ブロンズ
レビュアー
  • 竜馬がゆく(六)
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    薩長同盟成立

    六巻は竜馬によって薩長同盟が成立。この偉業成就について、著者司馬は「事の成るならぬは、それを言う人間による」という。🐉私は齢五十を超えているが、事業の成否を当事者の人柄が決したことは、多くなかったと感じる。司馬との違いに、興がそそられる。🐉ところで、本巻では「婦人」について、「思慮深さと伶俐さ」はあるが、「感情の鬱屈」するところがあり、「恨みを結べは容易に解くことができない」という。まぁ、そうかもしれないが、令和の小説ではとても書けまい。さすが昭和の小説である。🐉

    #アツい

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    2025年12月03日
  • 道頓堀川
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    中年男性の人生振り返り読本

    宮本輝の川三部作のうち、最も中年男性の心情に迫った作品だ。確実に老いていく焦燥感を抱えつつ、人生を振り返り、取り返しのつかないことをした瞬間に人は何を考えるのか、人はどんな時に大きな谷間を越える瞬間的決断をするのか、思いを馳せることができる。🎱本作は昭和的価値観に基づき、肺と心臓を使わないものはスポーツではなくゲーム・博打とし、ビリヤードのスポーツ性を否定したり、ゲイを病気と決めつける印象的なシーンがある。しかし令和では、eスポーツもトランスジェンダーも肯定的だ。過ごし易い時代になった。🎱

    #深い

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    2025年11月27日
  • 竜馬がゆく(五)
    購入済み

    激闘!蛤御門ノ変

    五巻は蛤御門ノ変だ。長州の猛烈な兵勢が薩会によって惨憺たる壊滅に至るまでの激闘を、白熱血風とともに魅せる。🐉とはいえ本巻は、こうしたアツく激しい戦闘シーンばかりではない。ユルいほのぼの日常シーンも面白く観せる。🐉竜馬は愛妻おりょうの「暗いうちから一生懸命」作った手料理を口にし、「なるほど、お前の料理はうまい」という。カピバラKSでも作れそうな塩っ辛い干物だが、頑張ってのみくだし、情けなさそうに褒めるのだ。🐉緩急自在のストーリー展開に惹き込まれる。🐉

    #アツい

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    2025年11月17日
  • 黒牢城
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    直木賞には歴史物が有利

    知勇兼備の名将荒木村重が織田信長に叛逆し、有岡城で籠城。籠城中に様々な事件が起きるものの、牢に囚われた名軍師黒田官兵衛が安楽椅子探偵風に謎解きをしていく。歴史&ミステリの直木賞作品で、悪くはない。🏯しかし、米澤穂信の青春ミステリファンとしては、米澤が落選続きの直木賞受賞を狙って、受賞に「有利な」歴史物を、あえて執筆したような気がした。本作は軽妙洒脱な「いつもの」米澤成分が足りないのだ。果たして、受賞第一作は青春ミステリ。ライト文芸ファンの想いが垣間見れる。🏯

    #タメになる

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    2025年11月01日
  • 竜馬がゆく(四)
    購入済み

    激動期のリーダー像

    四巻は土佐藩で佐幕派が復権し坂本竜馬の盟友とも言える武市半平太が捕縛されるなど、狂風怒濤の展開であった。🐉さて本巻では、幕末のような激動期のリーダー像について、二つの選択肢を示す。一つ目は「先頭に立って時勢を切りひらいてゆく」タイプ。二つ目は「流されっぱなしになってゆく」タイプである。ありきたりな一つ目のみならず、二つ目を良しとするところこそ、司馬遼太郎の小説が凡百の自己啓発書を上回る所以だろう。🐉先年のコロナ渦における職場の状況を思い起こすと、実に的を得た指摘であった。🐉

    #タメになる

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    2025年10月15日
  • 竜馬がゆく(三)
    購入済み

    坂竜飛騰目前🐉

    三巻では、いよいよ竜馬が、師の勝海舟と後年の妻おりょうと出会う。竜馬の人生の転機である。🐉さて、著者の司馬は、本巻において、竜馬とメタな会話を展開する。司馬にしては珍しい小説技法である。🐉また、いつもながらに警句鋭く、「古今、一流の人物で暗殺に手段を訴えた者があるか(ない)」と指摘するほか、「株式会社」とは「金のあるやつは金を出し、仕事のできるやつは仕事をする」組織と面白く定義づける。🐉そして本巻最後で、竜馬は越前福井侯松平春嶽から五千両の大金をゲットする。「坂竜飛騰」の機会は目前に迫る。🐉

    #アガる

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    2025年10月04日
  • 竜馬がゆく(二)
    購入済み

