あらすじ
土佐の郷士の次男坊に生まれながら、ついには維新回天の立役者となった坂本竜馬の奇蹟の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげる。総発行部数2500万部超! 司馬遼太郎の永遠のベストセラーが半世紀の時を経て、電子版で新たによみがえる!
第7巻/同盟した薩摩と長州は着々と討幕の態勢を整えてゆく。そして竜馬は、この薩長に土佐藩などを加えた軍事力を背景に、思い切った奇手を思いついた。大政奉還――。幕府のもつ政権をおだやかに朝廷に返させようというものである。内乱を避け、外国に侵食する暇を与えず、一挙に新政府を樹立する、無血革命方式である。が、しかし……。
恥ずかしながら初めて読みました。昔から有名な作品ということは知っていましたが「どうせ竜馬は死ぬんだろ…」と手をつけなかったのです。何ともったいない!
沢山のビジネス書や自己啓発書がありますが、若人たち、まずは『竜馬がゆく』を読みましょう!物語を通して自由闊達な発想・先を読む力・間の取り方・人脈などの大切さを実感することができます。また、そのためにいろいろと勉強したくなります。100年以上前の話ですが新鮮に感じます。
さらに竜馬以外の登場人物もみな魅力的。若かりし木戸孝允や板垣退助など、日本史の授業に興味がなかった私でも知ってる人物や、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎など、様々な人物が登場します。一粒で2度3度とおいしい作品。とにかく出来るだけ若いうちに1度は読んでおきたい作品です。
感情タグBEST3
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長州藩と薩摩藩との対立を解消するように調停した竜馬は、幕府の政権を朝廷に返上する案、すなわち大政奉還を案出する。日本を欧州列強から守り、なるべく早くかつ内乱を避けるために、竜馬はさまざまな人脈を通して実行を図ろうとする。
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明光丸の激突は流石にキレた。
ここからどう大政奉還まで持ってくのか、ワクワクが止まらない。
竜馬の視座が高すぎる。四歩も五歩も進んでるし、1人だけ違う景色を見ている。こういう傑物が人を動かし国を動かしてきたのか。
幕末はもちろんだけど、中岡慎太郎、後藤象二郎、西郷隆盛、桂太郎、高杉晋作、板垣退助、、、
全員にスポットライト当てたい。
Posted by ブクログ
7巻になると竜馬なしでは物事が進まなくなったと思いました。竜馬が発案した「大政奉還」と「船中八策」は徳川幕府がなくなってからの日本の方向を示したと思いました。いよいよ最終巻になりますが、最後まで読んでみたいと思いました。
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竜馬がゆく全8巻読み終わりました。
壮大で波乱万丈な幕末。竜馬がすごく魅力的ですっかりファンになりました。幕末志士たちが日本のために奔走して闘っている姿に胸熱でした。新撰組との対立は胸痛でした。最終巻、やはり辛かったです。寂しい。
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幕府が事実上フランスに身売りするという小栗忠順案(p9)。慶喜、長州大討込を翻し、勝に長州との止戦を申し入れさせる。勝は上手く長州と話をまとめるが、大阪に帰り慶喜に報告しても、邪険にされる。無条件和睦が慶喜の気に入らなかったからだ。しかも慶喜は勝を使者として送り出したあと、朝廷に「勅諚」を出させ、高圧的停戦命令を下した。勝の役回りは子供の使いのようになった。竜馬、後藤象二郎と会談。竜馬、大浦お慶から船をもらう。竜馬、海援隊構想をぶちあげる。中岡慎太郎に陸援隊を任す。竜馬が苦労して得た船いろは丸、紀州藩船明光丸と衝突、沈没。第二次幕長戦争は長州の勝利に終わり、幕府は将軍家茂の死を理由に講和した。のち、孝明天皇も崩御。高杉晋作危篤、中岡慎太郎、三条と岩倉の提携工作に奔走。竜馬、船中八策を披露。天皇をいただいた民主政体(デモクラシー)でいく、というのが船中八策の基調であった。
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今まで、周りからみれば、じれったく、ともすれば信念がないようにもみえたかもしれない龍馬がいよいよ、時機が来たとばかりに猛烈に動きだした感じ。好きな中岡慎太郎の大活躍、親友仇でもある後藤象二郎との協力(利用?)。先見性抜群の船中八策、大政奉還へ遂に動きだす。クライマックスに向けて、アクセル踏まれた感がワクワク感いっぱいでした。
