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ピーター・バラカン
「持ち寄ったレコードを黙って聞き、意見を一切言わない。この極度のオタク行為に潜む意義はあるのか、答えはまだ出ませんが、一気に読んでしまいました」
直枝政広(カーネーション)
「明かされるタイトルだけを頼りに、読みながらプレイリストを作った。音楽の迷路に迷い込む気持ち良さを存分に味わった。答え合わせは後のお楽しみだ」
月曜の夜、パブの小部屋に3枚のレコード盤を持ち寄り、厳格なルールのもとにただ黙って聴く──ストイックな倶楽部は順調に育っていくかに見えたが、やがてライバルが出現し、分裂の危機に揺さぶられる……トマス・ピンチョンがデビュー作を賞賛、イギリスならではの乾いたユーモアの名手が送る現代社会の寓話。
作中には60年代以降のロック、ポップスのタイトルが無数に登場するが、ミュージシャンやバンド名はいっさいナシ。そんな意地の悪い小説だが、作者本人がSpotifyに“The Official Forensic Records Society Playlist by Magnus Mills”と題したプレイリストを公開中!
訳者・柴田元幸によるあとがき、注解とマグナス・ミルズの著作ガイドとともにお楽しみ下さい。
訳者あとがきより───
人物の過去も背景も示さず、ほかに何をやっているかも伝えず、ひたすらひとつの営みに携わるさまを、比喩などのレトリックにも頼らず描く。そうやって自主的に素材を貧しくすることを通して、この作家ならではの、オフビートな可笑し味が生まれてくる。無表情で可笑しいことを言ったりすることを英語ではdeadpanと呼ぶが、マグナス・ミルズほどdeadpan humourに長けた書き手もそうザラにいない。
Posted by ブクログ 2022年10月10日
パブの奥の部屋で、持ち寄ったレコードを一切のコメントも感想もなしでただ聴く倶楽部。この設定だけで既にクスクス笑ってしまう。
何かの比喩なのかなと思うと、そうでもなくて。でもどこか不条理の匂いもあって。
あとがきでトービー・リット氏による書評に触れられていて、そこに「人が何らかの『私たち』を築くとた...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月10日
「レコードを聴くこと」が主要なテーマ (というよりそれしかない)作品なので、作中に出てくる曲を聴きながら読むと作品世界に入り込んだような錯覚にも浸れて面白さが何倍にも膨らみます。
自分は普段漫画や小説が映画化されたりすることに特別興味を持っているわけではないのですが、この作品に関しては生身の人間が...続きを読む
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