフマン/犬族から遠く離れて パニッツァとカフカ/東西名犬対決 『タンタン』と『のらくろ』/復員兵という名の野良犬 吉岡実と北村太郎/犬の眼でモノを見る ジョイス、原將人、岡部道男、森山大道/文学的ジャンルとしての、犬の追悼/犬は人なり 谷崎潤一郎と川端康成/愛犬と闘犬 江藤淳と川上宗薫/法(ダールマ)としての犬/あとがき
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-2015年1月、ゴダール最新3D作品『さらば、愛の言葉よ』が公開!! ゴダール初の長篇作品『勝手にしやがれ』から半世紀以上が経過し、 この度、最新3D作品『さらば、愛の言葉よ』が公開される。 ゴダール以上に映像の可能性を試し、示し続けて来た作家はいないのではないだろうか。 進化をつづける映画の巨匠、ゴダールの批評精神に迫りたい。
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4.0天才的な腕前を誇るナイフ投げ師が、私たちの町にやってきた! 彼の名はヘンシュ。それまでいかなるナイフ投げ師も越えなかった一線を越えたことで、その名声を築き上げたのだ。公演の日、噂に聞いたヘンシュの投げ技は、徐々に趣向をエスカレートさせ……(表題作)。夜、私たちの町では、少女たちの秘密結社が妖しい儀式を開くという。風聞や関係者の証言によっても、結社の真の姿は判然とせず……(「夜の姉妹団」)。自動人形、空飛ぶ絨毯、地下世界――精密な文章により現実から飛翔するミルハウザーの魔法のごとき十二篇を、名手の翻訳で贈る。/【目次】ナイフ投げ師/ある訪問/夜の姉妹団/出口/空飛ぶ絨毯/新自動人形劇場/月の光/協会の夢/気球飛行、一八七〇年/パラダイス・パーク/カスパー・ハウザーは語る/私たちの町の地下室の下/訳者あとがき/創元文芸文庫版訳者あとがき/解説=藤野可織
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-「男は女のどこに学び、どこに敬意を抱きつつ、自分を造り上げていくのだろうか。花火のような恋愛とはまったく違った形で、両者は純粋な信頼関係を生きることができるだろうか。わたしはこうした問いを前に、自分がこれまでに出逢った女性の友人たちのことを考えている」(本文より)――昭和の大女優、世界的な革命家、学者、作家、画家、漫画家、陶芸家、ミュージシャン、革命家、女優、『痴人の愛』のナオミのモデル・・・・・・。著者の記憶を綴る本書は、各領域で先駆者として生きた女性たちの貴重な記録でもある。
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4.4今まで何の関係もないと思われていた2つのものが、1つであることを知ることこそ、魔術・マニエリスムの真諦である。そして、これこそが究極の「快」である。光学、辞典、哲学、テーブル、博物学、造園術、見世物、文字、貨幣、絵画、王立協会……。英国近代史を俯瞰し、歴史の裏に隠された知の水脈を、まるで名探偵ホームズのように解明する「脱領域の文化学」の試みである。(講談社学術文庫)
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4.0それは一枚の写真から時空を超えて、はじまった――物語の愉しみ、思索の緻密さの絡み合い。20世紀全体を、アメリカ、戦争と死、陰謀と謎を描いた驚異のデビュー作。
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4.0東日本大震災・原発事故の2011年からコロナ禍の2020年まで、日本と世界が変容し、混乱した「激動の10年」に書き続けられた時事コラム集成。この間、著者はニューヨーク、ロンドン、パリ、北京、ソウル、香港、台北、キューバ、イスタンブール、リオデジャネイロ、サハラ以南のアフリカ諸国、そして緊急事態宣言下の東京など、様々な場所と視点から世界の変貌=凋落の風景を見つめた。私たちの生きる世界は、そして私たち人間は、どのように変わったのか。全99本のコラムが「激動の10年」を記録する! 【目次より抜粋】 原発を語らず/北京の変貌/吉本隆明さんの思い出/ハバナの三島由紀夫/誰がテロリストなのか/ザハ・ハディト問題/ゴダールのFacebook?/慰安婦と赦し/日本死ね/佐村河内守は詐欺師なのか/非常事態発令下のパリ/サハラ砂漠の南へ/〈1968〉から50年/香港の天安門事件追悼集会/ジョギングの社会階層/コロナウイルスの日々/感染者はケガレか
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-時を超え、世界中で読み継がれる文学の古典は、21世紀を生きる私たちにとってなお身近な感覚や切実な問いを突きつけている。 『ドン・キホーテ』『罪と罰』『ボヴァリー夫人』『失われた時を求めて』などの大作から、チェーホフやカフカ、メルヴィルの短篇まで、フィクションを読む技法と愉しみを知りつくした4人が徹底解説。 放送大学でロングラン9年の大人気講義に原典の名訳・新訳を交えて再構成した、海外文学案内の決定版。 ※本書には、紙版の第16章に収録されている下記3作品の抜粋は、版権上の理由により収録されておりません。 イタロ・カルヴィーノ『魔法の庭』 (和田忠彦訳) イタロ・カルヴィーノ『楽しみはつづかない』 (和田忠彦訳) イタロ・カルヴィーノ『ある夫婦の冒険』 (和田忠彦訳)
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3.8小説は、読むだけじゃもったいない。読んで、書いて、訳してみれば、百倍楽しめる!文豪と人気翻訳者が〈読む=書く=訳す〉ための実践的メソッドを解説した、究極の小説入門。
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5.0「ヨン様」とは何か――『冬のソナタ』覚書(新潮アーカイブズ) 『冬のソナタ』が日本で圧倒的な「韓流ブーム」を巻き起こしたのは、実はこのドラマに「韓国的なるもの」が欠落しているからである――。同時代の韓国映画との比較、日本の少女漫画や村上春樹作品との関係、韓国の戦後史やインターネット掲示板の影響にも光を当てながら、長年にわたって韓国の映像文化を観察し続けてきた四方田犬彦氏が徹底分析する。『冬ソナ』のあらすじもわかります。
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