    教育者と男色をディスる。

    二巻は竜馬の土佐帰郷と学問修得そして脱藩までを描く。🐉なぜ勉強をするのか、勉強の弊害とは、最重要科目は何かなど、作者司馬は登場人物達を通じて、自分の想いを披露する。驚くべきは教育者の評で「他人を採点し、侮辱し、いたずらに劣等感のみを植えつける存在」と酷く厳しい。学校教諭は真っ青である。🐉また、衆道(男色)に対し「戦国の悪風」であり、蛮風、悪趣味と手厳しい。現在(令和期)と異なる本書著作時(昭和後期)の世情を表しているのだが、価値観の変転の凄まじさに驚かされた。

    #深い

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    2025年09月25日
  • 竜馬がゆく(一)
    購入済み

    坂本竜馬vs木戸孝允

    波瀾万丈の幕末を舞台に、明治維新の道筋をつけるという大事業を成した青年坂本竜馬を描く大河小説。🐉一巻は竜馬の江戸剣術修行を描く。終幕は桂小五郎(木戸孝允)と達人同士の一騎打ち。竜馬の豪放にして精緻な剣技と桂の俊敏苛烈な乱撃の描写には目が眩むようだ。🐉また、司馬らしい絶妙好辞の歴史譚も佳い。「近代日本の出発」は「(黒船の)艦載砲が、火を吹いた瞬間から」とする詩的な評には、心奪われた。🐉全八巻の長編を大いに楽しみたい。

    #アツい

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    2025年09月25日
  • 姑獲鳥の夏(2)【電子百鬼夜行】
    購入済み

    斬新極まりないミステリ

    下巻は概ね謎解きだ。謎は精緻玄妙に解きほぐされていき、大いに興をそそられ、早く全容を掴みたくなって、時を忘れ食い入るように読み進める。👻さて、ミステリの仕掛けの核心部分だが、これにはやや肩透かしを喰らった気分になり、乾いた笑いがこぼれてしまう。とはいえ、事件の全容を詳らかにする怒涛のロジカル尽くしに、アタマがクラクラするほど圧倒された。まるで眩暈坂を歩いているときのように。👻デビュー作らしく、斬新極まりないミステリであった。👻

    #ダーク

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    2025年09月03日
  • 姑獲鳥の夏(1)【電子百鬼夜行】
    購入済み

    女子高生に大人気だった本

    30年程前、近隣の某高校女生徒の間で京極堂シリーズが人気を博していた。そんな話を聞き、本書を手に取ってはみたものの、推理小説なのに、事実関係を充分に把握しきれないまま、上下巻を読了。そう言えば、某高校は偏差値高めだった。カピバラKSってアタマワルイである。👻とはいえ、本書はただの犯人探しの推理小説ではない。上巻は、登場人物達のキャラの濃さで笑いが止まらないし、該博な知識と高い見識に満ちた主人公の宗教妖怪等談義には知的興奮を抑えられない。著者京極夏彦の筆力に圧倒された。👻

    #深い

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    2025年08月27日
  • 【合本版】イリヤの空、UFOの夏 全4巻
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    6月24日はUFOの日

    2000年代初頭(平成10年代前半)に刊行されたセカイ系ラノベの傑作だ。本シリーズは、スマホはおろかケータイも珍しい時代の中学生達の青春を、不穏な世界とともに描く。物語は、概ね明るく軽やかに展開していくが、終幕に近づくにつれて暗い雰囲気に堕ちていく。この展開はエヴァTV版に似ているが、エヴァと異なり、痛切極まる感涙と爽やかな感動がある🛸感涙&感動ばかりではなく、「正しい原チャリの盗み方」の追走劇や、「無銭飲食列伝」の女子大喰いバトルなど、面白さやスリルの面からも見どころは多い🛸ところで、強大なエイリアンが地球を侵略したら「インデペンデンス・デイ」のように地球人類は一致団結できるのか。できると言

    #感動する

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    2025年08月18日
  • 螢川・泥の河
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    今は昔の「すかみたいな死に方」

    昭和30年代を時代背景とした両作は、事故や病気で、人が「すかみたいな死に方」をする。このあたり、令和初期には、ややリアリティを感じ難く、数十年を経た今日の庶民生活の向上に(現在の物価高等の困窮を軽視するつもりはないが)感慨深い。🏞️両作いずれも心に沁み入りつつ、知識と感性の全てを注ぎ込んでもなお、理解も納得も十全でないところがある。「一滴だと透明なのにむつみあうと鉛色になる」等の描写は、到底腑に落ちたとは言えない。読書人としての未熟を感じつつ、だからこそ読書は面白いと想えた。🏞️

    #感動する

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    2025年08月13日
  • 塞王の楯 下
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    昭和では書けなかった歴史小説

