あらすじ
土佐の郷士の次男坊に生まれながら、ついには維新回天の立役者となった坂本竜馬の奇跡の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげる。総発行部数2500万部超! 司馬遼太郎の永遠のベストセラーが半世紀の時を経て、電子版で新たによみがえる!
第5巻/池田屋ノ変、蛤御門ノ変と血なまぐさい事件が続き、時勢は急速に緊迫する。しかし、いまだ幕府の屋台骨はゆるんだように見えない。「時期が早すぎるのだ……」。次々に死んでいく同志を想い、竜馬は暗涙にむせんだ。竜馬自身にも危機が訪れる。心血を注いだ神戸海軍塾が幕府の手で解散させられてしまったのだ。壮大な計画が無に帰した竜馬はどう動く!?
恥ずかしながら初めて読みました。昔から有名な作品ということは知っていましたが「どうせ竜馬は死ぬんだろ…」と手をつけなかったのです。何ともったいない!
沢山のビジネス書や自己啓発書がありますが、若人たち、まずは『竜馬がゆく』を読みましょう!物語を通して自由闊達な発想・先を読む力・間の取り方・人脈などの大切さを実感することができます。また、そのためにいろいろと勉強したくなります。100年以上前の話ですが新鮮に感じます。
さらに竜馬以外の登場人物もみな魅力的。若かりし木戸孝允や板垣退助など、日本史の授業に興味がなかった私でも知ってる人物や、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎など、様々な人物が登場します。一粒で2度3度とおいしい作品。とにかく出来るだけ若いうちに1度は読んでおきたい作品です。
感情タグBEST3
激闘!蛤御門ノ変
五巻は蛤御門ノ変だ。長州の猛烈な兵勢が薩会によって惨憺たる壊滅に至るまでの激闘を、白熱血風とともに魅せる。🐉とはいえ本巻は、こうしたアツく激しい戦闘シーンばかりではない。ユルいほのぼの日常シーンも面白く観せる。🐉竜馬は愛妻おりょうの「暗いうちから一生懸命」作った手料理を口にし、「なるほど、お前の料理はうまい」という。カピバラKSでも作れそうな塩っ辛い干物だが、頑張ってのみくだし、情けなさそうに褒めるのだ。🐉緩急自在のストーリー展開に惹き込まれる。🐉
Posted by ブクログ
長州、薩摩の動向を探った幕府は、彼らを処罰するために新選組を動員して、池田屋、蛤御門など血みどろの戦いが発生した。そんな物騒な出来事が続いているが、竜馬は相変わらずに船のことで色々と取り組んでいた。しかし、幕府の意向で神戸海軍塾は解散させられてしまい、竜馬の意志ではどうしようもできなくなった。
Posted by ブクログ
「なるほど浪人会社をおこすにはこのさき金が頼りだが、金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事をなすのにこれほど大事なものはない。金なんぞは、評判のあるところに自然とあつまってくるさ」
全くその通りだし、会社のない時代に本質を捉えている竜馬が、時代を動かしたというのも納得。
西郷どん登場した辺りから、大きく物語が動く予感がしてワクワクが止まらない。
Posted by ブクログ
5巻になり、時代が殺伐としてきたと感じました。幕府を倒そうとしていた長州藩が禁門の変で「朝敵」になってしまったのは過激な所が恨まれたのではないかと思いました。代わりに薩摩藩が出てきて西郷隆盛が登場したのですが、竜馬と考え方が似ているのは奇縁な物だと思いました。幕末期は沢山の人が死んでいくのは史実であっても辛いと思いました。
Posted by ブクログ
竜馬がゆく5まで読み進みました。
幕末の日本人の熱さ。日本の為に命懸けで真剣に生きた竜馬たちの姿に感動と恐怖を感じます。
今の日本を見て、竜馬たち志士はどう思うだろうか…。
Posted by ブクログ
池田屋事件起こる。蛤御門の変(禁門の変)起こる。長州藩の最もイケイケ、来島又兵衛、蛤御門の変であえなく戦死。竜馬の神戸海軍練習所、謀反人の巣だとして解散を命じられる。竜馬、西郷と談判す。「貿易さえすれば、日本は栄えうる。(中略)しかし貿易は一に幕府の独占事業たらしめる方針をとっている。貿易がはじまって数年もたてば、幕府にのみ金がどんどん入る。されば幕府は兵器を洋式に一変し、軍政を改革し、おそらく日本はじまって以来の強大な武権に一変しましょう。もうそうなってしまえば、勤王論もくそもない。天下の志士は洋式火砲で粉砕されてしまう」(p317)以上の事から、薩摩藩としての目下の急務は、幕府だけの開国主義に反対することだ、と西郷を説得する竜馬。
