あらすじ
土佐の郷士の次男坊に生まれながら、ついには維新回天の立役者となった坂本竜馬の奇蹟の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげる。総発行部数2500万部超! 司馬遼太郎の永遠のベストセラーが半世紀の時を経て、電子版で新たによみがえる!
第2巻/黒船の出現以来、猛然と湧き上がってきた勤王・攘夷の勢力と、巻き返しを図る幕府との抗争は次第に激化してきた。先進の薩摩、長州に遅れまいと、土佐藩でクーデターを起し、藩ぐるみ勤王化して天下へ押し出そうとする武市半平太のやり方に限界を感じた竜馬は、さらに大きな飛躍を求め、ついに脱藩を決意する!
恥ずかしながら初めて読みました。昔から有名な作品ということは知っていましたが「どうせ竜馬は死ぬんだろ…」と手をつけなかったのです。何ともったいない!
沢山のビジネス書や自己啓発書がありますが、若人たち、まずは『竜馬がゆく』を読みましょう!物語を通して自由闊達な発想・先を読む力・間の取り方・人脈などの大切さを実感することができます。また、そのためにいろいろと勉強したくなります。100年以上前の話ですが新鮮に感じます。
さらに竜馬以外の登場人物もみな魅力的。若かりし木戸孝允や板垣退助など、日本史の授業に興味がなかった私でも知ってる人物や、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎など、様々な人物が登場します。一粒で2度3度とおいしい作品。とにかく出来るだけ若いうちに1度は読んでおきたい作品です。
感情タグBEST3
教育者と男色をディスる。
二巻は竜馬の土佐帰郷と学問修得そして脱藩までを描く。🐉なぜ勉強をするのか、勉強の弊害とは、最重要科目は何かなど、作者司馬は登場人物達を通じて、自分の想いを披露する。驚くべきは教育者の評で「他人を採点し、侮辱し、いたずらに劣等感のみを植えつける存在」と酷く厳しい。学校教諭は真っ青である。🐉また、衆道(男色)に対し「戦国の悪風」であり、蛮風、悪趣味と手厳しい。現在(令和期)と異なる本書著作時(昭和後期)の世情を表しているのだが、価値観の変転の凄まじさに驚かされた。
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2巻を読んで竜馬がいよいよ土佐を脱藩するところまできました。竜馬の脱藩の犠牲にお栄姉さんの自害と乙女姉さんの離縁があった事を知り、藩を抜けるのは重罪であると感じました。3巻も読み続けていきたいです。
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竜馬が、自身の内なる気持ちに目覚めていき、天命を手繰り寄せる過程が良く分かった。元気をもらえました。
竜馬の脱藩の心意気に、心からの賛意をおくる乙女姉さんの肝っ玉の座ったところ、最高!
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物語が大きく動き始める。
桜田門外の変が、一種のターニングポイントだったなんて、高校で日本史勉強してる時は微塵も意識してなかったなあ。
文章の合間で司馬遼太郎の取材記録というか、解説が挟まってるのがすごく心地良い。
忠実に、そして丁寧に歴史上の出来事を小説へと昇華させている。
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▼司馬さんの「節回し」が聴かせどころの作品だなあ、と第1巻の感想に書きましたが、節回し絶好調です。
▼幕末物の難しさは、「で、結局なにをしたの?なにがあったの?」というのが難しいんですね(笑)。合戦やって勝ち抜きました、という戦国とは違うんで。「政治」ですから。
▼その上、第2巻の竜馬なんて、要するに「剣道ま無茶苦茶強くて地元のヤンキーの代表っぽくなってあちこちうろうろしてただけ」ですから(笑)。すっごい簡単に言うと、「あちこちで色んな話を聞いて勉強してました」というだけです。
▼それがこんなに面白くなる。省略の妙、18歳くらいで始まったお話がいつのまにか成人して脱藩して歩き出す。
▼それにしても、司馬作品中随一、「主人公の理不尽モテ男ぶり」がすごいというか(笑)。もうほとんどそこだけで言うと「ゴルゴ13」とか本宮ひろしの世界。司馬さんの作品中でもなかなかここまでのものは、無いですね。
(いちばん売れているのはそれが理由かも知れません・・・・)
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文句なく★五つです。
どんどん読み進めます。
司馬さん読みやすいです。
坂東さんの本を読み、高知という未踏の地に興味が湧き、この本で更に行きたくなります。
いつか行くんだろうか。。
二巻で板垣退助まで登場し、もーワクワクが凄いです。
脱藩の章で「お栄さん」、「乙女さん」の行は悲しくなりました。
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幕末倒幕維新への流れ含め、これまで理解出来ていなかった部分も明確になってきた。