    弱将が寡兵で守る城塞を、名将が新兵器を携えて大軍で包囲攻略する。果たして、城塞は守り切れるか。この無理ゲー展開を、熱気と疾走感に加え、知的刺激も交えつつ、描く。のめり込むようにイッキ読みした。🏯ところで、戦国乱世の権力者が、自らの命を賭して、民衆の安寧のために戦争を遂行することがあり得るのか。先の大戦の記憶が濃厚な昭和期では、あり得ないという空気感が支配的だったろう。人権意識極薄の戦国期の実像とも乖離している。🏯しかし令和期には、相応のリアリティが認められているもののようだ。現代日本の平和安穏を寿ぐ。🏯

    #アツい

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    2025年06月21日
  • 塞王の楯 上
    購入済み

    戦国乱世のお仕事小説

    主人公を武将ではなく職人とした異色の戦国軍記譚であり、アツいお仕事小説である。🏯まず、石垣作りのトリビアが面白い。ぴしりと石が噛み合った石垣より、計算し尽くされた「遊び」のある石垣の方が堅いとは、心に響く知見だ。🏯また、集団作業のハウツーは、戦国時代の石垣職人衆でも、令和の職場でも、相通ずる。上長の者は、常にアクシデント予防の目配りを欠かさず、空気を読んで自分に非がなくてもさらりと一言詫びる気配りが肝要だ。カピバラKS(五十代)も心得たい。🏯

    #アツい

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    2025年06月04日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集バブリーズ編4 バブリーズ・フォーエバー
    購入済み

    ファンブル・フィーバー

    ソードワールド RPGは、サイコロ2つを振って、1のゾロ目を出すと「ファンブル」、すなわち大失敗となる。「ファンブル」発生は、せっかく積み上げてきたストーリーを台なしにしかねない一方で、スリルと笑いをもたらしてくれる。本作で「ファンブル」によって、張り詰めた緊張感が一瞬にして弛緩するシーンは、小説とは異なるリプレイならではの見どころだ。🫧小説は語り手たる作家の思い通りに進むが、リプレイは語り手たるゲームマスターの思い通りにはならない。バブリーズ編は、語り手の思惑を超えた未曾有の物語なのだ。🫧

    #笑える

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    2025年05月28日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集バブリーズ編3 亡者の村に潜む闇
    購入済み

    モケケピロピロ登場!

    本作は知る人ぞ知る「モケケピロピロ」登場回である😈それにしても、こんなヘンなことを咄嗟に口走れるプレイヤーの頭のキレには、感心するほかない。本作はタイトル「亡者の村に潜む闇」のとおり、鬱展開が続くものの、この「モケケピロピロ」の存在感によって、ふざけた雰囲気が醸し出され、ライトな感覚で楽しめるものとなっている😈それにしても、和製TRPG認知度が向上し、「モケケピロピロ」が、せめて「オタンチン・パレオロガス」位、世人に知られる日が来て欲しいものである😈

    #ダーク

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    2025年05月17日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集バブリーズ編2 混沌魔術師の挑戦
    購入済み

    札束で頬を叩く凄いリプレイ

    本作ではGMのミスでPLがトンデモな大金持ちになってしまう。このため、通常ではあり得ない、札束で頬を叩くプレイがまかり通ることとなり、本シリーズは「バブリーズ」編と冠され、後世に名が残った。🫧本作は異色の面白さとなっているが、単に笑えるだけではない。「後で千人死ぬ」ことと、「先に女の子が一人死ぬ」ことのどちらに重きを置くのか、表現技法として、ゲームのリプレイが小説に及ばないところは何かなど、端的で鋭い論考も示される。🫧可笑しさと賢さをともに楽しめるキレのいい作品だ。🫧

    #笑える

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    2025年04月26日
  • 猿ヶ島
    購入済み

    疾走感と超展開の太宰ラノベ

    短編小説ながら、超展開に次ぐ超展開で、キャラも立っており、何より小ネタがとんでもなくウケる。人妻、学者、女優そして地主に対する批評眼なんて、爆笑ものだ。🐒ラストも盛り上がる。自由なき安逸への誘いを「否!」と叫んで振り払うクライマックスのその先はどこへ向かうのか。結末は太宰らしさが溢れ、スタンディングオベーションで讃えたくなる。🐒本書のスピード感と面白さは、優れたなろう小説のようである。ちなみにカピバラKSは、「なろう」や「ラノベ」という言葉に軽侮の意を込めてはいない。🐒

    #笑える

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    2025年04月15日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集バブリーズ編1 2万ガメルを取り返せ!
    購入済み

    冬彦さんが懐かしい

    平成4年初出。個性的な面々が集う冒険者チームの面白過ぎるリプレイだ。冒険者同士によるプロ漫才師のような掛け合いは、令和に読み直しても、爆笑できる。🫧さて、本作では「冬彦さん」という例示がなされる。当時社会現象にもなった「冬彦さん」だが、今となっては、分からない人も多かろう。逆に、「「ヤマト」ネタって今どき通用するのかね?」と記されているが、宇宙戦艦ヤマトはリメイクが多く、今でも通用しそうである。🫧冒険者チームの渾名「バブリーズ」も、バブル期を想起させる。何とも懐かしい話である。🫧