Posted by ブクログ
池田屋ノ変、蛤御門ノ変と多くの血が流れる事件が起き、神戸海軍塾がその流れもあり解散させられたりと激動。西郷隆盛と坂本龍馬が初めての出会い。後半戦へ向け更に盛り上がって来ました。龍馬自体も命を狙われたりと気が抜けません。
久坂玄瑞、来島又兵衛等が好きな登場人物。
おりょうも漸く、龍馬と結ばれた。名作です。
Posted by ブクログ
▼四巻から引き続いて、「竜馬はあんまり活躍しないけど、時代は大激動」という「司馬講談版、幕末激動列伝物語」ですね。竜馬はあんまりこの巻では「ゆく」って感じじゃないです。うろうろしています。
▼「燃えよ剣」を書いた人ですから。新選組にも愛着はあるので、池田屋の変を被害者の側から書くにせよ、その語り口は実に融通無碍自由自在です。
▼それにしても、まあ歴史上の風雲児とか言われる人はみんなそうですが、本当に表舞台で活躍したのって、2年とか、そういう場合が多いんですよね。そう考えるとビートルズですら長命。
Posted by ブクログ
愛されてるなぁ、竜馬。勝さん、残念だったね。船没収だし…、幕府に呼び出されるし…。もー。おりょうさん、やったね。抱かれたね。夢が叶ったね。(書くとき気まずくなってきた。)
Posted by ブクログ
西郷さんも登場し、★5つです!
池田屋の変生き残りが、親の出生地の方であった。。
感慨深いです。
長州藩が大変な⑤巻ですが、スズムシの行が面白くホッコリします。
中岡慎太郎の出番も多くなり、まだまだ楽しんで読み続ける事ができそうです。
Posted by ブクログ
司馬先生の時代小説は、やはり本当に面白い。
志を遂げるためには命も惜しまないという当時の志士達の考え方は、現在を生きる私たちにはなかなか理解し難いものである。が、そのような志士たちや、竜馬や西郷、桂などの活躍が実際に時代を変えていくのだと思うと、勇気をもらえる。
生まれ育ちではなく、結局は覚悟と時勢が相まって、何かを変えていくのだと感じた。
Posted by ブクログ
今の社会はこうして出来上がったんだなとしみじみと思う作品。江戸時代300年間耐え続けて培われた国民性、不満がやっと爆発した幕末、そこで勝った者たちが構築した国が今に続いていることをひしひしと感じる。そして世の中を変えるのは1人の英雄ではなく、時流と運とそれぞれの人々の考えが化学反応を起こしてできた偶然の産物。
Posted by ブクログ
池田屋の変と蛤御門の戦いで大勢の志士が命を落とした五巻。
長州に対しても幕府に対しても思うことが、人の命を奪う事で解決する問題なんてあるんだろうか?敵を殺しても、その遺族や仲間には怨嗟が残り、またそれが次の戦いへと繋がっていく。今回は志士側が負けたが、その後の戊辰戦争では幕軍が敗退し、会津若松では今でもその禍根が残っている。
戦争は未来を担う優秀な人財を失うだけでなく、恨みをこの世に残すという点でも許されないことなのだろうなと思った。
Posted by ブクログ
○あン人がこんど来たとき、貴方の虫ケラはもう居りもさぬ、というのは人間の信義にかかわりもそ(285p)
○金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事をなすのにこれほど大事なものはない。金なんぞは、評判のあるところに自然とあつまってくるさ(335p)
★西郷吉之助が出てきた
Posted by ブクログ
どんどん動いてきました。 この巻、前半は池田屋の変、そして、禁門の変。来島又兵衛。 そして、龍馬と西郷の会合。 でも、何と言っても、お登勢さんとお田鶴さま、、、。素敵です。
Posted by ブクログ
後半へ入る。
竜馬も凄いけど、勝さん、そして西郷さん、なかなかすごい。
池田屋事件から禁門の変と時代は大きく動く。
この話読みながら、頭の中のイメージは基本は「龍馬伝」だが、池田屋事件は「新選組!」、禁門の変は「花燃ゆ」が出て来る。来島又兵衛は山下さんの顔しか浮かばんわ
Posted by ブクログ
竜馬と西郷の初対面の場面は圧巻でした。二人の人となりを比較しているところ、興味深かったです。筆者は、西郷のことを「わからぬひと」と記しつつ、ありとあらゆる賛辞の言葉を用いて表現しています。こんな風に書かれると、もっと人物像に迫りたくなりました。この偉大な二人を引き合わせたのは勝海舟。歴史を動かした人物の出逢いの何と劇的なこと!
