あらすじ
警察職員二十六万人、それぞれに持ち場がある。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。D県警は最大の危機に瀕する。警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。
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もう圧巻
紀伊国屋書店のキノベスにランクインされていて何の気なしに読んでみた
ページをめくったその瞬間からもう、三上の世界にぐーっとのめり込んでしまった。続きが読みたくて、日常生活もままならないほど!電子書籍は布団被っても読めちゃうから危ない。
読み始めたら最後。全部全部完璧なる展開。人間って。警察って。親って。上司って。部下って。夫婦って。
久々のアドレナリン全開作品でした!
Posted by ブクログ
上巻からの緊迫感はそのままに、広報室のメンバーや記者との関係性も深堀され、わだかまりが解消されるシーンには目頭が熱くなりました。三上広報官、松岡捜査一課長 参事官の関係性がとにかく良いのよ。「この人の下で働きたい」。そんな上司に出会いたいし、一生に一度は言われてみたい言葉でもありますよね。
刑事部、警務部、本庁、記者、遺族とそれぞれの思惑がひしめき、誰がどの情報を知ってるのかを考えだすとわけがわからなくなってきますが、それが綺麗に収束するのがとても爽快でした。序盤色々あった問題は結局のところ何一つ解決していないのにこの爽快感は何だろう。三上が積み重ねていった「自分の立場で何が正しいのか」を追求する姿勢。仲間を大事にする姿勢。これが響いたからかもしれません。誤解や対立があった人同士が、少しだけ理解し合う瞬間に強く心が動かされたのも無関係ではなさそうです。
物語の最後では秘密を多く抱える者が生き残る、漏らせば足元をすくわれる的なことが書かれていました。隠蔽を肯定するわけではないが、秘密を明かすことの美徳、明かさないことの美徳の両面を見た気がしました。学校教育を振り返ってみても、児童書を読んでも、秘密を秘密のままにすることの美徳など目にした記憶はありません。悪いことをしたら罰せられる。勧善懲悪のみが美とされている。ただこの三上さんらは保身の為に秘密を守っているのではなく大切な人を守るために秘密を守っている。しかも自分の落ち度ではないのにもし破られれば自分が矢面に立つ覚悟ものぞかせている。あゆみのことだってそう。あゆみのことを第一に考えているから、むやみに真実を追ったり、誰かを問い詰めたりしない。どんな理不尽に追い込まれようとも社会人としての矜持、人間としての矜持を忘れず職務を全うする。生き方の手本となる作品でした。
Posted by ブクログ
上巻で幸田メモの真相に迫ってからの下巻。
長官視察の裏にある思惑。
広報室とマスコミの対立。
ストーリーが畳み掛けるように動き始め、繋がっていく展開で一気読み必至。
地方生え抜きの最高峰、刑事部長ポストを召し上げてキャリアが座る。
刑事部出身の三上にはその重大さが痛いほど理解できる一方で、警務部としての職責でその発表の地・長官視察を成功させなければならない。
「D県警をダラスにするのか、しないのか。」p132
この一言がなぜか強く印象に残った。
(余談:読んでいる時期がちょうど北中米W杯で、ダラスで試合があったからかも)
「上イコール組織です。組織の意思を無視した広報なんて広報と言えません」
「個人の集まりが組織だ。個人の意思が組織の意思になることがあったっていい」p149
実名発表を巡るマスコミとの対立のなかで、銘川老人の人生は記事にならず、ひっそりと閉じた。
その事実を三上率いる広報室とマスコミが共有し、和解する。
いち会社員としてもちろん組織人ではあるが、一方で個人であるという当たり前のことを改めて意識できる好きなシーン。
そしてクライマックス、ロクヨンが繰り返されたと思いきや、その指揮を取る車内はS64年に引き戻される。なかでも随所に張られていた電話の伏線回収は鳥肌もの。
全ての謎が解決されるわけではなくて、それもまた人生だなと思ったり。
Posted by ブクログ
骨太な警察小説。後半は臨場感があり一気に読んでしまった。ただ、わりと大きめの謎が読者の想像に委ねられており、最後は解決すると思って読んでいたのでそこだけすっきりしなかった。
Posted by ブクログ
幸田メモの発覚から長官視察の真実、そして新たな誘拐事件と、重厚感のあった前編と対照的に後編は怒涛の展開で、最後にはロクヨンの真相が明らかになるという盛りだくさんの内容だった。電話だけで犯人を見つけ出すというのは無理もありそうに思えたが、過ぎ去った年月と、雨宮という男の執念が可能にさせたものだと感じた。犯人逮捕までは描かなかったところに、今後の広報室の歩む道も含めて想像の余地を残したと感じた。あゆみの失踪だけは、もう少し希望が見えるところまで描いてほしかった。
美人ばかりが得をするのか
前半はストーリーパート。特に県警広報室と地元新聞社のせめぎ合いがエキサイティング過ぎる。両者の落としどころには、感涙と喝采で心が激しく揺さぶられる。👮後半はネタバレパート。数十年前の痛ましい事件の真相や警察等関係者の真意が次々と明らかになる。本作の巧みなミスリーディングは脱帽するほかない。👮ところで、女の幸せは顔面偏差値次第なのか。果たして、美人ばかりが得をするのか。もしそう思うなら、本作を読めば、ルッキズム偏重の見方が、少し変わるのかもしれない。👮
Posted by ブクログ
三上の軸がこれまでブレてたからこそ腹括ってからが面白くて読むのが止まらなかった!!
