サンセット・パーク(新潮文庫)

サンセット・パーク(新潮文庫)

小説・文芸
990円 (税込)

4pt

恋人をフロリダに残し、ブルックリンへと逃亡したマイルズ。彼を待っていたのは、一軒の廃屋と将来への不安を抱えた三人の仲間だった。気のいいドラマーのビング、画家志望のエレン、博士論文執筆中のアリス。景気が後退の一途を辿る中、不確かな未来へ踏み出そうとした彼らに突き付けられた無慈悲で甘くない現実とは……。失うものの方が多い世界で、まだ見ぬ明日を願った若者たちの物語。(解説・松村美里)

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    サンセット・パーク(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    2061488
  • 電子版発売日
    :
    2025年11月28日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

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サンセット・パーク(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    不況で不穏なアメリカを生きる若者たちを中心とした群像劇。
    主人公マイルズを始めとして、
    それぞれが不器用で、不完全で、思い詰めている。

    背後にある経済の崩壊と不安定な未来は確固たる壁なのだが、
    過去に縛られ、未来を夢見た先にたどり着く答えが、
    here and nowだとは。

    ポール・オースターは今回も個を浮かび上がらせる。
    群像劇という形で各々の主観を突き詰める。

    0
    2026年06月07日

    Posted by ブクログ

    状況説明の少なさ、心理描写の過剰さ等、オースター作品の、個人の鬱屈した思考の渦に深く沈み込んでいく感じが、どうにも肌に合って仕方がない。

    なんで小説なんて読むのかって、こん時くらい思考の海溝に沈み込んで、1人静かに暮らしたいからじゃないですか。(ミスチルの「深海」のジャケットみたいなイメージ。)

    オースターの小説では、メインのストーリーと無関係に思える、サブの人物の思考や過去のエピソード、たまたま見た映画の話などが急に執拗に深く長々と描かれて、また急に場面が戻ったりする。
    後であの伏線が回収された!となる事もあるし、あまりならない事もある。
    それは人生のように「そんなものだ」とも思うし、
    せっかく小説なのだから日常を引っぺがしてくれ、ハッキリとした状況説明、論理的に行動する人物、明快なストーリーなんて要らんのですよ。とも思う。

    ただ本作、オースターにしては随分あったかくて人間らしい、と思ったらだいぶ後年の作ですのね。こんなオースターもとても良いですよ。

    こんなに暖かいオースターを読んだことがなく、終盤に結末が気になったのは初めてだった。今まで読んだオースターはもっと突飛で脈絡なく、ぶっ飛んだ事が当たり前のように起き、何も解決せずに終わるけど、今回はあまりに物語が生活臭くて人間臭いので。
    世界観がリアルで地味な事で感情移入が捗り、ぶっ飛んだ展開よりも逆にドキドキしてしまう事を学んだ。

    最後にオースター氏に、レストインピース。
    こんなに全ての作品で没頭に導いてくれた作家は他にいない。あなたの新しい作品に出会う喜びの回数が今後増えないことはとても寂しい。書き続けてくれて本当にありがとう。

    0
    2026年03月19日

    Posted by ブクログ

    期待に違わぬ素晴らしい作品でした。リーマンショック後の先の見えない時代を背景に、心が損なわれた主人公と取り巻く人達が、傷ついた心や厳しい生活を抱えながらも互いをいたわりながら日々を懸命に生きていく様は、強い共感を覚え心が癒されます。

    0
    2025年12月08日

    Posted by ブクログ

    はじめに『ブルックリン・フォリーズ』を読んでポール・オースターにはまり、初期のニューヨーク三部作、『ムーン・パレス』、『偶然の音楽』と読んだ。
    初期の作品から間を飛ばして後期の本作を読んだので作風の違いに驚きもあったが、歳を重ねたオースターの厚みを感じられる、心にずっしりとくる素晴らしい小説だった。

    物語の前半は他の作品と比べて何だか入り込めなかった。今までの作品には魅力的なストーリーと絶妙なユーモアが入っていたのだが、本作は様々な人が抱えている人生の重たい荷物が淡々と描写されていく。
    読んでいて辛いわけではないが、今までの遠くへ連れて行っていってくれるオースターではない。今まで読んだ作品のような破滅に突き進む主人公は居らず、過去を背負ながら「今、ここ」で生きていく人々が確かな存在感を伴って描かれている。
    オースターの前期の作品から急に後期に飛んだので、ちょっとついて行けてなかったのかもしれない。それでも作家としてのテーマの繋がりはひしひしと感じるのが嬉しかったり、ニューヨークのブルックリンという都会が持っている孤独感にちょっと居心地良い気がしていたりする。
    静かな小説ではあるが、地下に熱いものが流れているのは感じた。

    そんな感じで前半はずっと淡々とそれぞれの人物の背景を描いてきたが、後半はそれぞれの人生が絡まり合いながら一つの物語に集約していく。初期のオースターは一人の男の人生を掘り下げてきたが、晩年は家族や友人といった人生の交差をより複雑に描いているのではないか。そういえば『ブルックリン・フォリーズ』もそうだった。それぞれの立場や目線が積み重ねていくことで、人が生きることをこれほど深く表現できるのかと驚く。