竜馬は周りの潮流からやや遅れて脱藩。いの一番に維新の原動力となったと思ってたから、この流れは少し意外だった。この先も楽しみ。
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ここではさらっとした中岡慎太郎との出会い、江戸から土佐へ戻り、伊予、長州への外遊?や土佐勤王党のはじまり。岩崎弥太郎も登場したり、遂には脱藩。良く知る坂本龍馬イメージへのルーツみたいのが多いに感じられるワクワクする2巻でした。
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あまりにも、才気あふれる人たちが早く亡くなって行くのが残念。
こうやって読んでみると、
龍馬は、権平兄さん、お栄お姉さん、乙女お姉さんから、たっぷり愛情を注いでもらった人なんだなあと思う。
龍馬が持っている余裕-
小さくまとまらない幅がある人柄は、
たくさんもらった愛情の中で育ったんだなあと思う。
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皆が哲学だとか歴史だとかの本を読んでいるなか、東海道中膝栗毛を読んでいるところから、竜馬は愛されキャラなんだなっていうのがすごく想像つく。
そして、ついに脱藩!大事を成す人は、家の名誉や家族を犠牲にしてまでも、やってやる!という尋常じゃない覚悟が必要だったんだなぁ。
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親友であった武市半平太と意見が異なりそれぞれ違う道を進んだ竜馬と半平太。半平太は吉田東洋を暗殺して政権を取ろうとするが、竜馬は京都に行こうとしてたくさんの批判がありながらも脱藩する。脱藩は勇気のいる行動だが竜馬が脱藩するほど竜馬の意思が強いことに感動した
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第二巻は竜馬が江戸での剣術修業を終えて土佐に帰り、いよいよ攘夷に向けて動き出すくだりが描かれている。周囲の火の玉のような過激論者や藩論を勤王で統一せしめるべく吉田東洋暗殺を企てる武市半平太とは異なり、西洋の力を素直に畏れ、軍艦を持って国益と武力を得たいという思想がぼんやりと芽生え始める。
そんな第二巻で着目したい人物は讃州丸亀のお初だ。女ひとりで居酒屋を切り盛りするお初と竜馬のリズム感あふれる会話が何とも心地良い。旅先でこんな出会いをしてみたいと思わせられ、恋愛小説を凌ぐロマンに惚れぼれしてしまう。
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竜馬が一剣士から
世を動かす人間になっていく様が
書かれている。
勤王倒幕派として一括りだと
思っていたが、
武士達其々に少しずつ
違う思想があることに驚いたし、
その描写に引き込まれた。
あんなにも戦友として交流していた武市とも、
脱藩となると別れなくてはならない場面では
武士の潔さ、儚さがよく読み取れた。
本筋ではないと思うが、
讃岐のお初との別れのシーンが印象的。
司馬遼太郎の小説は
人と人との間柄、それぞれの心情の描写が
生々しく、とても引き込まれる。
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職場でコーチングをして下さってる方が、新入社員の課題図書にしたいくらいだと言っていたので(全8巻もあるので止めたが)気になって読んでみた。
課題図書にしたいという理由は二巻じゃまだ分からないけど、竜馬が維新の志士になってく経緯が分かって、歴女にはとても面白かった。
ただ、いかんせん血生臭いんだよなぁ。
8巻まで一気には読めなそう。
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第一巻、黒船来航の影響で、坂本竜馬は直観的にこれまでの価値観が根本的に変化すると思い、脱藩を決意する。一方で、幕府は大老井伊直弼による大弾圧が横行して、多くの浪人が処罰された。そんな中で薩摩藩と長州藩、そして土佐藩は幕府に対して今後どう対抗していくかをめぐって議論する。
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印象に残った文章
『志士ハ溝壑ニアルヲ忘レズ
勇士ハソノ元ヲウシナフヲ忘レズ
意味は、ーー天下を救おうとする者は、自分の死体が将来溝や堀に捨てられて顧みられぬことをつねに想像し、勇気ある者は自分の首(元)が斬りすてられることをいつも覚悟している。そういう人物でなければ大事を行うことはできない、ということだ。
p.102
花は咲いてすぐ散る。その短さだけを恋というものだ。実れば、恋ではない、別なものになるだろう。』
p.348
『人の命はみじかいわい。わしに、なんぞ大仕事をさせてくれんかネヤ。』
p.436
感想
一巻よりも読むスピードが速くなった。
マンガの『おーい 竜馬』を読んでいるので、大体の流れがわかるが面白い。
よく、この時代にこれだけの大物たちが一堂に集まったなと思う。
ずば抜けた才能、行動力を持つ人が今の日本を作ったのかな?