    #笑える

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    2025年04月06日
  • 十一番目の志士(下)
    購入済み

    屁理屈は防長二州で及ぶものなし

    身近に「人の気持ちを明るく陽気にひきたてる天成の腕」を持つ者がいて、救われたことはないだろうか。また、職場に「屁理屈を言わせれば防長二州で及ぶものはない」ような者(笑)がいて、面倒で気が滅入ることはないだろうか。著者の的確な人物評は、いつもながら惹き込まれる。🗡️さて、本作は読み進むたびに、次々と新展開が待ち受けており、退屈はしない。しかし、クライマックスに欠け、伏線も回収しきれないまま、終わりを迎える。🗡️人生とは、こんなものかもしれないと想う。🗡️

    #ドキドキハラハラ

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    2025年04月01日
  • 十一番目の志士(上)
    購入済み

    ゴルゴ13が娼婦を抱く理由

    長州藩の凄腕の暗殺者として、幕末の動乱に身を投じた、若き剣客「天堂晋助」の物語である。🗡️唐突だが「ゴルゴ13」という超一流のスパイナーがいる。大金で動く暗殺者ながら、独自の倫理規範があり下種ではない。この「ゴルゴ13」は暗殺狙撃の前に、決まって娼婦と寝る。これはなぜか。験担ぎか。🗡️本書は、暗殺者の荒涼とした気持を癒すのは、女の湿った体以外にないとする。きっと「ゴルゴ13」も、女を抱くことで狙撃に不可欠な心の平静を得ているのだろう。🗡️「天堂晋助」と「ゴルゴ13」はどこか煮ている。🗡️

    #ドキドキハラハラ

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    2025年03月13日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編3 終わりなき即興曲
    購入済み

    小説vsリプレイ

    小説は殺陣等の戦闘表現が難しいとされる。しかし、TRPG(テーブルトーク型ロールプレイングゲーム)は、ダイス(サイコロ)の目による意外な結果が、論理を超えた面白さを生じさせる。クリティカルヒットによる強敵の瞬殺や、三下に意外な苦戦を強いられるシーンは見ものである。🎲また、ゲームのリプレイには、小説のように練り上げられた伏線は作り難い。ところが、プレイの結果により、驚くべき伏線が作り上げられることがある。ケインの得意呪文スネア(転倒)の、最終局面での使われ方は凄すぎて爆笑だった。🎲

    #笑える

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    2025年03月06日
  • かのこちゃんとマドレーヌ夫人
    購入済み

    ご都合主義がニャンダフル!

    小学生女児かのこちゃんの出会いと別れの物語。にとどまらず、猫のマドレーヌ夫人によるニャンとも不可思議な体験こそ見所だ。😺この夢とも現実ともつかない体験は、随分とご都合主義で展開し、理屈も何もあったものではない。だが、それがいい。理屈を超えて感性が揺さぶられ、マドレーヌ夫人とともに、夢見心地で彷徨うニャンダフルなひとときを過ごすことができる。😺また、夫の玄三郎は、常に優しく穏やかながら世故長けて頼り甲斐のあるニャイスガイだ。玄三郎のように歳を重ねた男を目指したい。😺

    #癒やされる

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    2025年02月19日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編2 モンスターたちの交響曲
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    正義の盲信キャラ登場!

    表題作「モンスターたちの交響曲」は、正義神ファリスの神官戦士達が、モンスター種族のうち悪ではない個体を討伐しようとするものだ。本作の影響で、ニコニコ動画等の二次作品において、正義の盲信者キャラが数多く登場したものと思われる。日本TRPG史のトピックの一つだろう。🗡️ところで、「きさまを倒すのはこの私だ!」の元ネタってハカイダーだったのか。有名なのはベジータだが。唐突に、本筋から程遠い無駄話が挟まれることも、小説とは異なるリプレイという読み物の面白さである。🗡️

    #笑える

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    2025年02月13日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編1 盗賊たちの狂詩曲
    購入済み

    日本TRPG草創期の快作

    本書はTRPG(テーブルを囲んで会話して遊ぶロールプレイングゲーム)のリプレイ(戯曲風のゲームプレイ実況・解説)である。GM(ゲームの審判役)は前年逝去した作家の山本弘。初出は昭和末(80年代末)頃。🎲往時、カピバラKSは高校生であった。ロードス島戦記(水野良著)を友人から借りて読んだり、クラシックD&D(ダンジョンズアンドドラゴンズ)で遊んだ時にワガママなプレイスタイルを指摘されたものだ。🎲久しぶりに本書を読んで、今なお古びない面白さや意外さを楽しみつつ、昔を懐かしく思い出した。🎲

    #笑える

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    2025年01月29日
  • 韃靼疾風録 (下)
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    英雄よく人をあざむく