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▼第6巻に引き続き、第7巻もわくわく山場です。まあつまり、文庫版全8巻で言えば、竜馬さんは5巻までは準備運動だったとも言えます。その5巻までは面白く読ませる「節回し」「語り口」こそが、小説竜馬がゆくの凄みと言えましょう。という訳で、そりゃ面白いに決まっている第7巻。
▼話は「第二次長州征伐で、長州軍(竜馬も参加)に、幕府側は負けてしまった。講和交渉」から始まります。つまり、7巻から、幕府が倒れていく。日本中の大名たちが「えっ…幕府弱くね?こりゃマジで薩長雄藩が天下取っちゃう?幕府の言うこと聞いている意味なくね?」と気づく。この巨大な「ムード」の展開がわくわくします。
▼そして、「いろは丸事件」という、紀州徳川藩の居船と竜馬の船の海上事故の交渉物語を交えながら‥‥。「後藤象二郎登場」→「幕府びいきだとまずいと思った土佐藩が、竜馬に連携をお願いする」→「それに応えて、大政奉還案を竜馬が出す」「船中八策で、倒幕後の国のありかたを示す」というのが中盤~終盤のわくわく。
▼これまでに比べて、竜馬さんが天下の名士になっている。その落差みたいなものも楽しい。ちょっと眩暈がするような、
「思えば遠くに来たもんだ(©中也)感傷」
を味わえるのが、大長編だけが持つ醍醐味。
それにしても中原中也の日本語センスのなんて良いことでしょうねえ。
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歴史弱者の自分でも名前だけは知っている大政奉還。
竜馬がこんなに中心になって推し進めていたとはしらなかった。
竜馬の思想が一〜七巻をかけてどのように変わってきたか、この七巻でようやくはっきり見えてきました。
この巻は特に竜馬が何か考えている描写が多いように感じました。今まで血を流してきた同志や、対立勢力のことを思っていたのかと思うと胸が熱くなります。
八巻も楽しみです。
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人間それぞれに多彩な能力があるが、1人で何かをなすことができるわけではなく、同じ志を持った有能な仲間と協力すること、運、情報が重要なのだと思った。
長崎に行きたくなってきた。
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幕府は長州藩との海戦に敗れ小倉城も陥落しいよいよ窮地に追い込まれてゆく。勝海舟は幕府の使者として長州藩との停戦交渉に厳島へ派遣される。将軍慶喜からはやり方は全て任せると言われ、だったひとりでこの命がけの任務に就いた。
果たして勝の誠意あふれる態度は長州藩の心を捉え、停戦は無事に実った。しかし慶喜は勝が無条件和睦を約束したことを不服に思い、任務を果たした勝をねぎらいもせず無視した。負け戦の停戦であるにも関わらず幕府の対面を保つために懲罰を与えるべきだったとは、それも全てを任せると言っておきながら。まさに「なんと虫のいい…」である。
しかもその上さらに幕府は勝とは別方向で朝廷に働きかけ、勅定という形で長州藩に停戦命令を出した。その高圧的な命令は戦いはいつでも再開するという意思を含んでおり、和睦を約束した勝は長州を裏切ることになってしまった。こんなにひどい話があるだろうか。
使命を果たした勝は、それを喜び合う同僚も従者もいないため厳島の宿でたったひとり、宿の老婆を相手に飲めない酒を呑み、「婆あ、酔った」と管を巻く。この下りが勝の宿命を象徴しているようで、可笑しいながらも物悲しくて仕方なかった。
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亀山社中解散の危機、労組はもちろん、水夫火夫の食い扶持という固定費を賄う仕組みもない、会社というシステムとしては成り立っていないなぁと思った。が、竜馬が見よう見まねで始めた、というところに価値がある。
その後、西洋のロウを真似て、海援隊の約款を作るあたり、徐々に体制が整っていくのがおもしろい。
海援隊の味方として土佐藩がつく、というところはうまくいきすぎてニヤニヤした。約款もきちんとあるという点がなおよい。
私の出身地である大洲が、いろは丸の章で出てきてうれしい。竜馬が大洲藩からいろは丸を手に入れたが、最初の航海で沈んでしまった、ということは知っていたが、相手が紀州藩で、初の国際法を用いた裁判になったということは知らず、おもしろかった。