    現代を生きる人々のドラマを、演出は極力抑えながら写実的なスケッチを何枚も重ねていく。ストーリーとしては地味ではあるが、個性的な登場人物の内面が驚くほど丁寧に書き分けられている。文体まで変わっているので別の人が書いたかのようだ。単純に文体を変えるのではなく、それぞれに真に迫る気持ちが込められている。
    表には出さないが、誰しもが答えのない葛藤を抱えていて、それが切なくもあるが温かい気持ちになる。

    決してワクワクするような物語ではないが、深い余韻が残る。ストーリーも重いテーマだが存在感としての重量を感じた。その重たさが本作の一番の魅力になっている。

    アメリカで2010年に発行された本作は、多くの作品と同じように、経済危機によって国が崩壊していくように感じられた当時の空気感に対して書かれた物語なのだと思う。群像劇ではあるが舞台は狭いコミュニティにまとまっているし、それぞれの考え方の違いはもちろん、共通の時代性が見えてくる。
    そんな閉塞感のある現代をよく表していて、国は違えどとても身近に感じた。今を生きる人なら登場人物の誰かに共感できるはず。読む人によって感想が全く変わる面白い小説でもあると思う。

    明るい未来は期待できない時代に、手に触れられる物や肉体的な物事に向かっていくのは自然な流れなのかもしれない。
    誰のものでもない家に、いつ無くなるのかわからない恐怖を心の隅に追いやりながら暮らす。この生活が永遠に続くとは誰も信じていない。しかし、その中で自分と向き合いながら何者かになろうとすることは、ニュースが報じる悲惨で可哀想な(プアな)印象とはまるで違って、とても人間らしくて温かいものがある。

    ポール・オースターはそんな人々にいつも寄り添ってくれる。今読めて良かった!

    0
    2026年09月10日

    Posted by ブクログ

    それぞれの事情を持った4人がサンセット・パークで過ごす数ヶ月間の物語。
    学生の頃から、ポール・オースターが好きで、久しぶりに読みたくなり購読。

    “青春群像劇”とは銘を打っているが、いままで読んできた青春小説とはだいぶ趣がことなる。それもそのはず、この小説の名は『サンセット・パーク』、つまり日が沈みゆくような仄暗い背景を舞台にした物語なのだ。

    この本が書かれた当時、世界金融危機が起きた直後だった。先行きが不透明な社会情勢と、自分が何者になれるのか、あるいはなれないのかという将来への不安と希望を抱く若者達の心の葛藤が、同じような色調で物語に彩りを与えている。

    0
    2026年05月25日

    Posted by ブクログ

    舞台はリーマンショック後のアメリカ

    ブルックリンの廃屋に不法居住する若者三人を描いた群像劇。

    大不況の中で、もがき苦しみ懸命に生きる若者達のリアルな心理描写が心に沁みる。
    慣れない海外文学で苦労したが、この作品を読めて良かった。

    0
    2026年02月02日

    Posted by ブクログ

    リーマンショック後のニューヨーク。
    空き家に不法居住する4人の若者の群像劇。

    不確かな未来の中、お互いなんとか寄り添って、
    歩きだそうとした彼らに突きつけられた現実は…。

    今だけのため、この瞬間、このつかのまの瞬間の
    ために生きるんだ。マイルズの言葉の重みをひしと
    感じながら、今日も夕日が沈んでいった。
    家族の優しさがいい。

    0
    2026年01月03日

    Posted by ブクログ

    P・オースター作品の中では少々異色の現在進行形(既に15年前となる2010年に刊行されたことを踏まえても)の空気が流れる群像劇。登場人物はそれぞれ問題を抱えているしすっきりとした解決などはない。そんな先の見えない不穏で憂鬱ムードの中に時折現れるきらめくような人生の輝きに、この時代を生きてゆく希望を感じる。

    0
    2026年01月01日

    Posted by ブクログ

    リーマンショック後のアメリカを舞台に、野球、映画、家族(と家族の死)などオースターが一貫して書いてきたテーマに加えてちょっとセックスの要素が多く他の作品ほど感情移入はできなかったけれどもサンセット・パークの住人4人のそれぞれの視点から構成される各章は面白かったです。

    The Best Year of My Life(オフコースじゃない方)観てみたいな。

    0
    2025年12月11日

    Posted by ブクログ

    リーマンショック後のニューヨーク。朽ち果てた建物に不法居住しつつ毎日を懸命に生きる若者たち。それぞれ苦悩もありつつ若者らしい恋の悩みもあったり、閉塞感のある世界の中でささやかな楽しみも垣間見える。
    国は違えど、就職氷河期をどうにか生き抜いた日本の若者たちに重なる色を感じる。
    この後、4人+αはどんな人生を歩んだのだろうか。

    0
    2025年12月08日

サンセット・パーク(新潮文庫) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    サンセット・パーク(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    2061488
  • 電子版発売日
    :
    2025年11月28日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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