あらすじ
警察職員二十六万人、それぞれに持ち場がある。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。D県警は最大の危機に瀕する。警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。
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Posted by ブクログ
読みごたえがあった。読みづらさは無く、夢中で読み進めてしまった。
警察組織内の対立構造、警務部対刑事部、キャリア対ノンキャリ、中央対地方、そして警察広報対事件報道。そんな対立構造に焦れる広報官三上。
いや〜、そこに上手く64を絡めて楽しく読めた。
しかもついに刑事部が暴発?と思わせてからの誘拐事件。本当に事件はあるの?と思わされたり、刑事部に同情しそうになったり。
そして雨宮さんの執念…
無言電話は何かあるとはおもったが、まさかそう来るとは…。
ミステリー小説として読みたい人には、警察組織部分は無駄に長いとか思ったりするのかな。
自分は主軸が64と新たな誘拐、警察組織、2本あっても楽しく読めたな。d県警シリーズを順に読み進めたからか、単にそんな組織を扱う作品も好きだからか。
64について、長官視察について、県警内の対立について、マスコミについて、それぞれの家族について、その他にもいっぱい種まきがなされた上巻。それをしっかりと育てて収穫した下巻。
上下巻たっぷり楽しみました、
Posted by ブクログ
2015年(発出2012年) 429ページ
昭和64年の1週間という短い間に起きた未解決事件ー64ロクヨン。雨宮翔子ちゃんを誘拐、殺害した犯人は一体誰なのか? 時効まで1年間。そして、14年前の64ロクヨンを模倣した女子高生誘拐事件が発生。いよいよ核心に迫る下巻です。
物語冒頭から重苦しい展開のお話でした。上巻は、広報官として組織の板挟みとなる三上の苦労、心の葛藤がこれでもかと描かれています。そして家庭では、一人娘のあゆみが家出して行方不明に。あゆみは醜形恐怖症となり父親似の顔を憎んでいる。そして美人の母親・美那子をも憎み、引きこもりとなっていたが、父親とぶつかったことをきっかけに家を飛び出してしまうのです。
前半ではどっちつかずという感じの三上にモヤモヤしますが、後半では三上がどこか吹っ切れます。そして怒涛のスピード展開へ。
行方不明のあゆみが何らかの形で事件に関わってくるのかと思っていたのですが、結局あゆみは行方不明のまま。ここらへんもモヤモヤ感は残りますが、リアリティが感じられる迫力ある警察小説でした。
Posted by ブクログ
読み終えた感はあるがすっきり感は無い。
結局事件は被害者家族の執念が無ければ棚上げのママだし、
娘は生きているかどうかも不明のママだし・・
それでも★5個
Posted by ブクログ
Audibleにて
胸が熱くなる場面がいくつもあった。
つくづく、自分は横山秀夫さんの文体が好きなんだと思う。
表現が本当にかっこいい。
記者クラブとのやりとりの場面は、きっと自身の体験に基づく部分も多いのでしょうね!
素晴らしい作品をありがとうございます。
Audibleのナレーターの方も素晴らしかった!
Posted by ブクログ
話の長さと登場人物の多さ、警察とマスコミのドロドロの関係の描写が重くて、前半は挫折しかけたが、終盤は怒涛の展開。
上巻から繋がってこれだけの長い話が、最後の数十ページですごい転がり方をした。
色々な父と娘が出てくる。
娘を思う父親の気持ちに泣いた。
Posted by ブクログ
警察小説として広報官という視点でここまでの熱量に持っていける凄さ。各キャラクターが成長し、頼もしくなっていくのにも胸が高鳴った。
過去と現在の事件がどう繋がっていくのか、実は上巻から丁寧にお膳立てが成されていることからこそ途方もない真相にも驚愕する。
マイナス点は、起こる事件の解決よりも会見を捌くというミッションが厄介過ぎて読み進めるのがしんどかったのと、完全に決着のつかない項目がちょっと多かったかなと。
Posted by ブクログ
2013年(第10回)。2位。
ブンヤとのやりとりは閉口するのだが。まさかの展開。あー伏線あったなぁ。執念だなぁ。
読むの大変だったのだが、そういうわけで星3つ。