大政奉還、無血革命というのは奇策だったのか。日本を戦火から救い、徳川の名を後世に残し、容堂の苦しみを解決しただけでなく、思えば、流血革命なら、日本は列強の植民地になっていただろう。
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薩長同盟を成しとげた巻
あと、大政奉還を竜馬が立案した
大政奉還を成し遂げるには大変な根回しが必要だったんだとしみじみ。、
討幕に向けていよいよ盛り上がってきていて、最終巻が楽しみ。ただあと一巻で終わるとなると寂しくもある。
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倒幕への動きが具体化してきた7巻。
そんな中、竜馬は徳川家を滅ぼすのでは無く一大名と同じ扱いとする大政奉還を思いつく。
尊皇の志士達がそれぞれの藩の一員として動く中、自分は「日本人」だと言う竜馬。
今では当たり前のことが、鎖国をしていた当時はどれだけぶっ飛んだ考えだったか。
でも、竜馬がそんな考えに至ったのは、学び考えたから。学ぶ・自分の頭で思考することの大切さよ。
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p.74
困った、といったとたん、人間は智恵も分別も出ないようになってしまう。
p.157
あれだけの長い酒の座で、ひとことも過去を語らなんだ。ただ将来のみを語った。
p.379
洪水を一人でせきとめて別の方向に流してしまうことが、人間、できるものかどうか
面白くなってきました。次巻でラスト。楽しみです。
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幕府を倒すために薩長連合を成立させた竜馬だが、
薩長が新政府を作った場合の帝国主義的政策を危惧する。
幕府対薩長の対立は、帝国主義的に見れば、イギリス帝国主義対フランス帝国主義という対立による、日本の植民地化の争いに他ならない。
そのためには、幕府を倒して、且つ、薩長を制御する方法が求められる。
それが、「大政奉還」の一手だった。
勝海舟•大久保一翁という幕臣が考えた徳川家の延命策のアイデアを、千載一遇のチャンスとして、換骨奪胎して、実行に移したのが竜馬だった。
それは日本が植民地に堕することなく、新しい日本国を作り出す奇策だった。
「薩長連合」にしても「大政奉還」にしても、竜馬という一浪人の考えついた策ではない。
当時、誰もが「薩長連合」の可能性を語り、徳川幕府自ら「大政奉還」策を検討していた。
竜馬の天才は、政治的な策を考え出すことではない。
彼の天才は、誰もが論じながらも、誰もが不可能事と諦めていた策を、実現してしまう実行力にあった。
本書で描かれる、竜馬の行動は、史実としては彼一人のものではないかもしれない。
しかし、「薩長連合」の成立、「大政奉還」の達成に命を賭けた男たちがいたことは確かだ。
その中心に坂本竜馬がいたことは確かだろう。
竜馬以外の志士が行ったことも、竜馬の行ったこととして書かれているかもしれない。
それで良いではないか。
竜馬がそれを引っ張ったのだから。
もしくは、それを命をかけて成し遂げたものたちの全体を「竜馬」と呼んだ、と考えたら良い。
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竜馬と後藤象二郎の対面の場面、中岡慎太郎の活躍が印象に残りました。
大きな視野で時流を見定めて、日本の行く末を考えられる竜馬は偉大です。その竜馬に影響を与えた、勝海舟や大久保がいるということ、つながりがすごいと思いました。
Posted by ブクログ
薩長同盟後、いよいよ大政奉還も見え始めるところ
までが描かれる。全8巻ものの7巻目。
亀山社中改め海援隊の、いろは丸を巡る事件。
武市半平太を処した土佐藩(後藤象二郎)との対面。列島を駆ける中岡慎太郎と四賢候会議に、容堂公。
そして、竜馬の集大成とも言える「船中八策」草案。
一歩間違えると日本は異国と同様、植民地になりかねないという、緊張感高まる時勢の最中、これまで
土佐藩に苦しめられた竜馬が、最後に土佐藩をもってして大政奉還を幕府に迫るというのが何とも。
ここまで長かった物語も、気づけばあと1巻。
つまりは暗殺まであと僅か。司馬遼太郎が描く、
幕末の英傑の最後の勇姿、見届けたいと思います。
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安定した面白さ、そろそろクライマックス!何度も思ったけど、やっぱりこの竜馬、もてるぅ〜!龍馬を好いてる女子、これで3人目くらいじゃない?大政奉還も、そろそろ!