「たまたまが一生になる」はサラリーマンとして胸に刻んでおきたい言葉
Posted by ブクログ
読みごたえがあった。読みづらさは無く、夢中で読み進めてしまった。
警察組織内の対立構造、警務部対刑事部、キャリア対ノンキャリ、中央対地方、そして警察広報対事件報道。そんな対立構造に焦れる広報官三上。
いや〜、そこに上手く64を絡めて楽しく読めた。
しかもついに刑事部が暴発?と思わせてからの誘拐事件。本当に事件はあるの?と思わされたり、刑事部に同情しそうになったり。
そして雨宮さんの執念…
無言電話は何かあるとはおもったが、まさかそう来るとは…。
ミステリー小説として読みたい人には、警察組織部分は無駄に長いとか思ったりするのかな。
自分は主軸が64と新たな誘拐、警察組織、2本あっても楽しく読めたな。d県警シリーズを順に読み進めたからか、単にそんな組織を扱う作品も好きだからか。
64について、長官視察について、県警内の対立について、マスコミについて、それぞれの家族について、その他にもいっぱい種まきがなされた上巻。それをしっかりと育てて収穫した下巻。
上下巻たっぷり楽しみました、
Posted by ブクログ
後半にかけての疾走感が半端ない
警察組織の中でも地味な広報
小説として取り上げられないし取り上げにくい
この地味な広報をよくぞここまでエンタメとして昇華させたものだと思う
あの一瞬ともいえる昭和64年
誘拐事件、報道協定、記者クラブ、失態と隠蔽
お飾りのキャリア、警察内部の確執、刑事至上主義
リアル感がすごい!
実際の警察官達が横山作品を愛読するのも納得です
この凄まじい臨場感に自分も現場にいるような錯覚を起こして読み終えた時は疲労困憊ε-(´∀`; )
無言電話と血豆の爪には涙が出ました(/ _ ; )
さてこのD県警シリーズ再読してみようか!!