    ⭐️下巻は中国における明から清への王朝交代を群像劇として描く。本書は司馬最後の長編小説となったが、作話を事実と織り交ぜ、フィクションをルポルタージュに魅せる神筆には、いささかの衰えも感じられなかった。⭐️さて、大国の明は重税などによって民心を失い、流賊が横行し世は乱れる。流賊の大頭目である李自成は、租税免除などを唱えて大衆煽動を図るが、これを鄭成功は「英雄よく人をあざむく」ものと指摘する。⭐️このあたり、令和初頭の日本人として耳が痛く、苦笑せざるを得なかった。

    #ドキドキハラハラ

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    2025年01月15日
  • 韃靼疾風録 (上)
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    司馬遼太郎版「天空のラピュタ」

    上巻は司馬遼太郎版「天空の城ラピュタ」だ。少年少女の冒険譚であり、九州の片田舎から海洋を渡り中国の大草原に到るという海陸ロードノベルでもある。この間、少年少女には、多くの出会いがあるものの、いずれも初見では敵か味方か判然とせず、訝しみつつも仲を深めていき、裏切られたり、助けられたりして、旅は進んでいく🗺️ところで、誰しも人生で最も関心が高く悩ましい問題とは、良好な人間関係の構築ではあるまいか。本書はその秘訣が記されている。コミュ障必読の書と言えよう🗺️

    #ドキドキハラハラ

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    2025年01月01日
  • おらおらでひとりいぐも
    購入済み

    問わず語りの桃子さん

    カピバラKSの90歳認知症老母は「誰も喋る人がいない」と言い、近所の人も「寂しそう」と言う。しかし、デイサービスを勧めると、他人に気を使うから嫌とのこと。困ったものである😔カピバラKS自身もコミュ障独身中年で、親戚とは老母介護のイザコザにより疎遠、寂しい老後まっしぐらだ。そこで本書により、おひとりさまの老後を愉しく生きるヒントを得たいと思っていた🤔その結果はさておき、主人公桃子さんは、教養ありすぎ、内省力高すぎである。可笑しくて心に刺さりまくる名調子の独白に舌を巻いた😲

    #笑える

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    2024年11月23日
  • 合本 この国のかたち【文春e-Books】
    購入済み

    該博な著者の的確な指摘

    1巻は現代日本社会に対して、かなり切り込んだ批評もあったが、2巻からは随分丸くなった。少し首を傾げつつも、著者の豊富な知識の披瀝に惹きつけられ、物足りなさを感じることはなかった🗾全巻を通じて、最も気に入ったテーマは、仏教の歴史的足跡を辿るところである。原始仏教は、死ねばそれまでというカラッとした性格のものであった。ところが、時代を経て、死生観や現世利益とどのように向き合うこととなったのか。該博な著者の的確な指摘に、唸らされることばかりであった🗾

    #タメになる

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    2024年09月15日
  • 君の膵臓をたべたい
    購入済み

    完璧なデビュー作

    難病物にハズレなし。住野よる会心のデビュー作だ🎉カニバリズムめいた印象的なタイトルで大いに興味を惹いた上、高校生男女の軽妙なコントで巧みに笑いを取りつつ、次第にシリアスさを増し心に刺さるシーンを畳みかけてくる。そのラストは難病物らしい悲嘆号泣ではなく、朗らかな想いが心に満ち満ちてくるもので、本を閉じてもなお、余韻が残る😌特に感じ入ったのは、難病少女の結末であり、人生の言い尽くせぬ不条理が込められている🥺デビュー作とは、とても思えない程に、よく完成された作品だ👏

    #感動する

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    2024年08月31日
  • 銀河英雄伝説10 落日篇
    購入済み

    50年を経ても色褪せない大作

    最終篇。銀河帝国皇帝ラインハルトの華燭と不予、ユリアン達による対帝国レジスタンスの結末を描く✨本作では、流血を防ぐために卑劣な手段を用いることの是非について、帝国随一の参謀オーベルシュタインから、物語の枠を超え、読者に対しても問いかけがなされたように感じる。ユリアンは一つの答え示したが、自分はどう答えるのか。今はまだ答えが見出せない✨最後に、アニメ化新作の「ディ・ノイエ・テーゼ」を視聴中。戦闘シーンやキャラ立ちが素晴らしい。初刊から50年程を経てもなお銀英伝は色褪せない✨

    #深い

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    2024年08月25日
  • 失敗の本質
    購入済み

    目的の明確化と共有が大事

    職場研修の参考テキスト。アジア・太平洋戦争における日本の負け戦から、仕事の失敗あるあるを学ぶもの😮‍💨特に学んだことは、何をするにも目的を明確化して皆で共有を図ること、判断ミスは目的不明確の時に生じ易いことである🤔ミッドウェー海戦では、ミッドウェー島確保か米空母撃滅か、レイテ海戦では、敵主力撃滅か敵輸送船団撃滅か、組織内で目的不統一のまま、ぐだぐだで作戦を遂行し、ミスが生じて負けたのだ😰さて、今まで業務の段取りは入念確認しても、目的の共有を図ったことは多くない。今後は気をつけよう🧐