次巻で、終わり。焦る。
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いろは丸でのくだりもそうであるが、「法」によって争いごとを解決しようとしたり、倒幕後の新しい国を治めようという竜馬の考え方が、新しい日本という国に繋がっているのだと思うと、なんだか不思議な気持ちになる。
また、血を流さずに回天を成す「大政奉還」をここで実行しようというのも、竜馬という人物の大物たるところなのだと思う。
Posted by ブクログ
5寄りの★4つです
竜馬がついて無さ過ぎます。。
また船を無くしてしまい、可哀想です。
後半はとうとう岩倉具視が登場!
更に大政奉還!
司馬さんの本読みやすいです。
飽きないのが良いですね
Posted by ブクログ
後藤象二郎とか山内容堂ってあまり良い印象は無かったのだが、やはり人間の短所ばかりに目を向けてばかりではなく良い点を見つけて適材適所の活躍をさせることが大切なのだと実感
Posted by ブクログ
「竜馬がゆく」の第7作目は、討幕へ向けて薩長同盟を実現させた龍馬が次の一手として土佐藩と連携していく様子が記されている。数多の勤王志士達を死へ追いやった土佐藩の上士らと手を取り合おうとする龍馬の行動に初めは違和感を感じた。しかし、そうせざるを得ない程に状況が逼迫していたのも事実である。仲間を思い信念を突き通す事は大事だが、世の中の動きに敏感になり時勢によって信念をも変えてしまうくらいの器の人が新しい時代を作っていくのかなと複雑な気持ちになった。
Posted by ブクログ
亀山社中から海援隊に変わり、大政奉還に向け志士が動き出す回。
龍馬が凄いのは、階級をなくし人は平等であり法によってのみ裁かれる時代にしようと行動した所。
先見の明がある。
ついに次で最終巻。
龍馬よ、死ぬなー!
Posted by ブクログ
いよいよ大詰め。
自分が知る日本になる礎ができる直前。
多くの人の命と思いをかけて。
心を打たれながら本に入り込んでいたら、
日課のPodcastでちょうど紀州藩と海援隊の話があった。
本は竜馬寄りだけど、Podcastは歴史を今の視点で見て語られているから、
より竜馬側は海賊的な悪どいやり方だと語られていた。
情はない。
そして、そもそも実は海援隊も竜馬も航海技術はあまりなかったとのこと。中途半端だったとも。
なるほど。
本に書かれたことが正しい話だと思い込み過ぎていた。
他の角度から見ることも大切。
人が変われば、時代が変われば、見方が違う。
日頃の仕事や考え方にも取り入れなければと思っている視点を、
なるほど、こういうことかと改めて実感。
そして大政奉還は竜馬の素の案ではなく、
3年前の勝海舟の案だったと。
勝海舟の凄さと、やはり物事にはタイミング(時間)という第3軸があるんだと学ぶ。
Posted by ブクログ
最も華々しく活躍した時期にあたる巻だと思います。この巻を読むと、竜馬も「時代の一人物」であることを納得できました。中岡慎太郎も大活躍しており、まさに土佐の巻です。
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司馬遼太郎の長編時代小説の7巻目
長州と幕府の戦いを終えた海援隊,戦には勝ったもののお金に困窮するところから始まる.龍馬の人望と展望でまさかの土佐藩と手を組み,時代の活路を見出そうとする.
あくまで日本にとっての未来を考えて動く姿は周りに理解されないかもしれないが,本当にかっこいいと思った.芯のある人なのだなと今作でも感じた.一方で中岡慎太郎も行動家で「足で稼ぐ」ように各地各所へ赴き説きまわり,政治を動かす姿も感動した.
7作にもなると明治維新で活躍する偉人が続々と登場するのも印象に残った.学校で習う歴史の明治の偉人も江戸末期に坂本龍馬と接触・影響を受けて世を動かしたところが面白い.
世が開けるのももうそろそろに感じた.最終作の8作目も楽しみである.
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物語はいよいよ佳境へ。真に動き出した竜馬。この先、どんな描き方をされるのか。楽しみだ。
物事には時というものがある。
早すぎても遅すぎてもダメだ。
Posted by ブクログ
心に残ったシーン
高杉晋作「面白き事もなき世を面白く すみなすものは心なりけり」
何度も船を沈められる困難を乗り越えつつ進んでいく
その時々で自分の大志に向けて強みを変えていく、柔軟な考え方と吸収力