Posted by ブクログ
『64(ロクヨン) 下』を読んでまず感じたのは、これは未解決事件の真相を追うミステリーである以上に、「自分の仕事に誇りを持つとはどういうことか」を描いた小説だった。
上巻では、昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件「64」を背景に、広報官・三上が記者クラブとの対立、刑事部と警務部の確執、県警と警察庁の力関係に巻き込まれていく。下巻では、それまで別々に動いているように見えたものが少しずつつながり始める。そして物語が大きく動き出してからの緊張感は圧倒的だった。
特に面白かったのは、上巻でかなりのページを使って描かれてきた警察内部の人間関係が、決して遠回りではなかったことだ。刑事、広報、警務、記者。それぞれが違う立場にいて、それぞれに守らなければならないものがある。だから同じ警察組織の中にいても、正義は一つではない。下巻になると、上巻で積み重ねてきた対立や葛藤があるからこそ、一つひとつの判断に重みが生まれてくる。
その中心にいる三上も印象的だった。元刑事である三上にとって、広報官という仕事は当初、自分が本当にいるべき場所ではないという感覚があった。しかし記者と向き合い、組織とぶつかり、自分が何のためにそこにいるのかを考え続ける中で、広報という仕事に対する向き合い方が変わっていく。
読んでいて何度も考えたのは、仕事の価値は「どんな仕事をしているか」だけで決まるものではないということだった。自分が望んでいた部署にいることや、華やかな仕事を任されることだけが誇りではない。与えられた場所で、自分なりにその仕事の意味を見つけ、誰のために何を守るのかを考え抜く。三上の姿を見ていると、仕事への誇りとは肩書から与えられるものではなく、自分自身で作っていくものなのだと感じた。
そして『64』が単なる組織小説で終わらないのは、物語の中心にずっと「あの日、娘を奪われた家族」がいるからだと思う。警察にとって64は未解決事件であり、組織にとっては重要案件である。しかし遺族にとって、それは十四年前に終わった事件ではない。時間がどれだけ経っても、失った人を待ち続ける時間は続いている。この視点があることで、警察内部の権力争いだけではない、人間の物語としての重さが最後まで残った。
上巻では、正直なところ登場人物も多く、警察内部の対立も複雑で、「この話はどこへ向かうのだろう」と感じる場面もあった。しかし下巻まで読むと、その積み重ねが一気に効いてくる。何気なく読んでいた会話や人物の行動にも意味が生まれ、最後には「64」という事件そのものの見え方まで変わっていく。この回収の気持ちよさは、上下巻を通して読んだからこそ味わえるものだった。
それでも、読み終えたあとに一番残ったのは事件の仕掛けではなかった。
組織の論理に従うのか、自分が正しいと思うことを選ぶのか。仕事と家族のどちらを優先するのか。自分の立場を守るのか、それとも誰かのために踏み出すのか。三上は何度もその境界に立たされる。そこには簡単な正解がないからこそ、彼が最後まで自分なりの答えを探そうとする姿に引き込まれた。
『64』は、警察という巨大な組織を描きながら、最後まで描いていたのは一人ひとりの人間だった。
組織の中で働いていると、自分一人では変えられないことはいくらでもある。それでも、自分がどちらを向いて仕事をするのかだけは選ぶことができる。
事件の真相を知った驚き以上に、そのことが強く残った。
上巻の長い積み重ねを含めて最後まで読んでほしい。すべてが動き始めたとき、それまで読んできた時間そのものが、この物語の面白さに変わる。警察小説としてだけではなく、「働くとは何か」を考えさせられる一冊だった。
#2026年36冊目
Posted by ブクログ
面白かったです。
主人公の三上は「ちょっと勘が悪めだけれど熱い男」だなと思いました。
「勘が悪め」というか「人がいい」。疑うことが苦手で、正面突破型。なので、警察内部の政治的な活動が上手くいっていない。でも、そういう人物には好感が持てます。
一方、三上と同級生の二渡は、警察組織の力学を把握して、裏側を読んで立ち回りができる人物でした。
三上と二渡の対比がすごくよかったです。
二渡は警察のトップに登り詰めるのでしょうか。
犯人は、予想がちょっと難しいパターンの人物でしたね。
お金欲しさに幼い子供を殺したヤツは、しっかりと罰を受けてください。お願いします。
Posted by ブクログ
Marvelous! But…
本書の凄みは、薄っぺらい会話がほとんど無い点。つまり、斬れば血が出るシリアスな内容を登場人物たちが本音で語っており、特に広報室の三上やその部下の諏訪、松岡参事官などの言葉のやり取りには胸が熱くなるような迫力と感動がある。