    #タメになる

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    2024年08月14日
  • 銀河英雄伝説9 回天篇
    購入済み

    大衆煽動家と宗教家は常に悪者か

    男女のことに疎い皇帝ラインハルトと、男女のことにズブズブの総督ロイエンタール。この二人を軸に描かれる✨さて、本シリーズは、世の中に絶対善と絶対悪は存在しないと示しつつ、大衆煽動家と宗教家には至って辛い。両者は民主主義信奉者のヤンに対する攻撃始め、悪業三昧である✨しかし、民主主義が集団意思決定で多数決を採用する以上、多数派工作に有用な大衆煽動と宗教は、民主主義と切っても切れない関係にある。民主主義の大衆が、煽動と宗教に向き合う難しさを想う✨

    #カッコいい

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    2024年08月14日
  • 銀河英雄伝説8 乱離篇
    購入済み

    物語登場人物も読者も茫然自失

    巧緻玄妙の用兵術を操る楠木正成の如きヤン・ウェンリーは、寡兵をもって、ラインハルト・フォン・ローエングラムの大軍に対し、宇宙の「地の理」を生かして徹底抗戦を試みる✨このイゼルローン要塞宙域の激戦は、優れた作戦指揮による必然の結果のみならず、様々な偶然の事象を巧みに織り交ぜながら、混乱と喧騒の渦巻く戦場の雰囲気を見事に活写している✨そして激戦後、本シリーズ最大最凶のテロが勃発する。衝撃的に過ぎる展開に、物語登場人物も読者も、呆然自失に陥るしかない✨

    #カッコいい

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    2024年08月07日
  • 銀河英雄伝説7 怒濤篇
    購入済み

    善玉も悪玉も大活躍!

    魔術師ヤンによるトリッキーなイゼルローン要塞再攻略戦、若きラインハルトと老ビュコックによるマル・アデッタ会戦の激闘が描かれる✨また、地球教は激しい弾圧を受けつつも禍々しく命脈を保っているようであり、フェザーンの黒狐ルビンスキーは潜伏しつつ陰謀を張り巡らせ、大衆煽動家トリューニヒトは誰からも嫌われつつ舌先と財力で政局操作に余念がない✨善玉系も悪玉系も全ての登場人物が豊かな個性を発揮して大活躍する豪華絢爛な歴史群像物語に酔いしれる✨

    #カッコいい

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    2024年07月31日
  • 銀河英雄伝説6 飛翔篇
    購入済み

    30歳過ぎで年金生活⁉️

    本シリーズ前史の地球衰退、宇宙覇権国家黄金樹王朝の退廃、そして現代での宗教テロ、新進専制国家の内訌と老民主国家の機能不全を描く。人類史は重苦しくて陰惨だ😱国家レベルの話は暗いが、個人レベルでは明るい話もある。フレデリカの花嫁修行は微笑ましい。とはいえ、市井の平穏な生活は国家の不穏な動向に踏み潰されていく😰ところでヤンは30過ぎで年金生活が可能となった。ダメな民主国家とされる自由惑星連合だが、令和日本と比べ、わりと呑気に暮らせそうである。いいなあ🙄

    #ドキドキハラハラ

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    2024年07月24日
  • 共喰い
    購入済み

    性暴力「ダメ。ゼッタイ」の話

    三本立て。芥川賞受賞の表題作「共喰い」は、冗談混じりで言うと性暴力「ダメ。ゼッタイ」の話。読後、性暴力の衝動を抑え切れない人はどうすれば良いのか思案してみたが、金持ちになって風俗で発散するか、偶然の神秘的強烈体験を経て性暴力衝動が消えるか、それともいっぺん死ぬしかなさそう😱「第三期層の魚」は小学生心裡の妙を描く。同趣の作品としては、道尾秀介の直木賞受賞作「月と蟹」の方があるあるを感じた🤔「作者と瀬戸内寂聴の対談」は面白い。二人の源氏物語評や石原慎太郎評が見所。瀬戸内がナイスキャラだ🤣

    #深い

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    2024年07月24日
  • 永遠の平和へ
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    世界統一政府と多国家連合の優劣

    NHKラジオ「カント哲学と現代平和論が私たちに問うもの」(哲学者萱野稔人)を聴講のうえ読了🕊️71歳のカントによるフランス革命等を踏まえた平和論だ🕊️数多の平和運動家は、戦争の原因を悪者(権力者等)に求める。しかしカントは、人間全てに悪が内在するという現実に基づく平和論を展開する🕊️カントは世界平和の方策を、世界統一政府より多国家連合に求める。世界統一政府は覇権国の圧政支配に過ぎないからだ🕊️しかし現在、多国家連合の国連は、戦争状態を抑止できていない。カントなら、どう改善を図るのだろうか🕊️

