プロット・アゲンスト・アメリカ

プロット・アゲンスト・アメリカ

小説・文芸
1,628円 (税込)

8pt

4.2

※この作品には販売期限があります。2031年09月07日を過ぎると販売を終了致します。

切手集めに情熱を注ぐフィリップ少年は7歳。営業マンの父と快活な母、絵が上手な兄サンディとニュージャージーのユダヤ人地区で暮らしていた。1940年、そんな平穏な生活を揺るがす大事件が起こる。ヒトラーの友人であり反ユダヤ人主義のリンドバーグが、ローズヴェルトを破ってアメリカ大統領に当選したのだ。――じわじわと差別が広がり、人権が蝕まれていく混乱と恐怖、ありえたかもしれないファシズム擡頭をひとりの少年の目から描いた、フィリップ・ロス最高傑作とも評される歴史改変小説!

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内ミステリー
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    プロット・アゲンスト・アメリカ
  • タイトルID
    :
    20087646
  • 電子版発売日
    :
    2024年06月06日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

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プロット・アゲンスト・アメリカ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    1940年代前半のアメリカ史におけるifを描いた、歴史改変小説と言える作品。F.ローズヴェルトやリンドバーグといった実在の人物たちに、フィクションとして新たな役割が与えられ、彼らの行動が「あり得たかもしれない」歴史となるように巧みな計算のもと物語が作られている。(巻末には彼らの実際の年譜も収録されていて、物語との違いを見比べるのも興味深い。)
    その中で何より引き込まれるのは、ユダヤ人迫害の中で翻弄されるロス一家の姿である。小説は少年ロスの視点で語られていて、平穏だった彼らの日常がいとも簡単に崩れ去る様が描かれる。政治的な対立が家族の間に亀裂を生み、やがて自分たちが差別や迫害の対象となっていくことへの恐怖には真に迫るものがある。そして、巻末に引用された実在のリンドバーグによる演説文は、彼らの恐怖が空想の歴史に留まらない、現実味を帯びたものであったことを感じさせる。
    『さようならコロンバス』や『素晴らしいアメリカ野球』とも違う、ロス作品の新しい魅力に触れることができた。

    0
    2026年04月07日

    Posted by ブクログ

    わりと困惑させられる「だーいどーーーんでーーーんがえしーーー!!!」みたいのがあって、おいおいそれでええんか?『夜と霧』みたいなシリアスさの偽史ものとして読んでいたのに。終盤で『アフリカンカンフーナチス』みたいになっちゃう(というのはさすがにいいすぎ、でもいいたかった)のはつっこまれるべきだろう。
    民族差別が、全面的な抑圧ではなくて分断と懐柔により達成される、というのは極めて今日的。フルコース食べてる時にワインのグラスを倒してシルクのクロスとメインディッシュがびちゃびちゃになるみたいなイヤァ〜な怖さでよかった。
    市井の人の意地や信念みたいなのを描くのが上手な人。登場人物の内心でなく言動を描写して思想的変遷や敗北を示すあたり、アメリカっぽい。

    0
    2026年03月19日

    Posted by ブクログ

    直前に読んだアガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』が、”リンドバーグ誘拐殺人事件”を下地にして書かれていましたが、本作でも言及されていました。読書していると、不思議な繋がりって結構あるものですよね。

    小さな単葉機を操縦し、人類初のニューヨーク=パリ間の大西洋単独無着陸飛行を達成したリンドバーグ。アメリカ国民に絶大な人気のあった彼は、親ナチス的で反ユダヤ人主義の考えを持つという別の面も持っていました。本作は、そんな彼が世界大戦の嵐吹き荒れる1940年に、もしローズベルトの代わりに大統領になったら……という歴史改変小説。

    アメリカ国内に限れば、戦争に参戦せず、強制収容所もない平和な国を装っていますが、主人公一家のようなユダヤ人にとっては、国のトップが反ユダヤ人であれば、自ずと生きづらい風潮が周囲に浸透していきます。

    そうして徐々に地域社会が分断されたり、家族や近所の家庭が崩壊していく様子が、子供の視点からリアリティある描写で書かれており読み応えがありました(冷静に考えると、かなり怖いことが起きていることが分かります)。ワシントンへの家族旅行の話しや、戦争から帰ってきた従兄弟を伯父が叱責するところ、終盤での母親の変化など印象的なシーンも多かったですね。ただし、そんなに細かいことまで書かなくてもいいのに……と思う箇所も多々ありましたが。