坂本龍馬は言わずもがな好きである。続きが楽しみだ。
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この巻から物語が大きく動き出して緊迫感のある展開が続きとても面白かった。
時代ものではあるが、シナリオライターとしての司馬遼太郎の凄さを感じた。
見事に読書を惹きつける展開や素晴らしいセリフ、間に入る余談も物語の理解を深めるのに素晴らしい効果をもたらしていると思った。
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竜馬江戸を去り故郷に戻る。その道中内大臣三条実万(さねつむ)卿の家臣、水原播磨介(はりまのすけ)と同行する。泥棒、寝待ノ藤兵衛とも一緒。播磨介は幕吏にとらえられ竜馬は播磨介から預かった密書を三条卿に渡そうとする。尊王思想から出た行動である。お田鶴さまと良い仲になった竜馬は故郷に帰り学問をする。絵師の小竜先生に、西洋の事を学び、「西洋と対抗する第一は、まず産業、商業を盛んにせねばならぬ。それにはまず物の運搬が大事であり、あの(ペリーの)黒船が必要じゃ。」という。桜田門外の変起きる。竜馬の友人、武市半平太、倒幕の必要性を説く。土佐勤王党結成。那須信吾、参政 吉田東洋(土佐藩の親幕派家老)を斬る計画を竜馬に打ち明ける。吉田東洋は土佐の井伊だと言う那須信吾。竜馬、同志をつくりに讃岐の丸亀城下にはいる。その後、長州の久坂玄端に会う。島津久光、京にのぼる(文久の改革?)。吉田東洋、那須信吾らに斬られる。竜馬、土佐藩を脱藩。
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竜馬が脱藩するシーン、権平、乙女、栄の心境を思うと泣ける。武市の今後の運命も切ない。
竜馬がどうしてこんなに人気があるのか少しずつわかってきた。他の武士には無い、臨機応変さ、明るさ、優しさ、魅力がたくさんある。
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歴史の授業を司馬遼太郎さんがしてくれていたら、今頃私は歴史大好き人間になってただろう。
歴史上の有名人がいっぱい出てきてやっぱり幕末は面白い!