お田鶴さまとおりょうが対峙している場面は、ヒヤヒヤものでした。女同士の戦い、こわ〜い。
Posted by ブクログ
この時代の小説の特徴なのか、司馬遼太郎のスタイルなのか、作中に余談が非常に多い。
がしかし、この余談がまた面白い。作者自身が自ら取材して得た、登場人物や時代背景の情報を余すことなく説明してくれる。時には数ページに渡って。
Posted by ブクログ
幕府による神戸海軍塾の解散。壮大な計画がダメになってしまった時に、カンパニーを作ろうという発想が持てることがすごい。勝先生と竜馬、好きだなぁ。
Posted by ブクログ
全8巻の物語もここからが後半の折り返し。
長州が半分、次いで薩摩、竜馬の話という感じ。
長州が無念の大敗を喫し、血生臭さが増していく。
竜馬は、勝海舟の神戸海軍塾の解散、西郷との出会いを経て、やがて会社の設立を思い描いていく。
長州の池田屋ノ変など、重暗い話が続くなか、
おりょうさんが個性を爆発させるエピソードが印象的で、菊の枕エピソードや、お田鶴さんとの女同士のバトルなど、閑話休題として面白かったです。
いよいよ薩長同盟が近づいてきたかという感じで、
次巻も楽しみです。
Posted by ブクログ
読む前は長州人は比較的エリートというかパワフルな人が多いイメージで、薩摩は西郷リーダーと大久保という策略家…みたいなイメージだったが、過去の歴史踏まえての外交スキルなどなど、改めてすごい組織だったのだと痛感
両藩の対立激化など読み応えあり
Posted by ブクログ
池田屋の変が起き、それが蛤御門の変を引き起こし長州は朝敵になった。学生の頃は全くわからなかった事がこの本を読んでなんとなくわかってきた。
たくさんの志士の命がなくなって今平和ボケしている令和があると思うと、一生懸命生きろ!と龍馬に怒られそうな気がします。
Posted by ブクログ
p.49
新しい時代が来るためには死に役が必要です。私はことし三十七になる。すこし長く生きすぎています。
僕は既に37。今年、38歳になります。
のらりくらりと生きてきました。
これからの時代、どのようにしましょうかね。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎の長編時代小説の5巻目
幕末の暗いところが印象的であった.
特に池田屋事件・蛤御門の変がこの巻で触れられるが、幕末志士の想いを果たせずして命を落とす姿がとても悲痛であった.
長州藩はこれを機に佐幕論が中心となり、薩摩藩は西郷隆盛が幕府のフィクサーとなり激動という言葉に拍車がかかったように思えた.
竜馬自体も神戸海軍操練所を解体することとなり、株式会社を作る転機となった.各々の幕末志士が世を変えるためにあれやこれや画策する姿、大志を抱いて行動に移す姿に自分もそうできるか?できているかを思わず自問したくなった.おそらく文字通り命懸けで事をなすことはまずないと思うがそれくらいの鬼気迫る思いで行動的になるのはかっこいいし、きっと実現できると思う.見習いたいものである.