    #深い

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    2024年07月23日
  • 銀河英雄伝説5 風雲篇
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    両雄大決戦‼️

    銀河帝国「常勝の天才」ラインハルトと自由惑星連合「不敗の魔術師」ヤンの二大英雄による決戦「バーミリオン会戦」を描く。両英雄による知謀の限りを尽くした大会戦は、本シリーズ最大の見せ場と言っていい✨さて、決戦前夜のこと。ヤンは「なけなしの勇気」を奮い、ヤンの悪友キャゼルヌとヤンの優等生的な舎弟ユリアンは、それを肴にウィスキーを味わう。何とも乙なシーンである✨また、謎めいた地球教総大司教が物語に始めて姿を現す。物語は両英雄の決戦で終わることなく、最大の悪役登場といった禍々しい雰囲気を醸し出しながら、一層深みを増していくのだ✨

    #カッコいい

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    2024年07月21日
  • 忘れられた日本人
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    村落自治に民主主義の祖型あり

    司馬遼太郎「私の三冊」の一冊。主に江戸期から昭和30年頃までの西日本における村の暮らしを当事者インタビューで描く📝昔の村落の運営は、直接民主主義に基づき、皆対等な立場で様々な知識を持ち寄って熟議を凝らし、意見対立による禍根を未然に防いでいた。これは民主主義の本来のあり方を示唆する。令和の民主主義は、論破至上主義とSNS上の罵倒の連鎖から、著しい断絶を生んでいるが、民主主義自体を憂うのではなく、その劣化を憂わななければなるまい📝それにしても「土佐源氏」の後家ハンターぶりは凄い。男は女に対して、例え体目当てでも、心から寄り添って、存分に甘えさせれば、そこに偽りの愛ではなく真実の愛が生まれるようだ📝

    #タメになる

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    2024年07月11日
  • 銀河英雄伝説4 策謀篇
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    神々の黄昏作戦

    銀河帝国軍最高司令官ラインハルトは、神々の黄昏作戦を発動。独立不覊の国フェザーンは重大な危機に瀕し、自由惑星連合の名将ヤンは帝国の傑将ロイエンタールを迎え撃つ🌠さて、本シリーズは社会批評の言辞が多い。策謀編の「腐敗した民主政治と清潔な独裁政治のいずれをとるか」は、本シリーズ紹介時によく引用されるものだ🌠また、「過去の美化は遠ざかる後ろ姿の女性を美女と決めつけるようなもの」や「絶対善と完全悪が存在するという考えは精神を荒廃させる」といった納得の指摘に自省を促されることも多い。ラノベ調でも教養溢れる凄本だ🌠

    #カッコいい

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    2024年07月10日
  • 銀河英雄伝説3 雌伏篇
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    白色彗星帝国対自動惑星ゴルバ

    ヤン提督の舎弟ユリアンの見事な初陣、ヤン提督の意外な口達者ぶりが明らかになる査問会そして白色彗星帝国対自動惑星ゴルバ戦の如き様相のイゼルローン要塞対ガイエスブルク要塞戦を描写✨戦闘描写については、一般に映像表現と比べて作文表現は不得手とされる。しかし本書での宇宙艦載機戦は「ビームがきらめいて闇を灼き、ミサイルの曳光が宙をぬい、艦艇の爆発光は超短命の恒星となって四方を照らす」と描かれ、修辞巧みだ✨作文表現による戦闘描写も味があって佳い✨

    #アツい

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    2024年06月27日
  • 六月十九日
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    北見けんいち派ではなく太宰治派

    ⚫️太宰治の生誕日(6月19日)に係る随筆だ。⚫️北見けんいちの漫画に、昭和20年代の世相を明るく描く「焼けあとの元気くん」がある。この作品では、親が子供に「アンタなんかウチの子じゃありません」と言うことは、例え勢いでも冗談でも、子供を傷つけるので絶対ダメという。しかし、太宰の見方は異なる。ちなみにカピバラは、北見派ではなく太宰派だ。⚫️ところで、太宰は破滅型の天才で、どうみてもハンパなく面白い奴だが、自己評価は随分違う。「いやいやアンタは面白いよ」とツッコみたい。

    #タメになる

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    2024年06月20日
  • 銀河英雄伝説2 野望篇
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    帝国と同盟が同時に内戦突入

    ●帝国と同盟で同時発生したそれぞれの内戦を描く。●帝国はラインハルト麾下の名将達、才器抜群の副官キルヒスアイス、鬼謀の軍師オーベルシュタイン、知勇兼備の名将ミッターマイヤーとロイエンタールといった将星の活躍が眩しい。一方、同盟はヤンが諸葛孔明のような一人舞台で魅せる。●ところで、著者は皆殺しの田中の異名を持ち、物語が進むたびに主要登場人物を次々とヤっていく癖がある。本巻でもきっちりヤってくれた。通勤電車内で本を読んでいたのだが、関連シーンで泣けてきてしまい、車内の苦笑じみた目が痛すぎである。