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幕末のこと、難しくて分からないな〜って思ってたけど、普通に理解した。史実とは違う部分もあるだろうけど、やたら難しい日本史の教科書読むよりよっぽど面白い( ̄▽ ̄)⭐︎
龍馬が脱藩するまで。
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守旧体制の息苦しさと、急進勢力の未熟さの狭間で、志士が葛藤する時世だったと思います。そうした中、敢えて脱藩し、独自の道を選ぶ龍馬出立の巻です。
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p.156
武士の剣には、千年のあいだ、剣というものについて考え考えぬいてきた義と理と法が背景にある。つまり武士道というものだ。
少しずつ盛り上がってきました。
竜馬を通した幕末史
自らの生き方を模索する竜馬と、彼を取り巻く土佐藩士、国家変革の遠因となった土佐藩の階級体制などが生き生きと描かれています。
竜馬自身の物語だけでも大変面白いのですが、動乱の時代に生きた人々の様子を通して、様々なことを考えさせられます。
学生時代にこの本を読んでいれば、もっと歴史が好きになれたかも。
Posted by ブクログ
二巻では、江戸留学から脱藩までが書かれている。
全体的に、二巻では登場人物や場所の解説が多く書かれており、史実に基づいた内容が多かった気がする。著者の司馬遼太郎さんが現地を訪れた雰囲気も伝わってきて、実際の土地などの風景を思い浮かべやすかった。
面白かった箇所は、当時の志士(吉田松陰、西郷隆盛、坂本龍馬など)は、聞いたものを自分の足で伝えて、取材することが多く旅行家と言われていたそうです。このことから、百聞は一見にしかずって感じです。
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【感想】
まだまだ出だしの第2巻ながら、個人的には少しばかり箸休めの期間かのように感じました。
というのも、この本では黒船到来から開国⇒攘夷運動などにつながる推移ではあるものの、その時代背景の描写に終始しており、主人公である竜馬の動きが特に見られないからでしょう。
とはいえ、こういった時代背景や世論の推移は、今後の幕末物語を読むにあたり決して飛ばすことの出来ない大切な項目のため、初見の方はしっかり読んでおいた方が良いと思います。
個人的には、暗殺時に共に最期を迎えた中岡慎太郎とのやり取りと、共に脱藩して後に海援隊の一因ともなった沢村惣之丞の人物描写だけでオナカいっぱいです。
あと、余談ですが、武市半平太ってお酒強かったんだ。笑
大河ドラマ「龍馬伝」では、お酒を全く飲めない下戸というキャラクターでしたが、史上では果たしてどうだったのでしょう?
【あらすじ】
黒船の出現以来、猛然と湧き上がってきた勤王・攘夷の勢力と、巻き返しを図る幕府との抗争は次第に激化してきた。
先進の薩摩、長州に遅れまいと、土佐藩でクーデターを起し、藩ぐるみ勤王化して天下へ押し出そうとする武市半平太のやり方に限界を感じた竜馬は、さらに大きな飛躍を求め、ついに脱藩を決意する!
【引用】
1.竜馬に喧嘩を売ってきた中岡慎太郎に対して、下手に出る事で逆に相手をオドオドさせることに成功
「暴言お詫びします」と謝った中岡慎太郎に対し、「武士が吐く言葉には命を賭けるべきじゃ、それをすぐ暴言だと自認して謝ったりするのは性があわん」
と、顔色も変えずに、力まかせに中岡を殴りつけた。
武市が一番驚いたのは、殴られた中岡でさえも、つい竜馬のペースに巻き込まれて「飲みましょう」と杯をあげたことだ。
竜馬には、人を溶かす独特の何かがある。
2.なぜ井伊直弼が槍玉にあがった?
ハリスが日米修好通商条約を結ぶにあたり、外国恐怖症の天子・孝明天皇の許可が下りず、業を煮やしたハリスが、
「であれば我々は京都政府と調印を交わす」と、幕府を慌てさせた。
板挟みとなった井伊直弼は、ついに勅命を経ずに調印することを断行し、それによって尊王攘夷論が火のように燃え上がることとなった。
そして後に、安政の大獄⇒桜田門外の変につながる。
【メモ】
p14
・中岡慎太郎との出会い
藩邸での酒の席で。
(ちなみに武市は酒を飲んでも強かったという。)
竜馬より2つ3つ下の歳で、みるからに眼の鋭い精悍な顔つき。
剃刀の頭脳と、きびきびとした実行力をもっている。