    ところで、主人公の少年は切手収集が趣味で、作中に何種類か出てきました。自分も作中の”植樹の日”の2セント切手などを久しぶりに手元で眺めながらの読書は、主人公のように子供の頃を思い出して、いい読書体験ができました。

    0
    2024年09月05日

    Posted by ブクログ

    おそらく名著と呼ばれるであろう類の作品。
    なのだが、私にはだいぶしんどかった。ようやく読み終わった、というのが正直な感想。

    1940年前後の、本当にあった史実から、反ユダヤ思想をもった(これも史実である)チャールズ・リンドバーグが大統領になるというIFを乗せて物語がスタートする。
    アメリカは決して戦争に与しない。そのためであれば、ナチスとでも仲良くするし、そのおかげで我が国は戦争にも巻き込まれず平和ではないか、という主張で妄信的な支持を得る。
    その一方で、彼が発する様々なユダヤ人を圧迫する施策(これがタイトルの”Plot Against America”の由来となる)により、国内にユダヤ人差別がじわじわと、確実に広がっていく。
    その恐怖をユダヤ人の少年(著者の分身であるフィリップ・ロス)の視点で描くという構図。

    物語自体は決してつまらないわけではない。ただ、少年の語り口という設定を考慮に入れたとしても、若干メリハリを欠く冗長な記述が多い。
    ここまで説明しなくてもいいだろうに、という部分が随所に見られ、テンポの悪さを感じてしまう。

    そういう技巧的な部分はもとより、なにより辛かったのはこの「ユダヤ人差別」というテーマそれ自身。
    人間の認知的な欠陥、そして欠陥ゆえ避けられないどうしようもない愚かさが少年という純粋な存在によって観察される。
    しかもその少年自身ももちろん人間であり、その欠陥にくわえ、「幼さ」という欠陥(愚かさ)が見事に記述されている。
    ここは、作者の筆致の粋、技巧的には素晴らしい部分だと思うが、この部分が技巧によって際立つにつれ、読む方としては辛くなる。

    さらに私は声の大きい人間が大嫌いなので、この物語に出てくる数々のアジテーターと、それに扇動される民衆がきつくて仕方ない。

    ただ、こういう物語は、今でこそ読まれるべきだとも感じている。
    この物語で描かれている”IF”は、今、世界各地で現実になっている。
    余裕がなくなった人間は、簡単に人を区分けして、自分の側ではない人間を排除することで安寧を得ようとするのだ。
    だってそれが、一番認知的負荷がかからない楽な方法だから。
    人間の脳は、負荷がかかるのを避けるように出来ている。
    だから、見た目とか、ちょっとした考え方とか、目に見える単純なもので脳に楽なように区別する。
    これ以上機能的に進化しないと、なくならないんだよ。Discriminationって。
    こんな偉そうなこと言っている私だって、条件が揃ったら差別的思考に陥る。
    避けられない。

    そういう現実を改めて見せつけられるという意味でも、辛かった。
    ただ、何百万年後にちゃんと進化するためには、この現実を今、考える必要があるんだと思う。

    0
    2024年05月20日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     1940年の大統領選挙にリンドバークが立候補しFDR相手に圧勝。ドイツと日本と相互不可侵冗句を締結し、日本・ドイツの侵略を許す。国内は徐々にファシズム化していき、ユダヤ人同化政策が進められる。微温的なユダヤ人迫害しか行わないリンドバークが暗殺され、ウィラー副大統領が独裁を進めようとするが、リンドバーク夫人が阻止を図り、1942年に大統領選が実施され、FDRの支持を受けたラガーディアNY市長が当選する。しかし、ポグロムは止まらない。
     別の世界戦ではあるが、ニューアークのユダヤ人街での少年(著者)の経験が濃密に描かれる。
     現実のリンドバークもAmericaFirstのアジテータとして反戦・親ナチとして活動していたのが、トランプと重なる。

    0
    2025年12月30日

プロット・アゲンスト・アメリカ の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内ミステリー
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    プロット・アゲンスト・アメリカ
  • タイトルID
    :
    20087646
  • 電子版発売日
    :
    2024年06月06日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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