その背景には、不祥事続きのD県警生え抜きの刑事部長ポストがキャリアの指定席(天下り)となりそうな事態がある。刑事部では誘拐事件を解決できないばかりか、証拠隠蔽も発覚しそうになり、三上らの広報室は記者クラブ対応に翻弄される。
本書のクライマックスの一つは、情報の出し惜しみをする刑事部のせいで三上が自分の首をかけて記者たちを説得する場面。
「お前らおかしくないか。実名発表をもぎ取ったのになぜ大切にしない?俺は実名発表に踏み切った。話すべきことはすべて話した。D県警が汚いから、信用できないから、だから俺と握手ができないのか。話を白紙に戻して、また一からこの不毛な争いを繰り返すのか。そうしたいならそうしろ。組織と組織の話にしろ。ここでの話をデスクに報告し、俺の上司にも抗議しろ。すぐに新しい広報官が来る。そいつと匿名実名の議論を最初からやり直せ」(P166)
熱い、熱すぎる。
また、松岡参事官の(外出しようとしない)三上の妻への気遣い。
「家から出ないんだと?外の空気を吸った方がいい。電話を待つ気持ちはわかるが、人助けということなら自分を納得させる理由になるんじゃないのか」
三上は唇を噛み締めた。刑事に未練はありません。さっきの言葉は取り消せない。取り消すつもりもない。それでも、未練がましく思った。この男の下で、もう一度働きたい。(P271)
何度かの無言電話を家出した娘からのものだと信じようとする妻は、電話を待つためになかなか家から出ようとしない。元婦警だった妻を誘拐事件のアベック捜査要員として使いたいとの元上司の愛ある申し入れに三上は頭を垂れる。
本来であれば、満点評価もありの内容でしたが、どうしても気になった点が。
リアルな小説だからこそ、無視出来ない瑕疵。
以下はマジなネタバレあります。
誘拐事件の被害者家族の雨宮が14年前に電話越しに聞いた犯人の声を何万人の声からピンポイントで特定できたこと。まず、人間の記憶はテープレコーダーとは違うし、人の声も年齢とともに微妙に変わる。そしてなによりも万が一間違っていたら、どう責任をとるのか!?
これは本作展開の肝の話(三上の妻への無言電話と繋がる)だけに、外せない要素だったのは理解した上で、リアリティ重視の小説だからなおさら犯してほしくなかった禁じ手でした。ってことで、最終的には星4つ。
Posted by ブクログ
『64』を読み終えて最も印象に残ったのは、警察組織という巨大な世界をここまで緻密に描き切ったことだった。上巻は物語の進行だけを見るとゆっくりで、長く感じる場面もあった。しかし、その時間を使って警察組織の内部や人間関係、各部署の思惑が丁寧に積み重ねられていくため、物語の世界が少しずつ立体的になっていく。テンポの遅さは好みが分かれる部分だが、その積み重ねが作品全体のリアリティを支えていた。
主人公・三上についても非常に魅力的だった。物語の序盤では、自分の立場を守るために飲みたくもない唾を飲み、組織の中で折り合いをつけながら生きている。しかし、自分の置かれた立場や果たすべき役割と向き合い、覚悟を決めてからは、その言葉や行動に強い熱が宿っていく。正義を振りかざすのではなく、組織の中で葛藤しながらも信念を貫こうとする姿が、この作品の大きな魅力だった。
下巻では、上巻で丁寧に積み上げられた人間関係や組織の力学が一つにつながり、物語として大きく動き出す。終盤は横山秀夫らしく無理なく綺麗にまとめられており、読み終えたあとの読後感も良かった。
一方で、全体としてはやはり長さを感じる作品でもあった。組織描写を重視するぶん、展開の遅さが気になる場面もあり、その点は好みが分かれると思う。しかし、その丁寧さが作品のリアリティや終盤の説得力につながっていることも確かである。
Posted by ブクログ
64(ロクヨン)と呼ばれる未解決の誘拐事件という大きなストーリーがありつつ、警察の内部の確執やマスコミとの軋轢が大部分を占める本作。
いわゆる"警察モノ"の堅さが苦手で自分では普段手に取らないけど、人にお勧めされて読んでみたら本当に面白かった!内容はもちろん文章も硬めで読みやすくはないものの、それ以上に展開が面白くて楽しめた。ラストで明かされる誘拐事件の真相は衝撃的で、上巻からの伏線が回収される感じがたまらなかった。
Posted by ブクログ
上巻同様前半は若干退屈だったが、後半の展開は凄まじかった。新たな誘拐事件からの無言電話の真相、そしてロクヨンとの繋がり。よく考えられて練られてる重厚な小説だった。初めて見る熟語が頻繁に出てきて苦労したが、調べながら読むと良い勉強にもなる。
Posted by ブクログ
読み疲れた。
下巻の途中からは、ずっとクライマックス
マスコミとの攻防、部署間の軋轢、男たちの心理戦