「中岡くん、こっちへこないか」と武市が誘ったが、
「武市先生は理由もなく人をお呼びになるのですか。たとえ三歩でも、中岡慎太郎は理由なく身を動かしません」と断った。
理屈っぽいというものではなく、理屈が人の皮を着て歩いているような男である。
また竜馬に対して、
「わたしは剣術使いには興味はありません」
「せっかく腰間に剣を帯びながら、いま天下がどうなっているか、何に向かって命を捧ぐべきかをお考えになっているような御様子がない。そういう方とは、お近づき願う気がしません」
と回答した。
対して竜馬は、
「中岡くん、お前のいうとおりじゃ。わしァ何も知っちょらせん。天下がどうなっちょるか、その天下に向かってお前のようにどう吠えたくったらよいか、何も知らん」
と、意外にも本気で謝り、中岡慎太郎を狼狽させた。
「お前はえらい。胆(きも)の上に天下を載せちょる。酒に酔うても載せちょる。わしもお前の心がけに学ばにゃならんが、なにぶん子供のときからの鈍根じゃ。ボチボチやる。世がわしを必要とするまでボチボチやる。それまでは怒らんでこらえてつかァされ」
そして、「暴言お詫びします」と謝った中岡慎太郎に対し、「武士が吐く言葉には命を賭けるべきじゃ、それをすぐ暴言だと自認して謝ったりするのは性があわん」とニコニコして顔色も変えずに、力まかせに中岡を殴りつけた。
武市が一番驚いたのは、殴られた中岡でさえも、つい竜馬のペースに巻き込まれて「飲みましょう」と杯をあげたことだ。
竜馬には、人を溶かす独特の何かがある。
p36
・なぜ井伊直弼が槍玉にあがった?
ハリスが日米修好通商条約を結ぶにあたり、外国恐怖症の天子・孝明天皇の許可が下りず、業を煮やしたハリスが、
「であれば我々は京都政府と調印を交わす」
と幕府を慌てさせた。
井伊直弼は勅命を経ずに調印することを断行し、それによって尊王攘夷論が火のように燃え上がることとなった。
そしてそれが、安政の大獄につながる。
p438
・沢村惣之丞
竜馬と共に脱藩。
学問好きで、数学と英語に長じ、のちに竜馬の配下となって海援隊士官として随分と働いた。
維新直前、沢村は長崎で、酔漢を盗賊と見誤って撃ち殺し、その男の素性を調べると薩摩藩士であった。
沢村は海援隊と薩摩藩との関係がまずくなるのをおそれ、薩摩藩側でさえ止めたのに、威勢良く腹を切った。
いま、長崎の西山に、沢村惣之丞の墓が寂しく苔むしている。
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司馬遼太郎の長編時代小説の2巻目
剣術から政治に関心を持ち出した時代を描いている.
特に井伊直弼や吉田東洋といった幕府の人間が次々と倒れていき,時代の変化を物語っていた.
水原播磨介の護衛から竜馬の思想が剣術から国を動かす思いへ少しずつシフトしていったのが面白かった.また,思想の変化から生涯の別れを告げる人が出てきたのも時代性を感じ,切なく思えた.竜馬の親族が竜馬の脱藩のために後に命を落とすことになることも憐れみを感じた.
司馬遼太郎が歴史小説を書くにあたり史実とか文献を入念にリサーチして書き上げていることに改めて思った.所々作者の解説を見ながらなるほどと当時の情景が頭の中で広がった.そのうえで,作者ならではの心情の解釈・表現をしているところはドラマチックで流石であると感心した.
さて,いよいよ脱藩をした竜馬.3巻ではさらにどのように動くのだろうか...
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「半平太、お前が悪謀家じゃということになれば、もはや人がまわりに集まって来るまい。人が集まらぬと大事はできぬ。されば半平太、悪人というのは、結局、小事ができる程度の男のことだぞ」(p.307)
竜馬は脱藩の日、才谷山にのぼって祠の中に入り、心ゆくまで酒をのんだ。
−−のう、明智左馬助さまよ。
と、心中、祖先の霊をよび、さらにわれいさんの神霊にもよびかけて、
−−人の命はみじかいわい。わしに、なんぞ大仕事をさせてくれんかネヤ。
と、頼んだらしい。(p.436)
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読み終わっていたけれど、
感想を書けてなかったのでメモ程度に。
時代の流れに人々が動かされていく…
脱藩のことについても書かれていて、ここから時代が動いていくのか。
乙女姉さんの存在が竜馬にとっては大きかったんだろうな〜理解者がいるのといないのとでかなり違ってくるよね。。