    #カッコいい

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    2024年06月12日
  • 銀河英雄伝説1 黎明篇
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    名将と愚将に道義上の優劣なし

    ●帝国軍「常勝の天才」ラインハルトと同盟軍「不敗の魔術師」ヤンを軸に描く宇宙戦記。●黎明編では、アスターテ会戦での両主人公の邂逅、難攻不落を謳われるイゼルローン要塞攻略戦、撤退戦に注目のアムリッツァ会戦が見所だ。第三勢力の経済大国フェザーンや怪しげな宗教団体「地球教」の動向も興趣湧き立つ。●また、名将と愚将に道義上の優劣はないとし、愚将が味方を百万人殺すのも、名将が敵を百万人殺すのも、大量殺人者として差がないとする。この物語は、こうした蘊蓄語りが多く、社会や人生を考えさせられる。

    #カッコいい

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    2024年05月29日
  • ルームメイト
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    チョー突っ込みたくなるミステリ

    ⚫️冒頭から結末まで中だるみがなく疾走感が凄い。一昔前のTVサスペンスドラマを文芸ミステリ小説に仕立てた趣がある。⚫️さて、最終モノローグ前にあとがきが差し込まれ「ラストは、ハッキリ言って後味がチョー悪い」から「ここで読むのをやめる事」をおすすめされる。そうは言っても「ここまで読んで最後まで読まねぇ奴いねーよ」と1人でチョー突っ込んだ。⚫️余談だが、北川景子と深田恭子共演の映画版は、ミステリの核心部分において小説版を堅持しつつ、全く異なる展開に肝を奪われる見事な原作改変であった。

    #怖い

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    2024年04月25日
  • 満願
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    米澤穂信の同名短編小説を想起

    ⚫️米澤穂信の同名短編小説と同じく女性の願望成就にまつわる掌編小説。⚫️とかく品性に欠きがちな性欲の発露を端正清楚に表現し、善悪二元論に魅せられがちな人の単純な心の内を諧謔を交えて柔く批判し、女の持つ優しさや賢さをさりげなく入れ込む。⚫️ところで、文中の「簡単服」とは、どんな服のことか分からなかった。どうやらワンピースらしい。⚫️話は逸れるが、昔はランニングとかズボンと呼んでいたものを、今はタンクトップとかスラックス・ジーンズと言う。そう言わないと、どこか恥ずかしくさえ感じる。言葉のうつろいを想う。

    #ハッピー

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    2024年04月04日
  • 52ヘルツのクジラたち【特典付き】
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    善心&カネとコネどちらも大事

    ●児童虐待といった深刻な問題を、暗く沈むことなく軽やかに描きなら、淀みなく大団円に突き進む。心穏やかに読み耽った。●さて、誰かが助けを求めて声を上げた時、誰かに優しく受け止めて貰えるのか。個人的体験では、職場のパワハラも介護のトラブルも、声を上げたところで、かえって傷つくことばかり多かった気がするのだが。●大方の見方は、自分を救うにも、他人を救うにも、カネとコネが不可欠というものではないか。おとぎ話に触れて心を豊かにし善心を高めることも大事だが、カネとコネの獲得に向けた日々の辛い努力も重要だ。要自戒。

    #エモい

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    2024年03月13日
  • 処刑台広場の女
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    ラスボスで驚愕

    ⚫️善悪定かならぬ名探偵レイチェルの謎めいた人物像で興味を惹きつつ、ある事件からは展開が急加速し、ラスボスで一驚するミステリ。⚫️ストーリーテリングが絶妙で映画鑑賞のような没入感に浸かることができる。ただし、登場人物が多いうえ全員毛唐だから名前が覚えきれない。このため人物相関の把握に苦慮した。⚫️登場人物を再確認のうえ、改めて早回しで読み直したところ、いくつもの巧緻綿密な伏線に気づく。二度読みはダサいと思っていたが、二度読みの面白さに目覚めた。 

    #ドキドキハラハラ

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    2024年02月29日
  • 成瀬は信じた道をいく
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    成瀬家電の謎

    ●成瀬は才器抜群で、何事かに一意専心すればその道でナンバーワンになれそうだが、何事にも興味を持ってマルチに行動しオンリーワンの道をひた進む。成瀬道は、気に入ったことを好きなように愉しみ、他人からの評価は気にしないが他人への迷惑は避けることのようだ。●ハラスメントの昭和、バッシングの平成を超える令和のスター成瀬の生き方を、見て感じて少しマネすることで、令和日本の生き辛さを吹き飛ばすことができよう。●ところで、成瀬家電の私案は077-504-8311である。どこかに考察サイトないかな。

    #笑える #憧れる #共感する

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    2024年02月07日