Posted by ブクログ
京都で二つの雄藩が対立を深め、ついに禁門の変が勃発。長州や薩摩に視点うつし物語がすすみ、竜馬の活躍は少なく、気づけば海軍塾は解散の憂き目に。師と作り上げた日本初の私設海軍は道半ばで夢破れた。しかし、西郷との出会いでまた明暗を思いついた竜馬。株式会社設立を目指して薩摩と手を組むことに。薩摩の中心、西郷は軍の指揮に、外交に、東奔西走中。
Posted by ブクログ
長州は苦しい時代へ。薩長の関係を考えると、どうしてここから、あの幕末を迎えるのか、まったく謎です。まだ機が熟さないって、あと三巻しかないですよ!
Posted by ブクログ
勝海舟、坂本竜馬、西郷隆盛が相見えて、かなり維新ムードが盛り上がってきた。
この作品の前に「燃えよ剣」を読むまでは江戸末期の知識が殆ど無かったので、異なる立場から見た維新の雰囲気が面白い。
次は長州視点の作品が読みたくなってきました。
Posted by ブクログ
わずか150年前の事だが、50歳を過ぎれば老人で命に対する考え方も風習も全く異なる。
坂本龍馬は大胆にして意外と思慮が深く、常に目標達成を考え抜いている。海軍、貿易、経済と幅広く知識を吸収し、吸収した知識で行動している。交渉術も相手の利益も考えてwin-winを目指している
西郷隆盛の鈴虫の対応はなかなか出来ない
Posted by ブクログ
勝には、妖精のにおいがする。そのいたずらっぽさ、底知れぬ智恵、幕臣という立場を超越しているその発想力、しかも時流のわきにいながら、神だけが知っているはずの時流の転轍機がどこにあるかを知っている。さらに竜馬と西郷という転轍手を発見し、さりげなく会わせようとするあたり、この男の存在は、神が日本の幕末の混乱をあわれんで派遣したいっぴきの妖精としかおもえない。(p.219)
西郷というひとは人間分類のどの分類表の項目にも入りにくい。たとえば西郷は、革命家であり、政治家であり、武将であり、詩人であり、教育家であったが、しかしそのいずれをあてはめても西郷像は映り出てこないし、たとえむりにその一項に押しこんでも、西郷は有能な職能人ではなかった。つまり職業技術者ではなかった。
哲人というほかない。
西郷は「敬天愛人」という言葉をこのんだが、これほど私心のない男はなかった。若いころから私心をのぞいて大事をなす、ということを自分の理想像とし、必死に自己を教育し、ついに中年にいたって、ほとんどそれにちかい人間ができた。
天性によるだろうが、そういう鍛錬によって、異常なばかりに人を魅きつける人格ができあがった。この異常な吸引力がかれの原動力となり、かれのためには命も要らぬという人間がむらがってあつまり、それが大集団となり、ついには薩摩藩を動かし、この藩を幕末のなかに投ずることによって、維新が完成した。(p.264)
「おいも無口じゃと人に叱られもすが、坂本サンも劣らんでごわすなあ」
といった。
竜馬も、ニコニコした。その笑顔が、ひどく愛嬌があり、
(おお、みごとな男じゃ)
と西郷はおもった。漢は愛嬌こそ大事だと西郷はおもっている。鈴虫が草の露を慕うように万人がその愛嬌に慕い寄り、いつのまにか人を動かし世を動かし、大事をなすにいたる、と西郷はおもっている。
もっとも、西郷の哲学では、愛嬌とは女の愛嬌ではない。無欲と至誠からにじみ出る分泌液だとおもっている。(p.278)
「塾生の大部分は藩に帰る。残留してわしについてくるのは一割ほどの人間だ。その一割ほどの人数が金を独り占めした、と評判をたてられてたまるか」
「しかし」
「も、くそもない。さっさと分配するこった。なるほど浪人会社をおこすにはこのさき金が頼りだが、金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事をなすのにこれほど大事なものはない。金なんぞは、評判のあるところに自然とあつまってくるさ」(p.335)