楽に読ませる文章がまったくなく、ずっと歯を食いしばって読んでいる感じ。
スリルよりも責任の重さを体感する小説と感じた。
肩が凝りました
Posted by ブクログ
昭和と平成のちょうど間という時代背景がバチっと合いました。被害者、刑事、犯人、三者三様の時代の移り変わりを見事に表現しています。
平成から令和に移り変わった今この時に著書を読むのはすごく良かったです。
ただ全体的に暗いです。登場人物の心情も暗いし、内容も暗い。読んでいてハッピーな気持ちになることは全くありません。そもそもハッピーな気持ちにさせる小説ではないのですが…
Posted by ブクログ
娘の失踪。
10年前に起きた少女誘拐の未解決事件。
自らの所属する県警における刑事部vs警務部の覇権争い。
県警と中央警察との覇権争い。
様々な要素が絡み合い、当事者の誰ひとり真実を話してはくれない中で、県警広報官の葛藤と奮闘が描かれる。
面白い。
特に後半、真実が見え始めてからの加速度的な盛り上がりは、かなり楽しめた。
しかし。
(父親である私としては)娘の失踪が全く片付いていないどころか、何のヒントすらないまま、手放しで「面白かったー!」とは思えないのも真実である。もちろん、わざとそういうエンディングにしたことは理解するものの、である。
三上が指揮車に乗込んだ後、松岡の含みのある言葉や態度から、私は『まさか、三上の娘が、この誘拐事件に、そしてロクヨンに巻き込まれているのか?そして、同じ刑事として松岡は、三上にそのことを隠して捜査をしていたのか?刑事部は、三上を敵ではなくむしろ仲間だと思っているから、三上と三上の家族のために、情報を隠していたのか!?』と予想して、ひとり身震いしたのだが、全然そんなことはなかったのであった。
Posted by ブクログ
緩急のついたストーリー展開、追跡シーンの高揚感・臨場感で先へ先へと読み進めてしまった。
登場人物が結構多いので、しばしばどんな人だったか読み返すことになってしまったが、多くの人物がストーリー上欠かせない役割を持っているので読み飛ばせない。
おなか一杯です。ご馳走様でした。
Posted by ブクログ
究極の警察小説という紹介文なのです
けれど、警察広報官という立場からの珍しい警察小説かと思います
主なストーリーは現実にあった誘拐事件を着想としています
事件そのものへの捜査以上に
刑事部警務部との軋轢
記者クラブとの対立
が濃厚に描かれています
周囲に警察関係者が居ませんので本当はどうなんだろうか?とは思いました
こんなに対立していたらなかなか職務を全うできませんよね
記者クラブとの交渉の場面等は映像を観ていたから読み取れるのかもしれません
無言電話の真実しかり
「64」をなぞるかのような新たな誘拐事件の展開
わかっていても緊迫感に息が詰まるような感覚でした
久しぶりの64満喫致しました
Posted by ブクログ
警察内のいざこざ、警察対マスコミについて描かれていた。上は64についても描かれていたが、下巻は8割くらいが警察内のいざこざとマスコミとのいざこざだったので、いい加減飽き飽きしていたところ、最後の事件が起きた!
マスコミとのいざこざは、マスコミについて共感するところもあるものの、建設的的ではない部分も多々あり、読んでいて苛々した。
警察内のいざこざも、赤間の特権階級意識に苛々。また刑事たちの傲慢さにも苛々。
ミス警察と呼ばれた美女と結婚した醜男の三上。そんな三上ににてしまい、醜形恐怖症になり家出をした娘のあゆみ。結局、居場所も安否もわからないが、妻の美那子が苦しみ抜いたうえで「あゆみは大丈夫。私たちじゃない誰かに助けてもらっている。私たちじゃだめなんだ」という考えに至ったことがすごい。家族じゃだめなことはある。いつかあゆみが自分の顔やそっくりな父と全然似てない美しい母を受け入れられる未来が来ればいいな。
Posted by ブクログ
刑事物ではあるけど、刑事から警務に異動した主人公視点で進んでいく。広報室から警察内部やマスコミと対峙する。過去と今、公と私のそれぞれで事件が起こり、丁寧にゆっくり書かれており、結末は予想外だった。ただ消化不良な部分もある。
お互いに取り繕うよりも、相手を信じて良い意味で任せるのも大事だと感じた。
Posted by ブクログ
多くの登場人物や、様々な事件・要素があったと思うけれど、どれも中途半端というか、あまり深掘りされないまま終わってしまった印象だった。
刑事部vs警務部の対立があるのはわかるけれど、三上の被害妄想じゃない? と思う部分も多く。そんなに邪推して生きてたら疲れそうだな、と。当たらずとも遠からずな部分はあるんだろうけど、警察ってそんなに身内の権力闘争ばかりやってられるほど暇なのか?
陰謀論は呑み込みやすいけれど、実際は陰謀や策略以外の偶発的な事情やタイミングも大きかったりするし。
三上が広報官として覚醒するあたりから読みやすくなるけれど、誘拐事件をリアルタイムでマスコミに情報を流すことは本当に必要なのかと思ってしまった。未成年、狂言の可能性、他の重大事件との関わり。それらが不確定なのに逐一マスコミに情報を与えることに意義があるのだろうか。少し古い時代の話なので、今のネット社会の視点で見ることは適切ではないと思うし、警察にも監視装置が必要だとは思う。でも、今の時代、報道は一生消せないデジタルタトゥーになるし、一瞬で人を社会的な死に追いやる事ができる。
何でもかんでもオープンにしてあとはマスコミの矜持にかけるのも、もう通用しないよなあと思った。
ロクヨンの犯人も娘の行方も、三上と奥さんの関係も、隠蔽の落とし前も、権力闘争の行方も、特に解決しないというか、もうちょっとオチをつけてもいい気がした。
登場人物もたくさん出てくる割に、みんなキャラが薄い。赤間いいキャラだったのに。二渡の思わせぶりは何だったの。広報の部下たちもいまいちキャラが薄い。当時の自宅班や雨宮、地元記者たちも。
基本的に三上の妄想で他人の心情が語られるから答え合わせがないというか。で、結局何だったの? というまま終わってしまった。
あと時代のせいか、謎に美雲に厳しくてイラっとする。警察広報という仕事について、もう少し別の角度から見たかったかなあ。
Posted by ブクログ
ふう、おもしろかった。最後の最後まで怒濤の展開で、まさかの"ロクヨン"の犯人がここにきて分かるとは思いもしませんでした。遺族側の執念がまさか、ここまでとは。三上が飲酒運転の被害者の内情を知り、日吉に語りかけ、広報官であることを自覚していく過程は胸にきました。日吉と落合という、上に翻弄され、異なる不幸を背負った二人には同情します。家出のオチも陳腐ではなく、その先を感じられるもので好き。積読本が減ったら横山さんの本をチェックしてみます。
Posted by ブクログ
無言電話の犯人が雨宮という事実はインパクトがありで面白いと感じた。終盤の妻との会話で、娘の失踪を受け入れて、自分なりに消化し、乗り越えていこうとする様子に感動した。そこから犯人の逮捕や娘の問題の解決、日吉の今後など、やっとこれから面白くなってきたぜ!というところで終わってしまった。気になる。
「たまたまが一生になることもある」
自分が今いる場所で、何事にも全力で取り組みたい。
嫌いなことや苦手なことが、もしかしたら一生物かもしれないから。
Posted by ブクログ
上下巻の感想です。
推理小説としてのストーリーはとても良くできてると思いましたが、やや中弛み感がありました。
あと、私には難しい言葉や表現が多く、ちょっと読みづらさもありました。
Posted by ブクログ
警察小説として広報官という視点でここまでの熱量に持っていける凄さ。各キャラクターが成長し、頼もしくなっていくのにも胸が高鳴った。
過去と現在の事件がどう繋がっていくのか、実は上巻から丁寧にお膳立てが成されていることからこそ途方もない真相にも驚愕する。
マイナス点は、起こる事件の解決よりも会見を捌くというミッションが厄介過ぎて読み進めるのがしんどかったのと、完全に決着のつかない項目がちょっと多かったかなと。
この著者の作品はどれもおもしろく読んでいて、「64」はかなり期待していたのですが、主人公の三上が私とは相性がなかったようで、思っていたほど引き込まれずに終わりました。
松岡率いる後半の話の展開が急ピッチでスリリングなのがせめてよかったです。